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◆Aria D-100 ギターオーナー様は、MI様です。 随分前に入手されたそうですが、そのまま手を付けないで保管されてました。 ブリッジの剥離とセッティングのご依頼を頂きました◆画像から確認して行きます●余計な装飾を省いて音質を良くする事に特化したモデルです●チューニングしようと思いましたが、1Eのペグの回転部分に錆が浮いてましたので 外してグリースアップをしてからにします●オールソリッドモデルです●ブリッジが剥離してます●ネックのサイドバインディンが剥離してます●簡易的にノックテストしましたら、バック3番の左のブレーシングが剥離してました◆画像の通り、ブレーシングの際に埃がこびり付けてます。 この状態でスクレーパーを差し込むと、埃を接着面に押し込む事になりますので、 クリーニングしてから正式にチェックします●同じく3番の右も剥離してました◆リペア開始して行きます●ボタンが外れましたので、バラシてクリーニングしてからグリースアップします◆ボディ内をクリーニングしてブレーシングのチェックをします①バック1番の右も剥離してました②バック2番の右も剥離してます③バック3番の右も剥離してます④バック4番の右も剥離してます⑤バック1番の左も剥離してます⑥⑦バック6&7番の右も剥離してます⑧バック4番の右も剥離してます◆バック側のブレーシングは全て剥離してました 時間の割り振りを考えロスタイム【接着固定の待ち時間】が少なくなるよう接着固定して行きます①バック1番の右を接着固定します②バック1番の左を接着固定します③バック2番の右を接着固定します④バック2番の左を接着固定します⑤バック3番の右を接着固定します⑥バック3番の左を接着固定します●サウンドホールにクランプを掛けられるスペースが有る事は判ってますので ブリッジも接着固定します ⑦バック4番の右を接着固定します⑧バック4番の左を接着固定します これでバック側のブレーシングの接着固定は済みました●ナットの下にロッドの調整口が有ります 🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2025年02月15日
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◆YAMAHA AEX-500 ギターオーナー様は、LogCafe & 薪ストーブショップ・フローレスタのオーナー様です。 【京都府福知山市大江町仏性寺1156】 フローレスタ様は、K2がジャズに目覚めていた学生時代に神として崇めていました コントラバス奏者のロン・カーター氏が来店される凄いお店です レコードを買うときは、コントラバス/ロン・カーター ドラムス/エディ・ゴメス ピアノ/ビル・エバンス で選ぶ事が多かったです◆画像から確認します●輸送送中のトラブルも無く無事到着しておりますのでご安心下さい●右がボリュームで左がピックアップブレンダーです●ミニハムバッキングとアンダーサドルピエゾの組合せです●久しぶりにフラットワウンド弦を触りましたが、指先にストレスを感じませんので 弾き易さは抜群と思います。 ◆現状のままでは音がとても硬く、甘いジャズトーンに近づくよう少し改良を加えて欲しいとの ご依頼です。 ボディサイドにエレアコのトーンコントローラーは有るのですが、音出しテストしますと 反応が今一と言う印象を受けました。 試奏して直感した改善方法は、ナットをハカランダで削り出す事と、アンダーサドルピエゾで 有ればサドルの交換が出来ますので、エボニーに交換すればご要望にお答え出来るのでは無いかと 言う事です。 ◆リペア開始して行きます●現状の音を耳に叩き込むために切れた1弦を張って試奏します ギターの剛性と弦のバランスを考えますと、012〜のライトゲージでは荷が重すぎる様に感じます 011~のカスタムライトの方がピッタリと感じました。 メイプルネックで弦を緩めずに使いたいとのご希望とも合致すると思います。 ●エレアコ特有のイコライザーは有りますが、LOWを12+にしてもトーンポット程効きません ●過去の実績からハカランダ【ブラジリアンローズウッド】のナットに交換します●プラスチックのサドルは論外です●ナットに使うハカランダは柾目を使います●音出しを優先するため、時間の掛かる全体の仕上げは後回しにしてセットします 耳に叩き込んだオリジナルの音から、ジャズギター系のメローな音質変わった事は間違い有りません●サドルを外して確認しますと、底面にプラスチック製の証の穴が有りませんが 指で挟むと曲がりますので、樹脂か牛骨の粉末を樹脂で固めた素材と思われます 重量感も有りませんので、エボニーと水牛骨のオイル漬けに交換します●数年前から入手が出来なくなった、真っ黒のエボニーを使います●このエボニーは削り粉も真っ黒です●エボニーのサドルを削り出します●水牛骨オイル漬けのサドルも削り出しておきます●先にエボニーをセットして試奏しますと、良く言うとメロー過ぎる様に感じますが、 ナットが粗削りのままの影響かも知れません ●音出しの際にイコライザーはこの設定でテストしてます◆ブリッジのサドルホルダーの目的は、アンダーサドルピエゾピックアップに正しく接地する 為の、ガイドの役割で取付けられてますので、ホルダーを外した状態でサドルを作りますと 接地圧力が安定しなくなり出音のバランスが崩れる可能性が有りますので外さない様にします●ハカランダで削り出したナットを仕上げます●水牛骨のオイル漬けのサドルに交換して音出しテストをします。 明るい音質になりエボニーとは違った味わいになりますが、良し悪しでは無く、 どちらが目的に合った音質で有るかの比較です。 現状ではトーンコントロールを新設してませんので、確実な評価は下せません●トーン用のポットを仮接続して効き具合を確認します。 マスタートーンとして機能する事を確認しました。 赤のクリップがボリュームポット・フロント&リアのHOT側に接続しますので 両方のピックアップのトーンコントロールが可能です。緑はコールド線です。●ボディに穴を開けたく無い事と、頻繁に調整しない事を前提に、取付場所と取付方法を検討した結果 Fフォールの画像の位置に接着する以外に有りませんでした。 ポットの下に6mmのメイプル板をタイトボンドで貼り付けて、その上に強力両面テープで固定する 工法を取ります。 トーンノブはトップ材よりも下の位置に有りますので、ボディから出っ張る事は有りません●まだ接続固定はしてませんのでご安心下さい。 Bournsのミニサイズのポットを使います。BournsはCTS等に比べると軽く回ります。 コントロール方法は、指先を軽く押し付けて回せば簡単に回ります。 逆側のFフォールですと配線コードが長くなり、中間で配線を固定出来ませんので ボリュームポット側になります。🌻2ピックアップ//1ボリューム//1トーン の配線になりますので、ピックアップブレンダーが どこの位置でもトーンは効きますのでご安心下さい。 この取付方法と取付位置で宜しいでしょうか? ⇩ 通常の取付方法に変更致します。 ご存知と思いますが、ノブにはインチサイズとミリサイズが有ります。 Bournsのシャフトはインチサイズになります。 取り付けられているヤマハのシャフトの規格を確認しておきます。🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2025年02月15日
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◆Boss Axe SHIINO ORIGINAL SERIES ギターオーナー様は、MI様です。 Boss Axeと言えば、個人所有してます【オールローズ・テレキャス】と同じで、 他のギターを見たのは初めてです 椎野氏はESPの立上げから、数々の音楽関係の企画をされた方で有ると承知してます◆画像から確認して行きます●シンプルなデザインと、ボディサイズが大きい印象を受けました●全ての金属パーツのクリーニングのオーダーですが、ゴールドメッキは磨くと簡単に シルバーに変身しますので注意が必要です●フレットエッジのバリが長年の乾燥の影響で凄い事になってます◆リペア開始して行きます●ピックアップの高さ調整用のスポンジの弾力性が完全に無くなってますので 交換する必要が有ります●フロント&リア共に約8mmの高さで固まってましたので、 新品の時は10mm厚だったと思われます🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2025年02月15日
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◆今回のリペアのご依頼は、フェンダー・テレキャスターのネック&弦高調整です◆ギターオーナー様は、先日エピフォンをリペアさせて頂いた、HN/ビックブリッジ様です ブリッジのイモネジを目一杯下げても弦高が高いので弾き難い!ので弾き易くして欲しい とのご依頼です。◆ご存じの通り、フェンダーのトラストロッドはネックを外さないと出来ないため、ネックを 外す前に、チューニングした状態と弦を緩めた状態のネックがどのくらい動くのか測定して おく事と、経験上・まぁ~こんなもんだろう!が大切です。 決していい加減にやってる訳では有りませんのでご安心下さい。何れにしてもネックの脱着は 1回で済まさないとネジ穴に宜しく有りませんので、シビアにセットして行きます。◆画像から確認して行きます●Mrテレキャスと言うと、K2はロイ・ブキャナン氏を思い出すのですがご存じですか?●安全のため弦は必ず短くカットして下さい◆リペア開始して行きます●ブリッジのイモネジは目一杯下げて有りますが、確かに弦高が高く感じられます◆フィンガーボードの反りなのか、フレットが不揃いなのかチェックして行きます●ネックゲージはエレキネック用は工房オリジナルを製作してませんので、スチェマ製を 使います。 フレットボード自体が順ゾリ方向に、0.2mm動いてる事が確認出来ました●6E/12Fの弦高を測定しますと、2.25mm強ですので、弾き難いぃ~って程では有りません では、何故実際の弦高よりも弾き難く感じるかは、次の比較画像で判ります。●7フレットの高さは、2.25mm弱です●5フレットの高さも、2.25mmです つまり、5~12フレットが殆ど同じ高さって訳です。これでは弾き難いく感じるのは 無理も有りません。 大きな紙に原寸大で指板の線を引いて、12フレット2.25mm~1フレット0.5mmの 高さで直線を引くと、5・7フレットの高さは何mmになりますか?◆ネックを外してロッド調整して行きます●締め方向に少しずつ締めて行き、ストレートになるポジションを探します。 フレットはストレートになりました●フィンガーボードの隙間も無くなりました●完全にストレートが出ている、幅6mmのゲージでフレットのR全体に隙間が無いか 入念にチェックして行きます。 もしここで一部分に隙間が有りますと、捻じれが有る事になりますが、ご安心下さい 大丈夫です!◆この状態でネックを取付けますと、翌日以降に再度ネックを外す事になりますので 数日間はこのままネックが動かないかチェックを繰返します。◆~1週間経過しました。 ハンガーからネックを下ろしてネックの状態を確認しましたら、全く問題が有りませんので ネックをクランプで仮止めして、1E/6E/の予定弦高を測定して見ます。●6E/12Fが2mmですが、フルテンション掛かりますと、+0.25ですから予定通りです●7フレットも予定通りです●5フレットも予定通りです●1E/12Fも予定通りです。◆ネックをセットして弦を張り戻してチューニングします◆弦高をチェックして行きます●6E/12F 2.25mm弱です●6E/7F は1.5mm弱です●1E/12Fは、1.5mmです●1E/5Fは、1.0mmです。 ・・・完璧に近くなってると思います。◆セッティングの完了です。 ●正しくセッティングされているギターは本当に弾き易くなります
2018年02月11日
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◆YAMAHA FG-360 グリーンラベル セッティングです ギターオーナー様はJ様です 40年程前に新品で購入されて、久しぶりに弾いたところ弦高が高く【何とかならないかな?】 とネットで検索し、弊社のブログを見てご依頼を頂きました。 ヤマハのカラーラベルシリーズのリペアは多数手掛けてまので、リペア工法が確立してますので 安心してお任せ頂きたいと思います◆画像から確認して行きます●ビンテージギターの風景をご説明するために、画像の左下を軽くワックス掛けして 風格を実感して頂きました。違いに驚かれて更にFG-360への愛着が深まったと思います ●ギターの顔でも有る、ヘッドストックを磨くと更に良い景色になります●この色でグリーンラベルと呼ぶのか、未だに納得が行って無いのは私だけでしょうか?●サドルは既に削られてますが、弦高を下げる事に支障は有りません●工房所有のFG-360はクリアが全く残って無いので、サテン仕上げと思ってたのですが J様のFG-360はクリアの痕跡が残ってますので、経年変化でクリアが落ちてサテン仕上げに 変化する様です◆リペア前のコンディションを確認しておきます●6E/12Fが3.30mmではご機嫌に弾ける高さで有りません ●1E/12Fは2.75mm有りますので同じです◆リペア開始して行きます●予定の弦高にするために逆算すると、サドル溝を1.0mm掘り下げる必要が有りますので 工房で作った治具で掘り下げておきます●ブリッジを観察しますと、既にトップだけ削られた形跡が有りますが、 計算通りにサンディングします●ブリッジの高さが予定通りになっているか確認します 予定通りでOKです●溝の深さも予定通り4.0mmを確保して有ります ピンホールとストリングガイドを整えましたので、ボディ内の埃と共に吸い出します●埃は湿気を呼び込みますのでギターの大敵です、弾き終わりましたら、毎回弦を緩めて ハードケースに保管して下さい●すっかり綺麗になりました◆ロッドを限界まで締めて有るとの事でしたので、一旦、完全フリーにしてロッドが効いていない ネックの状態を確認するために、1日放置して様子を見ます●ロッドフリーの状態で弦を張り戻しセッティングして行きます ●サドル溝を掘り下げた事で6E/12Fは、正解標準の2.50mmまで下がりましたが ネックを握りますと高く感じます●1E/12Fは2.25mmで高いです●サドルを調整する前にフレットボードのRを確認しておきます●予定の弦高になる様にフレットボードと同じ、350Rにサドルを調整してセットします●フレットボードも弦を張った時点で限りなくストレートに調整しました●予定通り6E/12Fは2.25mmです●同じく1E/12Fは1.75mmです◆全てのポジションでバズリが無いか確認して行きます●いきなり6Eの解放がバズリました●原因は簡単でナットの弦溝が全体的に深く、特に6Eが低い事と、他の弦に比べて太いために 軽くピッキングしても弦の上下動でバズリが出ます 画像でも6Eと5Aのクリアランスが違う事が判ると思います◆解決方法のご相談です ①消耗品でも有りますナットを水牛骨のオイル漬けに交換する ②6Eの1フレットを基準にフレットを擦り合わせて行く この工法は同じく消耗品でも有るフレットを削る事になります フレットを削る時は、他に選択肢が無い事、削る事が最も合理的で有る事が前提条件です 今回は全てに該当しません ③解放弦がバズらない様にロッドを緩めて全体的に弦高を上げる ↓ 弦高が6E/12Fで2.50mmくらいに必然的に上がり、それに合わせてサドルを下げても 順ゾリが出ますので、6E/12Fを2.25mmに調整しても、順ゾリの関係で弾き難く感じます 毎日、ご機嫌に弾くためにはナットの交換がベストと思います お見積もりには入ってませんので、了解を頂きたいと思います◆セッティングを中断してボディにバフを掛けて行きます●細目のコンパウンドから超鏡面仕上げて磨きますと、ビンテージギターの素晴らしい 味わいが出て来ます●ブリッジの微調整は有りませんので、特殊なオイルを塗って磨いて仕上げました●フレットボードにオイルを塗り込みました フレットの磨きは済んでません●バックのステッカーの剥がし跡は、ステッカーを剥がす時に表面のクリアーも一緒に 剥がれた様で、周囲と同じ艶には成りませんでした 工房のFG360はバック&サイドのクリアがすっかり落ちて、サテン仕上げの様になってますので 元々、表面のクリアは極薄で吹かれているのかも知れません◆ナットを交換する了解を頂きましたので交換して行きます●ナットにオーバーラッカーで吹かれてますので、ナットとヘッドストックの境目を 切り離しておきます●ドライヤーで温めて、更に○○しますと綺麗に外す事が出来ます ○○は工房秘で非公開です●交換するオイル漬けのナットで色合いがピッタリの3年物を使います●左がオリジナルナットで右がネックに合わせて削り出したナットです●グリーンラベルのナットは幅広の45.0mmで、オリジナル・ナットは45.0mmよりも短く 製作されてますが、弾き心地に違和感が有りませんので、オリジナルと同じ位置に 弦溝を切って有ります。 画像のナットは仕上げ前で、6E&1Eの外側が広く感じますが、オリジナルと同じ位置に各弦が 来てますので、弾き心地に変化は有りませんのでご安心下さい ●ナットが隙間無くピッタリ収まっている事を確認しました●お使いになるコンパウンド弦に合わせて弦溝を切って有りますので、巻弦が溝に収まってません 弦を交換してから仕上げをします ●弦を交換するタイミングでヘッドにワックスを掛けます 音叉マークもろとも消し去ってしまう、可能性が有りますので手掛け仕上げです●ヘッドストックはギターの顔ですから、ピカピカになりますと印象が変わります●ネック裏も超鏡面仕上げして有ります●ご用意頂いたコンパウンド弦を張って、1フレットのクリアランスを調整しました●弦高を確認しますと、6E/12Fで2.30mmでOKです●1E/12Fは、1.80mmでOKです●ナットはマイクロファインで磨いて艶を出して有ります●ネックの仕上がりです●リペアは完了しましたが、ロッドの調整をしましたので、ロッド調整でネックが安定したと 確認出来るまで、数日のインターバルが必要ですから完了のご連絡まで数日お待ちください ➡ネックが安定している事を確認出来ましたのでリペアの完了です🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2023年05月20日
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◆YAMAHA FG400W 黒ラベル、ギターオーナー様は、SAWA様です ブリッジの真下のブレーシングが剥がれて、チューニングすると減の圧力で 沈むため、リペアのご依頼を頂きました 2011年にブリッジの接着をさせて頂いたリペア履歴が有るギターです◆画像から確認して行きます●2011年当時は黒ラベルにこの様な仕様が有る事を知りませんでした●当時を知るIta様の話では、ヤマハがハミングバード・タイプを発売したと言う事で 話題にはなったそうですが、ヤマハファンからの評判は必ずしも好意的では無く この事から残っている個体が少ないのかも知れません【K2の個人的な印象です】●バルタンヘッドです●ヤマハでは珍しいデザインのポジションマークです●Xブレーシングを更に補強するブレーシングが剥がれてました Xブレーシングの交差ポイントと同じく、麻?を張って補強されてましたので 麻を取除いてからの接着します 麻を取除くのには想定以上の時間が掛かりました●一晩放置してからレギュラーチューニングをしても、ブリッジとピックガードの間の変形は 収まりました●軽くオッぺしても大丈夫です●ブリッジのストリングガイドのパテ盛跡を軽くサンディングしてから、ローズカラーのステインで 着色後に、オイルを塗って仕上げて有ります ●全体をチェックしましたが、他にトラブルは認められませんでしたので リペアの完了です🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しておりま
2023年07月10日
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◆今回のリペアは、Morris W-70 トップクラック&セッティングです。 縦ロゴのMシリーズで2桁の品番は、名機と呼ぶに相応しい個体の多いギターです。 K2が入手したギターです◆画像をご覧ください●既にリペアを開始してます●TF MORRIS W70 名機と呼べる鳴りをしてます●3Pバックは個人的に好きですね、サイドバックはブラジリアンローズウッドの合板です●ソリッドギターの宿命のトップのクラックが計4カ所有ります。 数多くのトップクラックをリペアさせて頂きましたが、クラックに合ったリペアを施しますと 音質に影響が出た事は有りませんでした。◆リペア開始して行きます●ブリッジ下のクラックは、隙間が僅かに広いのでニカワを流し込んでから、 播金で締めて貼り合わせます●軽く締め込んで行きますと、ニカワが【むにゅ~】と出て来ますので締め過ぎず緩過ぎず、 のトルクを掛けて固定を待ちます。 仕上げにクラックの両先端と中2か所の計4カ所にパッチを張り、これ以上クラックが進行 しない様にします。●サウンドホール下のクラックは、真下にXブレーシングが入ってますので、クランプ掛けても クラックが寄って来ませんので、内部にパッチを張って補強します。◆この画像は不具合箇所では有りません●個人的にブリッジの黒塗装を好みませんので、塗装を剥がして綺麗な木目を出しておきます●ブリッジの仕上がりです、最も相性の良いサドルを水牛ボーンのオイル漬けに交換します◆試奏前に軽く音出ししましたら、フレットの消耗でビビリが出るポジションが有ります●フレット打換えと、クラウンを整えればOKのボーダーラインですが、取敢えず整えて 試奏して見ます。●フレットクラウンを整形するだけでビビリは解消しました◆トップクラック3か所のリペアが完了しました●内部からエゾ松で補強をしてトップ側からニカワを流し込んで有ります●補強が必要な箇所にピンポイントで補強を入れてトップ側からはニカワを流し込んで有ります●補強が必要な箇所にピンポイントで補強を入れてトップ側からはニカワを流し込んで有ります◆セッティングも完了しました●6E/12は2.1mmです◆リペア完了です●クラック以外は特別な問題を抱えていないギターです。弾き込まれている事はフレットで 直ぐに判ります。前オーナー様が手放された時のお気持ちが判る様な気がします。 【リペア料金が掛かり過ぎて、であれば新しいギターを買った方が良いかも?】 ⁂勝手な想像です 今回のリペアで有れば、k2ギターファクトリーギターでは税込で10,000円でお受けする リペアです、ブログ内でリペア料金を表示するのは初めてですが、 今回の様に【青春のギター】がリペア料金の関係で泣く泣く手放す前にご相談下さい。 ◆試奏タイム 多くを語る必要が無い、弾き込まれた素晴らしいギターです🌸とてもたいへんよくできました🌸
2019年08月04日
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◆PRS フレット打ち換えのご依頼を頂きました ギターオーナー様は、KIKI様です。 ◆画像から確認して行きます●打ち換える程と言うよりも、殆ど減ってませんが、打ち換える明確な理由が有ります●・・・氏のシグネチャーモデルで、ロッドカバーがヘッドと面一になってます ナット~ペグの間も演奏に使うので、演奏に支障が出ないための加工だそうです 誰って?忘れてしまいましたし、英語のサインも読めません。後日再確認しておきます●メイプルのフレットボードに、ワイド・ローのフレットが打ち込まれてます。 フレット交換の中でも最も注意しなければならない組合せです。◆打ち換えたい理由はこれです●24フレットタイプで、ワイド・ローフレットですと、16フレットから上を押さえますと 両方のフレットに指が完全に掛かってしまい、違和感が有り過ぎて弾きにくいとの 事です。慣れれば大丈夫と思えなくも無いですが、ストレスを感じながらの演奏は 楽しさが半減してしまします。 △画像はK2の指先ですが,白魚とは言いませんが比較的細い指先でこれですから 長身のKIKI様ではストレスになるもの無理は有りません◆フレットのサンプルから念入りに打ち合わせさせてしまして、ミッド・ハイタイプに 打ち換えする事に決まりました。◆フレットを抜いて行きます●最初の1個は無理をしないで特に慎重に抜いて行きます 特別な事も無く普通に抜けました●メイプル+ワイドローは抜き難いのですが、素直に抜く事が出来ます ワイドローからの交換ですから、フレット幅が細く成りますので、フレットの際は クリアー塗装が必要になります●全フレットを抜きました●全てのレット溝をクリーニングして深さを確認します●フレットがスムースに収まる様に溝を整えます●全てのフレットを打ちました●ベベリングファイルでエッジを揃えて行きます●フレットエッジの仕上がりです。艶が出る様にオイルフュニッシュを掛けて有ります●既存のフレットから、0.2mmフレットクラウンの高さが上がりましたので セッティングをして行きます。 KIKI様の好みの弦高にセットしてビビらない様にするのは、神業の領域に入り ます。しかも09弦でチョーキングしてもビビらない様にする訳ですが、PRSは セッティングが決まるとネックが動かないので、根気良くセットして行きます●PRSでナットの切込みがズレてるなんて有り得ないと思ってましたら、ナットの 形状が違ってます。全オーナー様の手によって四角い形状を画像の形に変えた 時に、1E&2Bの溝をズレて入れ直した事が原因で有る事が決定的です。 PRSは指定の弦からアップしようとすると、弦溝に収まらない程工作精度が 高いのですが、ナットの仕入れ価格が過去に仕入れられた象牙と変わらないのが 難点です。◆セッティングして行きます●フレットクラウンが0.2mm高くなりましたので、全てのポジション【特にチョーキング】 で音詰まりが出ない様に調整して行きます。 サンドペーパーでフレットクラウンを調整しますので、全フレットをマスキングしてから 始めます●R175のフレットボードの調整は、チューキング~調整の繰り返しで、地味ですけど 手間の掛かる工程の繰り返しです。 フレットボードの頂点付近の3Gの位置の調整が完了すればOKです 最終的にフレットクラウンを整形して完了しました●ナットの仕上がりです。●鏡面仕上げのワックスを掛けてリペアは完了しました◆試奏タイムです フレット調整で地味な試奏を繰り返しましたので、オーナーのKIKI様に入念に 試奏して頂きました。 個人的な感想ですが、R175のフレットボードに打つフレットは、ワイドローでは無く フェンダー系のフレットにして頂きたいと心底思います。 ハイポジを押さえても違和感は完全に無く成り、チョーキングしてもOKを 頂きました。 🌸たいへんよくできました🌸
