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2015.01.22
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カテゴリ: 読んだ本
2014年04月 文藝春秋より

私は、出会ってしまった。誇り高き画家たちと。太陽の、息子たちと―。
終戦直後の沖縄。
ひとりの青年米軍医が迷い込んだのは、光に満ちた若き画家たちの「美術の楽園」だった。
奇跡の邂逅がもたらす、二枚の肖像画を巡る感動の物語。

(「BOOK」データベースより)

太平洋戦争終了からまもなく、精神科の新米医師エドは招集を受けて沖縄の米軍基地へ
赴任する。
休日に基地の外へ出かけたエドは荒廃した沖縄の地にショックを受けるが、
ニシムイ・アート・ヴィレッジという場所に行き着き、画家達に出会う。
絵が好きで自身も絵を描くエドは、セイキチ・タイラの描いた絵に感動し、
立場を超えて2人は友情を育む、という話。


史実を元に書かれた話だそうです。

安次嶺金正、安谷屋正義、具志堅以徳などの画家達。
その玉那覇正吉がタイラのモデルらしいです。

画家達は米軍人相手に『売り絵』という売るための絵を主に描いて生計を立てる一方で、
芸術家として本当に描きたい絵も描くという生活。
楽ではない生活ですが、ニシムイの村の人達の明るさ、前向きさが光ります。



以下、粗筋と感想になります。ネタバレに注意。























戦勝国と敗戦国。占領国と被占領国。
エドはアメリカで暮らしていた頃に、灯火管制や配給制度などの戦争による閉塞感を
味わってはいますが、日本が受けたような空襲や本土決戦は情報として知る程度。
感覚が明らかに違うのです。
ニシムイ以外の人々から向けられた拒絶や恐れに、傷つくエド。
無理もない話で、それはエドの認識が甘いんですが、しかしエドとタイラの友情を見ると



エドと同僚のアランは、休日にはニシムイに通う生活となり、沖縄という土地に
深く惹かれていく。
しかし、アランの突然の帰国が決まります。
このまま沖縄で暮らせたら、とまで思っていたアランは戸惑い、呆然とする。
すると、別の同僚である皮肉屋のジョンが言うのです。

いずれ、オレ達全員、帰らなくちゃいけないんだろう。おれらのためにも、
 沖縄のためにも


その言葉に全員がハッとする。
沖縄のためにも、いつまでも米軍がいるような環境であってはならない、という
深い言葉でした。


ある日、事件が起こります。
タイラの妻メグミが米軍士官に絡まれて、それをかばったヒガがメチルアルコールを
むりやり飲まされて視力を失ってしまうのです。
絵が描けないなら殺してくれ、と訴えるヒガ。
怒りを抑えきれなかったエドはその士官を殴って、本国へ強制送還が決まってしまう。

エドを案じたタイラ達は基地まで面会に来ますが、エドは留置所に入れられており
民間人が会えるはずもない。
代わりに上司のウィルが対応してくれます。
エドの力になれることはないかと尋ねるタイラ。
それを聞いたウィルの
このいかにも汚れて貧しげな沖縄人が、アメリカ陸軍のドクターの力になりたいと、
 堂々と申し出たことが、ウィルは無性におかしかった。
 そして同時に、静かに胸打たれた。

という描写に感動します。

そしてドクターチームの院長が、一度じっくりと絵を見たいと思っていたからと
ニシムイを訪問します。
眼科のドクターを連れて。
本当は米軍のドクターは民間人を診てはいけないのです。
そもそも、ある程度形骸化しているというものの、民間人との交流自体が禁止されている。

それでも人と人は知り合い、わかり合い、その友情や信頼は周囲にも伝染していくのだなと
いうところが感動します。





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Last updated  2015.01.22 12:49:27
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