MLBコラム2

 ●MLBコラム2●


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2003-05-02 「最強のKコンビ」
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「R・ジョンソンとC・シリング」
昨年史上初の300K(奪三振)デュオとなった二人だが、今シーズンは相次いでつまづいている。先日R・ジョンソンはひざの手術を受け成功したものの復帰まではしばらくかかりそうである。

「K・ウッドとM・プライアー」
先の二人にとってかわる勢いで、この若いカブスコンビが今シーズン絶好調。今後数年間シカゴの街を席巻しそうな勢いだ。
ウッド25才、プライアー22才。

過去MLBには、どんなKコンビが活躍したのだろうか?

20世紀初のKコンビといえるのが 「R・ワデルとE・プランク」 の両サウスポー。
1904年にアスレチックスで二人合わせて550奪三振の活躍、計4回の400越えを成し遂げた。この年と翌05年の2年間で二人は計102勝!をマークしている。

最も有名なコンビといえば、 「S・コーファックスとD・ドライスデール」
1962年からの4年間は二人そろって200K以上を奪うなど8年連続400越えという偉業でドジャースの黄金時代を支えた。とくに63年は二人で557、65年は592奪三振という凄まじさ。66年を最後にコーファックスが30才の若さで引退、コンビもこの年までとなった。

「N・ライアンとF・タナナ」
奪三振の代名詞N・ライアンは、エンジェルス時代に1972年から8年間で7度の奪三振王に輝いたが、唯一75年だけは同僚のタナナに及ばなかった。74年から4年間は、547、455、588、546という手がつけられないコンビだった。

さらには 「N・ライアンとMスコット」 のアストロズコンビは、1986、87年に連続500越えを達成している。

ほかにもカージナルスの 「B・ギブソンとS・カールトン」
メッツの 「T・シーバーとJ・クースマン」 など、記憶に残るKコンビといえる。

そして 「R・ジョンソンとC・シリング」
2001年が665、昨年も650と、恐れ入るしかない。
「K・ウッドとM・プライアー」 のコンビが史上最強の奪三振デュオとなるにはまだ先のことだろう。が、二人にはその可能性がある。
歴史が塗り替えられる瞬間をぜひ見たいものである。

((MLBの歴史は記録の歴史でもある。新記録が達成したからといって過去が忘れられるわけではない。 R・マリス (シーズン本塁打記録)しかり、 L・ゲーリッグ (連続試合出場)しかり、再びクローズアップされ称えられる。当然記録阻止の敬遠などあろうはずもない。))

ちなみに野茂は2度の奪三振王、4度の200越えがあるが、コンビでは500を越えたことはない。
1995年はドジャースで I・バルデス と396、96年は407、
97年は パク・チャンホ と399、
99年はブリュワーズで S・ウッダード と280、
2000年はタイガースで J・ウィーバー と317、
01年はレッドソックスで P・マルチネス と383、
そして昨年は再びドジャースで O・ペレス と348。
(98年はシーズン途中で移籍)
いかに600越えがとてつもない記録かがわかろうというもの。

ただ、野茂のスゴさは全ての年にチーム内ではNo.1の奪三振をあげていることだ。さすがである。(98年は除く)

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2003-05-05・06 「300勝へ」
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クレメンス との新旧サイ・ヤング賞対決を制したOAKアスレチックスの バリー・ジート 。魔球的カーブにヤンキース打線は手が出ず、8回無失点の好投だった。

まもなく25才の ジート 、今シーズン早くも5勝目。今年も20勝した場合通算67勝になるのだが、現役の200勝投手と同年齢時で比較すると(12月31日時点で25才の年での通算成績で比較)・・・

現役200勝投手の勝利数比較
25才時点での
勝利数
その後の
年平均勝利
昨年までの
通算勝利
R・クレメンス
60
15.6
293
G・マダックス
75
18
273
T・グラビン
53
17.2
242
R・ジョンソン
15.8
224
C・フィンリー
13
200

ジート は、300勝確実の クレメンス,マダックス の二人と変わらぬペースで勝ちを積み重ねていることになり、MLBの歴史においても突出した才能のこの二人と将来的に肩を並べる可能性は大きいといえる。

MLB120年を超える歴史で300勝を達成した投手はわずか20人。前出のクレメンス、マダックスの他に現役投手で300という数字に届きそうな選手はどれだけいるのだろうか?

※年齢は昨年の12月31日時点・勝利数も昨年までのもの↓

Aランク
よほどのことがない限り達成間違いなしと思われる投手 
年齢
昨年までの
通算勝利
2003年の
所属チーム
R・クレメンス
40
293
NYヤンキース
G・マダックス
36
273
ATLブレーブス
T・グラビン
36
242
NYメッツ
P・マルチネス
31
152
BOSレッドソックス


Bランク
高齢だが衰えが見られず可能性大の投手
年齢
昨年までの
通算勝利
2003年の
所属チーム
R・ジョンソン
39
224
ARIダイヤモンドバックス


Cランク
40才まで安定した勝ち星をあげ続ければ可能性のある投手
年齢
昨年までの
通算勝利
2003年の
所属チーム
M・ムシーナ
34
184
NYヤンキース
A・ぺティート
30
128
NYヤンキース


Dランク
今後10年以上怪我なくローテーションを守れば
可能性のある投手
年齢
昨年までの
通算勝利
2003年の
所属チーム
T・ハドソン
27
64
OAKアスレチックス
F・ガルシア
26
60
SEAマリナーズ
M・マルダー
25
49
OAKアスレチックス
B・ジート
24
47
OAKアスレチックス
M・バーリー
23
39
CHIホワイトソックス


Eランク
潜在能力は抜群なので大ブレークすれば・・という投手
年齢
昨年までの
通算勝利
2003年の
所属チーム
J・バスケス
26
51
MONエクスポズ
R・デンプスター
25
47
CINレッズ
K・ウッド
25
45
CHIカブス
R・ハラディ
25
37
TORブルージェイズ
CC・サバシア
22
30
CHIホワイトソックス


歴代6位・通算363勝の ウォーレン・スパ-ン 。30才を過ぎてから250勝以上をあげたこの大投手のような例もあるので、名前の出なかった投手も可能性は充分にある。

ちなみに 野茂 がこの8年の平均ペース(12.25勝)で投げ続けたとすると、
2018年・50才で300勝達成!なのです。頑張れ野茂!!