2020年03月07日
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◆YAMAHA L8 サイドバインディング接着固定のご依頼を頂きました ギターオーナー様は、工房のレアギターアドバイザーのYosi様です YAMAHA L8のリペアなんだけど・・・のご依頼に、L8てレア? どころか王道ですよね? レア専科と思ってましたが、王道ギターも所有しているそうです◆画像から確認して行きます●初期のモデルです このあたりがレアギターアドバイザーで、しっかり押さえてますね●バック1~3のブレーシングに手を入れたい衝動に駆られますが、試奏&了解無しでは出来ませんね●Lシリーズを初めて弾いた時の感動と驚きは忘れられません◆リペアを開始して行きます●バインディング材が縮んで剥がれるのは、マーチンで見られる現象です●縮んで剥がれた場合は、画像の様にネックヒールまで外して張り直します●2mm縮んでます バインディング材で隙間を埋めます●ネックのサイドバインディングも隙間が開いてますので、同様に継ぎ足します●タイトボンドⅢで接着固定して行きます●隙間も埋めて有ります●隙間のサイズに合わせます●逆側はボディの固定が完了してからです●このまま半日固定しておきます●クリアが切れた部分はタッチアップで補修します◆セッティングして行きます●Yosiさんはセッティングで悩んでたのですが、確認して行きますと工房で手を入れる必要が 余り無いほど完成してますが、セッティングの纏めをして行きます●5A/6Eの1フレットが高いです●1フレットの修正後です●6E/12Fは、2.25mmでOKです●1E/12Fは、1.75mmまで修正して有ります◆リペア箇所の確認です●ネックの両サイドのバインディング完成です●少し工夫をして有ります●音出しテストをしましたら、解放弦の音が変なのでナットの溝を修正しました 若しかしたら、解放弦のバズリ音をフレットに接触していたと勘違いされていたのかも知れません 溝を整えて解消してます●剥がれたバインディングリペア後です●リペアの完了です◆試奏タイムです レコードの音と同じ音が出ます・・・流石にLシリーズの初期モデルです 高校三年生の時にアコギ・デュオを組んでいた時の事を思い出してしまいました 相方がL10を買ってきたので、K2は音を合わせるのにどれだけ苦労したか・・・ 🌸青春時代を思い出してしまいました🌸
2021年11月23日
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◆今回のご依頼は、Applause By Ovation ミニサイズギターリペアです◆特に際立って宜しく無い所は無いのですが、全体的にくたびれてる感じなので、 リフレッシュして欲しいとの事です。●オベーションのシリーズにミニサイズが有ったとは知りませんでした●ペグの取付は完了してます◆事前チェックしたところ、エレアコの部分には問題が無いのでリペアは簡単に済みそうです◆ボディサイズと同様にヘッドも小さく、ペグも小型タイプがマウントされてるのですが 3Gのペグが壊れてまして、ペグは全交換して欲しいとの事です。 ・・・ミニサイズのペグのストックが切れてまして、入荷するまでリペアはストップです。◆リペア調整を開始して行きます●ネックはロッド調整のみで素直にストレートに戻ってくれました◆ストラップピンがとんでも無い所に移動してましたので、正しい位置に戻しますがこ位置では ネジの受けが有りません、もう少ネックの近くですとネック材で安定するのですが、それでは ストラップが収まりませんので、ボディ内部から受け板をあてます●受け用の山桜材です●レギュラーサイズとは違ってボディバックに点検口が有りません、サウンドホールがら指先が 届く様で届かない!指先では無理と判断して治具を作りました。 今後、手の届かないサイズのリペアにも活躍してくそうです。◆サドルが割れてましたので、オベーションと相性が良いと考えてるエボニーのサドルに交換 します◆ナットがプラスチック製ですから、ハカランダor水牛ボーンのオイル漬けで相性に良い 素材の物に交換します
2018年05月26日
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◆BASS COLLECTION SGC NANYO ベースオーナー様は、トッキー様です 青春時代に使っていたベースで、最近は全く出番も無く、このままですと完全に埋もれてしまうので フレットレスベースに改造してライブで使いたいとご依頼頂きました◆画像から確認して行きます●SGC NANYO は既に廃業されているそうですが、使われいる材とパーツからハイエンドクラスの モデルの様です●ブラスナットが使われてます ヘッドのサイズから1弦&4弦は逆巻きと思って回したのですが、逆になってませんでした●確認しますと、ペグを逆向きにセットする事で逆巻きを防いでました●フレットボードが青春してます 材は見立て通りにエボニーが使われてます●エボニーのフレットボードです 青春時代もエボニーはハイエンドベースに使われてました●バックにステッカーも青春してます ライブでバックは見えませんので、そのまま剥がさずに使って頂きたいと思います●SGC NANYO さんは廃業されているとの事です◆改造して行きます●フレットを抜いて、全体を軽くサンディングして表面を整えておきます●フレット溝を専用ソーで揃えてから、溝をクリーニングします●0.5mmのマホガニー材で溝を埋めます●タイトボンドが硬化したら、飛び出した部分をカットしてマスキングテープを貼り サンディングし過ぎない様にして、サンドペーパーでサンディングして行きます●ピックアップの高さ調整用の専用ビスは交換しないと駄目ですが 調整用の硬質スポンジはヘタってませんのでラッキーです●ボディトップのオイルが完全に抜けてますので、オイル・リフィニッシュしておきます パーツを外します●ライト・ウォークカラーのオイルを塗って30分待ちます●30分経過後にウエスで磨きます。 仕上げのオイルは塗ってませんので、途中経過はこの様な感じです●マスキングテープを剥がして、フレットボードを仕上げのサンディングしました●フレットボードはサンプルベースを確認して頂いた結果、超鏡面仕上げに決まりました サンプル画像まで仕上げるには、1回の塗装を24時間以上空けて3回繰り返し、更に24時間以上 空けて水砥ぎします。この工程を3回繰り返し仕上げ塗りしてから、バフ掛けで仕上げて行きます この仕上げは塗装の間を開ける時間が必要で、どうしても仕上がりに日数が掛かります 【工房ではスケートリンクに水を張った仕上げと言ってますが、語呂が長いので超鏡面仕上げと 短縮して呼んでます】●フレット溝の際の凹んだ部分にパテを塗り付けます●R300のブレットボードの曲面に合わせて仕上げのサンディングをします●フレットボードの仕上がりを確認します●フレットボードを超鏡面仕上げして行きます ●仕上げ剤を塗り重ねて行きます 重ね塗りは24時間以上空ける必要が有りますので時間が掛かります サンプル画像まで仕上げるには、1回の塗装を24時間以上空けて3回繰り返し、更に24時間以上 空けて水砥ぎします。この工程を3回繰り返し仕上げ塗りしてから、バフ掛けで仕上げて行きます●トップに塗ったオイルが馴染んで来ましたので、ワックスを塗って磨きを掛けます●ピックアップ固定ネジが入荷しましたので交換しておきます●3回重ね塗りをして充分に硬化した事を確認して、2回目の水砥ぎをしたところです 次は仕上げの工程に入って行きます●水砥ぎ後に更に硬化する時間を空けて、表面を仕上げますが工法は非公開とさせて頂きます●表面の仕上げ後にも十分に時間を空けます●フレットが無くなった分ナット溝を調整して、1フレットの位置の高さを調整します ナットファイルの天敵ブラスナットでした・・・●ヘッドストックの仕上がりです●フレットボードに施した、スケートリンク仕上げも硬化して来ましたので来週中には お渡し出来る見込みです●フレットボードの仕上がりです●ペグ&ブリッジがゴールドパーツでしたので、交換するノブはメタルゴールド一択です 取付直後はピカピカで浮いてる様に見えますが、直ぐに馴染んでくれると思います ノブの規格は【ミリスケール】です●ご用意頂いたダダリオのフラットワウンド弦に交換してお渡しとなります●ベース・ウクレレで呼ばれている【うどん弦】と呼んで良いのでしょうか? 弦交換をしてリペアの完了です🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2023年09月19日
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◆Martin OOO-15M Street Master ギターオーナー様はAO様です。 ブログをご覧頂いた事がご縁でお越し頂きました。 ◆画像から確認して行きます●取外しが出来る透明のピックガードの跡が気になる事と、演奏スタイルからピックガードが 必要と判断されてのオーダーです●リペア前の6E/12Fは3.25mm有りますが、クラシックギターを弾いているので それ程気にならない高さと言う事ですが、アコースチックギターのセッティングに 変更します●1E弦側も同様です◆リペア開始して行きます●ピックアップをずらして、先にロッドを調整しておきます●ロッドで調整出来る高さは2.75mmが限界です●1E/12Fは2.60mmが限界です●ロッド調整後半日放置してからサドルを削って弦高を下げます●調整したサドルをセットします🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2025年02月14日
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◆今回のご依頼は、マーチンD28 音つまり&異音リペアです ギターオーナー様は、Sato様です。 数年前からライブでちょくちょくお会いしていたのですが、お話しする機会が無く ライブ会場では、こんばんわ!のご挨拶だけでした。ご無礼をお許し下さい。 K2がギターリペアをしている事をお知りになられて、リペアのご依頼を頂きました。◆画像からどうぞ●恐ろしく鳴るD28です、ここ数年来此処まで爆音の28は記憶に有りません どの位凄いかと言いますと、音色を耳に叩き込む為に工房で軽く弾きながら思わず唄ってましたら 自分の歌声が聞こえません! 思わず28に【うるさい!】と言ってしまいました。 意味の判り難い例えと思いますが、凄い事は伝わったと思います●90年製です。●トップも理想的な材です。センターの木目が詰まっていて、外側に向かって平均に木目が開いて行く そして軽くノックテストをすると乾いた金属音の様な音がすると! 世界の一流メーカーでも宜しく無い材を平気で使ってますので、購入の際のお手本にして下さい。◆ナットは作り換えたそうですが・・・削り出しは完全にプロの仕事ですけど、 k2ギターファクトリー基準では手直しが必要です◆何気なくリペアが始まってます●1&2フレットの窪みは擦り合わせする前の整形で済みます●整形後の1&2フレットです。削る量は必要最低限が鉄則です●ナットの弦溝もk2ギターファクトリー基準で仕上げました●ストリングガイドの加工がされてませんが、頼まれ無くても溝位入れたらと思います●サドルを外しましたら謎のスペーサーが入ってました、しかも2枚です? サドルを削り過ぎたので咬ましたのでしょうか?もしプロならショプの責任で新しくナットを作る べきです。◆マーチンギターの低音側5~7フレット異音の原因は、この部分が僅かに剥がれている事で有る事を 経験上知ってましたので想定の範囲内でした●この箇所が原因と判るのに2日探したギターの経験が生きてます。●ジャッキとクランプで接着します◆高音側の異音の原因がここでした、ノックテストである程度の場所が特定出来てましたので 容易に探す事が出来ましたが、専用ミラーの力も絶大でした◆直ぐに接着しておきます◆4Dの5~7フレットの異音の原因は弦自体の可能性が有るため、取敢えず他の弦と交換しましたら 予想通り収まってくれました。 この事が有るので、お預かりする際に弦はダダリオ弦を一押しした次第です。 弦に関してですが、購入されてからずっと011を使っているとの事で、ここで012~に交換 されますと、バランスが崩れてトップのブリッジ付近の隆起やネックの反りを誘発する可能性が 高いのでゲージアップはNGです。◆若干ですけどロッド調整も有りましたので、ネックがどの様に動くのか安定する為に時間が必要です。●流石にマーチンです、調整後の微調整は全く必要が有りませんでした、マーチンに関しましては 一台たりとも例外が有りません、ネック加工精度の高さは凄いと思います 6E/12Fは工房基準の2.5mm未満の2.25mmに調整して有ります●1E/12Fは1.75mmに調整して有ります●12Fと同格で重要な1Fは0.48mmに調整して有ります。 1Fのクリアランスは12F同様とても重要なポイントです、5mmを超えますと弾き難です●エンドピンがきちんと収まってません、無理に押し込むとブリッジ割れに直結しますので 専用リーマーで整えておきます●ピッタリ収まりました、音質にも僅かながら影響が有ると思います◆仕上です◆弦はダダリオをチョイスしました◆試奏タイムです ・・・歌唱力が有る方なら、コードを軽く引き下ろすだけで演奏として成立してしまいます。 ハーモニックスだけでは無く、普通に弦を弾いた音も残響音がなかなか消えません。 弾き易く音質も素晴らしく何時までも弾いていたいギターです。🌸たいへんよくできました
2018年12月18日
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◆Gibson CUSTOM SHOP EMMYLOW HARRIS L-200 セッティングのご依頼を 頂きました。 ギターオーナー様は市川市在住のS.H様です。 ブログをご覧になって頂いた事がご縁で、今回リペアのご依頼を頂きました◆画像から確認して行きます●Gibson はCUSTOM SHOP製に限るよね!の考えをお持ちのゲスト様も多いと思います。 k2も同じ気持ちです。●凄腕の製作者の手によるものですから、通常ラインと違うのは仕方ない事かも知れません●製作技術のレベルの高さが直ぐに判ります。 ナットは交換されているとの事ですが、交換したナットが問題を抱えてます◆セッティング開始して行きます●調整前の6E/12Fは3.5mm有りましたので、ロッド調整して2.6mmまで下げました ロッドには殆どトルクが掛かってませんでした。●1E/12Fも同じく調整後は1.8mmまで下がりました。 GUSTOM SHOP製のネックは経験上ロッド調整しましたら、数日はネックの動きを観察ながら 調整して行きませんと、この状態で先走ってサドル&ナットの調整をしたら、 サドル&ナットの作り直しになりますので、ネックの戻りが安定したと判断出来るまで 時間を空けます。待つ事もリペアの大切な工程です。●弦高が上がった原因はチューニングした状態で保管していた事による ネックの順ゾリです。ロッド調整後でも最大値で0.30mm有ります 今回はインチスケールのシクネスゲージでは無くミリスケールを使ってます この0.30mmが何処まで戻るかはネックのみ知る事です。マイナスまで戻る事を 願ってます。 S,H様にお話しさせて頂いたのですが、K2ギターファクトリーでは 【弾き終わったら弦はダラダラに緩める】をお願いしてます 賛否両論有る事は承知してますが、K2のギター人生47年の経験から出た答えです◆1E/2Fを強めにプリングオフしますと、弦落ちするとの事ですので原因を特定します●フレットには問題はないので、交換されたナット【タスク製】をストリング・スペーシング ルーラー要するに弦溝が適正か測る定規で確認しますと、問題の1Eが1E1本分ズレてます 交換したナットは、某有名楽器店で弦溝を切った物では無く、グラフテック社から Gibson純正品で出ているナットをそのまま載せた様です。 工房でタスクを使う場合は、必ずブランクナットを仕入れて弦溝は工房で切ってます 師匠の教えで【人の仕事は信用しないで、自分で確認しなさい】が叩き込まれてます◆サドルの調整 ●調整前に試奏させて頂いて最初に感じたのは、弦高は確かに高いけど、フレットボードの 上で弦の高さが揃って無い【暴れてると表現します】でした。 フレットボードとナットのRが一致して無いからですと、言い切った手前違ってたら素直に ごめんなさいをする事も重要です。 予想通りセンターを中心に両サイドのRが全く一致してません、K2のギターテクは 今一なので、弾き難いギターを敏感に察知する指センサーが有る様です。 凄腕のプレヤーですと気に成らないレベルかも知れません◆リペア箇所が明確に成りましので、弦をダラダラに緩めて数日経過観察して行きます●ネックが安定と判断出来る状態になりましのでセッティングをして行きます◆サドルを修正します●予定の弦高に成る様にR350のマーキングをします●修正後のサドルの仕上がりです●仕上げにマイクロファインで磨きますと艶が出ます●右側は弦接点が奥に成りますので隙間が有る様に見えますがご安心下さい●ナットをセットしました●6E/12Fは、2.3mmに仕上がりました●1E12Fは、1.6mmです◆オクターブが合っているか簡単に判別が出来ます●10フレットのDコードの音に違和感が無いか確認します。 レギュラーチューニングは合ってる事が前提です●オープンDが合っていればオクターブに問題は無いです。 Dコードはチューニングが狂っていると直ぐに判る事を利用します●最終工程で1Fのクリアランスを調整して行きます●ナットを外します●削り出したナットを仮置きします●既存のナットと弦溝が違う事を確認しておきます●1Fのクリアランスを0.5mmに調整します●仕上がりの弦高は2.23mmで予定通りです●フレットボードとフレットを磨いてリペアの完了です●工房常連様から、初めて見るけどJ200と雰囲気が違うようだけど?の反響が 凄かったです。 小ぶりなボディにミディアムスケールで、やや太めのネックでLRバックスの ピックアップシステムが搭載されてます。 ◆試奏タイム ギターを抱た時の風景が見慣れない事も有って、クラッシクギターの様に感じました 初対面の時は弦が限界かな?と思ってましたが、新品のGibson弦に交換して有った そうです。5A6E弦がボンボンと輪郭がぼやけた感じに聴こえましたが、リペア完了 試奏タイムでは完全に修正されました。 生音もアンプからの音もk2の大好物の音質に生まれ変わったと思います。 弦高との相乗効果で何時までも弾いて居たいのですが、ギターが目覚めたかな? と感じたのが30分後でしたので。残念ですがここで試奏をお開きにしました。 🌸りぺあにかんけいなくいつでもこうぼうにあそびにおこしください🌸※今回のリペアは仕上がりで8,000円でした
2020年06月20日
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◆Morris Les Paul レストア ギターオーナー様は、Untitled-182様です 【いつもの様に!】でセッティングして行きます◆画像から確認して行きます●Morrisがエレキを作っていた事を知らなかったゲスト様も多いのではないでしょうか?●旧ロゴタイプなので製作後の年数は60年近く経過しているかも知れません●デタッチャブルネックです●ペグの固定が甘いのでビス穴を埋木する必要が有ります●ネックジョイントに隙間が有ります。 短時間で済むネックの取付修正だけ手を付けようと考えたのすが・・・●ネジを外そうとしましたら、簡単に上の2本ネジが折れてしまいました 決してパワー技を使った訳では無く普通に回しただけです。 ネックを外すと今回折れたネジは2本なのに、何故か折れたネジが3本ネックに刺さってます。 そして、下の折れたネジの横にネジ穴が有ります。 で、結論は上の2本のネジ折れは、過去にネックの脱着の時の金属疲労によるものと推定され 下の折れたネジは、外す事が出来ずにそのまま残して、新たなネジを斜めに打たれた様です。 上の折れたネジの上に貼って有るのは、ネック角度を修正するシムですが👇●ネックポケットにも黒いシムが貼って有りました・・・ポケットに上下に同じ厚みのシムを 付けた理由がサッパリ理解出来ませが、その時は何らかの原因が有ってその対応をされたのだと 思います●折れたネジをハンダ鏝で加熱してから大型のペンチで外しますが・・・●何とか外れたのは1本だけでした●2本は折れたネジの周囲を崩して抜き取るしか有りませんでしたので 10mmのマホガニーの丸棒で穴埋めし、無事に外れたネジ穴も埋木しておきます●ハムとシングルの中間のよう出音でしたの●音出しテストでハムバッキングなのにシングルコイルの様な音がでますので ハムのカバーを被ったシングル【例トムソンSG】かも?と言いましたが ハムバッキングでした。 テレキャスのようなカッティング音が出せるので、レアなピックアップかも知れません●広がっているネジ穴を埋木します●ネックを取付けます●ペグを付け戻します、使われていたネジが長すぎて固定トルクが十分に出ないため、 全ての固定ネジを2.4mm×13mmの鍋ネジに交換しました●弦を張り戻してセッティングして行きます●音詰まりを無視して弾き易いセッティングにして見ます 6E/12Fで1.80mmにセットしてみます。これを基準に調整して行きます●1E/12Fは1.60mmにセットしましたが、全体の弦高のバランスに問題は有りません●心配されましたジャックはノイズは出ませんでしたが、差し込むと緩いので 先端のホット側を調整します●広がっている先端を曲げて調整します 先端のホット端子とコールド端子をクリーニングする必要が有ります ●接点復活剤で酸化膜を取除いておきました。 接点復活剤を含ませた綿棒で拭くとこの状態でした●昨日確認して有ったフレット擦り合わせは必要でした 2フレットが両隣よりも高いです●ハイポジションも擦り合わせが必要でした●フレットの擦り合わせが済み、フレットボードの仕上がりです●デタッチャブルネックの取付も問題有りません●リペアの完了です リペア開始のネックジョイントには面喰いましたが、その後は通常のビンテージギター と変わりませんでした。🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2024年11月23日
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◆Three S TG035 ネック裏陥没修復のご依頼を頂きました ギターオーナー様は、レアギターアドバイザーのYosi様です◆画像から確認して行きます●Three S は鈴木バイオリンで製作されたギターで、完成度が高く人気が有るギターです しかも、パーラータイプ&スロッテッドヘッドです●モデルナンバーの刻印が見当たりませんが、工房のレギターアドバイザーのYosi様です TG035で間違い無いでしょうと情報を頂きました●スロッテッドヘッドは人気が高いです●バックはシェラック塗装されている様に見えますが、極薄ラッカーと思います◆リペア開始して行きます●今回のリペア箇所です●陥没した部分の被膜【材が薄いです】を外さない事にはリペアが始まりません アコギには稀に有りますが、ロッドを仕込む溝が深すぎて、画像の通り1mm有るか無いか 程度しかネック材が残ってません。これではこうなるのも当然の事と思います。 ここまで薄いなら、ストラトのネックと同じ処理をすればと思います●白く見える部分しかネック材が残ってません下は空洞です●4mmのマホガニー材を埋め込みます●お打ち合わせの通り、ネックをオイルフィニュッシュ仕上げにします 先に塗装を落とします●ロッド仕込みの溝は4mmの巾なので、4mm角のマホガニーを使います●指で押して簡単に陥没しない部分まで広げます●隙間に対して少しきつめに削り出して打込みました ロッドの動きに問題が無い事を確認して有ります●余計な部分はミニ鉋で削り落とします●サンドペーパーで段差が残らない様に仕上げます●マホガニーカラーのオイル仕上げにします●濡れた状態の時に、400番の耐水ペーパーで砥ぐ様にペーパー掛けして ウエスで拭き取った状態です 最低1週間は空けてから、トップのコート剤を塗りますが、ワックス系にするか ウレタン・オイルフィニュッシュで仕上げるかは、現状では判断出来ません●埋木の部分です。段差は全く感じません●目立たない箇所でWAXでトップコートをしましたら、良い感じでしたので そのままトップコートを掛けました●オイルフュニッシュ仕上げの手触りは本当に心地よいです●毛糸で編んだやつで磨くと更に艶が出てきます◆セッティングして行きます●現状のままチューニングして見ますと凄い弦高になってます●順ゾリだけでネックの元起きは有りません●フリーに近かったロッドを締めて行きますと、画像の通り殆どストレートになりました●普通はアコギの標準的な弦高とされる高さに成りましたが、これでは弾き難い高さです●1フレットは4Dのみ少し高いです●この時点で1フレットを調整しても問題は有りません●サドルを確認しますとやはり底面がこの状態です 予定の弦高になる様に削ります●調整後の6E/12は、2.25mmでとても弾き易いです●1E/12Fは、1.75mmで弾き易いです◆仕上がりの画像です●スロテッドヘッドは1E&6Eは他の弦とは逆にまき進めて行くと、隣の弦との接触が 回避出来ます●フレット&フレットボードもクリーニングが済みました●オイルフュニッシュ仕上げのネックも良い感じです●ローズウッド材の目止めの砥の粉を殆ど使って無いので、ローズ特有の目の跡が目立つので シェラック塗装と見間違えてました。 k2ギターファクトリーではシェラック塗装をする場合は、目止めの砥の粉は一切使わずに 2カットn濃い目のシェラックで目止めを兼ねた塗り方をします●とてもキュートなギターの仕上がりです◆試奏タイムです 張った弦が悪すぎる様で、ギターのポテンシャルを引き出すどころか、 完全に邪魔してまが、某弦でも持ってるポテンシャルの高さは伝わって来ます Yosi様に伝言です、次に張る弦は【ダダリオ】にして下さい。 劇的な変化をして驚かれると思います コードストロークは苦手な感じですので、フィンガーピッキング用のギターって感じです🌸たいへんよくできましたto be
