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2010.06.24
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カテゴリ: 読んだ本
2008年7月 集英社より

以前読んだ「 一瞬の風になれ 」を書いた作者によるスポーツノンフィクション。
「一瞬の~」は高校陸上のスプリンターを主人公とする小説でした。
「夏から夏へ」は2007年世界陸上・大阪大会に出場した
日本のトップアスリート5人について書いたものです。

1走 塚原 直貴(東海大-富士通)
2走 末續 慎吾(ミズノ)
3走 高平 慎士(富士通)

控え 小島 茂之(アシックス)

この5人は、『4継(ヨンケイ)』と呼ばれる男子4人×100mリレーの出場選手。

私はスポーツを自分でもやらないし、世界陸上も夏季オリンピックも見ないので
よくわからない世界なんですが、そもそも100mや200m走といった短距離は
1秒の1/100のタイムを競うような競技。
加えてリレーとなればバトンパスもあるし、4人の体力・技術・精神力がうまく
かみ合って初めていい記録が出る、奥深い競技です。


最初は大阪大会の様子が書かれています。

まずは予選。
予選は16ヶ国をいくつかのグループに分けて行い、上位2チームは決勝進出が決定、
3位以下はタイムで決めるそうです。

この時のタイムは38秒21で日本新記録、同時にアジア新記録!
もちろん決勝進出です。

この予選の時、2走の末續選手が2日前の200m予選でひどい脱水症状を起こし、
走り終わってから倒れるというアクシデントの後でした。
完全には復調していなくて、頭痛がひどい状態での出場。

読んでいてつらくなっちゃった。(>_<)
そんな中での記録樹立で決勝進出って本当にスゴい。

決勝は38秒03で4位。
前2回の世界大会であるアテネ五輪やヘルシンキ世界選手権なら
金メダルが取れたタイムだそうです。
この時、優勝したアメリカは37秒78で今期世界最高記録。
2位のジャマイカは37秒89でナショナルレコード。
3位イギリスの37秒90と4位ブラジルの37秒99とシーズンベスト。
競技場のコンディションもよかったのでしょうけど、素晴らしい記録。

長居競技場で生で試合を見た作者の感想ですが、



 しれなかった。心だけでなく身体ごとトラックに奪われるようなレースだった。
 観客が選手を支え、選手が観客を酔わせた。そして、選手と観客が共に心から
 「ありがとう」と言い合える、そんな奇跡のような幸せな場が生まれていた。

そして4人の選手の走り終わった感想が「幸せでした」。
いいなあ、こういうのって。(^^)

大きな大会になるとマスコミがわめき散らす「感動をありがとう」って言葉、
大嫌いなんですけど、その時この競技場にあったのは純粋に
「ああ、よかった! 幸せだ!」という気持ちなんだろうなと思います。
そういうのって本当にハッピー♪と思う。

ノンフイクションと知らずに読み始めたので、最初は「え?」と思ったんですが、
すごく面白かったです。
そもそも国際大会に出場するような選手ですから、才能のあるスターであり、
その人達が日本新記録を出したドラマティックな大会を描くのですから、
面白いのも当然と言えば当然かもしれませんが、それだけじゃないと思うんですよね。

作者が見た大会の様子や選手達のインタビュー、中学・高校時代の紹介などが
書かれているんですが、テレビのドキュメンタリーで見ていたら
「ふ~ん」くらいで、さほど感動しなかったかも。
作者自身が陸上が大好きで、選手達のファンなんだそうです。
陸上に対する愛情や、選手達への敬意やあこがれ、作家として陸上というものを
どう伝えればいいのかという真摯な姿勢が伝わってきて、とても好ましかったです。

読んだ後、YouTubeで動画を見てみたんですが、400mってあっという間ですね。
その凄さとか感動とか、私にはよくわからなかったです。(^^;
スポーツって、それが好きでずっと見続けているとわかることってある。
例えばこれがフィギュアスケートだったら、長く見てきているから
今日はスピードのってないなあとか、これは気合いの入ったいい演技だとか
私でもわかる部分ってあるんですよ。
それと同じで、見たことのない陸上の世界は理解が難しかった。
だからこそ、読んでよかったなあと思いました。
初心者にも陸上ってこういうものなんだとわかって、愛と感動が伝わる1冊でした。(^^)

夏から夏へ

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Last updated  2010.06.28 13:45:06
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