不倫日記

不倫日記

2008.04.30
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ホラーです。
主人公は「スズラン」と同じでせう。
恋愛小説とホラーが同じなんて・・・
どっちも自分だから仕方がない。

離婚する前の別居する直前の出来事です。
ラスト以外はほぼ実話。
それも実話だったら犯罪なので。

すでに最後まで完成しているので途中で止まることはありません。(笑)

「パパ」


 3さいです。
 パパとママとバーバとみどりといっしょにすんでいます。みどりはおばさんなんだけど、おばさんっていうとおこります。ママのいもうとです。
 たんじょうびというものがあって、そのひはいつもおいしいものがたべられて、おもちゃをみんなくれます。3がつになったらすぐにたんじょうびがきます。
 みんなもうすぐだよっておしえてくれます。
 もうすぐケーキがたべられる。
 ママがなんだかたのしそうなので、ぼくもうれしい。
 パパのことはすごくすきなんだけど、いまはあんまり、おうちにいません。
 ママはパパのはなしをするととてもかなしがります。
 ときどきパパとでんわでおこります。そのときはぼくも、「パパのばーか」といいます。
 いわないとママがかわいそうなので。
 まえのたんじょうびはパパがいてくれました。

 かわりにこのまえから、かつきがあしをけがしたあのひから、ときどきあのひとがやってきて、ごはんをたべます。ママはとてもたのしそうに、あのひととしゃべります。あのひとはぼくにもしゃべりかけます。
 ぼくのことをすきだといいます。
 ふーん。
 よくわからないけど、すきなんだ。
 ぼくはパパもすき。

 バーバもすき。
 アンパンマンもすき。
 ケーキもすき。
 すきってどういうこと……?
 たべたいってことかな。
 あそびたいってことかな。
 ネコはこわい。ひっかくから。
 きょうはひさしぶりにパパをみた。
 ぼくはねてるところをおこされて、ママにしがみついていたよ。パパはとおくにいってたらしく。おもちゃをいっぱいかってきてくれました。ママのてがつめたくてちょっといやでした。
 バーバとみどりは1かいにすんでいます。パパとママとぼくは2かいにすんでいます。
 きょうはバーバとみどりはりょこうにいっているよ。
 りょこうって、とおくにいっておいしいものをたべることだって。いいな。ぼくもおいしいものたべたい。でもとおくにいくのはいやだな。なんかこわい。かえってこれないみたいで。
 それにいまは、ゆきがふってるんだもん。さむいよ。
 パパがしばらくいなくて、きょう、きゅうにかえってきた。ママはおどろいてたような、わかってたようなへんなかおしていたよ。(しゅっちょう)ていうのにいってたんだって。
 しばらくママとパパは1かいにいて、ぼくはひとりで2かいであそんでいました。
 パパがいなくなるまえは、おやすみのひはママが1かいでごはんをつくって、パパとぼくは2かいで、あそんだりしていた。
 パパがかえってきて、ぼくはとてもうれしいです。もうよるだ。おそとがくらい。
 こたつがあたたかいからぼくはこたつにもぐっています。ママはおこるけど、パパはやさしいからおこらない。
 こたつのなかはたのしい。あかくて、あたたかくて、においもすき。
 パパがトイレからかえってきた。
 1かいからはテレビのおとがきこえる。
 ママはいつもテレビつけっぱなしだ。ぼくがテレビみないで、ちがうことしてあそんでいたらおこるくせに。
 パパがこたつにはいってきた、「えい!」パパのあしにパンチ!
「かつき!」
 パパがぼくのなまえをよんで、ぼくはひきずりだされた。
 でもそのてはやさしくて、やっぱりパパだった。
 パパはあおむけになってこたつにはいって、ぼくはそのおなかのうえにのったよ。
 パパがあそんでくれるじかんだ。いつもそうだった。ごはんができるまで。
 ぼくはパパにおはなしをしてほしかった。もう、えほんはママがしてくれるから、ちがうおはなしがいいな。
「パパ、おはなしして」
「いきなりか。そうやな、しばらく遊んでやれんかったからな」
 パパのことばは、ママやぼくやバーバとはなんかちがう。テレビとかでおもしろいひとがしゃべっていることばだ。パパもおもしろいひとのなかまなんだとおもってた。
「お話やったらなんでもええんか?」
「うん」
「何から話そうかな。でもかつきには難しいややろな」
「いいよ、パパ、むずかしくても」
 ぼくはパパがおしゃべりしてくれるだけでうれしい。こうしてパパのおなかのうえにのっているだけでうれしいんだ。
「パパしばらくおらんで、ごめんな」
「さみしかったよ、パパ」
 パパはぼくにあやまった。
「東京、ってところに仕事で行ってたんや」
「おしごと?」
「そう、お仕事。それも終わったから帰ってきたんや」
「じゃあ、ずーっといっしょにいるんだね」
「おう、ずーっと一緒におるよ」
 ぼくはうれしかった。パパがずーっといっしょにいてくれてあそんでくれる、
「ねえ、パパ、いろんなおはなしして」
「絵本読んで欲しいんか?」
「えほんは、いいよ」
「どんな話? 面白い話? 悲しい話? 怖いはなし?」
「こわいはなしがいい」
 おはなしはなんでもよかったけど、ぼくはパパにこわいはなし、してっていった。ママやバーバはこわいはなししてくれないもん。
「怖い話か… さすが俺の息子やなぁ。変わってるわ。よっしゃ怖い話したろう。けど、子供やからあんまり意味わからんかもしれんなぁ」
「いいよ、パパ、わからなくても」
 パパといっしょにいるだけでいいんだ。ママもいっしょにいればいいのに。
「かつきほんまは怖がりなくせに、よう怖い話とか好きやな。俺も、怖がるかつきを無理矢理、お化け屋敷とか連れていったり、わざと怖いテレビ見せたりしてたけど、怖がりながらも好きなんやな。俺の子供の頃にそっくりや。今でもパパは怖がりやけどな。そうややな、パパの子供の頃の話してやろ。かつきは今、どこに住んでるか知ってる」
「うーん、わかんない」
 いえのことかな。
「富山県ってゆうんや」
「とやま…け…ん」
「そう。ほんでパパの生まれたのは大阪府」
「お・お・さ・か」
「そう、大阪のな、西成ってとこやねん。けど、実際はその西成ってとこに住んでたのは小学校行くまでやから、六年くらいかなぁ。ところどころの強烈な印象しか覚えてへんからな。パパは昭和四十五年生まれや、万博の子ってよく言われたな。その頃の大阪人にとっては万博の年っちゅうもんが、生活に強烈な印象を与えてたみたいや」





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Last updated  2008.04.30 10:52:39
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