2020年12月04日
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◆Greco SE600 J・ベックモデル 再生リペアのご依頼を頂きました ギターオーナー様は、ギター断捨離の返り討ちに遭ったMuraさんです 返り討ちの責任の半分はK2ギターファクトリーが担当していた様です ポッチとの訳をお聴きしましたら、ギターには数々の出会いが有る事を実感しました 高校生にはやっぱり言えませんよね!これじゃ無いよなんてね◆画像から確認して行きます●ポッチとしてしまった!とメールを頂き画像を先に拝見しましたギターとは別だった様です 綺麗なギターじゃん!と思ってましたが、クリーニングのしがいが有るギターですね●同梱した抱いたパーツ類ですが、その中に懐かしい部品が有りました●ブリッジカバーです、テレキャスのチューリップカバーは覚えてましたが ストラトにも有った事はすっかり忘れてましたが、これ付けて演奏した事も見た事も有りません 超レアな部品ですね●Grecoの中は金色でペイントされてますのでバフ掛けには注意が必要です●スライドSWの代わりです●ラベルを真っ先に剥がす事は良くない事と反省してます ●バックのベルトのバックルキズが余り有りません●ネックの打痕も見当たりません●ブリッジを止めてるネジが2本有りませんので新しいネジを付けます●レギュラーチューニングで弦高を測定しますと、エレキの2.5mm有ります これは富士山の様に高いです●ナットはこのまま行けそうです◆リペアを開始して行きます●クリーム色の経年変化したボディを簡単にバフ掛けしてみました マスキングテープの左右の違いが判りますでしょうか? 仕上がりが楽しみです●パーツを外してイモネジに潤滑スプレーを掛けて稼働するか確認します 全てOKでした●ヘッドもこの通りです●フレットボードもこの通りです●ヘッド裏もこの通りです ラベルを痛めない様に手掛けしました●金属パーツは外して磨きます◆この画像の意味です●ビスで2枚の板を固定する場合は、受けに成る木材とビスで固定強度を出します ギターですとボディにネジ山が有りますと、締め付けトルクは出ますが、実はボディとネックが びっしり止まって無い事が有ります、画像はボディの中のネジ山を僅かに径の大きいドリルで 取除いて、引っ掛りが無く貫通する様に手を加えた画像です●全てのハードウェアーを戻して行きます●ビス類は10倍に薄めたサンポール液に付けてシャカシャカします●全てのハードウェアーを戻しました●ドサクサの画像です、SE600とK2のプラッキーはボディカラーが真逆です◆ナットを交換します●ナットに被ってるクリアを切り離して、ヒートガンで温めれば【はい!この通り外れました】に なる予定でしたが・・・これでもか!って感じで接着剤が盛られていてビクともしません これ以上無理すると危険が危ないので切断する方法に切り替えましたが・・・●アサリの無いノコでセンターを切断して【両側からコンコン】と叩けば99.999%のナットは サクッと外れるのですがビクともしません、コンコンしたら切断した部分だけ割れて取れました●残ったナットの基礎はナットファイル等の治具を駆使して削って行きます 特別割り増し料金発生確定です(笑)●何とか綺麗に削れました、救いはストレートボトムだった事です●順ゾリが出てきましたのでロッド調整をします●オリジナルナットは破壊してしまいましたので、ナット巾を測定します●ピッタリ収まりました●弦を張り戻して、フレットボードもこの通り綺麗になってますと、【いいね!】マークが付くと思います●リペアの完了です 40年くらい前の新品よりも、こっちの方がカッコ良いと思うのは気のせいでは無いと思います ご対面を楽しみにしていて下さい! ◆試奏タイムです ベックモデルですが、E・クラプトンとD・ギルモアの音に似ている様に聴こえて来ます 特にクラプトンはワンダフルツナイト時代の音にそっくりですが、いずれにしてもご機嫌な ギターで有る事は間違い無しでし ミニスイッチのセンターをONにすると最高に好みの音が出ます🌸気合を入れ捲ってました🌸
2021年10月17日
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◆YAMAHA FG450E 復活リペアのご依頼を頂きました ギターオーナー様は、K2の50年来の友人のMe君です 埼玉県の某ハードオフさんで当該ギターを発見! 何となく、こりゃ買っておきゃなきゃ!と連れ帰ったそうです その後K2ギターファクトリーのレアギターアドバイザーのYosiさんに 調査依頼をしたところ、【レベル⑤】の超激レアの回答が速攻で帰って来ました! ⁂レベル⑤は最高ランクです Ita様からも連絡が有り、すっと探していたのがこのギターで、10年くらい前に ネットで売られているのを見ただけで、その後は全く出て来ないギターだそうです ◆幻のギターの画像から確認して行きます●V&Tノブはメーカー仕様です 純正ピックガードはセルで曲がって剥がれてしまったので、交換されてますが ご安心下さい純正品もちゃんと付属してます、工房で真っすぐになるように矯正中です 真っすぐにして張り戻します ネックの元起きが原因で、弦高が高く弾くには辛いレベルで、セット角度の調整が 充分に出来ない場合は、ネックリセットを想定したリペアに成りますが、激レアを 考えますと、ネックリセットは出来る限り避けたいのが本心です●幻のFG450E 黒ラベルの上位機種です●バルタンヘッドも健在ですが、見慣れたFGカラーラベルシリーズのヘッドとは違って見えます●ポジションマークはFG401と同じ形状です●純正のピックアップです・・・ギターの珍しさに気を取られていて、ピックアップが機能してるか 確認してませんでした●ジャックがこの位置に有ります●アルミのサドルですが、純正かどうかは確認する情報を持ってませんが、珍しい事は確かです というか、アルミのサドルを初めて見ました●弦アースを取るためにアルミ製のサドルを使っていた様です サドルに下にアース線が有りました●サドルの溝をギリギリの1mm残しまでリーマーで掘り下げて弦高を下げて見ます●予定の弦高には届きません●ネックヒターを使って元起きを修正して見ますが、これでも駄目でしたらネックリセットする 選択肢しか残ってません、なんとかここで踏ん張って欲しいです ヒーターを掛けている間にピックガードを外しておきます◆ネックヒーターは万能では有りませんが今回は効果が出ました●1フレットを強制的に0.5mにセットして弦高を確認します●6E/12Fは、2.50mmまで下がりました●1E/12Fは、1.80mmまで下がってます●ここまで下がればセッティングは完了したも同然です、サドルの底面が水平で無かったので 底面を整える程度で、工房標準のセッティングに落ち着きます●6E/12Fは、2.25mmまで下がって、ネックを握った感触は何時もの感覚です 僅か0.25mmでここまで違うか?って感覚です●1E/12Fは、ローポジの関係で1.80mmにセットして有ります●1フレットを0.5mmにセットしました●ネックの仕上がりです●ブリッジ周りの仕上がりです●ピックガードもオリジナルに戻しましたが、超を含む強力両面テープを使ってませんので セルロイドの分厚いピックガードですから、浮いて来る可能性が有ります その場合は、強力両面テープで張り直す必要が有ります 強力系の両面テープを使いますと、セルロイドが縮んだ時にトップを引き連れて縮んで トップ材が割れる悲劇を避けるためです【ビンテージのGibsonが良い例です】●リペア前はネックリセットも視野に入れてましたが、何とかK2ギターファクトリー標準 セッティングまで持って行けました ゲストの皆様で【ネックリセットしないと駄目】と言われた経験が有る方もいらっしゃるかも 知れませんが、ネックリセットが必要なギターって、一目で判断出来る程重篤な状態なのです 今回はそのギリギリのラインでしたので、何とかリセットを避ける様にリペアを進めて行きました◆試奏タイムです この音好きです!が最初の感想です、超レアギターだけでは無く、音も黒ラベルの上位機種で 音質も音量も申し分有りません 弾き易いギターに此処まで修正出来たのも、ある意味奇跡に近いかも知れません アルミサドルの選択肢は今まで考えた事も在りませんでしたが、弦アースが簡単に取れる だけではなく、音質も切れが良く【有り!】と思います 僅かにエレキぽいと感じますが、テレキャスの感覚ですからK2としてはOKですが、音質は 100%プレヤーの好みですから、工房にテストギターを置いて試して見たいと思います🌸レア度レベル⑤の工業製品を、ギターの世界に戻せて良かったです🌸
2021年11月05日
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◆S.YAIRI YE50-BB セッティングです ギターオーナー様は、Kawasima様です 千葉県東金市で、【HottoSpace】と言う【もみほぐし店】を経営されておられます 工房の常連のあっちゃん&のりちゃん のバックギタリストとして活動を開始されて、今月の14日に 富里市のWAYS様のライブで使う予定で点検にお持ち頂きました◆画像から確認して行きます●シースルーでブルーカラーのギターは珍しです●S,YAIRI のギターです●6フレットから上のローポジがバズるとの事で、ロッド調整後に3G~6Eを軽く 擦り合わせますと、簡単に解決しましたが、念のためアンプからの出力を確認しますと 1Eの音の出力が極端に弱くなってます🌻2年前の9月にサドル割れでボーンのオイル漬けに交換したのですが、アンダーサドルピエゾの サドルは、緩めに加工しないと圧力が均一に掛からすバランス良く音が出ませんので、 セオリー通りに緩めに加工してセットしたのですが、サドル溝のローズウッドが乾燥期の影響で 縮んでユルユルになっていた事と、どの時点で入れられたのかは不明ですが、スペーサーが2枚 挟んで有り、それもピエゾに圧が均一に掛からない原因だった様です●スペーサーを全て取除いて、サドルを新しい物に交換しましたが、夏場に向かって湿度が上がると 取付に余裕が無くなり、ピエゾへの圧が変わって音が安定しない可能性は否定出来ませんので 湿度が上がった時に、前回製作したサドルに交換する必要が出て来るかも知れません。 サドル溝の夏場と冬場の差が、0.3mm有るブリッジも珍しいです●スペーサーを入れるならサドルを交換するべきと思います●音質も安定して全弦のバランスもOKです●6E/12Fは、2.25mmでOKです●1E/12Fは、1.75mmでOKです●リペアの完了ですが、アンプのチューナーと音出しの切り替えスイッチの接触が悪く 近い将来に工房でお話しした様に、マグネットのピックアップに交換する可能性が 有る事をご承知下さい。to be
2023年01月06日
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◆今回のご依頼品は Baby Taylor です ご依頼者様は匿名希望との事ですので、匿名希望様です。◆Baby Taylor のリペアは初めてと言うか、Taylorはご存じの通り【ボルトオンネック】で、 サウンドホール内のボルトの封印をメーカー以外のリペアショップが外すとその後の保証が 効かなくなるので、Taylorのリペア依頼はとても少ないです。●オイルフィニュッシュ仕上げでマットな感じがクールです。◆リペアの内容はこれです●トップが割れてしまってます 割れてから数か月時間が経過してるとの事です、・・・時間が立つと良い事は一切有りません 切断面が乾燥&収縮して、張り合わせた面に筋状の跡が残る事が多く,割れたり折れたら時間を 空けずにリペアする事が重要です。◆原因はこれです●画像の通りソフトケースです。 木製品のギターは衝撃に弱く落としますと、深刻なダメージを受ける事が有ります。 特にBabyは重量バランスがヘッド側に寄ってるので、落としますとこんな悲惨な 状況になる訳です。 ギターの保管&移動は専用ハードケースで無ければなりません。◆Baby Taylorの構造には特徴が有りまして、ライニング材が全体に入って無く、 Xブレーシングもライニングまで掛かってません。●この画像の左下から内部のブレーシングが少し見えてますが、このクラックの位置が Xブレーシングのエンドなのです。もしライニングまで掛かってたらこの様な割れ 方はしなかったと思います。●画像の上の中央付近がライニングの始まり位置です。◆今日のワンポイントアドバイス 不幸な事故でこの様な状態になってしまったら、即刻弦を切るか速攻で弦を完全に 緩めて、これ以上ボディ等に不要な力が加わらない様にしましょう。 この事はネック折れでも同じ事です。◆リペア開始して行きますが、その前に貼る順番を考えなけれななりません。 ・・・3分考えました ①トップの割れにニカワを流し込んでクランプ止め ②バックに補強のエゾ松薄板をニカワで張り付ける ③トップとサイドを貼合わせる ④塗装の補修 完璧な手順です。 では開始です。 ①トップ割れの張り合わせ ●クランプは強力磁石を表裏から挟み込んで止めます、通常のクランプですとトップに 後が付いたり、クランプが掛かる部分が見えないので、外したら・・・ありゃ? が、磁石を使えばそんな事が無く思った通りに貼り合わせる事が出来ます。②裏からエゾ松で補強して行きます●トップから補強板をブレーシングに合わせて作っておきます。 ●SM社の内部ミラーは本当に役立ちます。内部を確認する時には無くては話になりません。●このサイズで2箇所の割れがカバー出来る事を確認して、張る角度をシュミレーションして おきます。●ニカワで張り付けて行きます●補強板に予め磁石を貼り付けておきますと●貼り付けたい場所に正確に張る事が出来て、しかも、クランプ代わりになると言う 素晴らしいアイデアです・・・自画自賛してしまいましたが、ウクレレの時にこの アイデアを思いついていたら・・・です。●トップ張り合わせ●自家製のスプールクランプです。 一家に一個は有る、36mmのホールドリルと、やはり、一家に一台は有るヒルティの 電ドラで板を抜いて、これも、2軒に一台は有るだろう全ネジカッターで必要な長さに 全ネジをカットすれば完成です。 リペア料金をリーズナブルに押さえるために、作れる物は自分で作る方針です。 このスプールクランプはドレッドでは45個有れば全周間に合います。スプールクランプを 使う時に・・・ギター直してるなぁ~って感覚になるので好きですが、腕が2本しかない ので結構忙しいです。◆それではトップをで貼り合わせて行きます●トップ板に過剰な負担が掛からない様に、接着面を広げておきます。 ●接着面に付いて無い箇所が出ない様にタイトボンドをコーキングへらを使って 流し込んで行きます。 はみ出た部分は指で隙間に押し込んでおきます。●スプールクランプは、センターから掛けて、次はセンターの左右、更にその左右と 規則正しく掛けて行きます。 締付トルクはタイトボンドが、ジワットはみ出る程度で充分です。 力任せに締めると、ボッキ!パッキン!とクラックを増やしてしまいますので 浮き上がりを押さえる感覚で充分です。●乾燥を待つ間に、ブリッジにオレンジオイルを塗っておきます。●クランプを外して接着が抜けてる部分が無いか内外から確認しておきます。●両側から圧を掛けてトップは貼り合わせたのですが、割れてから時間が経過してるため、 クラック跡が線となって見えます。◆試奏タイム 参考音源はYouTubeに頼るしか有りませんが、ボディ割れが影響してる感覚は一切感じ られませんので一安心です。 小さくてもテーラーって感じがする音質です。🌸たいへんよくできました🌸
2017年04月18日
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◆今回のご依頼品は、HN/薪拾いジジィ様の愛器、ウクレレのヤマハ90番です シリアルナンバーから、製作されたのは、昭和40年です。御年51歳です。 楽器の寿命は?と聞かれる事が有りますが、ギターを構成する木材が、木材 で有る事を止めた時と思います。 【木材を構成するセルロースが結合する事を止めてしまう】だったと思いますが 違ってたらごめんなさい です。 つまり、木材としての結合が殆ど無くなってしまい、ノックテストをしますと 反響しないポコポコとした音が出る様になります。そうなると、楽器としての 役割が終わって、たくさんの思い出の詰まったインテリアに生まれ変わるって 事だと思います。 バイオリンの世界では、50年何てのは新しい楽器の範疇なのだそうで、今回の ウクレレは、たったの51年ですから、まだまだ現役で頑張れるお年頃と思います。サウンドホールのラベルとヘッドの YAMAHA の赤文字がヤマハの歴史そのものの様に感じます。パッと見で、赤いトラクターのヤンマーと読み違えそうです。◆今回のリペアー内容は、ボディトップの完全に割れたクラックと、1弦ブリッジ際の今にもクラックが 入りそうな部分の補強と、ペグ交換【1対1は微妙なチューニングは辛いですから】 &全体のセッテングです。画像の上部の線が、完全に割れた部分です。この様な割れはソリッド材が使われてる証です。また、ブリッジ1弦側に弱い箇所が確認出来ました。・・・原因は恐らく多分で推定ですが、ウクレレ踏んじゃった!では無いでしょうか?構造上、普通に扱ってれば割れる可能性が最も低い箇所だと思うからです。また、フルアコの形状とは違い、ブリッジ付近が常に押さえ付けれてる構造では無いですから、踏んじゃったor立ち上がる時に偶然手の下に有ったので でパッキ!と思います。磯釣り師も兼ねてます私は、手入れ中にダイワのメガドライの穂先を折った時と同じくらいショックが有ったのだとお察し申し上げます。・・・うそでしょう?夢でしょう?穂先1万5千円は眩暈がしまいた。◆楽器リペアの必需品のミラー ギター用のミラーはサウンドホールから入りませんので、画像のミラーを 取敢えず作って見ました。小さな鏡って探すと案外売って無いのです。 目的は内部の確認ですから、この際出来栄えは無視する事にします。◆覗いて見ました。突板の右側面がクラックで、完全に割れてます。◆覗いて見ました、ありゃりゃ?ブリッジ裏にブレーシングが入って無いくて、突板の推定の厚み1ミリが補強板として張って有るだけです。普通は無いのかな?無くても良いのかな?で早速調査開始です。ウクレレの調整に詳しいショップ担当者様によりますと、ウクレレの内部構造は多種多様で、今回のタイプも特別な形状では無い様です。Xブレーシング、クラシックギター型、アコギのバック型、なんだこりゃ?タイプまで、製作された方の弛まぬ研究の結果で有ろうと思います。考えないといけません、最初から無いって事は、ブレーシングを入れると内部構造に手を加える事になり、当然音色にも影響してくるはずです。現在の音色は、現在の構造から発せられるものですから、ブレーシングを追加で入れた時の変化は、入れて見ないと判らない が正解です。吉と出れば良いのですが、外す事になった時は、必然的にバックを外す事になると思います。バック外しだけは避けたいので、変化を最小限にして補強する方法は、クラックのスタンダードなリペア方法の、クラック裏側にエゾ松の突板を張り、クラック面にタイトボンドを入れて補修が最善の方法と結論しました。クラック箇所がボディの際ですから、ボディのRに合わせて整形するのですが、いかんせん、中に手が入りませんので、上から型を取り、ライニングの寸法を考慮して整形して行きます。上から内部からを同時にしないとNGですから、硬化時間の稼げる膠を使う事にします。※トップクラックを先に補修すると段差が出来る恐れが有り、裏を先にすると クラックが開か無くなるので、タイトボンドが入れられないと成ります。◆クラック補修用の突板を切り出しは、とっても簡単な事に気が付くまでは 少し難儀しました、手が入らないし、見ようとすると合わせが出来無い、 合わせようとすると見えない・・・ トップ&バックは全く同じ形状なんだから、サウンドホールから見えるクラックの 真下部分で合わせりゃ良いんじゃない? とっても簡単な理屈に気が付かなかったのは、暑さのせいに決まってます。 で、ピッタリ切り出しました。◆次は正確に入れられるかテストを繰り返します◆次は、補強板の接着剤が硬化するまでの固定用クランプです。 ・・・手持ちの中のクランプが使える事が判って一安心しました! 合わなければ作るだけなので、心配する事で無いでしょう?って 声が聞こえそうです。確か使うのは2度目だった様な気がします。この画像はCクランプを当ててるだけでトルクは加えてません。◆トップのクラックでボディが僅かに開いて広がってますので、X型にクランプ を掛けて固定してます。◆反対側の完全に割れていない部分にも、補強の突板を入れて行きます。 手が入れば、数分のリペアもミラー見ながらなので、思いの他時間が掛かります。 画像の矢印が弱くなってる部分です。 ◆補強の突板を入れて行きます。手が入れば数分のリペアもミラー見ながらなので、 思いの他時間が掛かります。 補強の突板張が完了しました。◆ペグをグロバーに交換します。 既存のペグ穴径は。6ミリで、グロバーは9ミリなのでペグ穴を広げないと取付出来ません。 工具一式です*ペグ本体 *ブッシュ圧入クランプ *リーマー *面取り用ダイアモンドヤスリ *ドリル◆ペグ交換完了 画像下のタミヤチューブは、ミニ4駆用のFグリースです、グローバーと言えども金属カムが接地する部分には摩擦が起きますので、オープンタイプには画像のグリースを使ってます。ミニ4駆のシビアな調整に使われるだけ有って優れ物です。順正のビスは少し長いので、このまま使うと2&3弦ペグの上部分が盛り上る可能性が有りますので手持ちの少し短い物と交換して使用しました。ウクレレのヘッドは薄いので、1ミリ程短い物を付属した方が良いと感じました。◆リペア完了しました! 先ずは画像を並べて見ました。 キズを完全に消すには、塗装を全て剥がしてから、下地を完全に作り再塗装するしか有りません。 この方法を取りますと、51年の歴史が全て消え去ります。 キズはこのウクレレが歩んできた歴史その物ですが、木材白地むき出しですと宜しく有りませんので 全体をオイルフィニッシュを数回施してから、蜜蝋ワックスで仕上げました。 キズにはオイル分が染み込んで保護されてますので安心です。4弦の溝が余りに狭いので、ナットファイル0.28で広げました。◆全体のセッテング【魂入れ工程】! ●先ずは画像をご覧下さい オーナー様から、気になる程では無いけれども、微妙にオクターブが合わない感覚が有るとの事でした。 2台の同型チューナーで遊んでいる訳では有りません。 左側が【440HZ】設定で開放弦測定用で 右側が12フレットの音程チェック用です。 1台ですと、HZを上げたり下げたりで面倒なので、同型のチューナーを駆使して測定します。 アコギ用が使えないので、完全アナログ方式での計測です。 ●結果は微妙にズレてました、確かにフレット音痴までは行かないまでも、気にし出しますと 気になるかも知れないレベルです。 フレットを持つ弦楽器は、厳密に言いますと完璧に調律が合う事は有り得ません、フレットと言う 高さの有る障害物を押さえて音を出しますので、押さえた時にセンターの12Fがスケールの中央 から必ずズレるからです。特にウクレレはギターと違ってスケールが極端に短く、12Fの弦高は ギターをそれ程変わりませんので、ギターよりもオクターブを合わせるのはシビアな調整が必要 で有ると感じます。 人間の耳はある意味丁度良い加減に出来てまして、0.01HZの違いを聞き分ける出来る方は 滅多にいないと思います。これで大丈夫って感覚が有るから成り立ってると思います。! ●メモの上部分は、オクターブチェックのデータです●メモの下部分は、ネックにスケールを当てた時の、シクネスゲージのデータです。 ※シクネスゲージとは、簡単に言うと隙間測定プレートセットの事です。◆オクターブ調整は、12Fが高い=短いので、サドルの弦接点をブリッジ側に下げる事に よって、結果的に12F以降が長くなり、音程も下がると言う訳です。◆ネックの捻じれが有る様に感じるとの事でしたが、確かに超微妙にズレは認められますが 演奏に影響が出るレベルでは無いと思います。 測定データ上は、指板のセンターを基準に、2弦と3弦では、8フレットから11フレットに シクネスゲージが入る差異が有りますが、この数値は演奏に支障が出るレベルでは有りませんし、 少なくとも私は捻じれを全く感じませんでした。◆サドルが深い溝になってましたので、溝の下までフラットにして、弦との接点をブリッジ側に下げます そうすると、弦高を下げる事無くオクターブ調整が出来て、更に、弦とサドルの接点を点に変える事に よって音に改善が生まれる予定です。◆どれかの画像の中に、ミラーが写り込んでます。実はこの型のミラーを見た記憶と、ポケットイン型の エチケットブラシにミラーが付いてた、の記憶が混同してまして、久しぶりに顔を出した工具ショップ で見かけた時に、・・・やっぱし有った! もっと早く気が付けば良かったけど、アフターカーニバル 後の祭り状態ですが、有ると便利な工具は見かけると、即買い!が鉄則です。 現在の本業でもそうですが、工具が無ければ何も出来ない!からです。◆リペア完了画像3連続 ◆弦を張って試奏した感じは、【ウクレレらしい音がする】って表現がピッタリ合う感じです。 ウクレレなんだからウクレレの音に決まってるだろ?! そうなんですけど、素直なウクレレ の音って感じで、癒されるというか、暖かい音色に感じます。前回の木曽スズキ製とは違った 感じの音で、楽器の個性って面白いなぁ~って思った次第です。 補強突板を加える事によっての、音への変化、特に宜しく無い影響は感じられませんでしたので 安心しました。🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月17日