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2003-05-07 「野茂の恩返し」
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「NOMOベースボールクラブ」 が活動を開始した。

野茂英雄 自らが出資し設立した社会人クラブチームのことである。

社会人野球で育ちドラフト史上最多の8チームから一位指名を受けるまでに成長した野茂・・・不況で次々と廃部されていく企業チームの現状を常々憂いていた彼がまたひとつ大きなことを成し遂げたといえる。

今後 「NOMOベースボールクラブ」 が野球をあきらめられない多くの選手たちの受け皿としてうまく機能すれば、企業に頼らないクラブチーム作りの先駆けとなるわけで、そうなれば野茂はここでも 「パイオニア」! となるのだ!
くしくも野茂が共同オーナーになっている独立リーグのチーム名は 「エルマイラ・パイオニアーズ」 。彼ほどパイオニアという言葉が似合う男は他にいない。

袂を分かった日本のプロ野球に対する反骨心ももちろんあるだろう、が、それを超えた「野球に恩返し」を、という気持ちが野茂を動かしているのではないかと思う。
果てしなく心が広い男である。


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2003-05-10 「再生・クローザー」
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天国から地獄へ・・・
セーブに失敗して負け投手になったクローザーの心境はこんなところかもしれない。

「マリアーノ・リベラ」
ついにNY・ヤンキースに守護神が帰ってきた。昨年まで通算243セーブをあげているア・リーグを代表するクローザーだ。脅威のカットファストボールがまた見られる。

「トレバー・ホフマン」
すさまじい勢いでセーブをあげ続け、2001年に史上初の4年連続40セーブを達成。弱小SDG・パドレスをその右腕で支えてきた男が今年ついに故障者リスト(DL)入り。歴代5位の352セーブ。

「ロブ・ネン」
昨年そのホフマンをうわまわるペースで史上最年少の300セーブを達成したSFO・ジャイアンツの100マイル男も、現在DL入り。今年中の復帰は絶望的となっている。

10年以上に渡り安定したクローザーとして活躍できる投手はごくわずかである。先発投手と違い最初から全力投球を余儀なくされるだけに、故障するリスクも負わなければならないのだろうか。精神面の負担にしても計り知れないものがあるのだろう。
史上最速100セーブを達成したシアトルの 大魔神・佐々木 も、今シーズンはDL入りし出遅れた(先日復帰)。

ここにも故障から復帰してきたストッパーがいる。
「ジョン・スモルツ」
彼の場合は特殊なケースだ。
ATL・ブレーブスの先発3本柱として32才までに通算157勝をあげたリーグを代表する右腕だった(300勝達成可能者リストにあてはめればCランクに位置するほどのペース・※「300勝へ」の表参照)。

が、右肩手術・・・1年以上のブランク・・・しかしスモルツは長く苦しい地獄から這い上がり、復帰後チーム事情から抑えに転向、昨年は ナ・リーグ新記録の55セーブ で見事に完全復活を果たした! 
スモルツと同様、先発からクローザーに転向し成功した投手に
「デニス・エカーズリー」 がいる。
一度は挫折しかかった彼だが、32才で抑えとして甦り’92年には51セーブで「サイ・ヤング賞(最高の成績を残した投手に贈られる)」にも輝いている。通算成績は197勝・390セーブ(歴代3位)。来年資格1年目での殿堂入りが予想される。

今年もスモルツは開幕から順調にセーブをあげ、5月9日現在で両リーグトップの15セーブ。 B・シグペン の持つシーズン記録57を更新しそうな勢いである。もしそうなればエカーズリー以来11年ぶりとなる、抑え投手の「サイ・ヤング賞」受賞の可能性もある。

地獄を見てきた男・・・だが真の再生を遂げた今、もうマウンドで地獄を見ることはない。

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2003-05-11 「ロケットのプライド」
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意地の雪辱!

3日後に25才になる バリー・ジート (OAK)と8月で41才になる ロジャー・クレメンス (NYY)。今シーズン二度目の二人の投げ合いは、「ロケット」ことロジャー・クレメンスが前回の借りを返す見事なピッチングで5勝目をあげた。

史上最多6度の「サイ・ヤング賞」を受賞している クレメンス ・・・いかに才能溢れるとはいえ16才も年下の相手に続けて負けては、そのプライドが許さない。

ジートが昨年初の「サイ・ヤング賞」を手にした年齢と同じ24才の時にクレメンスも「サイ・ヤング賞」を初受賞している。 「ロケット」 というニックネームに象徴されるように速球で押しまくる彼のピッチング・スタイルは時を経ても変わることはない。

本当にクレメンスは今年限りでユニフォームを脱いでしまうのだろうか・・・
8月1,2,3日に今シーズン最後のアスレチックスとヤンキースのカードが組まれている。もし、もう一度ジートとクレメンスの投げ合いが実現したとしたら、その時はジートに勝って欲しい。
負けたまま引退するのは、 「ロケットのプライド」 が許さないだろうから・・・

「ロジャー・クレメンス」
MLB史上21人目の300勝まであと2勝、
3人目の4,000奪三振まであと41個


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