幸せということ
アルジャーノンに花束を
実は、この物語が随分有名なものだったことを私は知りませんでした。
TVでユースケサンタマリアが、日本版の主人公を演じていたのを再放送で
観て、やっと知ったところです。簡単に、あらすじを書きますね。
パン屋さんで、働く主人公は、知的障害者。自分が仲間に虐められて、
笑われているのに、彼は、みんなに好かれているから、笑われている。
楽しい。そうとらえていたのです。
彼の両親は、母親が、わが子が障害をもっていることに耐え切れず、
離婚、彼を捨てた・・・
彼は、養護学校に通いながら、パン屋さんに居候し、母親が自分を
きっと迎えに来てくれると信じていたのです。
そんな彼の養護学校の担任の先生は、ある日、彼のために
頭の良くなる手術を勧め、彼は承諾したのです。
頭が良くなれば、お母さんが迎えに来てくれる。大好きな先生に
告白ができる。だから・・・
手術を受け、高い知能を持った、ネズミのアルジャーノンは、彼の友達。
彼は、大学の教授達の実験材料にされたのです。
予想通り、彼は優れた高い知能を手に入れることが出来たのです。
しかし、知能だけでなく、心も成長し、人間の悪い部分も見え始め、
苦悩の日々が始まりました。
そんな彼は、ある日、アルジャーノンの死に遭遇します。
その後、彼自身の知能の低下を感じ取り、苦しむことになりました。
なんとか、知能の退化をくい止めようとするのですが、所詮、無理な
ことだったのです。どんどん、知能は退化し、以前よりも、知能は低く
なってしまい、また、元の生活に戻ってしまいました。
でも、そこへ事情を知った、彼の母親が、彼の妹と共に彼を迎えに来たのです。
以上のような内容でした。
この作品はもちろんノンフェクションですが、いろいろ考えさせられました。
私達は、知能が高いばかりに、ちょっとしたことに悩み苦しんでいる。
そして、人を憎んだり、虐めたり、騙したり、嫉妬したり・・・またその、逆だったり、
嫌な部分を背負って生きている。
彼らは、人を理解できないけど、なんだか、彼らにとっては、日々、平和な人生
を送っているのかもしれない。世界が違うっていうか何て言ったらいいのだろう。
だから、可哀想とかそんなんじゃなくて、彼らは彼らの世界で、
楽しいと思える人生を送れたらいいんじゃないかな。
それをサポートしてあげるのが私達の役目なんじゃないかって
思います。そして、どんなに知能が低くても、変えがたい自分の
子供であることには違いないのです。
主人公の母親の「捨てた」という思い、実は、少しは理解できます。
でも、私には出来ない。
本当に迎えに来て良かった。そのシーンで涙があふれました。
私にとっては、感動的な物語でした。
いつか、時間ができた時、原本を読んでみたいと思っています。