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◆今回は、YAMAHA APX-6S ピックアップの点検or交換のご依頼です ◆ギターオーナー様は、【見聞録】のリーダー様です。 ※見聞録さんをご紹介いたします。 オリジナル曲を中心に、女性ボーカルとバンドメンバー4人のグループで、K2も大好きなバンドです◆画像から確認して行きます●フレットボードとフレットの減り具合で、エレキ弾きの演奏スタイルで有る事は一目瞭然ですね●ピックアップシステムは標準装備されており、アンダーサドルとボディ振動の2パターンです●バックはどう見ても樹脂製に見えますよね? 実はこれで木製です。 製作された年代はオベーションを筆頭に樹脂のバックが流行していて、日本楽器としては 樹脂を使う訳にはいかないので、樹脂に見えるバックにしたのだと思います。 ここまで手の込んだ加工をする事に【男気】感じますね! 実際ギターオーナー様も樹脂製のバックで有ると今日まで思っていたそうです。◆リペア開始して行きます●最初の見立てでは9Vの電池スナップが断線してましたので、断線し難いタイプに交換したのですが 全く反応しません。ピックアップ&ジャックは生きてますので、プリアンプのトラブルが確定しました 修理は残念ながら不能です。◆FISHMANに交換します●取付しました補強のエゾ松は小さくカットして有ります。●既存のジャックはストラップピン専用にして、レスポールと同じ位置にジャックを付けます◆FISHMANの取付は度々アップしてますので、今回は割愛させて頂きます●YAMAHAと最も相性が良いエボニーサドルに交換します●リペアが完了しましたので、音のバランスを確認して行きます。 全く問題は有りません。◆本革のギターケースです●ギターオーナー様は本業で革加工の会社を経営されてまして、自社で製作されたとの事です。 型を取ってオーダーメードで注文したら・・・です。 どうしても製作して欲しいというゲスト様がいらっしゃいましたら、ブログに書込みして下さい。 予算は覚悟して下さい。🌸とってもたいへんよくできました🌸
2019年07月09日
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◆今回は、ZO-3 音出ない&セッティングです アンプを通してはOKですが、9V電池では作動しない個体は時々見かけます●割と初期のモデルらしいです。最初にZO-3を見た時はデザイナーのセンス・柔軟な発想に 思わず笑ってしまいました●ローズのフィンガーボードです●弦の角度にかなり無理が有りそうです●バックカバーもZO-3してます●ストラップピンの位置も斬新です◆電池駆動しない原因を確認して行きます●9V電池のスナップが断線してます。このケースが原因で有る事は多いと記憶してますが、 勿論ですが原因の全てでは有りません●電池スナップの構造上の問題が有ります。電池脱着の際に力を入れ無いと外れないので そうすると、画像の通り内部の白いプレートも変形して、ハーネスのハンダが外れる 事が原因です●k2ギターファクトリーでは画像のタイプのスナップを使ってます ホルダーがプラスチック製ですから脱着も純正よりも楽に出来ますが少し加工しないと 収まりません●加工と言っても画像の通り、ハーネスが出る部分を削ってスナップの先端が出る様に すればOKです●後はプラスとマイナスを間違えない様に結線するだけですが、赤黒ですから間違え様が 無いですね●パイロットランプが点灯して内臓スピーカーから音が出る事を確認しました◆セッティングに移ります●弦の角度に無理が有るので、ナットの接着が外れる事も時々有る様です この際ですから、プラスチックからハカランダのナットに交換します F社様にお願いです、ナットの接着にはアルコール&水分に反応して柔らかくなる 接着剤を使って下さい。カーブボトムで溝に収まってるナット溝のクリーニングは 見た目よりも何倍も大変なんです●ナットは柾目のハカランダで削り出します●カーブボトムにする意味は判らないでも有りませんが,責めて接着剤はタイトボンドを 使って頂きたいと思います ●コピー削り出しですから簡単ですが、全く同じカーブにするのは少し神経を使います●ニカワでしっかり接着して有りますので、急な弦角度にも外れる事も無く ナット交換の時も簡単綺麗に外せます。 1Fの微調整はブリッジ&オクターブ調整してからです🌻現在はすっかり改造されたZO-3 改め【レスポールJrーZO】です●最初の面影は全く有りませんが、評判もなかなか良いです
2020年01月01日
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◆Morris F-30 セッティングのご依頼です ギターオーナー様は、Untitled-182様です 今回はMorrisを3台お預かりさせて頂きました◆画像から確認して行きます●立てロゴのFタイプはリペアさせて頂いた記憶が有りませんので、初めてで間違い有りません●30番でも立てロゴになると製作に気合が入って入る事を感じます●勿論、日本製です●合板ですが貼り付けて有るローズウッドも良い材ですね●キズも殆ど付いて無い状態です●前オーナー様?と思いますが、弾き易くするために相当努力をされた形跡が有りますが 幸いにも2度手間になる様な事をされて無いのは幸いでした◆リぺア開始して行きます●1弦が切れてましたので、正式オーダーでも有ります、フレットエッジのバリを取って行きます 乾燥する時期に時々有るトラブルです●バリを簡単に取る方法を考案しましたが、申し訳有りません社外秘とさせて頂いております フレットを磨いてフレットボードにオイルを塗ってネックの仕上がりです●サドルを外しましたら、ローズウッドのスペーサーが下に置いて有りました 弦高調整の邪魔になりますので除去しておきます サドルの削り方も凄い事になってますね。 Untitled-182様の感じた通りフレットボードの曲線と全く合ってません◆取り合えずこのサドルで弦高を確認します データーとして使うのは、6E&1Eだけで他は一切無視します●6E/12Fは、2.10mmで良い感じです●1E/12Fは、1.75mmでOKですが・・・●1弦のクラランスが無さ過ぎてブリッジに接触する低さです●0.5mmのクリアランスしか有りません●幸いにもブリッジの厚みとサドルの喰い代が有りますので、ブリッジトップを 1.5mm削り落とします●型紙を当てながら削り落として行きます●予定の高さまで下げました●6E&1Eの高さを基準に使います●フレットボードは350Rです●ここまでズレてるサドルも滅多に見る事は無いです●Morrisとの相性の良いエボニーサドルで削り出しました●弦を張って1フレットの4~6弦のクリアランスを調整します●6E/12Fは、2.10mmでOKです●1E/12Fは、1.60mmでOKです●ヘッドストックの仕上がりです●フレットのエッジ処理もOKです●サドルの出も充分確保しました●ブリッジは、蜜蝋ワックスのアマニオイル入りで仕上げて有ります●リペアの完了です
2022年12月30日
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◆ StratoCaster魔改造のサポートして行きます こんな事を依頼して来るのは、ご期待通りミキサーのU様です U様は、工房の魔改造倶楽部の会頭を務めておられます 最近になって魔改造ビョーが再発されたそうです ボディ&ネック以外は全て入れ替えて、サーキット以外のハードウェアーの 入れ替えを担当する事になりました◆画像から確認して行きます●ピックガードの中は全て入れ替えが済んでる様です。 ピックアップは手巻きのハンドメイドタイプに交換したそうです●フレットは浮きが有る部分を修正します●ナットはエボニーのご希望も有りましたが、ストラトらしさが減る可能性が有りますので オイル漬けに決まりました●トレモロユニットの取付確認と、スプリングが強すぎて、このまま使うとアームが確実に 折れるので、必要で有ればフェンダーのビンテージタイプに交換予定ですが、メーカー欠品中で 納期3ヶ月以上掛かるので、別途ご相談とさせて頂きます●無理やり付けた感が有ります◆改造を開始して行きます●ヘッドをサンディングします●U様がザグった時に勢い余って削ってしまった部分に黒ペイントを塗ります◆ブリッジ&トレモロユニットの取付位置を確認します●EtoEの位置を確認します ブリッジの取付位置に左右どちらかに寄ってる事は有りませんでした●弦を張って確認しましたが、違和感を感じるかは微妙な位置ですが、何とかOKと思います●ローポジはOKです ブリッジの取付位置に狂いが有りませんので、違和感を感じる場合は、EtoEが1mm程度短い タイプに交換する事になります●ナットは素直に外れましたが御覧の通りバキバキです。再利用しませんので問題有りません●クリアが有る程度硬化しましたので、ナットをセットします●ロックペグもセットしました ペグの振れ止めのビスの位置はリマーで、取付穴に固まっていたクリアを取り除きますと 位置を変える必要も無くピッタリ付いてます ロッド調整直後ですから、1フレットの調整はネックが安定してからになります 現状では4D~6Eを微調整すればOKです●U様専用のセッティングにします ベーシストでピッキングが強いので、工房標準よりも高めにセットします●1E側も同様です●音出しテスト中に気が付きましたが、ジャックの船の角度がキツイのでこのままですと トレモロアームを使う事が出来ません。使っているシールドはザウラですから特別に長いって 訳では有りません。●ネックも安定しましたので、1フレットのクリアランスを調整しました●ロックペグも使い易いです●スプリングの位置を調整してブリッジが指定の高さまで、フローティングさせて有ります●フレットの微調整も済みました●リペアの完了です🌻試奏タイムです ハンドメイドの手巻きのピックアップと聞いてましたが、確かにK2の好みの音で 特にミッドブーストが入ってるのでは無いかと勘違いするほどです。 入手したいことをお聞きしましたら、現在は製作を中断されている様で難しい らしいですが、再開したら教えて頂けるそうです 安定して仕入れる事が可能になれば、工房のお勧めピックアップに指定させて 頂く事は決定しました。🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2023年01月08日
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◆Morris FC-20 セッテイング です ギターオーナー様は、Untitled-182様です 今回は購入先から工房へ直送の手続をされて昨日無事に届きました ギターを増やす事は控える様に心がけているそうですが、 何故か更に自然に増えてしまうそうです◆画像から確認して行きます●ステッカーを剥がすご依頼を頂いて居りましたが、計8枚貼って有るとは想定外でした●スロッテッドヘッド・タイプです●1968年製でジャパンビンテージ・ギターです●時代背景を感じるスッテカーです●何故この様なスッテッカーを貼られたのか良く判りません◆リペア開始して行きます●クリアにキズが付かない様に慎重に剥がして行きます●トップ右下のクリアの浮きを注意しないと面倒な事になりますので マスキングテープで養生しておきます●ピンが1本だけ経年劣化で、簡単にポッキと折れましたので全交換する事になります●弦高を下げる目的でV字に切込みを入れた様ですが、1Eと6Eが逆向きにセットされてました この切込みの影響で1弦は全てのポジションで、とんでもない出音になってます 切込みの深さから再利用は出来ませんので、エボニーサドルに交換します●バインディング材の縮みが原因で、左右同じ位置でバインディングが剥がれてます ●コンパウンドを付使って残ったシールの糊を取り除きました●バックも同様です●アンポのスッテカーは紙製でしたので、特に剥がすのに手間が掛かりましたが、 何とか綺麗になりました●クランプが確実に固定出来て、更にバインディングも固定出来る、 アテ木を作って接着固定します。バインディングをボディに隙間が出来た場合はパテで 補修して行きます●フレットを磨いて行きます。画像のセンターが磨く前です●全てのフレットを磨いてフレットボードにオイルを補給しました●ロッドカバーが既に割れていて、ビスで止まっていた状態でした●瞬間接着剤で接着しておきます●ロッド調整後の6E/12Fの弦高が、4.5mm有ります●1E/12Fも4.0mm有ります●サドルの出が6E側で2.0mmです●1E側は1.0mmです●ブリッジの高さは6E側で7.7mmです●1E側で8.2mmです●私的なメモで気にしないでOKです このネックの状態で弦高を下げると、ブリッジの高さを4.2mmまで削って、 そのからサドル溝を2.0mm付ける事になります、 この状態ですと何時ものセッティングがNGと言う結論が出ました ●理由は簡単で、ネックが強度に元起きしてます ボディ天羽にスケールを当てて、スケールの先端位置を確認しますと●ラインを引いた位置からフレットボードの下羽の距離まで8mm有ります 弦を張ったままのギターでも、変形には必ず限界が有ると思いますが、元起きの限界は 8mmと考えてます。実際に8ミリ以上元起きしたギター見た事が有りません ●ネックリセットの選択を避けるため、ネックアイロンを掛けて元起きを修正して行きます●余熱が残っている状態でスペーサーの厚みを考えて治具をセットします 今回はある程度パワー技を使う事になりますし、治具をセットしたばかりで何とも言えませんが リペア完了まで数か月掛かるかも知れません。 いずれにしても現状ではリペアに必要な時間は予測不能です◆治具を外して修正の進捗状況を確認しますと、当初の計算ほどブリッジを削らなくても OKの見込みが出てきましたが、あくまでも現状では見込みです 現状では予想以上に治具の効果が出ていると理解して下さい●ブリッジのトップを2mm削ります●トップを2mm削った分、サドル溝も2ミリ掘り下げます◆セッティングをして行きます ●1フレットにスペーサーをセットします●スケールで測定した仮のサドルです●12フレットジョイントなので、10フレットを基準に弦高をセットします 6E/10Fで2.10mmです●1E/10Fで1.75mmです◆セッテイングして行きます●相性の良いエボニーのサドルを削り出していきます 長めに切出して両サイドをブリッジの曲面に合わせます●仮のサドルと同じ高さで削り出し弦をセットします●1フレットのクリアランスにバラつきが有りますので、0.5mmのスペーサーを セットしてセッティングを確認します●6E/12Fは、2.25mmで予定通りです●1フレットは1.75mmです●フレットボードの仕上がりです●トップが浮いていた分部はバインディングと同じ高さに修正して有ります●バックのバインディングが縮んだ箇所は、画像で見るほど実機は目立たなくなってます●リペアの完了です リペア前は5.0mmの弦高でしたので、世界標準の2.50mmで妥協するせざるを得ない 可能性も有りましたが、工房標準セッティングにする事が出来ました🌻試奏タイム シャキとした輪郭のハッキリした出音で、ボディの形状からフィンガーピッキングに 最適なギターです。フレットの状態から殆ど弾き込まれた形跡が有りませんので 今後の音の成長が楽しみです。 🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2023年03月29日
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◆Gibson EC-20 STARBURST フレット修復 ギターオーナー様はM様です ◆画像から確認して行きます●メイプル材ギター特有のレスポンスの良い出音です ●星のインレイが使われており、陽気なアメリカンって印象です●タイガーストライプが出てます◆リペア箇所の確認●青色でマーキングした部分のフレットの凹みは、他の箇所の形状と全く違うため 弾き込んで出来た凹みと言うよりは、弦で付いたキズと考えた方が妥当と思われます◆リペア開始して行きます●フレットクラウンの修復が必要なフレットにマスキングをします●工房㊙の手法でフレットのエクボを必要最小限で取除きます●フレットクラウンを修復しコンパウンドで磨いて仕上げます●完全にエクボを取除いて有ります●ワックスを塗ってフレットボードを仕上げます 試奏した結果、微調整の必要は有りませんでした●リペアの完了です🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2024年08月23日
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◆今回のご依頼品は YAMAHA FG‐140通称赤ラベル です。 ヤマハFGシリーズのリペアは久しぶりです、FGは、赤、黒、グリーン、ベージュ、オレンジ 何台リペアさせて頂いたか数え切れませんので、リペアの手法は確立してます。 今回はFGファンの方のリペアのヒントになる様に、時系列で画像と説明を真面目にアップして 行く予定です、・・・あくまで予定です。◆リペア前の画像です●経年を考えますと良品美品です。余り弾かれて無かったのかも知れません。 試奏した印象は、・・・サステーン効いてるけどバランスが?喉に小骨が刺さった様な 微妙なストレスを感じます。 K2の記憶が間違って無ければ、FG140赤ラベルはバック&サイドにラワン材が使われて いたと思います。・・・ラワン材もワシントン条約だった様な気がします。 当時は木材として格安だったと思いますが、との粉で目止めは大変だったと思います。 マホ材の近似材のサペリを使った方が結果的にコスト掛からないと思うのは私だけでしょうか? ◆リペア内容の画像です●ナット交換 3Eが完全にすり減って1フレットに当たってます。●サドルを2分割/【6E~3G と 2B&1E 】エボニーと水牛ボーンで製作 指板のR350に対して サドルのRが合ってません。この隙間が弾き難さの原因の一つです。●ネックヒールクラック補修 FGシリーズでは特に珍しく有りません、素直にくっ付いてくれます。 接着後が美しく無い場合は、ネックをオイルフィニュッシュにします。●オイルフィニッシュにした方が良いとの結論が出ました。●ペグはそのまま使えそうなので、業務用強烈錆取液で除去する。 ネジが目茶苦茶です。 ネジのs種類は、皿ネジと丸ネジが有ります。画像のペグは丸ネジを使わないと きちんとトルクが掛かりません。ただ、2.5mmで長さ15mmの丸ネジは一般の方では 入手困難かも知れません。 ネジ穴が広がってユルユルと推測出来ますので、穴をマホ棒で補修してからになると 思います。 ※皿ネジ ストラトのピックガードに使うと言えば判り易かも知れません、ネジ頭の部分が すり鉢状に面取りしてある所専用です。 ※丸ネジ 平らな金属板等を止める時に使います。●ピックガードが剥がれかけてのと、位置がズレてます・・・ピックガーガードの形が オリジナルと違う様な気がします。◆リペア開始します 先ずは外す物を先に外します●ピックガードを再利用する場合は、プラスチック製のへら外しますと、殆どのケースで 変形しないで外す事が出来ますが、決して強引にしてはいけません、無理せず優しくが 基本です。●ナットを外す時は、ドライヤーで温めてから最も柔らかい木材の桐で木槌でコンコン 優しく外しますが・・・画像の様にネック材とつるんで外れる事が多いので、外した 面を平らに整形しておきます。●ナット溝にピッタリで90度が完全に出てる治具を使います。底面にサンドペーパー を貼り付けて水平に均しておきます。●サドルがどうしても外れない時は、精密ドライバー【ステンレス素材限定】をサドルの際に 差し込んでテコの原理で外します。きちんと溝を作れば違和感と音質への影響は無いと思われ ます。◆その他の総合所見 FGシリーズに良く有る、ネックの元起きと5フレット付近の僅かな逆ゾリは有りませんでしたし ネックもほぼストレートで、好きな高さに弦高を設定出来そうです。 音質=素材の良さ の方程式を崩せるポテンシャルを秘めた個体なので、セッティング完了が 今から楽しみです。◆ピックガードを外しましたところ・・・●芸術?それとも落書きかな? ピックガードレスのご希望は木端微塵となりました。◆ネックヒールクラックを接着して行きます。●クラック周りの塗装の表面だけを予め軽く剥がしておきます◆タイトボンドをクラックに流し込んで行きますが、クラックの隙間を広げて、スクレーパー を使って奥にも届くようにたっぷり塗ります。●はみ出たタイトボンドは、固く絞ったウエスで拭き取らないと後が大変です。 ウエスは堅く絞ってOKです。筆に水を付けて拭取る方もいらっしゃいますが、 そうすると水分がクラックの中に入ってしまい、タイトボンドが薄められて接着力が 極端に弱くなりますので、くれぐれも絞ったウエスで拭き取って下さい。◆クランプで固定して行きます。●クランプが滑らない様にウエスを挟んでおきますが、ボディにクランプが掛かると バッキッ!バックが割れて大変な事になりますのでネックヒールにだけ掛ける様に して下さい。 完全に密着してる事を確認して一晩放置します。◆塗装を剥がしていきます●リムバーの登場かと思うゲストの方もいらっしゃるかと思いますが、FGシリーズは 150番のサンドペーパーで簡単に剥がれてくれます。 スクレーパーの助っ人も殆ど必要有りません。●150番➡240番➡600番➡1000番と番手を上げながら表面を整えておきます。 ネックヒールのクラックが完全に接着されている事も確認しおきます。◆ペグビス穴の補修が抜けてました●勢い余って貫通させない様に注意しましょう。 木工用のドリルは綺麗に穴が開きませんので、プラスチック用/3mmのドリルを 使います。●3mmのマホガニー棒で埋めておきます。 プラスチック用ドリル 打ち込み用小槌 フレット抜き用のニッパー?を使います。 タイトボンドで接着しておきます。◆ネックをオイルフィニッシュしていきます 塗装の良し悪しは下地を整える事に尽きます。●最初のオイルで劇的に変化する所が好きです。 このまま5分ほど放置してから、400番の耐水ペーパーで均して行きます。●ペーパーで均したところです、浮いていたオイル分が染み込んで行きます。●全体にペーパーを掛けて行くのですが、丹念に掛けても全く問題は有りませんので 念入りに掛けて行きます。 掛け終わったらウエスで拭いて初回は完了です。仕上がりを見て2~3回繰り返しますが 最後ペーパー掛は軽くでOKです。15分程度放置して拭き上げて完了です。 このまま1週間程度乾燥させてから、蜜蝋ワックスで拭き上げればオイルフュニッシュは 完了です。●オイルフィニッシュ完了●1週間後に蜜蝋ワックスを掛けますと、手にしっとり馴染むネックタッチになります。◆ピックガードを貼り戻しますが強力両面テープは使いません、ピックガードが収縮した 場合に、ボディトップにクラックが入る事を防ぐためです。 GIBSON/J45などは、分厚いピックガード&タイトボンドの組合せで、ネックの付根の ボディが割れるトラブルが有り、この場合のリペアはギターの構造上パーフェクトには 出来ません。【ネックポケットの中に当て木の補強が出来ないからです】●強力で無い両面テープって探すと意外と売ってません。●芸術が見えない様に貼りますと、正式な位置とはズレますが致し方有りません。◆サドル&ナットを作り直します 指板のRはアコギの代表的なR350です●ナットの仕上がりです●素材は、オイル漬け水牛ボーン製です。ナットが低すぎますと微調整どころか、作り直しになり ますので、少し高めに作って微調整します。●仮置きして隙間が無いか、反対側からライトを当てて確認します。隙間が無い事を確認しました。◆サドル製作手順●最初にブリッジのサドル溝の底面を水平にして、サドル底辺と完全に密着する様に整形して おきます。●指板のRと全く合ってません、この微妙な差は弾き難さに直結します●サドル底辺も水平では有りませんでした●全オーナー様がご自分で削ったと推定しますが、専門工具が無くても水平に削り事は 実は簡単です。 隙間が有りますと、ブリッジとの隙間が開くため音質に悪影響が有ります。●ブリッジの素材は、エボニー【黒檀】がFGシリーズとは最も相性が良い様です。 今回もエボニーで作って行きます。●底辺を水平に削る方法を画像でご案内致します。 エボニーの板の入手が困難になってしまいました、仕入れ先から今後は入荷しないかも 知れません!?大変困ってます。ストックは200台分程度しか有りませんので、無くなる 前に何とかしないとリペアに支障が出てしまいます。◆使う工具はこれだけです●ガラス板 スコヤ【直角が出てる物ならOK】 サンドペーパー 320番程度 サドル材●削る前は隙間が有ります●削る時は、底面を削る感覚では無く。スコヤに押し付けて前後に動かして削る感覚です。 馴れない時は、前後を入れ替えて削り進めると良いと思います。 *ご注意;左手はデジカメを持ってますので、右手だけで削っている訳では有りません 必ず両手を使って下さい。●最初の隙間の程度にも寄りますが、1分足らずで水平に削る事が出来ます●サドルの削り出し●オーバーサイズで指板のR350に合わせてマーキングしておきます●小型かんな&木工ヤスリでマーキング線を残して削ってから、R350に合ってるか 確認しておきます。●ブリッジに入れて、緩く無いか確認しておきます●FGシリーズは弦との接点がサドル中央ですから、サドルの中央に接点が来る様に 削って、アマニオイルを塗っておきます●これで仮のサイズのサドルが出来ました●ネックに蜜蝋ワックスを湿布していきます●右側が蜜蝋ワックスを湿布した状態です、微妙な違いが判ると思います。●蜜蝋ワックスをヘッド裏に湿布しましたので、ペグを戻します●ブリッジとストリングガイドを整えておきます。◆全体のリペアが済みましたので、後はセッティングを残すだけです。 このセッティングでギターに生命を吹き込む訳です。◆セッティング開始します セッティング用の弦は元々張って有って有りました、超サビサビの弦を使います 今後使用する弦と同じ、012~ゲージなのでセッティングするには好都合で有り、 サウンドハウス製の調整用に使ってる新弦を使わなくて済むので、リペア料金も その分僅かですが押さえる事が出来ます。 ●取り合えず試奏します 何も微調整して無い、弦もサビサビなのに、デカい音とサステーンが効いてる・・・ 3G&4Dの音質は尋常では有りません。 試奏タイムは1時間掛かりました・・・単に弾きたいだけとも言います。 過去にリペアさせて頂いた、FG180赤ラベルと匹敵する程の音質です。 バック&サイドはラワン材だったと思うのですが、ギターの材質で音に余り関係 無いのでは?と思ってしまう程です。 音質は明るく歯切れが良くデカい音です。少し軽く感じますがフィンガーピッキング での音は素晴らしいの一言です。 ネックヒールのクラックが原因でお蔵入りしてたFG140が、完全復活を超えて 過去最高のコンディションに成ったのでは無いかと思います。 お引渡しさせて頂くまでは、若干の微調整が残ってますが相当期待していて下さい。◆12フレットのみのピンポイントなビビリ調整 11フレットが極端に減ってまして?擦り合わせしたのかも知れませんが、12フレット全弦が ビビりますので、12フレットを整える程度に擦り合わせします。 *画像撮り忘れてましたので簡単にご説明します 12フレットを両側からマスキングして指板に傷が付かない様に養生してから、600番の サンドペーパを使い、フレットロッカーで確認しながらクラウントップを少しずつ削ります。 11と12フレットが同じ高さになりましたら、フレットトップをカマボコ型に整形して 完了です。◆試奏タイム とてもラワン材が使われてる様な音質では有りません凄い事になってます。 確実に当たりの個体と言って良いと思います。 ヤマハのFGシリーズの特徴が良く出てる個体で、歯切れが良く軽快な感じです。 少し軽すぎるかな?って感じがしますが、素晴らしいギターで有る事は間違い有りません。 弦の選定アドバスにこれだけ迷った事は無いと言うか、未だに思いつきません。 ダダリオ~マーチン~から始めて、好みの音質の弦をチョイスして下さいとしか 思い付きませんが、エリクサーは避けた方が良い事は感じますし、各メーカーでも コーティング弦は避けてスタンダードタイプが良いと思います。◆素晴らしいFG140で、過去にリペアさせて頂きましたFG180赤に負けません。🌸🌸🌸たいへんよくできました🌸🌸🌸
