しろねこの足跡

しろねこの足跡

苦痛


何をするにもイナカモノと揶揄され、イナカクサイとあつかわれました。

こんなとき、ある種のオトナは決まってこう言います。
「いいかえしてやれ」「やりかえしてやれ」

おじょうさんは思います。それができたらどんなに世の中のいじめやいやがらせが減るか・・・

また、こんなことを言うオトナもいます。
「そんなこという子のことはかまうんじゃない。」
「ほっておきなさい」

おじょうさんは思います。それをできて学校生活がうまくいくならどんなにいいことか・・・

そして、おじょうさんの担任の先生はお母さんはこういいました。
「先にいるものの勝ちですからねぇ」
お母さんは、その言葉をそのままおじょうさんに伝えました。

おじょうさんは絶望的な気持ちになりました。
だって、順番といわれたのです。また、いつともわからないイナカからの転校生がくるまでお嬢さんの苦痛はずっと続くことが決定したのです。

おじょうさんは全身でわめきたい気持ちをどうしていいかわからなくなっていました。

おじょうさんはココロの苦痛をカラダの痛みにすりかえることを思いつきました。
気がついたら、おじょうさんはどめどもなく、つややかに腰まで伸びた黒髪を引き抜いていたのです。


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