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2012.10.18
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カテゴリ: 読んだ本



死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら・・・・。
病院でバイトをする大学生の「僕」。ある末期の患者の願いを叶えた事から、
彼の元には患者達の最後の願いが寄せられるようになる。
恋心、家族への愛、死に対する恐怖、そして癒えることのない深い悲しみ。
願いに込められた命の真実に彼の心は揺れ動く。
ひとは人生の終わりに誰を想い、何を願うのか。そこにある小さいけれど確かな希望。
静かに胸を打つ物語。

(裏表紙 紹介文より)

主人公は名の通った大学の学生。
家が裕福でなく、授業料のために病院で掃除夫のアルバイトをしている。
その病院には必殺仕事人伝説がある。
死期の近い患者の下に黒衣の男が現れて願い事を1つかなえてくれる、というもの。
伝説はやがて、黒衣の男ではなく灰色の掃除夫の姿をしているというものになり・・・・
という話。

仕事人というテーマが面白いですね。

依頼する側が実はウソをついていて・・・みたいな話もあり、どんでん返しも楽しめました。

死期の近付いた患者の最後の願いを、出来る範囲で叶えようとする主人公。
熱い人情家というわけでもなく、むしろ淡々としたクールな感じですが、
他人の気持ちに寄り添える優しい人なんだなという印象。

読後感のさわやかな、おもしろく読めた1冊でした。



以下、ネタバレとなりますので間を開けておきます。

























主人公が仕事人になったきっかけは、米田アケビという老女。
病院の屋上で世間話をした時に、黒衣の仕事人伝説の話が出た。
彼女にはかなえたい望みがあって、主人公は大学の半期の授業料23万9千円が必要で
アルバイト的な感覚で頼みを引き受け、老女は満足して死んでいった。
主人公の口座には100万円が振り込まれた。
約束より多い金額を受け取った主人公は、「4回分の仕事を引き受けた」と考え、

お人好しと言えばそうですが、それよりは誠実な頑固者という印象。

で、老女の話もよかった。
若い頃、彼女は大店の使用人の娘で、若旦那と恋をした。
身分違いの2人は当然結ばれず、2人が交わした約束は男から一方的に反故にされた。
男は違う女と結婚して店を継ぎ、経済誌のグラビアを飾るほどになった。

男に幸せな自分の姿を見せつけてやりたい、と。
エキストラ(老女の夫役、息子夫婦と孫2人役)を雇い、偶然を装って男とすれ違う。
しかし、彼女の演技は男の前で5分と続かず「やめましょう」とエキストラを帰す。

この後の描写がいいんです。

ご家族は?
男が聞いた。
恵まれませんでねえ。
女は笑った。
その艶やかさにはっとする男の顔を僕は確かに見た。
歩きましょうか。
男が誘った。女が頷いた。
遠く満開の桜の下、暮れかけた日を背にゆっくりと歩く2人の姿は、今でも僕の脳裏にある。
米田アケビの死後、米田アケビの墓の前で泣く男の姿があった。それは女を永遠に失った男の
痛恨の泣き顔だった。
彼女は見事に復讐を遂げたのだと、僕は今でもそう思っている。


かっこいいなあ。
いい話だなあ。

だからそんな話が続くのかと思ったら。

『FACE』は、太平洋戦争で徴兵された三枝老人からの依頼。
南方の激戦地で味方の部隊が激しい戦闘で死んでいくのを目の前で見た。
見つかったら自分達も殺されると動けずにいたが、恐怖に駆られてじっとしていられなくなった
小隊長が助けに行くと言い出した。
それを殴りつけて止めた脇坂という少尉を、戦闘後に軍紀違反だから斬れと小隊長が言った。
殺すつもりはなかったが、当たり所が悪く脇坂少尉は死亡。
「小隊長には鬼がついていた」「脇坂少尉の残された家族がどうしているか報告して欲しい」
という三枝老人。
脇坂氏に近付いた主人公は、裕福で不自由のない生活に見えた脇坂氏の不倫を知る。
しかし不倫相手は、三枝老人が仕掛けた援助交際目的の女子高生で、
実は脇坂は少尉ではなく小隊長の方だった。
金を強請り始めた女子高生に殺意を抱くかもしれない脇坂氏について
「鬼である脇坂が殺人を思った時にどんな顔をするか見たかった」という三枝老人にこそ、
主人公は鬼を見る、という話。

うわー、怖い。
騙されていた上に、依頼者が鬼だった!