2017年04月09日
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◆今回のご依頼は、GUILD D4-NT-HR リペアです GUILDのリペアは久しぶりです、個人的に好きなメーカーで、若い頃に通販で D55のコピーモデルを購入した事が有り、木曽スズキで作られたギターでしたので 良く鳴ってたのですが、現在は手元に有りません・・・誰に譲ったのかも覚えて無いのが 悲しいです。・・・思い入れの有るギターメーカーのリペアは大好きです◆弦が張ってませんので、事前に生音を確認する事は出来ませんが、YouTubeで 確認しましたら、恐ろしく鳴るギターでして、何としても覚醒して貰わねばと 益々気合が入ります。◆この恐ろしく鳴る素晴らしいギターオーナー様は、バンド名【おやふこうもの】の ギター&ボーカルの、TAKA様です。 プロデューサーのU様からご紹介頂きました。 【おやふこうもの】様の演奏をYouTubeでを聴いて見て下さい、凄いですよ!素晴らしいですよ! 3月に、私のブログにも登場する【山武市のシーブリーズ】さんでライブが入ってますので ゲストの皆様!是非お出かけ下さい!!因みにK2も聴きに行きます! ◆リペアの内容です ①フレットの打ち換え ②ボディの仕上げがナチュラル過ぎますので、蜜蝋ワックス・フィニュッシュ仕上げにする ③ピッキングが強力なので弦高は少し高めで、6E/12E で3.0mm~3.5mmの2種 ⑤その他はご相談で決定する◆先ずは画像で確認して行きます●ナチュラル過ぎ?オイルフィニッシュだった形跡が僅かに残る程度です。 強力なピッキングのプレースタイルで、ピックガード下のトップが削れてます●ロッドカバーが左右逆の様に思うのですが、スペルの向きを考えると合ってるのかも?☝この画像は、再度オイルフィニッシュしたバックです、比較出来る様にアップしました●バックはマホガニーの一枚板です、バックの曲面がピックギターの形状です◆コンディションをチェックして行きます●フレットボードの抉れも凄いですが、演奏にそれ程影響は無いと思いますが、 フレットは打替え無いと駄目です●ピックガード下の抉れを測定しましたところ、トップ厚3mm 抉れ最深部で2.4mm入って ますので、残厚0.6mmと言う事に成ります●ヒールエンドを紛失してますので、イメージを壊さない様に、心材に近いローズウッドで 製作します●弦のテンションが掛かって無い状態で、6E/12Fが2.1mmです●弦のテンションが掛かってませんが、軽くロッド調整しますと、フレットボードはですが若干の 元起きは有りますが、ほぼストレートです。●フレットにゲージを乗せますと、隙間が開いてるのが判ると思います。 フレットが減っていて、この状態ですとあっちこっちのフレットでビビリ捲りと思います●元起きは、最終フレットで、0.2mmのシクネスゲージがやっと入る程度ですから セッティングには影響しない程度です●このゲージは工房で作りました、スチェマ製ですとフレット部分の隙間が広すぎて 良く判らないのと、ステンレス製で厚過ぎてボディの上で落としたら・・・相当な破壊力 が予想されるので、オリジナルを使ってます。スケールに合わせて5種類作ればカバー出来ます◆リペア開始します●ボディトップは、単なる蜜蝋では無く、最初はポリッシュ効果も有るSmiteを使います●左半分に掛けました、木目が綺麗に出てマットな感じになり、スプルースの保護もしてくれます●全体に掛けますとこの様な仕上がりになります、まだ馴染んでませんが味が出て来ます。◆バックのラウンドバックのRが凄いので、ブレーシングはどうなってるのか?と思ったら バックにはブレーシングが1本も有りません! Guildはピックギターも作ってますので、ピックギター仕様なのかも知れません。●ブレーシングは、こうあるべき!は都市伝説なのかも知れませんね。◆覚醒可能な事が確認出来ましたので、フレットボードをクリーニングして フレットを打ち変えて行きます。●オレンジオイル&2000番相当の極細スチールウールで磨きますと、ここまで綺麗に 成ります。●使用するフレットは、三晃製作所製のフレットワイヤーです。ミディアムフレット214番で フレットクラウンサイズは、幅2.4mm 高さ1.2mmでオリジナルと同サイズですから、 プレースタイルに影響は有りません。 材質はニッケルシルバー、日本製ですから最高の品質です。◆既存のフレットを抜いて行きます●エッジが欠ける事無く10分程度で抜き終わりました●フレットボードをサンディング掛ける前に、フレットボードのRを今一度確認しておきます アコギで最もポピュラーなR350です●インチを換算すると正確にはR356になる様です フレットボードに白チョークで印を付けてチョークが消えたらOKと言う事です●サンディングしてフレットボードを整えておきますと、フレット打替え後に擦り合わせする と言う、馬鹿げた作業は不要になります。 カミングアウトしますと、フレットクラウンを新品と同じ【かまぼこ】型に整形するのは 苦手です、と言うか、スチェマ製のクラウン整形工具で綺麗に仕上げる事など不可能と 思ってます。●これだけヤスリの目が荒いと、ニッケルシルバーを綺麗に整形するには無理が有ると思います 無論スチェマ製のクラウン整形工具2種類とホスコ製も工房には有りますが、ヤスリ面が ダイアモンドヤスリの様に細かければ良いのですが、金属ヤスリと同じで非常に荒く クラウントップがキズだらけになってしまいますので、工房ではサンドペーパーを使って 凸凹無く完全水平に仕上げますので、約半日は掛かりますので出来れば避けたい工程です。 ●溝のクリーニングも終わりましたので、後は打込むだけです。 打込は明朝9時から開始する事にしまして、今夜はお開きと言う事で・・・ サイドバインディングが無いネックは久しぶりです。◆それではフレットを打込んで行きます●各フレット毎にカットしてホルダーに並べておきます●画像はジョウズ1 呼ばれる工具です。打込むと言うよりも圧着する感じです●サイドをカットして行きます●ベベリングファイルでサイドを整えて行きます。仕上げにダイアモンドファイルで指に 引っ掛らない様に仕上げておきます◆ペグを外しました・・・何が始まるのでしょう? ●10年以上眠ってたとの事でしたので、蜜蝋ワックス仕上げよりも再オイルフィニッシュ する方が効果的です。 オイルフィニッシュはフローリングのワックスと同じで、定期的に塗りませんと宜しく 有りません。 ●ヘッドです●バックです、下地を作る必要が有りませんので短時間で済みます。 深みが出て良い感じですね●ネック裏も弾き込んだ箇所は歴史が滲み出て来ます。まったり手に吸付く感触が好きです●サイドです●逆サイドです◆オイルフィニッシュ後は、ウエスで数回拭き上げて馴染むのを待ちます、焦って試奏しようと しますと、オイル分が服に付きますので数日間の我慢です◆無くなってるヒールエンドを製作して行きますが●マダカスカルローズウッドです●エボニーです●着色しますと漆黒になるエボニーを選択しました、同色よりも漆黒の方が ワンポイントになり締まって見えます。まだ粗削りですからご安心下さい。◆ネックヒールの上のサイドバインディングに隙間が僅かに発生してますので、隙間を少し 広げて突板を嵌め込んでおきます●両方ともピッタリ収まりました●着色には☝を使います、バイオリンをリペアする時に使うフィンガーボードステインです。 一回塗るとエボニーに早変わり!しかも殆ど色落ちしませんが、塗ってる最中に手に付きますと 風呂に入っても落ちません、2日間は付き合う事に成りますので、手袋は忘れずにです! バイオリンリペア用のアイテムは使える物が多く有り重宝します。◆弦は張ってませんがリペアは完了しました、オイルフィニッシュ部分を拭き上げたウエスに色移り しなくなれば、楽しみな試奏とシビアにセッティングして完了に成ります。●フレットです●拭き上げを重ねますとこの様に光沢が出て来ます●ネックヒールの仕上がりです◆昨晩、ご紹介様のU様にここまでのリペア状況を確認して頂きました、 TAKA様も喜ぶでしょう!とのコメントを頂きました。◆ようやく乾拭きしてもステインの色がウエスに付かなくなりましたので、ペグを磨きながら 取付て行きます。●逸る気持ちを押さえながら弦を張って行きます、4D~6Eを張って取敢えず音出しすると 今まで出会った数え切れないアコギの中でも、確実にベスト10の上位にランクインします! 弦高を確認しますと、弦高を上げ下げする事はしてないのですが低すぎます。なんで? 1F、2Fはフレットに付きそうで、ロッドにはテンションが全く掛かってませんので、 緩めて順ゾリ方向に動かす事は不可能です。 サドルが低く削って弦高調整がされてますので、フレット打替えによりフレットクラウンの 高さが上がったとしても、ここまで低い弦高になる訳ないのですが? 推測の域ですが、10年以上ハードケースの中で眠っていたので、順ゾリ状態からストレート 方向にネックが戻ったのでは無いかと思います。 高い物を低くするには限界が有りますが、低い物を高くするのは制約が無く簡単ですから サドルを作り変えて行けば済む事なので心配無用です。◆ナット&サドルの製作●43mm巾ですが微妙にズレてましたので、正確な位置を割り出して弦溝を付けて行きます。 SM社のこのスケールは確かに便利な事は認めますけど、使い難いのも確かと思います。 1E側を基準に、⇐43 とか印が有れば良いと思います。●予定弦高になる様に正確に削り出して有ります。・・・・ショートカット!・・・ この先の画像を撮り忘れてました◆この後のリペア内容は ①サドル&ナットをルームK2純正指定の、水牛ボーンオイル漬けに交換 ②6E~2.5mm/1E~1.5mmの標準設定に、+0.25mmで弦高設定 ③LRB製のピエゾマイクの音出し確認 全てが完了しましたので、本日【3/4日】来週ライブ開催予定の、シーブリーズ様にて 待ち合わせをさせて頂きまして、仕上りチェック&試奏を経て全てに合格を頂きました。 とは言うものの、アコギは生物です【いきものです、なまもの&せいぶつと読んではNGです】 湿度や少しの環境の変化に敏感に反応しますし、シビアなセッティングをしてますので、変化 を感じられましたら、喜んで微調整させて頂きますのでご連絡下さい。 ◆私の奥様に、今日シーブリーズ様で待ち合わせてるけどコーヒー飲みに行く? と聴きましたら・・・保護者同伴になりました。 【バンド名/おやふこうもの】さんのお二人は、同じく銚子市出身である私の奥様の 中学の後輩で有る事が判明!!当時は8校も中学が有ったらしいです。 被ってる先生が何人かいらしゃった様で、しばし、極地的な話題で盛り上がってました。 それから、【活動経歴】【犬若食堂】【教育実習】【気象予報士】【ドラムス破壊】【演歌】 【新巻きギター】ネタでは、このままM1グランプリ出てもブッチギリ優勝するのでは無いかと 思う程、楽しい時間を過ごさせて頂きました。◆ここでギルド君からの一言で締めたいと思います 【10年寝てたのに何で起こすんだよ!また、付き合わされる俺の身になって見ろよ! でも、本当はちょっぴり嬉しい・・・】 と言う有難いお言葉です、無理とは判ってますけど、少し労わって弾いて上げて下さい。🌸【おやふこうもの】ライブ予定 会場は共に、山武市蓮沼のシーブリーズ様です 3月17日土曜日 ジョイントライブ 3月21日水曜日 ワンマンライブ 2部構成で1部開始は、早めのPM4時 2部は5時 ご予約&問い合わせは、0475-86-2932 シーブリーズ まで。ライブ会場のシーブリーズ様外観 丸太ログハウスです
2018年02月08日
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◆FERNANDES ZO-3 セッティングのご依頼です ◆画像から確認して行きます●レスポール風味です ピックアップもGibsonに乗せ換えられてます、ピックガードは自作されたそうです。●おや?クラプトン風味も有ります●内臓スピーカーが交換されております。◆6E/12Fで3mmを超えてますと、エレキですと弾くには相当厳しいものが有ります ●指で弦を抑えてフレットに接触しないか確かめておきます◆このZO-3のオーナー様は、GENさん です。 普段はアコースチックギターで素晴らしいステージングを披露されております。 Gibsonをお使いになってますので、迫力のあるステージで有る事は簡単に想像して 頂けると思います。 ギターメンテに関しても知識と技術をお持ちですが、今回はこの弦高を下げて 弾き易くして頂きたいとの事でご依頼を頂きました。◆原因はこれです、そうです【ブラスナット】です●k2ギターファクトリーでもブラスナットの交換は、ナット巾&EtoEが合っている 既製品を使います。理由は簡単で、ナットファイルの消耗が激しくて 片面が1回で使用不能に陥るからです。 底面を耐水パーパーで削ぎながらセッティングして行く様にしてます。◆ナットの溝が・・・◆90度に整形してましたら、ノコ溝が姿を現して来ました、しかもフレットボードを 突き抜けてメープルネック材まで達しております。●センターだけノコ跡がありますので、半月型の特殊ノコの跡です。●ナット溝のペグ側の直角を出そうとしますとフレットボードが分断されて、 接着強度が落ちる可能性が有りますので、ギリギリの線で止めて置く方が 正しい判断と思います◆新しいナットの素材は、【ブラジリアンローズウッド】の柾目材に決まりました◆40年以上前に製材された特上の材です◆ナット溝に合わせて切出しました◆フレットボードはR350で、アコギプレヤーには慣れ親しんだRです◆この特殊工具はとても便利です◆1フレットに0.5mmのプラ板をセットして、上記のプレートを組み合わせてピンクの プラ板と同じ高さにします◆そして、フレットボードに押し付けて線を引けば、ナットの溝底辺が 出ると言う訳です●あとは線に合わせて整形するだけです、ナットが無い場合や、オリジナルナットが 使えない場合にはとても重宝しますが、出番が少ないので残念です◆上の線が溝の底辺です、若干オーバーサイズで整形して微調整して行きます◆ナットらしくなりました◆ナットの整形が済みましたので、弦溝の墨出しをします●43mm巾の部分を当てて墨付けしますが、この工具ははっきり言って使いに難いです◆ナットファイル・ノコ で弦溝のセンターにノコを入れます◆ネック裏とヘッド裏のビス跡をメイプル●棒で埋めて行きますmm●ビスの長さに合わせてマスキングテープで印を付けてネジ穴を整形しておきます。 直径3mmの竹用ドリルを使います◆ネック裏の補修が完了しました●ヘッド裏のネジ後には鍋ネジが強いトルクでに打って有ったので窪みが残ってしまうので、 周囲を木工パテで埋めてから仕上げます◆ブラジリアンローズウッドのナットの仕上がりを確認しておきます●本来でしたら、巻弦は半分をナット溝から出す様にセットするのですが、 ZO=3のヘッド&ペグ位置が特別な形状ですから、通常の弦溝ですとナットから弦が 外れてしまいますので、ナット上面に合わた溝の深さにセットして有りますが、 音詰まりの無い様にセットして有りますのでご安心下さい。◆6E/12F は2.1mmですからエレキギターでは最も弾き易と思われるセッティングに 落ち着きました◆仕上がりました 【最初の画像を流用してます】◆お楽しみの試奏タイム 弦溝を調整する時にアンプに接続しようと思ったら、アンプ内蔵だった事をすっかり 忘れてました。 内臓スピーカーがらの出音もK2の知ってるZO-3とは一味違います。 Gibsonのピックアップと強化されたスピーカーの威力は流石です。◆マーシャル8080で鳴らしましたら更に驚きました、ライブで使えるポテンシャルを 備えてまして弾いていてとても楽しいギターです。 専用ハードケースの内張がギブソンピンクでしたので参りました!🌸たいへんよくできまた
2018年11月05日
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◆S.Yairi YM-02/HM セッティングのご依頼を頂きました ギターオーナー様は、ラジオ成田83.7MHzのパーソナリティの【人見えみ子】様です 冬になってフレットのエッジが指に痛い、弦高を下げて欲しい、チューニングが合い難い のオーダーを頂きました。全体をk2ギターファクトリー基準でチェックして行きます◆画像から確認して行きます●サイズはミニですが、14フレットジョイント/ラウンドバック/ナチュラルフィニッシュ 本格的な作りです●K2はこのギターの購入先を何故か知っております●バックにブレーシングが無いラウンドバックタイプです●曲面を描いたバックです●チューニングが合い難い原因の一つが、ペグの遊びです【ガタとは違います】●セッティング前の6E/12Fは2.5mmです、このサイズのギターですと高く感じる弦高です●セッティング前の1E/12Fは2.0mmです、このサイズのギターですと高く感じる弦高です●1フレットも1Eを除き僅かに高いです●6E側&1E側の両方のフレットエッジの処理が甘くバリが残ってます◆セッティングを開始して行きます●ロッド調整で6E/12Fが、2.25mmに下がりましたが、弾き易く感じる高さまでは もう少し下げる必要が有ります●1E/12F側も同じです●ペグポタんが上下に動いてしまいます。この遊びが有りますと、チューンイングで微調整する 時に、センターポールが微妙な動きに反応しないで、更に少し回すと反応しなかった分まで 動きますので、チューニングが合い難い訳です●ペグの遊びをバイスで締めましたが、カムギアとセンターポールの位置が微妙に合って無い 様で、上下に動かなくなりましが、遊びの解消までは至りませんでした。 快適にチューニングするにはペグの交換が必要です●弦を外してセッティングしようと思いましたら、1E弦が見事に嵌まって素直に取れません ストリングガイドを整えておきます●チューニングが合い難いもう一つの原因が、サドルが緩く弦のテンションが掛かると 前につんのめって行きます、これではチューニングが合い難いのも無理は有りません 心配されてました、オクターブは全て合ってますので安心して下さい●ベベリングファイルを使うまでも無く、ダイヤモンドヤスリとウルトラファインで バリを完全に取り除きましたのでもう痛く有りません●緩いサドルは交換する以外に方法は有りませんので、水牛ボーンのオイル漬けと 乗せ換えました。ストリングガイドも整えて有ります●予定の弦高になる様にサドルの高さを調整して有ります●6E/12Fは1.8mmです。ショートスケールのギターで無ければここまでは下げられません この高さで有れば弾き易く感じます●1E/12Fは1.4mmです●1フレットは調整しなくてもピッタリのクリアランスに成りました◆ロッドを調整した直後ですから、ネックが安定するまで数日は経過観察が必要です●リペアの完了です 仕上がり後の画像を撮り忘れましたので、トップの画像を流用しました◆試奏タイムです ネックのバリも完全に無くなり、弦高も限界まで下げて有りますので、ギターを始めたばかりの 人見様の練習の障害になる箇所は全て取除いて有りますので、トレーニング頑張って下さい。 音的にはミニギターって感じですが、弾き込んで行くと鳴る様になって来ると思います。 弾き易い➡練習が楽しい➡上達する➡ギターも成長する➡音が良く鳴る➡弾き易い の、プラスの無限軌道スパイラルになります。 ある程度上達されましたが、2台目のギターが欲しく成ったりします、その際はご相談下さい🌸たいへんひきやすくなりましした🌸
2021年01月02日
