MLBコラム6

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「イチロー」・・・10月3日UP


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2004-10-03 「イチロー」
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MLBの打者のシーズン記録で、「得点」「打率」に次いで長きに渡り破られなかった記録、 「最多安打」 ・・・。

1920年、セントルイス・ブラウンズの一塁手 「ジョージ・シスラー」 の打った257安打を
84年ぶりに イチロー が抜いた。

1920年といえば、
これまでシーズン最多だった前年の「29」という数字を一気に「54」に塗り替えた男ばかりがクローズアップされ、
シスラーはその男の影に隠れてしまった。

その男とは 「ベーブ・ルース」 ・・・
自らが前年に作ったシーズン記録「29本塁打」を大幅に更新してみせた。まさにこの年が今なお続く 「パワー史上主義」 の幕開けだったのだ。

確かに、これまでの常識を覆す「54本」もの本塁打というとてつもなくセンセーショナルな出来事に比べれば、
シスラーの安打記録が色褪せて見えたのも仕方無いのかもしれない。

しかも1920~30年代は250本前後の年間安打が量産された時代でもあり、シスラーの記録も近いうちに更新されるだろうと考えられていたようだ。まさかその後80年以上も破られることがないとは誰も思いもよらなかったに違いない。

そんなシスラーの名をイチローが現代に甦らせた。

イチローは言う。
「最もエキサイティングなプレーは、外野手からの矢のような送球、そのタッチをかいくぐっての得点」だと。

盗塁王4回という実績のシスラーも、イチローに似たタイプの選手であり
おそらくはイチローが言うような 「エキサイティング」 なプレースタイルで観衆を魅了していたに違いない。

2001年、イチローはパワー全盛時代にありながら、対極ともいえる自身のスタイルで見事にMVPを獲得、
誰もが忘れかけていた野球本来の面白さを再認識させてくれた。
投手の球を打ち返すことでゲームが動き出すベースボールというスポーツにおいて、
誰よりも 「エキサイティング」 な機会を作り出せるイチローの価値は、計り知れない。

そして2004年・・・まだ誰も歩いたことのない領域をイチローは今、独り占めしている。

今後のイチローの担う役割りは大きい。
破られることはないと思われた記録を破ってしまったイチロー・・・
当然、その記録を破るのはイチロー以外には考えられない。誰もがイチローに期待し、イチローに夢を乗せる。
しかしその重圧はまた、イチローにしか味わうことのできない特権でもある。

今後のMLBが、そのベクトルをどう変えて行くかは分からない。
しかし、かつて 「ベーブ・ルース」 がそうしたようにベースボールの価値観を覆すことができるのは
間違いなく今はイチローただ一人である。


MLBの歴史上の数千人もの選手たち、そして延べ数万にも及ぶシーズン、
その頂点に イチロー が立った。

・・・・・・・・

※イチローは2004年シーズン、安打記録を「262」本にまで伸ばす。

※シーズン最多得点は、
1894年、フィラデルフィア・フィリーズの外野手「ビリー・ハミルトン」の192得点。
※シーズン最高打率は、
1901年、フィラデルフィア・アスレチックスの二塁手「ナップ・ラジョイ」の.426。


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2005-4-02 「史上最高の二塁手」
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デビルレイズの ロベルト・アロマー が引退を表明した。

走攻守に完璧で90年代最高の二塁手といわれたアロマー。

ゴールドグラブの常連だった抜群の守備力、2度の50盗塁を含む計474盗塁の快足、
そして、20歳でレギュラーとなってから安定してヒットを打ち続けた打力。
その実績はやはり素晴らしい。

特筆すべきはその早熟さ。
31歳で通算2000本安打 に到達したアロマー。これは史上最多安打を放っている ピート・ローズ をも凌ぐハイペース。現役では A-ROD プホルス の2人だけがこれに比肩するペースといえる。

というわけで
MLBの歴史に残る名二塁手を10人紹介。

1900年代~
 ●ナップ・ラジョイ・・・史上最高のシーズン打率.426を残した創世記の伝説
1910年代~
 ●エディ・コリンズ・・・史上7位の745盗塁と10位の3315安打
1920年代~
 ●ロジャーズ・ホーンズビー・・・歴代2位の通算打率.358 4割も3度 史上最高の右打者
1930年代~
 ●チャーリー・ゲリンジャー・・・7度の200安打と7度の100打点を記録
1940年代~
 ●ジャッキー・ロビンソン・・・初の黒人プレイヤー 初代新人王
1960年代~
 ●ビル・マゼロスキー・・・史上最高の二塁手守備
1970年代~
 ●ジョー・モーガン・・・2度のMVP 史上2人だけの「200本塁打・600盗塁」
1980年代~
 ●ライン・サンドバーグ・・・本塁打王を獲得 守備・走力も一流
1990年代~
 ●ジェフ・ケント・・・二塁手の通算本塁打を更新中 6年連続100打点も記録
そして
 ●ロベルト・アロマー

「史上最高の二塁手」を語るとき、20世紀初頭の 「ラジョイ」 「ホーンズビー」 が有力候補にあげられるが、当時と今では野球の質も技術も大きく異なる。

実際には現代のプレーヤーの方があらゆる面で優れていると考えられるが、4割を平気で打っていた超人たちを凌駕する評価を得るには、長年に渡りハイレベルの成績を残す「超」の付く一流プレーヤーでなければならない。

史上3人目の4000本安打も狙えたアロマーには 「史上最高の二塁手」 の称号を得る可能性があっただけに
36才での引退はやはり惜しまれる・・・。

前世紀の超人達を越える「史上最高の二塁手」の出現を、われわれはまた何年待つことになるのだろうか。

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2005-8-05 「果てしない可能性」
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フェリックス・ヘルナンデス!!

1984年に19才で衝撃のMLBデビューをした選手がいた。
元NYメッツの天才投手 「ドワイト・グッデン」 ・・・

8月4日、
そのグッデン以来の早熟といえる投手がメジャーの先発マウンドに立った。
マリナーズの新人投手 「フェリックス・ヘルナンデス」

この日のヘルナンデス、負け投手になったものの堂々たるピッチングを披露し
将来のスーパースターの可能性を十二分に感じさせた!

'84年、快速球とカーブを武器に新人記録の276奪三振・17勝、翌'85年は20歳で 「サイ・ヤング賞」 を受賞、その後何年もリーグのエースとして君臨・・・そのグッデンと、まだ1勝もしていないヘルナンデスを比較するのは無理があるかもしれないが、
その将来には果てしない可能性が広がっていることは間違いない。

300勝は確実と言われながら、ドラッグに溺れ、結局、200勝にも届かなかったグッデン(通算194勝)・・・
そのような最低の事態が身に降りかからなければ、200勝、さらにはその先もヘルナンデスには充分に期待できる。

デビュー当時グッデンは'84年シーズン終了後まもなくで20歳になったが、今日デビューのベネズエラ出身の右腕は、まだ19才と4ヶ月。

2006年の開幕も19歳で迎える「フェリックス・ヘルナンデス」!
日本人初のMLB捕手 「城島健司」 とバッテリーを組み、開幕からローテーションで投げることになるのは確実。
20年に一人の早熟投手、その始まったばかりの野球人生に今後も注目!

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