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2003年04月23日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
え~、戦術的なことに踏み込んでいくといっておきながら、日刊のアビスパ記事バリの放置っぷりをさらしている睦騎です。

しかし、サッカー自体をおろそかにしてたことは一日たりとも無く、3月以降の代表の試合からJ、地元開催のサッカー観戦と一通りはこなしてます。新しいとこで、ジーコ監督がアウェーで初勝利を飾りましたね。相手が韓国という事もあって、結果を出せた事はすごく嬉しいです。ただ、内容はお粗末すぎるものがありましたね。韓国の若手が粒揃いとはいえ、あのメンツなら流れで得点、相手の好機を適確につぶすぐらいの事はできなきゃおかしい。別々のチームの選手が集まってるとはいえ、それはどこも同じ条件ですからね。もっと選手個人が考えてプレー&コミュニケートしてほしいです。

と、ネガティブな事だけで終わるのも淋しいので、今までかけなかったディフェンスシステムの話でもしましょう。3バックや4バックで話しても良いんですがいまやディフェンスは全員守備が常識なので、全体のシステムごとにその守備における狙いを解説していきたいと思います。^^

え~まず、現日本代表も採用している4-4-2から。
このシステムにおいては、基本の守備ブロックはCBの二人とボランチ二人(中盤がダイヤモンドの場合は一人)になります。両サイドバックは攻撃要員の要素が強く、守備の仕事としては相手のサイド攻撃を遅らせる第一防衛ライン的な役割です。で、サイドバックがチェックについてでたボールをボランチ、CBが処理するのが狙い。注意点としては、このシステム自体が攻撃を念頭においたシステムのため、サイドバックが上がった時のボランチとCBのコンビネーションが重要になる。上がったサイドバックの後のスペースをボランチが埋めてやらないと、カウンターで手痛い失点を喰らう事になるからだ。わかりにくいかもしれないので、布陣図を書いてみます。

Vをボランチ、CBをセンターバック、SBをサイドバックとします。

  V  V          →V  SB
      ↑上がる       →V


   GK            GK

こんな感じ。もちろん、残りのDF3人がスライドして一時的な3バックを作る事もできるし、片側のCBが流れてボランチが中央に下がるケースもある。ただ、相手のトップにいいFWがいるとCBがマークを外せない。ボランチのサイドバックへのフォローは必須です。有機的に動く割に融通の効かない守備システムだといえます。こんなシステムだから、ディフェンスリーダーはボランチが執ったほうが機能しやすいです。
と、ここまで日本代表バージョンで書いて来ましたが、このシステムにもバリエーションがあります。皆様もよくご存知のイタリアとイングランドのシステムですね。イタリアの場合は中盤の4人がストッパーとなり、バックス全員がスイーパーの役割を担うのが基本です。リスクを極力なくした4-4-2といえますね。(当然、攻撃に関しては大幅にパフォーマンスがダウンしますが…)イングランドの場合は、バックス4人だけで基本守備ブロックを形成。ラインコントロールで相手FWを牽制し、中盤との連絡を密にして守る形。要するにDFが4人いる3バックディフェンスです。(笑)DFによほどの人材がいないと採用しづらいシステムといえますね。

流れ的に丁度良いので、次は3バック。3-5-2でいきましょう。このシステムにはトルシエジャパンのフラット3タイプ、伝統のドイツ3バックタイプに分けられます。両者の違いはリベロの有無によるものなんですが、共通する事から書きます。基本守備ブロックは、バックスの3人と両サイドハーフになります。(ボランチの守備も当然大事なんですが、4-4-2とちがってややボランチに自由度のあるシステムです。)4バックのときにサイドバックがやっていた第一チェックをサイドハーフが担い、そのフォローをバックスの3人が行うのが基本。サイドハーフを抜かれたときは、フラットの場合は3バックが距離を保ちながら中を見つつボールサイドへ流れ、ボランチが下がって二列目を見る。ドイツ式の場合はボランチがSHのフォローにまわり、SCBが2トップにつく。で、リベロがゴール前を処理する。弱点としては、必然的に両サイド奥のスペースを常時空けてるので、ラインコントロールは必須です。(どちらのタイプも)オフサイドを狙うわけではなく、相手FWとMFの連絡を混乱させるために行います。足の計算も重要になってきますね。クレバーさを要求されるシステムです。ディフェンスリーダーは、当事者であるCBが執ったほうが良いです。

お次は4-2-3-1。4-3-1-2でもいいですが、このシステムは4バックとボランチがある程度守備に専念して、相手のカウンターを防ぐとともに攻撃陣へのフィードを供給するシステム。一番守備的なシステムといえるかもしれません。守備の狙いとしては、イタリア式4バックと同じ。リスクをできるだけ抑えて、やや攻撃にシフトさせた感じです。フランスの場合は、全体を押し上げて鶴翼の陣で相手を包囲していきます。コンパクトにする事で、攻撃の手数を減らさない事が狙いです。・・・・・って、守備の話でしたね。^^;
フランス式だと、後に大きなスペースができるので、CBの機動力が問われます。全盛期のフランスは、ジダンのキープ力、ボランチのつぶし、デサイーのスイーパー能力と、中央のラインが強大だったので機能してましたが、守備面のバランスとしては、完全に崩れたシステムです。個人の能力が重要な面をさして、スターシステムと呼ばれることもあります。

最後に3-3-3-1。オランダトータルフットボールの基本システムです。その名があらわすとおり、全員が攻守両面を担うため、守備ブロックは全員です。(1トップはそこまで守備に縛られないけど)
狙いは、広範囲のピッチを広くカバーする事で、ボールに一番近いプレーヤーがストッパー、周りの選手がスイーパーとして全パスコースをケアします。全員の連携が鍵を握るシステムといえますが、それ以上に求められる個人技も相当高いです。相手に振り切られないってくらいのマンマーク能力が必要、局面ごとに2ストッパー&1スイーパーを作る柔軟さが必要、不用意なファールを与えないディフェンススキルが必要と、フランス4-2-3-1を上回るスターシステムです。弱点としては、安定感が無いことですね。優れた選手でもコンディションには波がありますし、これだけの事を常時やれるくらいの選手を抱えた(サブも含めて)チームってのは存在しませんから。オランダが無冠の帝王と呼ばれる由縁は、こんなとこにもあるのかもしれません。(´ヮ`;)

以上で、ディフェンスシステム私的考察を終わります。
長文を読んでくれて、ありがとうでした。^^





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最終更新日  2003年04月24日 00時42分19秒
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