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◆YAMAHA FG-160 グリーンラベル セッティングのご依頼を頂きました ギターオーナー様は、Niei様です ブログにご訪問頂いた事がご縁で、リペアのご用命を頂きました ご期待以上のリペアをさせて頂きますのでご期待下さい 宮城県から送って頂きましたので、ちょっと微調整を!が効きませんので 1発でビッシっと決めて行きます 【最初からバーを上げるのがk2ギターファクトリー方式です】◆画像から全体をチェックして行きます●15分くらい試奏しましたが、最初の数分と後半の出音が変化して来るのが判ります まだまだ引き出せる余力が有りそうです●グリーンラベルはYAMAHAカラーラベルシリーズ中期モデルで、技術力が安定していた 時期なのかも知れませんが、粒の揃った名機が多いと思ってます●ペグの交換はお約束事項かも知れませんね、YAMAHAのペグのデザインは●●いですね●試奏の際には、ちょっとだけ弦高が高い感じがしましたが、測定しますと 6E/12Fで2.80mm有ります・・・こんなに高かったの? 実際の弦高よりも低く感じる代表の様なネックコンディションです●流石に1E側は高く感じましたら、2.25mm有りました●トップ側のテールのクラックを気にされてましたが、確かに補強が必要なレベルです●トップのクラックが貫通してないか、工房の照明を落として確認します 幸いにも光が漏れて来ませんので、貫通クラックでは有りませんでした●極薄のスクレーパーで確認しますと、ライニングに剥離箇所が有りました●忘れない事と、再度場所の特定をしなくて良い様にマーキングしておきます●ペグ交換の時の旧ネジ穴は塞いでおきます●ネック裏の塗装を落として、オイルフィニッシュにされてます、着色材を塗って 上塗りされている様に思います●ロッドは殆ど限界まで締め込んで有りました 1フレットのクリアランスが丁度良い高さですから、これ以上ロッドを使っての 弦高調整は不可能と言う事でも有ります●何となく高いと感じる原因は、ハイポジ中心の順ゾリです 最大値で0.3mmのシクネスゲージがスルーしてしまうレベルです●ロッドでの弦高調整は限界ですから、ネックヒーターーを使う必要が有りますが 他に方法が無いか考えます●最も厄介なネックの元起きは、2.0mmですから必ずしもセッティングに支障が有る レベルでは有りません●フレットボードはR350ですが、既存のサドルは御覧の通りです 【セッティングを始めましたら、サドルのセンターが高くしてある理由が有りました】●内部に手を入れた時に感じたのですが、トップ裏にクリアラッカーが吹いて有る感じです●旧のペグ穴を埋めますが、その時に気が付きましたが、平面を固定する時はナベネジで無いと しっかり固定出来ません🌻チェックが完了しましたのでリペアに移ります●剥離しているライニングにタイトボンドを流し込みます●外側からスプールクランプで圧着します●ビス穴を埋めて行きます●オイルで着色します●フレットボードにオイルを塗っておきます●弾き込みが凄いですが、フレットボードの凹みは大丈夫です、何故ならばストラトキャスターの スキャロップ加工を思い浮かべて下さい🌻ロッドフリーにしてましたら、何故かネックがストレートに戻ってます●完全に安心するのは弦のテンションが掛かってからです●ネックの元起きは修正が必要かギリギリのレベルです●ライニングの接着固定が完了しましたので、クラックにニカワを摺り込みます●ニカワを流し込んだ部分をクランプ固定します●収穫の遅れた大根状態のピンの収まりを修正します●ホールを僅かに広げて、ホールの周囲を面取りします●鏡面仕上げワックスでバフを掛けますと、電球が此処まで写り込みます●ビンテージギターの大好きな所です、キズさえも味に見えて来るから不思議です この貫録は新しいギターでは絶対に出ません●トップの割れ部分にクリアラッカーを塗って行きます●数回に分けて塗り重ねます●チューニングの時の【ピッキ!】の原因です メーカーで製作された時の弦溝が普通に切られてませんが、これは良く有ることです、 5A/6Eだけは最近調整されている様ですが、1E~4Dを調整しないリペア会社って、 k2ギターファクトリー基準では考えられません●ナットを整形して行きます ボーンナットの削り粉を見て頂きますと、アバウトに溝が切られている事が判ります 50年近く前ってこんなもんです●弦との接点を減らす形状に整形します、仕上げにマイクロファインで磨きますと艶が出て 良い感じです●【ネックが引っ掛った感じで弾き難い】のは、フレットエッジでは無くネック裏の仕上げが 甘い事が原因の様です 初期段階でネック裏のサンディングが不足してます、オイルはSM社の着色ステインを使ってる 様ですが、その上から塗って有るクリア?が良く判りません k2ギターファクトリー式のオイルフィニッシュ仕上でリフィニッシュします クリアが良く判らないのですが、収拾が付かなく成ったらサンディングをやり直して、 オイルフィニッシュをやり直せば簡単に解決しますが、ペグに隠れる部分で試して見ます●工房で使っているオイルフュニッシュ剤を塗ってもOKでしたので、バフ掛けして仕上げて行きます●ネックを握って頂きますと違いに驚かれると思います。 仕上げの蜜蝋ワックスは、表面が落ち着いた数日後に塗って磨き上げます🌻本題のセッティングにようやく入って行けそうです●既存のサドルをそのまま使って、ロッドフリーの状態で弦高を測定しますと、 3.0mm有ります。流石にロッドフリーではNGです●ロッドを締めて測定しますと2.10mmまで下がりましたが、弦のテンションが掛かりますと これでは満足行くセッティングに成りません◆工法を少し考えます ①ブリッジトップを1.0mm削って弦高を下げる ②ネックをセット角度を修正して見る【効果が出るかは予測不能です】 ①は何時でも出来て効果は確実です ②のネック角度を修正を先に試してからでも遅く有りません●戻したいレベルまでに治具を調整します●各クランプのトルク調整は経験が必要で、よゐ子は絶対マネしないで下さいね 数日で効果が出ますので、ブリッジに手を付け無くても良いレベルまで修正出来る事を期待します●ネックのセット角度調整後の弦高です・・・ロッドフリーで弦高が変わって無いので 角度の調整が出来てる事になります 弦を張ってセッティングして行きます●ペグを戻します ビスをステンの鍋ネジ2.4mmに交換しました●フレットボードとフレットをクリーニングします●ギター内部に埃が溜まってますと湿気を呼び込みます、内部の埃は不味いですから保管は ハードケースでお願い致します トップのキズのお尋ねが有りましたが、内部材はクリアを吹いて無くてもOKですから、 トップのキズは湿度に関しては心配無いと思います 湿度/温度の急激な変化と、内部の埃が溜まっている事は良く有りません ◆弦を張り戻してセッティングして行きます●ロッド調整をして6E/12Fは、2.50mmまで下がりました あとちょっとです●1E/12Fは、1.75mmです🌻一般的にはこれでOKなのでしょうが、試奏すると弾き心地が良く無いです●原因は8フレットより上の順ゾリで、最大値0.30mm有ります ロッドフリーで一度は戻った様に成りましたが、45年掛けて変化したネックを甘く見た様です ●迷わずネックヒーターを掛けて修正して行きます 代表的な順ゾリとは少し違いますので、クランプ固定位置をネックヒールの部分に追加します●6E/1Eの弦高調整に使ったサドルを基準にして、YAMAHA FGシリーズと相性の良い エボニーのサドルを削り出しておきます●予定の弦高になる様に削り出しました●ヒーターの効果が予定の通りに行きませんでしたので、ブリッジトップを0.5mm削り エボニーのサドルをセットして弦を張り戻します●グリーンラベルのブリッジは上塗り塗装を落としますと、ローズウッドの綺麗な木目が 姿を現します、これだけ綺麗な木目を隠す理由が判りません●エボニーのサドルに交換して弦高を確認します 6E~2.25mm/1E~1.75mm 予定通りの弦高に仕上がりましたが・・・●新しいセッティングにナットが対応出来ませんでした 3G&4D弦が1フレットにベタ付きになってしまいます 既存のサドルのセンターが極端に高くして有ったのは、これが有ったからかも知れません ●1フレットに0.5mmのスペサーをセットして、改めて弦高をチェックします●6E/12Fは、2.25mm OKです●1E/12Fは、1.75mm OKです🌻1カポで試奏しますとご機嫌そのものです◆初めて見た時に【これは何ですか?】気になって仕方有りませんので、工房の価値観で修正します●オイルフィニュッシュにする際は、ネックヒールまでオリジナルの塗装を落としますと 画像の様に変に見えますので、k2ギターファクトリーでは塗装を落とす事はしません●木目の綺麗なコーラルローズウッドで、ネックヒールを切出して貼り付けしました◆ナットをオイル漬けのボーンに交換します●養生してドライヤーで温めます●オイル漬けのナットの仕上がりです🌻リペアを必要とするポイントは全て完了しました●6E/12Fは、2.25mmです、2.50mmとは僅か0.25mmの差ですが天と地くらいの差になります●1E/12Fは、1.75mmの仕上がりです●ビンテージヤマハとの相性の良い、エボニーサドルとブリッジの仕上がりです●水牛ボーンのオイル漬けナットです、ビンテージギターにピッタリの風景になります●旧ビス穴の補修です●フレットボードとフレットを磨いて有ります、フレットボードは定期的にオイルを塗って下さい●オイルフィニュッシュの修正後です●内部ライニングの接着固定して有ります●数種類のワックスを使い、最終で鏡面仕上げワックスで仕上げたボディです◆ロッド~ネックセット角度修正~ネックヒーター~ブリッジ修正のフルコースでしたので ネックが安定した事を見極める必要が有ります、お近くでしたら、ちょっと微調整で済みますが 離れてますので、コンディションの安定を見極める時間が必要でです◆試奏タイムです グリーンラベルは久しぶりでしたが、やっぱり良いですね! 何とも癒される音質で、k2のナンチャッテ・スリーフィンガーでも、ちゃんと答えてくれます 弾き易く音も良いので、弾いていて楽しいです コードストロークもサドルとナットを交換しましたので、ファーストコンタクトの時の出音より 改善されている様に聴こえますが、元々ハードなコードストロークは苦手なタイプと思います マーチンとギブソンの個性と同じです🌻発送までもう少しお時間下さい🌸
2021年08月23日
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◆ストラト・レリック StratoCaster 魔改造後の調整です こんな事を依頼して来るのは、ご期待通りミキサーのU様です U様は、工房の魔改造倶楽部の会頭を務めておられます 最近になって魔改造ビョーが再発されたそうです ボディは私がお譲りした物で、レリック仕様にしたは私の仕業です◆画像から確認して行きます●長年使っていた結果の様に、自然なレリックにするのは本当に苦労します ●ペグの交換と○○を貼って行きます●ダンカン2発とリアはGOTOHのピックアップです、GOTOHのピックアップは コスパの高さに何時も驚かされます●○○を貼る段取りをします●交換するブッシュの径が僅かに大きいので、リーマーで慎重に広げて行きます 広げ過ぎない様に確認しながら進めます●使わないビス穴は埋木をしておきます●クルーソンタイプのペグに交換しました●ナットを交換します 外したナットはカーブボトムですが、ナット溝はどう見てもストレートボトムです。 カーブボトムでしかもセンター突起有りナットなので、瞬間接着剤を特盛で塗っても 取付が安定しなかったはずです●専用ファイルで特盛瞬間接着剤を取り除き、ネック材は殆ど削ってませんので 外したナットがカーブボトムで有った事に驚きました●高音のキンキン感を押さえたいオーダーでしたので、エボニーでナットを削り出して行きます もう一台リペアのご依頼を頂いてますので画像は2台分です 音への影響は【やってみないと判らない】エボニーのナットをストラトに乗せるのは初めてです●サクッと荒く整形したエボニーナットです 実はハカランダで作った事は有りますが、エボニー制のナットは初めてなので どんな変化が有るのかは未知数です●隙間が無くピッタリで有る事を確認しました●エボニーのナットの仕上がりです●蜜蝋ワックスを塗って弦をセットしました●弦高調整を済ませてバズるポンとを擦り合わせして行きます●チョーキングでバズるポイントも擦り合わせを済ませました●フレットクラウンを修復して行きます●スーパーファインとマイクロファインで仕上げる前です●フレットの仕上がりです●エボニーのナットをギターにセットするのは始めてで、狙い通り高音のキンキン感が抑えられて 目論見通りですが、1E~3G弦が籠るというか違和感を感じます。 ナット溝に問題は無いので、過去のハカランダナットを思い出しますと、フェンダー系のナットの 形状では無い事を思い出し、弦との接点を減らす形状に修正しましたら解決しました●アコギと同じ様に傾斜を付けて弦との接点を減らしました●ピックガードの両端の対角が微妙に合わずネジが斜めってましたので 埋木をして真っすぐになるように修正しておきました●魔改造の仕上げの完了です🌻試奏タイムです 今回は、魔改造倶楽部会頭セッティングにしましたので、私にとっては弾き難いので チョーキングでバスらないだけの試奏に留めましたが、リアにマウントしたGOTOHの ピックアップのコスパの高さに驚きました【個人の感想です】 会頭に念入りに試奏して頂きましたが私と同じ感想です 1時間程私用で会頭に留守番をお願いして戻って来ましたら、4弦のハイポジがバズる? な訳無いのですが、とギターを抱えましたら弦高がK2仕様に下がっているので不思議で お聞きしましたら、半音下げのテストをしているとの事で納得しました。工房のセッテイングは チューニングは勿論、ゲージを変えると弦のテンションが変わり違って来ますので 最初から言って下さらないとこの様な事が起こります 何とか4弦の限定ポジだけでしたので、その場で解決する事が出来ました🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2023年03月02日
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◆HN/永遠のカントリーボーイS様より、リゾネーターの1E&3Gの音が変と言う事で リペアの依頼を頂きました。●本当に味の有るギターです。◆原因は簡単に判りました●1Eはナットが欠損してました●3Gは・・・こうなる前に弦を交換しましょうね! しかし、ダダリオって丈夫な弦なんですね(笑)◆ナットはK2ギターファクトリー指定の、水牛ボーンのオイル漬けナット を削り出します。●削り出しの過程は省略して見ました。 水牛ボーンに変えましたら、更に手放した事をkoukaiする事になりました。◆今回張り替えた弦は、ダダリオのジャズギター用の011~049と言う、通常のアコギ弦とは ゲージのパターンが全く違います、1E&2Bが太く5A&6Eが細いので、ネックの負担が 少くても高音がしっかり出ると言うゲージパターンです。◆試奏タイムです ボトルを使わない通常の奏法でも面白いギターですが、やはりブルースのコード進行が 合います、ボトルネック奏法は最高に面白い音が出てご機嫌そのものです。🌸たいへんよくできました
2017年10月07日
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◆Westone W-60 マツモク工業製の名機と呼ぶに相応しいギターです 過去に同型機を所有してましたが、手放してしまい再度手に入れる 機会に恵まれました 今回は手放す事は多分無いと思います◆画像から確認して行きます 今回はリペアのレポートでは無く、調整の記録としてアップして行きます●75年製の様ですが、驚く程良いコンディションです●ヘッドの突板はハカランダの様です●SUPER NECK はマツモク工業と音響の専門家【大学の教授だったと思います】で 理想的なネックの形状を研究した結果生まれたと記憶してます ●エンドピンはローズウッドが使われてます サドルは相性の良いエボニーに交換します●フレットボードはローズウッドですが、クリーニング後にエボニーと間違える加工をして有ります●カタログスペックでは、サイド&バックはハカランダ合板となっていたと記憶してますが、 柾目なの、他の産地のローズウッドなのか見分けが付きません 👉記憶違いでカタログでは、ローズウッドとなってました●1E&2Bの1フレットは調整が必要です●6E/12Fは、僅かに高いです●1E/12Fは、大幅に高いです サドルをエボニーに差し替える際に調整して行きます●エボニーサドルに差し替える前ですが、セッティングは完了して最高鵜の仕上がりになりました
2021年12月19日
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◆今回のご依頼は、F&G Dariels ES-335モデル セッティングです この素晴らしいギターのオーナー様は 京都府福知山市大江町沸性寺1156 LogCafe & 薪ストーブショップフローレスタ のオーナー様です。◆画像から確認して行きます●状態が宜しく無いとお聞きしてましたので、初対面でビックリしました 試奏の段階でポットのガリは除去して有ります。●335は見慣れてるせいか、グロバータイプのペグに違和感を感じてしまいます 見慣れるという習慣は凄いと思います●フロントピックアップは、Gibson57クラッシクに交換されてます●Gマークは無いのですが、GOTOHのペグと思います●最初から綺麗ですと磨いても綺麗! になたった感は皆無と思います◆セッテイング開始して行きます◆ロッド調整でネックを限りなくストレートに戻します●ロッド調整前は順ゾリ値、最大で0.20mmです●ロッド調整しますと●ナットとブリッジの調整は最後の工程です。それでも6E/12Fが1.75mmです。 これではいくらなんでも低すぎます。ブリッジ調整で弦高を決めるのは最終局面です●余談ですが、ショップでヘッド側からネックを見て【反ってる!とかストレート!】とか言う方が おられますが、これでは微妙な反りはまず判らないと思います。この方法ですとK2はサッパリ 判りません K2がヘッド側から目視するのはネックの捻じれだけで、ネックの反りは1フレットと最終フレットを 抑えて、間のフレットを上から叩きますと、フレットの上で隙間が有りますと、ビヨンピョンと 音がします。ストレートでしたら隙間が有りませんので、タッチ音は出ません。 逆ゾリのネックの症状は、例 5フレットまではビタ付きで4フレット~1フレットに~隙間が有る と言う症状になります ●ショップでは、1フレットを左手で抑えて、右手の小指で最終フレットを押さえて、右手を 目一杯広げて親指でフレット上の弦を叩いてタッチ音がするか確認します。●ロッド調整だけで1FはOKですが,ナット溝の調整の問題と思いますが3Gの開放弦の音が変です●ナット溝を修正すれば簡単に解決します●1E/12Fは0.5mmです。セッティングの最終局面で調整します◆ブリッジのポールにガタが有るとのことでしたので確認しますと、簡単に抜けてしましました●どう対応するかは後で考える事にします 考えた結果は、接着剤で固定しますと後々面倒な事になりますし、ポールを交換する必要性を 感じませんので、シールテープを巻いて緩みを止める方法で問題無しと言う結論に達しました◆ペグ交換ですが、ペグ穴が10mm有りますので、ブッシュ式のペグはマウント不可です●クルーソンタイプでもブッシュ式はマウント出来ないので、6角で固定するタイプを探します ⁂取付穴が10mmでもブッシュタイプのペグがマウント可能な、異径ブッシュが販売されている 事を担当者様から情報提供頂きました。 しかしながら、ブッシュの部品代と中国製のクルーソンモドキのペグの合計金額が、グロバーと 大差が有りません。ペグとしての信頼性とショップのお客様が見た時に、なにこのペグ?では クールでは有りませんので、グロバーを採用致しました●リアのピックアップ高さ調整ネジ穴がユルユルで、補強のために薄いアルミ板を付けて 補強してる様です。 補強アルミ板が無くてもOKに修正して有ります◆フレットを摺り合わせておきます●修正前のフレットです。弾き込まれてるなぁ~と感じます●フレットクラウンを整えました。弦の窪みは殆ど消滅してます◆フレットクラウンの整形は試行錯誤して現在の方法に落ち着きました。 購入した工具は、SM社製2種類、ホスコ製1種類、特殊工具専門メーカー製1種類 どれもこれも、特殊工具専門メーカー製を除きヤスリが荒過ぎて使い物に成りませんでした。 その特殊工具専門メーカー製だけダイアモンドヤスリですが、小さすぎて使い難くてNGでした。 結局たどり着いた工具は、サンドペーパー&ハンドパワーです◆パーツが入荷する間に、ハードケースの剥がれ捲れをリペアしておきます●グルーガンが最高です◆ヘッドを修復して行きます●欠けた部分が有りませんので、欠けた部分全体にパテを盛って行きます 1日放置して軽く研ぎ合わせしますが、1回では段差が無くならいので、2回工程を繰返します●1000番~マイクロファインでサンディングします●艶有り黒ペイントを数回塗り重ねて、数日空けてからペパー掛けして仕上げます●バフ掛け前の仕上がり具合です●ヘッド全体にクリアーを吹きますのでボディの養生にてを抜くと後が大変です。 下地と養生は塗装の基本と言うかこれで仕上がりが決まります◆乗せ換えるハードウェアーのご案内です Gibson57クラッシクに交換されていますので、それとつり合ったパーツが宜しいかと思います。●ペグ ●パッケージに入ってるペグは、グロバーのクルーソンタイプで10mm穴用の六角締め込み型です パッケージに入っていないペグは、ブランド無しの中国製です、ブッシュ取付ですから、ブッシュ径 10mmで内径が3mmのブッシュを別途用意しなければならず、ペグとブッシュの金額とグロバーの ペグの金額が、精度と見栄えを考えますとグロバーを乗せた方が断然良い選択と思います 長く使うギターですからグロバーを乗せる事にしたいと思います。 ◆ブリッジ●工房ではパーツと言えばESPを真っ先に探します。 製作精度の高さとパーツとしての安心感が違います◆ポットノブ●ミリ対応で帽子型ですと、使用されてるパーツとのカラーが違って来ます。 4個中1個のカラーが違ってますと・・・やはり変です。パーツとして高価な物では有りませんので 全交換してカラーを合わせたいと思います。◆ペグをマウントする前に余計なビス穴を埋めて置きます◆弦高の仮設定値です●6E/12F 1.75mm 流石に低すぎますが、全ポジションで問題が無ければ有りかも知れません●1E/12F 1.25+ ですから良い感じです◆グロバー製のクルーソンタイプのペグを搭載しました●チューニング後のネックの状態です。極薄シクネスゲージすら入りませんのでストレートネックです●6E/12Fは、2mmジャストで計算通りです●1E/12Fは、1.5mmです。◆試奏タイムの前に、オクターブチューニングの確認です。●ピッタリ取って有ります。◆試奏タイムです●試奏に使ったシールドとピックです。極厚べっ甲の画像を撮り忘れてました。 ・・・楽しくて止まりません! フロントの57クラッシクとの相性がバッチリです。ヘッドにGib●sonと入れたら・・・ 気が付かないかも?です。 オマケの様な駄目シールドでも試奏しましたが、音痩せと言うか音に艶感が無くなり 安シールドはやっぱり駄目ですね。 エレキギターのリアPUは使えなくて普通と思ってますので全く気にしないのですが、 トーンを絞れば充分使えると感じましたが、がくれぐれも絞り過ぎにご注意下さい。 🌸とってもたいへんよくできました🌸
2019年04月01日
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◆今回のご依頼は、Hamox F-110 By Yamaki製 リペアです 隠れた名機と工房では勝手にネーミングしてますが、Hamox By Yamaki製作のギターは 過去に数台リペアさせて頂きましたが、どれも素晴らしいギターでした。 今回の個体はごく初期製作物では有りませんが、仕上がりがとても楽しみです。◆この掘り出し物と出会えたラッキーなギターオーナー様は、奈良市在住のI様です Hamoxは関西地区で発見される事が多いです◆画像から確認して行きます●ボディの経年変化に貫禄オーラが出まくってます。バフ掛けしますと存在感は半端では有りません●今回はコーションラベルが綺麗に残ってまして、F-110で有る事が確認出来ます●ごく初期型ではブラスナットですが、このギターは牛骨と思われます◆既にリペアが始まってます◆ネックを艶の有るオイルフィニュッシュにする予定でしたので塗装を剥がしてますと 金属の棒状の物が出っ張ってます・・・トラストロッドナットを受ける部品が固定から 外れて、ロッドを締めると一緒に回ってしまう、かなり厄介な状態です。 これが原因でロッドが効かなかった様です●この状態ですとエポキシで固定では全く歯が立たないので、ネック裏を切り取って修正する 方法しか選択肢が有りません。◆ブリッジ周りの経年変化は・・・フリーズです●ボディ隆起は想定の範囲内です。迷うこと無くブリッジを交換します●右がオーバーサイズのブリッジです、E~Eはピッタリ合ってます●ブリッジを剥がして、ブリッジ周辺の隆起変形は既に修正して有ります。殆ど水平が出てますので 張り戻しは至って簡単です●とは言っても千手観音様の様な感じです。 新しいブリッジを張り付け提出て半日放置します◆ロッドに効き具合に不安が有りますので、ブリッジを貼ってる間にネックヒターを掛けておきます。●特にコメントする事は有りませんクランプ掛けです。数日放置しておきます◆ロッドナット受け部品を作り直して行きます●ロッドナットを外すと本来でしたら、ナット受けの長方形の金属プレートが見えるはずですが 相当奥まで引っ込んでしまって見えません◆ロッドのスタート位置から開腹オペです●手に持って居るのが本来の部品です、ロッドナットの位置は1Fです 製作された年代の関係でしょうか?ロッドナット受けの部品の工作精度が低かったかor ロッドの回し過ぎで破壊されたのかも知れません。 代わりに六角を入れてロッドを締め方向に回すとロッドが効く様に修正しました。 開腹部分の戻しはマホ板を曲げて貼付ければ問題有りません。◆開腹部にマホ板を入れて塞いでおきます。●サンドペーパーでネック裏のRに合わせて整形した後に着色します
2019年05月25日
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◆今回のご依頼は、YAMAKI F115 ボディ隆起修正&セッティングです ギターオーナー様は、K2の中学時代からの親友のMe君です。 Me君 YAMAKIってアコギが売ってるけど、YAMAKIってどうなん? 【加須弁です】 K2 鰹風味で良いギターだよ!【鰹風味とは只の冗談ですから読み流して下さい】 Me君 じゃリペア頼むわ! K2 ・・・・・・・ん? と言う何気ない電話でのやり取りが有ったのですが、状態を細かく確認してもしなくても 結果は同じですから、初対面でビックリです。◆そのビックリ具合を確認しておきます●この画像では、ジャパンビンテージ!良い状態にしか見えません●内部も綺麗です●ペグは交換しないと駄目です●弾き込んだギターですが、フレットボードはエボニーのステインで着色されいる様です●クリアの白濁はYAMAKIには比較的顕著に見られる傾向ですが、音には全く影響が 有りませんので気にしないで下さい●ネックヒールも問題は有りません●ネック裏も綺麗です●EXライトのレギュラーチューニングで、6E/12F2.5mm●EXライトのレギュラーチューニングで、1E/12F2.0mm●1Fは0.5mm弱 ◆このデータですと、リペアはペグ交換と弦交換だけで行けるスペックですが 重大な問題が有ります。画像を良く見ますと理由が判ります●長期に渡って弦を張りっぱなしにしてた結果がこれです。レギュラーチューニングまでの テンションんは掛かって無かったと思いますが。見栄えが悪すぎます この状態でブリッジが全く剥離して無くボディクラックも入ってません、正に驚きです 粘りの有るトップ材&強烈な接着剤だ! と関心してる場合では有りません●トップ落ちと言うかトップがうねってます●ブリッジのセンターを中心に左右均等に隆起してます。 ◆リペア開始して行きますが、現時点ではボディの修復にどれ位の時間が必要かは予測不可能です●全てのハードウェアーを外します●ペグから交換して行きます●スパイラル構造のリーマーを使いますと、真円に近く綺麗に穴を広げる事が出来ます●ペグの振れ止めネジは、2.1~2.4mmと細く、基本的に下穴不要のコーススレッドとは 全く違う形状ですから、下穴を開け無いでネジ込むと【ポッキ!】の可能性が高く成ります これはグロバーのペグでも同じ事です。●ミニドライバーセットに入ってた、先の尖った千枚通しの形状の工具がペグの下穴にピッタリです 刺して行くと自動的にセンターに下穴が開きます 元ペグの穴は塞いで有ります●支給品のペグですが、センターポールが短い様な気がします◆ボディ隆起を修正治具を掛けて定期的に戻り具合を確認して行きます 長い時間を掛けて変形した木材の端正には時間が掛かります。 ⁂ボディクランプで戻らなければブリッジを剥がす必要が出て来ます●クランプを緩めて戻り具合を確認してますが、戻る気配すら感じず微動だにしません。 まだ3日ですから結論では有りませんので、長期戦を覚悟しないといけないかも知れません 工房でお見せした治具を使いますが、クランプ掛けの画像は公開しません、◆すっかり忘れていた訳では有りませんが、ヤマキどうなったん?【加須弁です】 と言う訳でボディクランプを外して戻り具合を確認します●僅かにうねりが残ってますが、40年以上の時間の経過を考えますと合格ラインです●ビフォーアフター画像です ブリッジの隆起もかなり改善されました、ブリッジの裏側に山桜材でブレーシングを追加 して、力技でねじ伏せるまでも無い様です◆ピックアップの搭載を追加でオーダー頂きました●アンダーサドルタイプの、フィッシュマンを乗せる事にしました●ジャックの仕上がりです ●サドルは水牛ボーンオイル漬け2年物に交換します 微調整が可能な様にオーバーサイズで切り出します●ピエゾに均等に圧が掛かる様にマウントします●ブリッジピンがちゃんと収まる様に整形します●ストリングガイドも整えておきます●仮設定の理由は、修正したボディの戻りがどの程度か予測不能が理由です ボディが安定するまではこの状態でデータを取っておきます●ボディの変形戻りも殆ど出ない様なので、サドルを予定の弦高に収まる様に 調整しました。6E/12Fで2.3mmです●1E/12Eは1.85mmです●ナットは【ブラジリアンローズウッド】に差し替えました●ナットの仕上がりです●リペア完了しました◆試奏タイムです モガミの8mmシールドにノイトレックのジャックをチューブ60【キーボード用アンプ】 で鳴らしますと、ジャパンビンテージ!です。日本の物造りの素晴らしさを体感出来る ギターです。🌸たいへんでしたがよくできました🌸
