2003年03月02日
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テーマ: 中国旅行(482)
カテゴリ: カテゴリ未分類
永春芦柑栽培の歴史

1.栽培歴史

明、清年間に、永春には金柑、香檬、仏手柑、柚、橙、風柑、及び橘などの栽培がなされていた。ただし新中国成立前までは家屋の前庭や裏庭に零細に栽培されていたに過ぎず、1952年の全県の柑橘栽培面積は2haだった。したがって、永春芦柑の生産は新中国成立以後の事である。導入栽培試験推進が発展の発端となったが、その発展過程はおおよそ以下の段階に区分する事ができる。

(1)試験段階
永春県山地芦柑試験栽培は50年代半ばに始る。曽任福建省副省長と全国華僑連合副主席で帰僑(帰国華僑)の、憂楊祖先生は、1954年春【さんずいに章】州から芦柑の苗木を導入し、猛虎山の海抜600メートルに芦柑240株を植栽した。同じ年、北【石空】華僑茶果場は【さんずいに章】州から柑橘の苗木51株を導入し、このうち49株は活着した。1955年に湖洋竜山村の帰僑、鄭【戸の下に口】存は石鼓尖農場を創り、少しの柑橘を導入した。1955年、帰僑の邱清秀、鄭金案、陳宝生と憂楊祖は資本を出し合い、天馬山華僑開墾農場を創り、1956年の春には柑橘栽培面積は0.667haになった。このため永春山地芦柑栽培は憂楊祖先生等帰僑によって栽培が開始されたのである。この後次第に発展し、1960年の全県柑橘栽培面積は80ha、年産20トンに至った。

(2)推進発展段階
60年代初期、中国国民経済がしばらく困難だった時期に、永春芦柑も停滞し、1965年に県下の柑橘栽培面積は1960年の80haから57haに減少し、年産36.5トンだった。この後、60年代中期からは永春芦柑は全面的な推進発展段階に入り、70年代初めに「糧を以って網と為す」などの左思想の影響も受け、1971~74年には発展が停滞する。しかし、これは福建省全体の発展速度をはるかに凌ぎ、1977年の県下の柑橘面積は563ha、年産3956トンとなって、福建省の首位に躍進した。

(3)急速発展段階
1978年以降、永春芦柑は急速発展段階に入る。その中でも1977年~1981年、1984年~1988年、1992年~1995年は最も急速に面積拡大が行われた。各時期には平均して毎年495ha、895ha、726ha、の面積が新たに増加した。これは、毎年の新植面積だけで1977年以前の総面積563haを超える勢いで増加したことになる。70年代末期の発展は「集体為主」によるものであり、80年代中・後期の発展は、「国家柑橘収購政策改革」と「落実農民自留山政策」及び永春県が世界銀行から2100万元以上の借款をして柑橘生産の発展に投入した事による。80年代以来、永春の柑橘生産量は上昇の一途をたどっている。1981年~1985年の間、平均20.4%の増加、1986年~1990年では平均24.66%の増加、1991年~1998年では平均23.4%増加している。1998年の県下の面積は9555ha、生産量は182,579トンで、95%以上が山地芦柑である。柑橘生産量は福建省でトップであり、芦柑の栽培規模では全国の県の中でもトップクラスである。

2.柑橘の面積と生産量

永春県の具体的な栽培面積、生産量は以下の通りである。

(1)栽培面積と生産量の推移
年      面積(ha)   生産量(t)     ha当り生産量(t)
1952       2.0      
1957       38.4        7.50
1962       76.1       14.75

1972      320.6      568.65
1977      562.9     3,955.85
1982     2,635.8     6,930.60        9.15
1987     5,937.7     20,002.00        9.12
1992     7,196.3     57,718.00       10.44
1997     9,636.7    167,911.00       18.23
1998     9,554.5    182,579.00       19.65

(2)1998年永春県柑橘生産状況

郷鎮名        面積(ha)   生産量(t)
合計          9554.5     182579
桃城鎮         1084.7     18800
五里街鎮         429.1     9600

下洋鎮          220.8     2839
蓬壷鎮          384.1     9500
達【土甫】鎮       576.8     12955
吾峰鎮          333.3      7470
石鼓鎮          453.9      6005

東平鎮          959.5     16560
湖洋鎮         1744.3     48100
坑仔口鎮        485.3      8512
玉斗鎮         277.3      4525
錦斗鎮         130.8       900
横口郷          63.0       923
桂洋郷         302.5       1814
呈祥郷          32.0       550
蘇坑郷         197.9       2433
介福郷         249.3       3300
仙峡郷         145.0       2440
外山郷         168.7       3525
北【石空】茶果場    276.2      2830
国有農場合計     151.1       3495

3.永春芦柑輸出量

永春県の具体的な輸出量は以下の通りである。

年        輸出量(t)    輸出額(万ドル)    
1967        45          
1972        81
1977        392
1982        348
1987       1133
1992       1015
1997       17903        860
1998       28092       1405






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最終更新日  2003年03月02日 22時11分18秒
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