『WISH』は14歳で心臓病の今井美子ちゃん。
修学旅行先で会って恋心を抱いた大学生に、一緒に撮った写真を渡したいのだが、
住所がわからないので探して欲しい、という依頼。
主人公は相手の男を捜し出し、謝礼の代わりに美子ちゃんの見舞いを依頼する。
が、会わせてみたら、恋心を抱いていたのは一緒に写真を撮った美子ちゃんの親友であり、
彼女は男が教えた住所がウソであったことに絶望して自殺してしまっていた。
親友が男を想って作ったブレスレットを渡し、彼女の想いが貴方を彼女の世界へ連れて行くかも
と告げる。
びびりまくって逃げて行く男。
親友の復讐を遂げた美子ちゃんだが、動機は親友のためではなく
この先いくらでも生きられるのに、たかが失恋くらいで自殺を選んだ親友への怒りだった。

美子ちゃんが男を冷たく追い詰めるシーンがすごかった。
14歳って少女ではなく女なのね・・・と思いました。


『FIREFLY』は乳ガンで手術、退院後に再入院した上田さん。
留守番電話にメッセージを残す上田さんを見て、想う人がいるのだろうと察した主人公。
彼女の依頼で、決して見舞いに来ない恋人の身代わりのようにデートをする2人。
デートの終わりに2人で蛍を見る。
(蛍は死んだ人の魂が戻ってきた象徴として描かれている)
2人で蛍を見ながら、自分という存在を一通り見て欲しかったという上田さん。
「もしも何年も時が経って、今夜のような夏が来たら君はきっと私を思い出す」
と言う彼女。
「思い出しませんよ。僕はそんなに優しくない」
「思い出すわよ。君はそんなに利口じゃない」
彼女の転院後にマンションを訪ね、彼女がメッセージを吹き込んでいたのは自宅の電話だった
と知る主人公。
残されていた最後のメッセージは主人公あて。
「今年と同じような夏が来たら、私を思い出して」
いつか今年のような暑い夏に蛍を見たら、きっと「やあ、上田さん」と語りかけてしまうだろう
自分を予感する主人公。

少し切ないけれどロマンチックないい話でした。
病状が悪くふらふらの上田さんが「もう病院へ帰った方がいいって言わないのね」と言うと
主人公は「デートを終わらせるのは女性の役目。引き延ばすのが男の役目です」と答えるのが
粋でステキ。


『MOMENT』は事業に失敗して莫大な借金を背負った有馬さん。
病気も治る見込みが薄く、借金を負わせないために離婚した妻が引き取った息子に
生命保険を遺してやりたくて死を望んでいる。

ここで主人公は、仕事人伝説の真実を知るのです。
本来の仕事人は医師であり、この病院を継ぐ予定の院長の息子。
死期の近い患者の願いである『死』を叶えていた、というもの。

ちょっと衝撃でした。
私、安楽死に関しては肯定派なんですよね。
年を取って働けなくなったのに、国家が国民の老後の生活を保障してくれないなら
望む人には国家が安楽死を提供してくれてもいいんじゃないかと思う。
いつでも楽に死ねる、と思ったら老後の不安がかなり解消するんじゃないかと思うので。

本来の仕事人である医師が、病気で助からない人が死を望んだ時に
それを与えてやることの何が悪いのか?と主人公に問う。
悪いこと何もないよね、と思う私。
それでも死なせたくないと、有馬さんの説得に向かう主人公。
心情的には、魅力的な主人公の味方になりたい。でも・・・・。

結局、主人公は有馬さんの説得に成功します。
理由は「他の誰でもない僕が、あなたに生きていて欲しいと思うから」。
有馬さんの立場だったら、説得されてしまいそうな言葉だなと思いました。
素敵な説得だとも思いました。
安楽死、肯定派なんですけどね。(苦笑)
人の生死に関する判断は難しい、と思いました。






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Last updated  2012.10.18 12:33:58
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