2003年06月10日
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枇杷の収穫で忙しいtetywest。もうこれもパターンになってしまった「困った時の神頼み」ならぬ、「ルーヂャ頼み」です。「ルーヂャ第4号」は1994年8月に発行されました。もう9年も前になるんですね。そういう時代背景を頭に置いた上でお読みください。

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 もう十年近く前のことになるのだが、フィリピン共和国のネグロス島というサトウキビの栽培で有名な島へ行ったことがある。八十年代に入ってから砂糖の国際価格が暴落し、大規模な飢餓がこの島を直撃した。ジャーナリズムは大々的に報道し、ユニセフはこの島の現実に対して「非常事態宣言」を発していたが、肝心のフィリピン政府は当時の大統領夫人の言葉を借りて言えば「ネグロスの飢えもエチオピアに比べればまだマシだ」という具合いに放置したままだった。

飢餓は四十万人を越すサトウキビ労働者とその家族、とりわけ子供たちを襲った。一ヶ月の間に百人以上の子供たちが餓死した。「一昨日はスープを一皿、昨日は何も食さず、今日は豆を十粒、そして明日食するものは何もない。」子連れの婦人がそう語った。ガイコツのような顔にギョロッとした眼球が潤んでいたのが印象的だった。

 ネグロスの飢えは、それが干ばつなどの自然災害によるものではなく、砂糖価格の暴落やアメリカが全く砂糖を買い上げなくなったこと、特にサトウキビ労働者が自分の土地を持たない小作であることなど、構造的な要因によるということに特徴がある。

 いまさらという気がしないでもないが、去年の野菜の高騰にはビックラこいた。ネギもキャベツもひどかった。果物だってろくな出来じゃない。極めつけは米。日本人の主食が足りないということは、やっぱり大変なことなのだろう。でもあんましピンとこない。食べ物はそこらじゅうに氾濫しているし、スーパー・マーケットもファミリー・レストランもモス・バーガーもダンキン・ドーナツも繁盛している。べつに米が足りないんなら他に食べるものは沢山あるようだし、それをわざわざ海外から買いつけようという発想はあまりに飛躍していて、閉口してしまう。金を出せば大概のことが始末できるという社会はやっぱりスゴイ。

 これが二百年前だとそうはいかない。「食ふべきものの限りは食ひたれど後には尽果て先に死たる屍を切取ては食ひし由、或は小児の首を切、頭面の皮を剥去りて燃火の中にあぶり焼、頭蓋のわれめに箆さし入、脳味噌を引出し、草木の根葉をまぜたきて食ひし人も有しと也。」(後見草より)というから洒落にならない。一七八二年には津軽地方で二十万、八五年には全国で九十五万の人口減少をきたし、各地で打ちこわしが頻繁に起こった。有名な天明の大飢饉である。このため賄賂好きの老中田沼意次は失脚することになる。

 だいたい歴史をみてみると、飢饉、疫病、政治改革はセット・メニューになっている。そのうち仁尾町でもエイズ患者が続出、北朝鮮や中国から爆弾が飛んでくるから避難しろ、ということになるかもしれない。






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最終更新日  2003年06月10日 23時18分32秒
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