2019年12月25日
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◆Fender .JP Telecaster ナット交換&セッテングです ギターオーナー様は、K様です。 GDCT JAPANのアコースティックギターに続いてのご依頼です🌻このテレキャスを使ったライブ映像が、YouTubeにアップされてますので 是非、試聴して下さい。現代風に言いますと【ちょーかっけ~】ですから YouTubeで👇を貼り付けますと、トップページに表示されます BAD LOVE / DEUCE(2022/08/21 サウンドストリーム佐倉)◆画像から確認して行きます ●初期のジャパフェン・モデルで、ラッカー塗装のウェザークラックと付いたキズが 最高の景色になって、思わず味を損なわない程度にボディをクリーニングしますと お伝えしました●ヘッドの焼け具合も良い景色ですが、シリアルナンバーが有りません●ここにもシリアルナンバーが見当たりません●ペグも良好でですが、シリアルナンバーが有りません●ブリッジプレートとピックアップは交換し有りまして、ブリッジにシリアルナンバーが 刻印されていた事は確定で、JVシリアルだった可能性が有りますが、交換したブリッジは 紛失されて今は無いそうです◆リペアに入る前にコンディションを確認しておきます●弦高は測定値よりも体感的には随分高く感じます●順ゾリの最大値は、0.25mm有りますが、これ以上に弦高が高く感じますので ロッドでストレートに戻しても弦高に違和感を感じる場合は、ネックジョイントにシムを 咬ます可能性が有ります●ネックの元起きのデータを取ります●ボディとフレットボードの下は3mmの高さが有ります●ボディからスケールを当てて、トップの延長先をマーキングします●ボディトップの高さの延長ラインからフレットボードまで、3.50mm有ります 要するに0.5mm元起きしている事になります ネックを外すと時々先客のシムが咬まされている事もありまが、いずれにしてもロッド調整が 必要なためその時に確認します 【過去に某Gibsonのネックに英語表記の名刺が挟まっていた事が有りました】●今回のリペアのメインのナットを交換します Fender .JP のナットは、カーブボトムの中央に突起物が有って、横スライドで外しますと 大変な事になりますので、上に持ち上げる様に外しますと反対側がポッキと折れましたが 問題無くハズレました。既存のナットはプラスチック製で、オイル漬けに交換しますので 必然的に音が良くなる可能性が大です いかなる理由が有ろうとも、プラスチック製のナット&サドルは宜しく無いです●粗削りのナットをセットします●ロッドを調整する前に、テンションの掛かっていないネックの状態を頭に叩き込んでから ロッドを締め方向に調整します ノーテンションではストレートに近い状態です●ネックポケットに僅かですが製作の時に使ったであろう、マスキングテープの残骸が 残ってましたので綺麗に除去しておきます●ネックを外した時にもボディもネジ山が有りましたので、ボディのネジ山はドリルで削って ネジがスルーして通る様にしておきます👇●5.8mmのドリルでネジ山だけを削り取りますと、簡単に通る様になります●この理由は簡単で、3種類の物を1本のネジで止める場合は、中央の物にネジ山が有ると 正しいトルクで締め付ける事は出来ない事は周知の事実です ギターの場合は、ネックプレートとネック材の間でボディが固定されるので、挟まれるボディに ネジ山が有ると駄目な訳です。 簡単に言いますと、画像のネジの部分にボディが挟まれて固定されると言った事です●数値では表せないロッドの締め具合は【こんなもんでOKでしょう】でロッドを調整して セッティングを確認します ナットは粗削りのままですから、0.5mmのスペーサーをセットしておきます●6E/12Fは、2.00mmで普通でしたらOK予定通りなのですが、今回は状況が違います●ネックを握った視線で見ると、弦高が高いねぇ~です●ブリッジ駒で微調整をと考えて、回そうとしても殆どが、 ビクともしません・・・完全に固着してる様子です 取り合えず微調整は置いといて、ネックのセット角度を修正します●ESP製のシム0.25mmを1枚セットすれば計算上OKになります●セット角度はこの様に確認します●ボディ上面とネックとフレットボートの境目が一致しました●ブリッジ駒は過去のセッティングのままですから、高いのですが駒のイモネジが 固着してますので微調整が出来ません●固着したイモネジの部分をハンダコテで加熱してから、CRC漬けにして固着した 部分にCRCが浸透してくれる事を期待します 残念ながら、これでも駄目でしたら、コマの交換と言う事になります●固定のネジには自然に付いた、酸化マーキングが付いてますので外れない様に マスキングテープで止めておきます●イモネジが回らない駒ではセッティングする事が出来ませんので、工房のストックを 仮付けしてセッティングして行きます●ナット溝は最後の調整になりますので、1フレットを0.5mmにスペーサーで 強制的にセットします●弦高を見ながらイモネジでセットします 6E/12Fは、ピックングの強さから、2.10mmでセットし、順ゾリを僅かに残すセットをします 最終的には試奏して頂いてベストなセッティングに持って行きます エレキギターは弦高調整がイモネジ2本で自由自在ってのが良いですね●1E/12Fは、1.60mmにセットします●僅かに順ゾリを残す様にセットしてあります●バズるポイントのチェクは数日インターバルを取ってからにします●とことん粘るK2でも、流石に今回は駄目かな?とダメ元でパワー技を駆使しましたら 取れなかったイモネジが全て取れました、正に粘りとパワー技の勝利です 【外せないネジは無い】伝説が継続されました●イモネジを新品に交換して使える様になりました、因みに【ミリスケール】でした●ブリッジ駒を元に戻しました●今回も目分量でセットした駒から、微調整のレベルでオクターブチューニングが 決まりました ●6E/12Fは、2.10mmにセットしましたが、お渡しの際に微調整したいと思います●1E/12Fは、1.60mmでセットして有ります●元のポジションと、チョーキングをしてバズるフレットを擦り合わせして行くために フレットにマーキングをします Fenderのフレットボードの宿命でも有る、1Eを3Gの位置までチョーキングする所でバズリます ●擦り合わせが済みました ●フレットクラウンを修復して行きます リペア前にも擦り合わせがされていた様ですが、フレットクラウンを削りっぱなしで ポジション移動の際に、フレットの角【本来は丸みを帯びているので有りません】に 指先がゴツゴツ当って移動し難かったと思いますが、完全に解消してますので弾き心地が 全く違います●擦り合わせたフレットをピカール&マイクロファインで磨きます●フレット&フレットボードの仕上がりです ポジション移動のゴツゴツ感と、指先に掛かるストレスも無くなりました●ビンテージ感を損わないために、バフ掛けはしないで超鏡面ワックスの手掛けで仕上げました リペアの完了です🌻試奏タイムです 微調整を重ねて行くと此処まで弾き易くなるのかと、納得して頂けるセッティングに 仕上がってます。音質もナットをプラスチックから牛骨に交換した効果が出ていると 思います。 ライブパフォーマンスアップにお役に立てると確信しております。 お渡しの際の試奏と微調整を楽しみにしております🌻完成検査 音を出した瞬間い違いを感じて頂いた理由は、ナットをオイル漬けに交換したからですと お伝えしましたが、ブログを全く御覧になっておられない様でした。 入念に試奏して頂いて、微調整が必要なポイントは全く有りませんでした 弾き易く音も良くなったので満足して頂きました。🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2023年01月30日
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◆DONNER サイレントギター ギターオーナー様はチョウ様です お近くにお住いでご来店頂きました◆画像から確認して行きます●この形状をサイレントギターと呼ばれる様ですが、ソリッドボディにアンダーサドル・ピエゾが 搭載されていまして、アンプを通しますとエレアコの音がします。 個人的には好きな音質で、ライブで使うと見た目よりもしっかりした音で注目されるのでは? と感じました。◆リペア開始して行きます●弦高が驚く程高く製作段階で全く調整されていないのでは?と感じられます。 順ゾリの最大値が0.3mm有りました●ロッドを確認しますと、完全フリーの状態でしたので、ネックを確認しながらロッドを締めます●調整後は0.05mmのシクネスゲージが入る程度ですから、ストレートまで修正しました●リペア前は3.5mm有りましたが、2.50mmまでロッド調整で下がりました●1E側も全く同じ測定結果です●9V電池を使ってますのでアクティブサーキットです◆予定の弦高になるようにサドルを調整します●6E/12Fは1.90mmで予定通りです●1E/12Fは、1.50mmで予定通りです●リペアの完了です ネックが完全に近いストレートに調整して有りますので、これだけ低い弦高でも 問題無く弾く事が出来ます🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2024年03月17日
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◆ Fuuei Telecaster タイプ ギターオーナー様は、S.H様です Greco DS-80をお渡しの際にお持ち頂きました カーボナイズド・ネック仕様で、フレットボードにオイルを塗ったら ポジションマークとネックサイドのドットが見え難いので 白系のマークに交換して欲しいとのオーダーです ◆画像から確認して行きます●パーツは殆ど交換されてます ●カーボナイズド・ネック仕様です●フレットボードにオイルを塗る前は見えていたのですが、オイルを塗ったらこの通り 見え難くなってます●サイドのドットは殆ど見えません●弦を外す時にボールエンドが嵌まってしまい外すのに難儀するので、外せる様に加工します◆リペア開始して行きます●トレモロユニットを外して、丸棒ヤスリでボールエンドが収まる部分を広げて 普通に弦交換が出来る様に加工します●白蝶貝のポジションマークに交換しました●白のポジションマークに交換しました●リペアの完了です🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2024年06月19日
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◆お宝ギターの Takeharu FTー150初公開します ●入手の経緯は秘密です。●最高の状態でしたので、リペアと言うよりも調整と言った方が良いと思います ナットとサドルを水牛ボーンに交換して、ロッド調整した後にコンパウンド~ 鏡面ワックス仕上げで完了です。●忘れてました、ペグも交換してました。●バックは3Pタイプのギターです●ナットは牛骨に交換しました●サドルはエボニーで作りましたが、ブリッジからこれだけ露出してますと、折れる 可能性が有りますので、水牛ボーンでも作っておきます●1フレットは0.5mmです●12フレットは2.5mm弱で調整しました◆リペア完了後です◆試奏タイムです 強く弾きますと箱鳴りしてしまいますので、中程度の力で弾きますと綺麗で太めの 音質になまります。 Takeharuギターのリペアは5台目ですが、音質、ボリューム共にレベルがとても高いギターです。 木製品で有るギターに個体差は付き物ですが、Takeharuの個体差はレベルが高い位置に有り、鳴る 鳴らないでは無く、どっちの音が好き?の好みの問題です。 5台中5台でサンプルが少ないからかも知れませんが、逆に考えると5台とも全く違う環境で40年 以上生きて来た訳で、その5台が素晴らしいのですから、鳴らないTakeharuって無いのでは無いか と思うのは自然な事と思いませんか?【厳しい環境で過ごした個体は除きます】 ◆どさくさ画像●最近手にいれたソプラノウクレレです カマカのパクリでは無くパロディです。縦のKKは私のイニシャルです●ペグは棒タイプから交換しました。棒タイプのペグは、ギヤ比が推定1対1では無いかと思います チューニングが安定しないので、グローバーに交換しました。●バックも良い感じです◆ウクレレは弾いてみますと、とても興味深い楽器です。 コードは3種類しか知らないのですが、島村楽器店様でカマカを試奏させて頂いた時に ウクレレ良く弾かれるんですかぁ~? 最近始めてコード3種類しか知りませんが・・・ ・・・ん? 自分でコード作れるから楽しいよ! こんな楽しい会話が弾むのもウクレレだからかも知れません。 当面の目標は、まきしんじさんの 【あぁ~あやんなっちゃた、あぁ~おどろいた】をマスター する事です。
2017年05月08日
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アコースティックギターのブランドで【ライダー】ってご存知ですか?ハヤシ楽器さんで製造された個体で、とても優れたメーカーで名機と呼ぶに相応しい個体を数多く残してくれたメーカーです。私の知る限りでは現在は廃業されてるとお聞きしてますが、間違いでしたら情報をお寄せ下さい。【製造されたのはハヤシ楽器さんの技術力でヘッドウェーは関係無いと思います】実は高校生の時に初めて買ったアコギが 【ライダー R400d】だったのです水道橋の某・石橋楽器さんで購入しました。当時の私はエレキギターはそれなりの知識を持ち合わせていたのですが、アコギって?ヤマハ・マーチン・ギブソンくらいしか知らなくて、店長さんに予算を言ったら、絶対これが良いよ! で購入して以来、41年の付き合いになってます。 フォークギターでのコンサートは片手間程度だったので、それ程弾き込んで居た訳でも無く、社会人になってから15年程は殆ど弾かない状態では有りましたが、最高のコンデションを維持しております。6弦/12フレットで2.0ミリ 40年物の個体です。改造した所は以下の通りです ナットはタスク サドルは本象牙(40年物) ピンはブラス ペグはグローバー ピックガードはべっ甲柄 ギターリペアで収入を得てる立場ですから、コンディションの悪いギターを持ってる訳には行きませんが、40年以上の個体でこれだけのコンディションを維持してるR400dも珍しいのではないでしょうか?【デットストックと呼ばれる、弾かれて無い個体除く】音色は綺麗で繊細で優しく美しい 自己評価です。購入直後よりも今の方が好きです。★★★私のR400dをご存じの皆様へのメッセージです★★★ R400dは私の体の一部で有りますので、何が有ろうともお譲り出来ませんので諦めて下さる様に重ねてお願い申し上げます。(笑) お好きなだけ弾き倒す事は何時でも大歓迎ですが、渾身の力を込めたコードストローク奏法はご法度でございます。
2014年07月05日
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◆今回の依頼品は、30年来の友人の青春のギター【推定年齢50歳】クラッシクギターです。 状態はそれ程悪くは無いのですが、【見よう見まねで作って見ました】感、満載の個体です。 内部の工作レベルと反比例して、塗装技術は素晴らしいと思います。経年変化を想定して 仕上たのでは無いかと思える様です。※同年代のギターを沢山見て来ましたが、この塗装は素晴らしいと思います。50年後にこうなる様に 想定した塗装技術は残念ながら【ルームK2】には有りません。リペアー前の画像を撮り忘れてまして、既にバックを外した画像で代用してます。◆初期診断とリペアー方針 1】ブレーシングが・・・これ何? しかも。剥がれ放題でボディを叩くと【ブレーシング剥がれ】特有の 音が各所に出てます。例えると ビィヨン!ポォコ!かな? 弦を叩くと変な音がしますが、変な音に隠れた本来の音は 【悪く無いかも?】 で、気合を入れてリペアーしましょう! この時点でバックを外す覚悟が出来てました、急がば回れです。 2】内部にべニアを化粧板として使うの何故? 3】音は・・・製作方法を考慮しても、それ程悪くないのは何故? 4】ネックは・・・完全に近い状態で、ストレートを保ってるのは何故? 5】ブリッジ付近は、若干の隆起は有るものの、この程度で収まってるのは何故? 6】本人はそれ程弾いて無いよ!と、おとぼけ してましたが、指板フレットを 観察しますと、相当練習した形跡が有ります。 青春の愛器を自分のJrが弾くのを見ると 昔を思い出して感動するのです。 ですから、手を抜く訳には行きません。 ■???だらけの個体ですが、孫娘さんが、弾いて見たい! って訳ですから 気合を入れてリペアーさせて頂きます。◆バックを外してから今回のリペアーは始まります。 バックを外して見ました、この画像は、トップ板の裏面です。平行にブレーシング が、お行儀良く並んでます。トップ裏では初めて見ました。 はみ出た接着剤は綺麗に拭き取らないと画像の様に残ってしまいます。 手抜き?一手間掛けると全然違うのに・・・ ブレーシング材は、なんとラワンの角材です。私の記憶が間違って無ければ、ラワン材は 建築用資材として好き放題伐採された結果、ワシントン条約で輸出禁止になってたと思います。 確か、ブラジリアンローズウッドも同じですが、有難味が全然違います、ラワンは無いでしょう?三角のネック補強材が画像では判りませんが、ピッタリ付いて無くて、浮いてるのです収めるスペースに合わせて加工されてませんでした。接着材は、エポキシを使ってる様です、硬化時間が短いので扱い難いと思うのですが?ブリッジ裏の補強板が一切有りません。初めて見ました。◆全てのブレーシングを外して、クラシックギターの王道型のブレーシングに交換します。 ブレーシング材は、【エゾ松】を使う事にしました。 クラッシクギターの元プロの友人の愛器で最高級ギターの【エドガーメンヒ3世】と言う ギターが、ドイツ松を使っており、リペアーさせて頂いた時の、音を聴いて、惚れてしまった からです。流石にドイツ松は入手出来ませんでした。 ブレーシングのデザインは、王道タイプに決定済です。 手書きのデザイン画で、アップは如何なものですが・・・◆どんどんブレーシングを入れて行きますのと同時に、ブリッジ裏にスチームを当てて 修正後に、本来は有る補強材を入れて行きます。 全ての接着剤は、恐ろしく手間の掛かる【ニカワ】を採用します。 獣臭は、行きつけの豚骨ラーメン店で鍛えてますが、リペアールーム での、ニカワの香りは強烈です。換気扇&空気清浄器2台フル稼働でも 追いつきません。でも、接着剤としてニカワを超える物を知りません。画像の後ろのブリッジ欠の個体は、リペアー順番待ちの、サイド&バックが【ハカランダ】のギターです【ローズウッド】って名前が付いた理由が判る個体です、製作後40年以上経過してる様ですが、現在でも甘い香りを発してます。ローズウッドの甘い香りのする個体には、滅多に出会う事が有りません。◆ブレーシングが交差する箇所は、寸部の隙間無く工作しないと、後で大変な事になりますので 一切の妥協をしてはいけません。本来はサイドを張る前にブレーシングを張るのですが、リペアーではその工程が逆になりますのでサイド越に使える手持ちのCクランプには限りが有り、しかも、有効強度の出るまで時間の掛かるニカワを使いましたので、ブレーシングを交換するのには、1週間を要しました。ブレーシングを入れてトップを叩きながら、ブレーシングの両サイドを削って行きます。表現が難しいのですが、軽やかで爽やかな反響音とでも言うのでしょうか?そんな反響音が鳴るまで、慎重に削って行きます。これも逆工程なので注意しないとサイド板を破壊してしまいます、恐ろしく切れるノミを使って削るので・・・◆こんな感じでトップ裏は完了です。打検査をしますと、軽快な音が返って来ます。 良い結果が待って居る予感満載です。◆接着剤の跡を完全に取り切る事は断念しました、表面を平らにサンディングするまでに 留めます。これ以上取ろうとすると強度低下が心配です。接着剤後は木が振動しようと する事を邪魔する存在と思いますが、背に腹は変えられないです。◆バックはこんな感じです。 まともなバック材の上から、粗いベニヤを、 補強材目的なら無くても強度は確保されてる 化粧目的ならば・・・荒ベニヤを使うの何故? 作った方に確認して見たいです、私には計り知れない深い意味が有るのかも知れませんけども、ルームK2では、不要! と結論しましたので、容赦無く剥がしますが慎重に剥がさないと、バック作り直しという事態になりますので注意が必要です。慎重に剥がした結果綺麗に剥がれました、多分、科学的に合成された接着材が機能を失いかけてたのだからと思います。 皆さまも、自宅のリビング等のフローリング床で、床が浮いて来た経験は有りませんか?合板は縦横に薄板をプレス&接着剤で整形して行くのですが、その接着剤は10年程度で機能を失いかけ始めると、仲間の大工の頭領が言ってました。◆この個体は、左右が対照では無いのです、センターを入れてから、平行にブレーシング を入れる工程で気が付きました、ブレーシングの墨付け位置がズレてる?ありゃ?やっちゃた? 違いました、左右対称では無いので、これでいいのだ! ◆サインは絶対見えない箇所に内緒で入れて見ました、築250年の古民家を本業の設備部門で 参加した時に、メインの梁に、江戸時代の年号と頭領の達筆な墨書のサインが有りまして 宮大工の頭領が、部門の責任者のサインを入れよう!と、江戸時代のサインの近くに、書かせて 頂いた経験を思い出したからです。未来のリペアーされる方が見ても、恥ずかしく無いリペアー だったと確信する事が出来ると判断したからです。 ※画像アップした時点で 内緒で無い事に気が付いてしまいました◆バックを貼りました 特にコメントする事は無いのですが、この工程の時にいつも思うのは 腕が4本有ったら簡単なんだけどな!です。 専用のゴム紐を使うと微妙にズレるので、最近はマスキングテープ&クランプで止める 様にしてます。手早くしないと・・・あちゃ~です。バック&サイド&ネックは、リフィニッシュする途中です。シェラック仕上げも考えたのですが、楽器を使う方がプロでは有りませんので、オイルで仕上げで最後に、特殊な1液のエポキシ塗料を吹く事になると思います。 1液エポキシは、知り合いの塗料メーカーで開発されたもので薄く、強く、1回で殆どムラが出ない、つまり、クリアーの仕上げの工程が殆ど不要な優れ物です。 ラッカーを数回重ねた仕上げよりも薄く仕上がると思います。しかも、ラッカー対応!でないとNGなんて事も一切有りません。トップの最高の状態のイメージを壊さない様に仕上げてみましたネックの仕上がり状況ヘッドはボディと同時に見えますので、違和感を感じない仕上がりとなりました。◆仕上げ塗装が完全に乾くまでは、約1週間程掛かりますので、お届けは来週末となります。 クールに仕上がりましたので、ご対面を楽しみにして下さい。 仕上げ塗装の注意点は、弾いた後は、柔らかいウエスで乾拭きすればOKです、他に 面倒な手入れは不要です。🌸たいへんよくできました🌸
2016年07月09日
