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2013.07.05
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カテゴリ: 読んだ本
著者:エヴァ・ガブリエルソン
   マリー=フランソワーズ・コロンバニ
訳:岩沢 雅利

2011年11月 早川書房より

全世界で6000万部の売上を記録した驚異のミステリ『ミレニアム』三部作。
著者のスティーグ・ラーソンは、その大成功を見ることなく、2004年11月9日、
50才で死去した。
その波乱の生涯を、彼と32年にもわたって生活を共にしたエヴァ・ガブリエルソンが
明らかにする。
母方の祖父母の家に預けられて育った少年期、政治活動に傾倒した学生時代、
脅迫に屈せずジャーナリストとして筒下駄極右勢力との闘い。
さらには『ミレニアム』創作の裏話やスティーグが急死した当日の様子、
スティーグの死後発生した彼の遺族とエヴァとの遺産をめぐる争いも描かれる。
そして『ミレニアム』第四部の概要とは?

(表紙裏 紹介文より)


ミレニアムの作者スティーグ・ラーソンの妻が書いた本です。

福祉国家としてのスウェーデンと、ミレニアムに描かれた世界があまりにも
イメージが違うので、何かわかるかと思い読んでみました。

私は作家には2種類いると思っています。

ラーソンは後者。
生まれ育ったスウェーデンを舞台に、モデルとなる人・事件などがあります。

ラーソン自身もジャーナリストで、ミレニアムのミカエルのモデルと見えます。
18才で、政治活動の中でエヴァ・ガブリエルソンと出会って
50才で突然の心筋梗塞で亡くなるまでを共に生きたのです。

互いを『魂の伴侶』として理解し合い、愛し合っていたのに2人は正式に結婚していませんでした。
1つには1995年に雑誌『エクスポ』を設立し、その活動で忙しかったこと。
『エクスポ』はスウェーデンにも『サーチライト』のような雑誌が必要だとして
ラーソン達が立ち上げた雑誌。
『エクスポ』の経営は苦しく、1999年に勤めていたスウェーデン通信を辞職してからは
特に大変だったようです。

日本みたいに婚姻届1枚でOKというわけにはいかないのかも?

もう1つには、身の安全を計るため。
スウェーデン通信を退職後、ラーソンは極右反対の立場を取るイギリスの月刊誌
『サーチライト』に本名で寄稿しており、極右勢力にマークされていました。
ネオナチとか、前科持ちのメンバーが多く所属するアーリア同胞団とか、怖かったみたいです。

掲載されちゃったりとか。
で、住所の表示をエヴァにしておいて、ラーソンの名前を出さないとか
単純だけど、手軽で効果的な方法だったんですね。

※極右とは
 極度の右翼思想、もしくはそれを持つ人々。
 広義のファシズム(ファシスト)とも言いうるが、それに限定されない。
 反動主義、超保守主義、反進歩主義などとも言いうる。
 過激もしくは暴力的な背景を持つことが多い。
(はてなキーワードより抜粋)


数年後、出版社のノーシュテッツと、591,000クローネ(約64600ユーロ)の
前払金を受け取る条件で、ミレニアムの最初の三部の出版契約を結びます。
スウェーデンでの一般的な方法として、ラーソンは前払金の支払先となる会社を作ることを
提案され、同意します。
この会社をエヴァと共同経営とするつもりでした。
経済的にゆとりができることが予想され、ラーソンはエクスポの仕事を一緒の時間を作ろう、
そして、そろそろ結婚しようとエヴァに言っていました。

その矢先、突然の心筋梗塞でラーソンが亡くなります。
スウェーデンでは内縁の妻には相続に関する一切の権利がありません。
また、共同経営で設立されたはずの会社は、書類の手違いで設立の手続きさえ始まっておらず、
会社設立の手段を選んだので、契約時点では前払金は支払われていませんでした。

その結果、エヴァ・ガブリエルソンはラーソンの遺産に関して、
一切の相続が認められないこととなってしまいました。
ミレニアム関連、他財産のほとんどをエヴァに贈るという遺書はあったのですが、
その遺書は法的に有効なものではありませんでした。

