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2009.01.15
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カテゴリ: 読んだ本
1996年9月 講談社文庫より


最近ハマっている時代小説なんですが、ちょっと飽きてきました。
あんまり続いてもダメなのかしら。(^^;

また、この作者はフィクションとしての小説部分が薄く、面白みがないんですよね。
歴史資料の引用が多く、原文のまま旧カナ遣いで書かれる箇所などが読みにくかったり、
資料に基づく史実の羅列的な印象も受け、気持ちが動かされることが少ない。
その割に、合戦シーンの兵達の戦いの様子がリアルで、いかにも『殺戮』という描写が
合戦のたびに丁寧に繰り返し書かれていて、ちょっと辟易という感じです。

違うのよ、そういうのが読みたいんじゃなくて、時代小説としてのフィクションで感動したいの。


実は好きじゃないんじゃないの?
思わず疑ってしまったので、Wikipediaで出身地を調べてみたんですよね。
だってやっぱりあるじゃないですか、ご当地武将が贔屓とか、その敵国はキライとかの傾向って。

そしたら、出身地は和歌山であんまり関係なさそうだったんですが、それとは別に
ご本人に盗作・無断引用疑惑が複数あることが発覚。


 書き出すということも多く、それゆえ盗作や無断引用と取り沙汰されることがたびたびある。
(Wikipediaより抜粋)』

とあって、なんだー、読んだ印象通りのヒトなんじゃーん、とけっこう冷めました。


上巻は信玄公の生まれる頃から、信濃進出くらいまで。
中巻は川中島から三方が原まで。
下巻はお屋形様の死去くらいから、勝頼時代の武田滅亡まで。

上・中巻は新田次郎の武田信玄と重なる時期なので、けっこう退屈しながら読みました。
下巻はよく知らない部分なので、それなりに興味深かったです。



むしろ勝頼の強硬な侵攻作戦により、武田は領土を拡大しています。
しかし、その時既に問題を内包しており、それが長篠の戦いにより吹き出した感じ。

武田の滅亡への道は、こんな感じで進みます。

1.武田家臣団の分裂

 お屋形様の時代から仕えていた重臣達と、勝頼によって取り立てられた側近の跡部勝資、


2.長篠(設楽原)における織田・徳川連合軍に対する敗戦

 3000挺の鉄砲の3段撃ち、騎馬の機動性を発揮できない地形に3重の馬防柵という
 信長の入念な作戦の前に敗北。
 1挺の鉄砲に3人の射手をつけていたそうです。
 射手は敵の矢の攻撃にさらされるため、重い具足や鉄の陣笠という重装備のため疲れるから。
 信長はただ最新兵器を大量に用意しただけでなく、細かいリスク管理をしていたわけです。

 それに対して、勝頼は地の利のある鳶の巣山を取らず、無理な突撃により武田の重臣の多くを
 失わせました。
 山県昌景、土屋昌次、馬場信春、内藤昌豊、原昌胤、真田信綱・昌輝兄弟など有能な侍大将たち
 です。

3.親戚衆の台頭と離反

 長篠の戦いの後、穴山信君・小山田信茂といった親戚達が勝頼の行う政治に圧力をかけてくる
 ようになりました。
 生前、信玄公は親戚衆をあまり信用していなかった、とこの本ではあります。
 能力のある外様の侍大将を重用し、血筋・家柄に固執する親戚衆は信用していなかった、
 彼等には屋形を首長として、身命を投げ打っても守り仕えるという意識がないから、と。
 それでもお屋形様の時代にはその威光により皆が従い、結束していた武田家ですが、勝頼には
 それほどの統率力がなかった。
 しかも、そ有能なの侍大将達の多くは長篠で命を落としてしまっている。

 結局、穴山・小山田の裏切りにより、勝頼は天目山で自決。
 小山田は自分の領地へ勝頼を迎え入れる、と言っておきながら、いざ行ってみると、裏切って
 襲いかかってくる始末。
 せめて、この時に自分の領地へと言わずに黙っていてくれれば、真田昌幸が岩櫃城へ迎えて
 くれたのにねえ。
 返す返すも残念。

というわけで、「勝頼は愚将」と思っていたんですが、それは改めようと思いました。
信玄公が偉大過ぎた。
その下で勝頼は敗戦経験もなく、戦は強かったが、総大将としての器量が不足していた。
でもそれは、愚将というほどの過ちではなかったのではないか、と思います。
いい側近が付いていれば、武田の命運は変わっていたかも。
まあ、そういった側近を選べなかったのもまた、勝頼の器量ではあるのですが。


こんな感じで、まあいろいろわかってよかったですが、面白い本ではなかったです。
かなり流し読みしちゃったよー。

次の機会には、いろいろ脚色入っていいから、もっとおもしろい時代小説を読みたいなあ。






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Last updated  2009.01.15 13:34:17
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