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◆Gre●sch? リペアのご依頼を頂きました、ギターオーナー様は、きよっぴー様です Fender .US Telecaster セッティングに続いてのご依頼です 入手されてから全く弾く事も無く、オブジェとなったいた様で 工房でアンプから音出しテストしましたら・・・こんな音が出るんだ!と感心されてました なんだかなぁ~ですが、K2も人の事を言える立場に有りません 持っている事を忘れる程ですから・・・◆画像から確認して行きます●GRETSCH? 朱色は凄いですよね、シースルーで虎目も出てます●全体を見て行きますと違和感が有ります●全くメンテナンスされてません●傷が有りません●ネック裏もしかりです◆リペア開始して行きます●1フレットが高いですがナット溝は仕上げの工程です●1フレットにスペーサーを咬ませて仮セットします●バズる事を一切無視して理想的な弦高にブリッジの高さを調整します このセットで試奏して頂きOKを頂きましたので、これを基準にセッティングして行きます●バズるポイントをマーキングして行きます●15フレットと9フレットが飛び出てました、全体を揃えていきます フレットクラウンはセミジャンボ仕様に整えます●擦り合わせた事が判らないと思います●弦を緩めた工程の時はブリッジにテープを貼って弦の脱落を防ぎます 弦脱落防止用のアタッチメントを作成したら人気が出るかも知れません🌻これでOKかとは全く思ってません、試奏しながら微妙にバズる箇所を微調整して行く必要が有ります それが予想を少し超えていただけですが、何でこうなるの? を繰り返しながら擦り合わせは完了しました◆セッティングを確認して行きます●6E/12Fは、エレキギターの標準の2.00mmです●1E/12Fは、ネックの関係で1.70mmで標準よりも0.20mm高いですが、特に高いと 感じる事は有りませんのでご安心下さい●1フレットを0.5mm弱に調整します●全体にワックスを掛けて行きます●フレットボードを専用クリーナーで綺麗にしてから、蜜蝋ワックスでオイル分を染み込ませます●フレット以外に特に問題は有りませんでしたので、ようやくリペアの完了です スタジオミュージシャンのU氏のストラトよりも、手の掛かった擦り合わせでした ・・・前日OKだったポジションが翌日確認しますとバズる・・・何で?の繰り返しでした ネックが完全に安定して無い事が原因と思わます◆試奏タイムです 音質も最初に確認した通りにライブで使えるポテンシャルが有ります セッティングした弦高は弾いていて全ポジションで全くストレスが無く、ご機嫌そのものです お部屋のオブジェとしても最高の素材ですが、弾いても楽しいので今後は弾いて頂く事をギター 共々お願いしたいと思います🌸たいへんでしたね🌸
2021年09月14日
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◆Fender .JP Telecaster ピックアップ交換&セッティングのご依頼を頂きました ギターオーナー様は、工房のご近所のI様です ◆画像から確認して行きます●サンバーストのテレキャスも景色が良いですね ●カモメのストリングガイドが気に成ります●ローズ指板のテレキャスの音もやはり良いですね◆リペアを開始して行きます●I様が選択されたGOTOH製のピックアップです GOTOH製のピックアップは個人的には高く評価してます 工房ではパーツの持込は大歓迎です!と言うか、ややっこしいパーツはお持ち込み頂きますと 本当に助かります●最初の点検ではサーキットを組んだままでのテストでしたので、外した状態でテスターを 掛けても結果は同じ反応無しです ●ピックアップの交換が済みました◆セッティングして行きます●フレットボードにオイルを塗りフレットを磨きます●測定値では申し分無いのですが、弾き難い弦高です●画像は、1フレットと最終フレットを押さえて。途中の弦とフレットの隙間がこれだけ有ります 限度を超えた順ゾリは、たとえ12フレットが低くても決して弾き易い訳では無い見本です●ピックガードを外してロッド調整します テレキャスはネックを外さないで調整出来ますのでメンテを考えてますね●ロッド調整後の弦高です ロッド調整前と殆ど変って無いですが、弾き易さは段違い平行棒状態です●ハードメイプルネックのお約束事項の、【時間差でロッド調整後ネックが動く】を確認して 必要でしたら微調整をすればリペアの完了です●リペアの完了です◆試奏タイムです リアのGOTOH製のピックアップも実にテレキャスらしい音です 個人的にはミックスが好みですが、全てのポジっションで使えるギターです🌸久しぶりに悩みの少ないリペでした🌸
2021年10月18日
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◆Morris F-15 1969年製 セッテイングのご依頼を頂きました ギターオーナー様は、Untitled-182様です オークションで落札されたギターを、工房受取で発送手配して頂きました ◆画像から確認して行きます●1969年製ですが、コンデションは良好です●シェル埋め込みの旧ロゴです●60年代のギターでやっと、K2年代では【ビンテージ!】って感じます●ロングサドルタイプは経験上音質が良いイメージが有ります 今回も期待しましょう!●今年で満53歳のギターですが、殆ど弾かれていた形跡が有りません 53歳の新人って感じです●場合によってはペグの交換も有りのオプション付きです●ネック裏は多少の打痕は有りますが、演奏に支障は有りません●バックはバフ掛けで綺麗になると思います◆リペアを開始して行きます●チューニングをしようと思いましたら3Gが切れました。折角切れたのだからこの際弦を外して バフを掛けて行く事にしました ピカピカです●ブリッジもオイルフィニュッシュにします、ハカランダが使われてました●4Dペグがユルユルでしたので、この際ペグを外してヘッドを磨き込みました ピカピカです●フレットボードは特別な理由が無いので、サンディングする訳には行きませんが、 ブリッジ材と比較しますと、よく似てますのでハカランダが使われている可能性が大です●全体のバフ掛けが完了しました●ヘッド横のキズはご承知かと思います●ボディの隆起が気に成りますが、ご機嫌に弾けるセッティングに持って行けますので ご安心下さい◆セッティングして行きます●予定の弦高にセットするために、先にサドルの溝を掘り下げます●既存のサドルを使って交換するサドルの、6E&1Eの高さを割り出します●ハカランダのブリッジです●フレットボードのRを確認します●350Rに合わせてマーキングします●6E~1Eを予定の高さに削り、両サイドはブリッジの曲面に合わせて削ります●サドル溝とブリッジトップを削った関係で、エボニーサドルの両サイドの厚みが確保出来ませんが 何とかピッタリに整形しました●エボニーサドルの仕上がりです●1フレットにスペーサーをセットして弦高を確認します●6E/12Fは、2.45mmで微妙です●1E/12Fは、1.90mmでやはり微妙です🌻セッティングが落ち着いた時点で微調整して仕上がりになります◆仕上げに入ります●1フレットは最後の最後ですから、スペーサーで強制的に0.5mmにセットします●6E/12Fは、2.20mmでOKです1E/12Fは、1.75mmにセットしました●搭載されているペグは非常に珍しいタイプです カバードタイプと呼んでいるのですが、ツマミを見たらトルク調整用のネジが有ります ・・・? 回した時にギヤの動きに違和感の有る2B&5Aのペグを外して見ると、ロトマチックタイプでした 通常のカバードタイプはトルク調整が出来ないどころか、ノブを固定しいる部分が、ノブの 先の棒を抱える様になってますので、経年劣化で緩んで来ると直しようが無くて交換する 事に成る訳です●ギヤにグリースを塗ってポールのビスを締めて付け戻しました カバードタイプに見えるロトマチック・ペグは何気に激レアかも知れません 少なくてもk2ギターファクトリーでは初めて見ました●1フレットを調整後にナットの形状を修正しましたら、出音に良い変化が出て来ました ヘッドストックの仕上がりです ●修正したナットです●フレットボードの仕上がりです●バック材はローズウッドと思います●リペアの完了です🌻試奏タイムです 先のF15が余りにも個性的過ぎて、比べたら少し気の毒かと思います 相対評価では無く、絶対評価をしますと昭和のフォークギターの代表って感じです 長期に渡って鳴らして無かった事も有ると思いますが、K2にとっては懐かしい音質です 弦はお預かりしているダダリオに交換してませんので、お渡しの時に交換してからの 出音が楽しみです🌸リペア前にいきなり3Gが切れまして、チューニングを中止したのですが、6E/12Fが 3.50mm有りまして、元起きのアシストも有り、何処まで弾き易く出来るかの勝負 でしたが、何時もの通りk2ギターファクトリーの完全勝利になりました🌸to be
2022年02月01日
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🌻初回のアップが2020年10月でしたので、工房の旬の話題で有りますので 最新のページに引っ越して来ました◆数年前にジャンク品コーナーに寂しくしていたのを見かけて、連れ帰ってから暫くは 手付かずだったのですが、2年前に開始してようやく改造に完了にこぎ付けました◆画像から確認して行きます●完成予想画像です●シールド~アンプの音出しは問題有りませんが、ボリュームポットにガリが有ります 後に判った事ですが、初期型のZO-3はボディが少し小さく、しかもメイプル指板の ZO-3は珍しいモデルだったらしいです。 先に判っていたら改造はしなかったorストップを掛けたと思います●メイプルネックの日焼けの感じですと、初期生産型か知れません 6Eの角度がかなり窮屈ですね●ネックには問題無いのですが、ネックセット角度は修正する必要が有ります●スピーカーのコーンに毛玉状の埃が有りますので、スピーカーを外してクリーニングします●Vポットに完全プロ仕様の接点不復活剤をスプレーして、ノブを回すとガリは直ぐに取れました●電池駆動しない時は、この箇所を確認します。ZO-3に良く有るトラブルです。●工房指定品に交換しますので、内部を確認して見ますと、ハンダ付けが弱い感じがします 銅線特有の緑サビが出てました●電池ホルダーのカバーを紛失されてしまったそうです●ペグはGOTOHが搭載されています。ネジ穴はエンドピンを外した後です●6Eがナット溝から外れてしまいます、ペグとナット溝角度に少し無理が有る感じがします ハカランダでナットを削り出します。●6Eペグのネジを中心にクラックが入ってますが、プロショップにリペア出したそうです クサビのマホ棒が少し出っ張ってますので、クラック跡を修正する時にサンディングします●ペグを外して状態を確認しますと、メイプルネックにネジを打つ時に下穴を開けずに 直接ネジ込んだ様です、ネジを打つ時は必ず下穴を開けましょう。クラックはネジ穴で 完全に止まってますのでマホ棒でのクサビは必要無かったかも知れません。◆ネックを外してネック角度を調整します。スペサーが必要かと思いましたが、 ヤッパリ!でした●ネックポケットの一番奥の塗料が残ってます。エレキギターの上塗りクリアーが 1mm以上残ってまして、ネックがお辞儀をする角度になってました。 塗装をする前の養生をちゃんとするor塗装を完全い除去するかで、 その後の弾き易さが変わりますプレヤー本位で考えて仕事しましょう。◆改造&全塗装してしまおうと思い付きました パーツをテレキャス仕様にして、カラーはバタースカッチに近いカラーで ラッカー仕上げにして行きます◆クリアーを吹く前ですが、バタースカッチは平たく言うと【黄土色】だそうです 調合が難しかったのですが、こんな感じでは無いでしょうか?●参考にしたフィギアです●普通に入手出来るパーツで組みました●クリアを吹くとやはり色が微妙に変化しますが、イメージを損なうまでは変化してません●パイロットランプの位置が微妙にズレてます 初期型と最近のモデルではボディサイズが違っている事が原因ですが、ペイントを使って目立たない 様に対応します●補修用のデカールが余ってましたので貼りましたが、個人で楽しむ分は良いらしいです●ナットはハカランダです●ネックの仕上がりです●初期型は社外品の電池ボックスが。加工無しで取り付け可能です●GOTOHのペグが純正です●ストラップピンはこの位置に移動しました●仮の仕上がりです🌻更に詰めの改造を施して行きます●ピックガードが下がり過ぎ!の暖かい駄目だしを頂きましたので、本来のテレキャスの位置まで 短くカットしました 最初から判ってましたが、ピックアップのオリジナルのザグリの関係で、仕入れたままの 形状で取付してました ザグリの隙間をヒノキ材を貼って同色に着色して有ります●フェンダーのアンプで大音量で鳴らしますと、パキパキ音が凄くトーンコントロールが 必要と判断しました。試しに普通の配線でテストしますとトーンコントロールが可能な 事を確認しました。 当該ZO-3は比較的初期型で、ボリュームポットがメイン基板とは別に付いてるモデルで、 電池ボックスの下に基盤が有るタイプとは違います●シングル用のキャパシタのストックが、切れてましたので入荷次第仕上げます●コントロールプレートにトーンポット取付の穴を開けます●ボリュームポットはオリジナルで、A500Ωの表示が見当たらないのですが、そうで有る事を 前提に、B500Ωでトーンポットを増設します●トーンコントロールを増設した事で、【テレZOー3】の仕上がりです🌻トーンコントロールが出来る様になって、パキパキ音を調整出来るので 弾いていて楽しいギターに仕上がりました 当面は販売させて頂く予定は無いのですが、改造相談は何時でもお気軽にどうぞ!
2022年08月12日
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◆Gibson HUMMING BIRD Custom 再生 ギターオーナー様は、兵庫県在住の【薪拾いジジィ】様です 何時もですと画像と共にオーダー内容のご連絡頂くのですが、 今回は㊙事項で、見てから驚いて下さいとの事でした。 初対面の率直な感想は【Gibsonに何てことしてくれてるの?】でした。 この様な魔改造かな?はギターオーナー様の自由なので、第三者が言う事は無いと 思いますが。余りに不憫過ぎて絶句してしまいました。 逆に考えると何時も通りにビンテージに仕上げれば、見違えますのでリペアマン冥利に尽きると 良い方向に考える事にしました。◆画像から確認して行きます●最初は緑のセル【下敷き】が貼って有るのかと思ってましたが、緑のペンキ仕上げでした 救いはピックガードから余りはみ出さないでペイントされている事です。 ピックガードが経年劣化でバキバキに割れてしまい、交換パーツがGibson社から販売されて 無いので、どうしたら良いのか悩まれた結果がこうなったのと推測してます●本家のHUMMING BIRDで間違い有りません●60年代から70年代のコーショマークのデザインで、70年から72年に製作されたモデルです●フレットワイヤーも擦り合わせされているのか、フレットクラウンが低い状態です 試奏して見ないと何とも言えませんが、低いフレットで音ボケが出る様でしたら フレット打替えも視野に入れる必要が有りますが、現時点では判断出来ません●ピクガードを無理に剥がしたのか、トップ材の表面が凸凹してますので、ピックガードが 正しく貼れる様に修正する必要が有ります●ブリッジも見事に剥がれてますので、弦を張って音出しが出来ません●ブックマッチの位置は大丈夫ですが、右側に3本のクラックが入ってます。 ブックマッチの左側にも短いクラックが入ってましたので、トップのクラックは計4本でした●一番右のクラックが最も重症です●リペア中のパールのピックガードが外して有りましたので、試しに置いて見ますと 緑のペイントが全く目立ちませんので、ペイント表面を整えて新たなピックガードが貼れる 状態まで戻せばOKと言う事が判明しました ●オリジナルとここまで大きさに差が有ります。このサイズでは目を覆う様な仕上がり確定です◆リペア開始して行きます●ブリッジを剥がす事から始めます●ブリッジの接着面が凸凹でしたので、ブリッジとともに剥がれたトップ材を、 スプルースのパウダーでパテを作って圧着固定します●新しくするピックガードですが、某○ロ○ワ楽器さんも使う事が有る社外品の画像です👆 厚みが2mm程度有り、質感もバッチリで無地のタイプで8000円位で、ハミングバードの絵柄入りは プリントから彫り物に変わり30,000円位の販売価格になるそうです。 メールでご連絡頂いたタイプのピックガード比較検討して頂きたいと思います◆手を入れる順番を間違えますと大変な事になりますのでので、内部構造のダメージを 考慮して接着固定して行きます●中央のクラックは隙間が殆ど無く、下にXブレーシングが走ってますので、 Xブレーシングから先に接着固定します●Xブレーシングの剥離箇所にタイトボンドを流し込んで、クランプ固定して接着を待ちます◆トップの4本のクラックを接着固定して行きます。向かって左から1番〜4番と呼びます●Xブレーシングの固定が済みましたので、3番のクラックからパッチを接着固定します 外側は人工水晶をあて木にしてクラックを押さえ込みます●2番のクラックを接着固定します 内部の画像を貼り付けますと、かえって判り難くなるので、表面からの画像のみを アップするようにします●外したブリッジの全体をサンディングして接着する準備をしておきます●ピックガードの塗料は空いた時間を使って小分けに落として行きます◆トップ側のノックテストをしますと、ブレーシングが剥がれ放題になってます●トップ側1番の右とXブレーシングが剥離してます●気が付いた時点でどんどん接着固定します。◆先が見えて来ましたので他の気になるポイントを確認しておきます●ロッドが機能しているか確認します 問題は有りませんでした●フレットを磨いて改めて確認しますと、擦り合わしてからも相当弾き込んだ様で ローポジは勿論ですが、この高さではフレットとして機能しないと思いますので フレットの打替えが必要です●フレットと言うよりも、金属板が貼って有ると言う表現の方が判り易いかも知れません●一番残っている高さが、0.75mmしか有りません●トップ左のブレーシングを接着固定します●トップ右のXブレーシングを接着固定します◆内部構造材の接着固定が済んだと思ってましたが追加が有りました●Xブレーシング自体が割れてました●タイトボンドを流し込んでクランプ固定します●内部構造材の接着固定が完了しましたので、最初に外したブリッジを接着します●クランプで固定して接着を待ちます 弦が張れるまで最低3日以上待ちます●外周はピックガードが入荷してから仕上げて行きます●トップクラックの処理が済んでませんので、マスキングテープを貼ってバフを掛けます。 ピックガードの状態がこれでも、ビンテージ感が出て良い感じになりました◆セッティング用の弦を張る前に、ノックテストをしますと鈍い反響音が帰ってきます●丹念に調査しますと、内部のライニングとトップ板が剥がれてます。 満身創痍のボディです。 ●内部からジャッキを掛けて隙間を広げ、タイトボンドを注入しスプールクランプで固定します●サイドの接着固定が済みましたので、弦を張る前にノックテストをしますと 例の反響音が返ってきます。剥離箇所の接着は済んでいるはずなので?です 最初に接着したXブレーシングの、先端が新たに剥離してましたので接着固定します 右のXブレーシングは交差している所から前端まで全て剥がれたと言う事になります●タイトボンドで塞がった弦通しをリーマーで修正します●ストリングガイドをピンの周囲の面取りをしてブリッジを仕上げます ブリッジはまだ手を入れる可能性が有りますので、蜜蝋オイルはセッティングが 決まってか塗ります●Gibsonの刻印に入ったペグはこのまま使いますのでピカールで磨きます●ロトマチックペグで有るのに、トルク調整が出来ないペグが有りましたので トルク調整が出来る様にスペーサーを作って修正して有ります●Xブレーシングの先端と昨日接着固定したサイドとトップの接着力が完全では無いので 弦はボディに負荷を掛けない様にダラダラ状態でセットしました。 パールギターのピックガードを置いて完成の風景を確認します ピックガードの周囲がこの状態なのに、なかなか風格の有る仕上がりになりそうです●ピックガードを貼る部分に段差が有るためパテ埋めします ●玄々化学工業のパテを使います●サンディングして仕上げてから、ペイントされていないボディに直接両面テープで ピックガードを貼りますと、次回ピックガードを貼り変える時に悲惨な結果になりますので クリアラッカーを塗り重ねる必要が有ります●試奏出来る状態になってますので、ノーブランドのライトゲージを張って音出ししますと ジャキジャキ音が出まくってます、【Gibsonですが何か?】の貫禄です。 長期間弾かれて無かったと思われるのに、この音ですからこの先が楽しみです●トップのクラックも含めてビンテージ感を残すために、トップ全体のオーバーラッカーは しないで欲しいとのオーダーですので、クラックにクリアラッカーを手塗りで塗り重ねてから バフ掛けして仕上げて有ります。ピックガードを貼りますと見た目がガラッと変わります ●オーダーしたピックガードがようやく入荷しました 画像は養生シートが貼って有りますのでこの様に見えます↑●仮置きして修正が必要なポイントを確認します 外周の一部に残った緑と、サウンドホールの周囲は色合わせペイントが必要です●カメラを離して細部が判らない様に撮影しますと、よくぞ此処まで戻してくれた お主に感謝するぞ!と聞こえて来る様です。 出音は正にMr,Gibsonでジャギジャギ音全開で最高です。🌻K2ギターファクトリー 千葉県八街市 八街 に-67-3 代表 加藤 和久 ☏ O8O-5376-O998 ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております
2025年01月09日
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◆今回は、YAMAHA FG110 通称赤ラベル用サドル製作のご依頼を頂きました。 大阪府在住のK様からのご依頼です。 ◆ヤマハのジャパンビンテージと呼んでも良い、40年クラスのFGシリーズには、黒檀が合うと言うか これ以上相性の良いサドル材は無いと経験から確信してます。 サドルでこれだけ音質が変化するのか?と驚かれるクライアント様と、先日リペアさせて頂いた FG450グリーンラベルのステージでの音質に、K2自身が驚いて魅了されてしまいました。 ◆ギター本体を送らなくても大丈夫なの?と思われるかも知れませんが FG-110赤ラベルは、K2ギターファクトリー秘蔵ギターの一台で、工房内に有りますが、 HN/ふかふか様以外にお見せした事は有りません。 理由は・・・手元を離れる可能性が最も高いからです。つまり、非買品と言う事です。 1弦と6弦の接点の高ささえ判れば本体が無くても、ピッタリに製作する 事が可能なのです。 そうする事によって遠隔地のクライアント様に、往復の送料と言う無駄なコストが掛からない メリットが有りますが、微調整が必要な場合はクライアント様の担当になりますので、手先の 器用さに自信が無い方はには、ハードルが高いかも知れません。しかしながら、正確に上記の 寸法取りをして頂きますと、微調整の必要は生じないと思います。◆工房の秘蔵FG110赤ラベルです。FG180と互角?言い過ぎかも知れませんが、 楽しいギターです●ブリッジの上面を削って弦高を下げましたので、木目が露出してます●6E/12Fが2mmです、エレキ出身のK2のアコギはこんな感じです●ブリッジ周りはお約束の様に変形してます、工房に入って来た時は満身創痍状態でしたが ここまでのセッティングに仕上げました。 ◆黒檀材【エボニー】は、40年以上自然乾燥された、黒色部分のみを製材して頂いた材で、 K2の評価ではAAAAクラスの黒檀です. ●白っぽい箇所が全く無い良質の黒檀ですが、ストックが200台分程度まで減って 来てまして、仕入れ先に拝み倒して探して頂いている所です。◆それでは製作して行きます。●感で製作する訳では有りません、事前に愛器のデータを確認して有ります●予定弦高を割り出しておきます◆計測値に従って切り出します●底面は完全水平にしておきます、普段は鉛筆でマーキングする事は有りませんが 今回はマーキングが消えたらOKと言う説明が必要なのでマーキングして見ました●水平の出し方は、底面を削る感覚では駄目で、左側の直角治具に押し付ける感覚で サンディングして行きます●片手では削はれません!治具をしっかり押さえてしっかり削ります。画像を撮る 為に治具を押さえて無いだけです。●水平になっているか確認です●電気照明に当てて光が漏れないか確認します●サドル加工専用のバイスですか、無くても加工は出来ます●この画像はサドルのカーブがフレットボードと同じ、R350に成ってるかの確認です 見えにくいですがピッタリです●マウントしてピッタリ収まっているか確認します●この治具はK2が考案しましたが、SM社でも販売してる事が判った時は、 洋の東西を問わず考える事は同じですね! サドルトップを簡単に削り出す為の物です。しかしながら、弦接点が一直線の サドル限定です。サドル厚3mm用と2.7mm用が有ります●バイスに固定して前後に動かすと・・・●チョコレートの様な感じです●仕上げが終りましたので最終チェックです。Rとサイズは予定通りです 画像の左側が薄茶色に見えますが、蜜蝋ワックスの拭き取りが不十分で 照明が反射してそう見えるだけですからご安心下さい●SMITH社の蜜蝋+オレンジオイルタイプを使います。●完成したサドルです。◆ここから先は番外編になります●工房のFG110のセッティングは最初の画像の通りですが、低いサドルを使える様に サドルの上面をサンドペーパーで削りました。 ボディの変形修正はしましたが修正には限界が有りまして、予定の弦高まで落とす 事が出来ないので、ブリッジを削るしか選択肢が無かったためです。●センターの埋め込みシロは3mmです●1E側は2.8mmです●6E側は2.8mmです◆こうする事によって、6E/12フレットが2.0mmというK2好みのセッティングに する事が出来ました。 他にネックリセットや厚い指板材に交換する方法は有りますが、費用・時間を 考えた時に最も現実的な方法を選択したと言う事です。 ブリッジを削らずに高い弦高で、【弾き難いなぁ~】とストレスを抱えたまま プレーする事にK2は我慢できませんでした。
2018年03月10日
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