遺産を相続したのはラーソンの父親と弟。
生前、折り合いが悪くほとんど付き合いがなかった2人ですが、
ミレニアムが世界的にヒットしたために、ミレニアム関連産業(及びラーソン関連産業)が
莫大な富を生むこととなり、それを手に入れたい人達です。

エヴァ・ガブリエルソンは現在ラーソンの著作物に関する著作者人格権(※)の要求をしていま

す。

※著作者人格権(ちょさくしゃじんかくけん)とは
 著作者がその著作物に対して有する人格的利益の保護を目的とする権利の総称である。
 著作物には、著作者の思想や感情が色濃く反映されているため、
 第三者による著作物の利用態様によっては著作者の人格的利益を侵害する恐れがある。
 そこで、著作者に対し、著作者の人格的利益を侵害する態様による著作物の利用を
 禁止する権利を認めたものである。
(Wikipediaより抜粋)

著作者人格権は第三者に権利移すことが可能なんだそうです。
エヴァ・ガブリエルソンはミレニアムももちろんですが、
むしろ、それ以外のラーソンの政治的著作について、深く心配しています。
ラーソンの主義・思想を深く理解している妻であったればこそ、そういった著作物を守り
ラーソンの意志に反する使われ方をされないようにしたいのです。
特にジャーナリストのラーソンへの情報提供者の名前をしっかり守りたいと考えているらしい。

ミレニアムはもともと10部構成で考えられていたらしく、
第4部のうち200ページくらいはラーソンが使っていたPCに入っていると見られています。
そのPCがラーソンの父・弟の手に渡らなかったのは、PCの所有者が『エクスポ』だったから。
幸いでしたよね。

著作者人格権がエヴァ・ガブリエルソンに移ったら、彼女はミレニアムの
残りの120頁くらいを仕上げることもできる。
そうしたら出版されるかもですね。

どれほどわかりあった2人であっても、ラーソンが書くはずだったものと全く同じものを
エヴァ・ガブリエルソンが書けるとは思いません。
それでも、ミレニアムを貫く大事なテーマは変わらずに済むであろうとは思います。

ミレニアムのテーマについて、エヴァ・ガブリエルソンはこの本の中でこう書いています。
 この作品に語られているのは、理想を守るために戦う必要性と
 屈服することや、強者の前で闘いを放棄することを拒む意志である
 さらには価値観、正義、言葉といったものの本来におけるジャーナリズム、
 良心に恥じない正しさ、警察官をはじめある種の人々が示す職業上の能力が語られている
 倫理もテーマのひとつである。


著作者人格権の移動が認められるといいと思います。
ただ、読んだ感じではラーソンの父と弟、出版社のノーシュテッツが強欲っぽいから
難しそうですけどね。


ところで、最初に思ったスウェーデンという国に対する疑問について。
ミレニアムが世界的に有名になったので、海外のメディアがエヴァにインタビューすることが
あるらしく、その話題についてエヴァが語っている部分にその答えがありました。

外国人メディアがする最初の質問はスウェーデンに関することなんだそう。
「ミレニアムに書かれている汚職行為、権力の濫用、女性に対する差別と暴力は本当なのか?」
と。
つまり多くの国の人々が、私と同様に福祉国家スウェーデンというイメージを持っているわけです。
それに対して、彼女は
「他の多くの国と同様、スウェーデンも同じ問題を共有している。
 スウェーデンは他国から理想的なモデルとされているのは不思議。
 平等で進歩的な人権の国というスウェーデン感がミレニアムによって覆されたのだ」
と書いています。

なるほど。
どこの国にも同様にある問題。
貧富の差とか、差別とか、日本にもある問題。
ただ、そこに目を向けるか否かで、どんな国であるかというイメージも変わるという話ですね。

この本、読んでよかったと思います。





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Last updated  2014.02.11 21:29:40
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