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真言宗智山派
明治時代になると、政府の宗教政策により真言宗は「大真言宗」として統一されましたが、後に再び各宗派が独立しました。
真言宗は以下の通り古義真言宗系と新義真言宗系、真言律宗に分けられます。
( 古義真言宗系ー高野山に残った真言宗の一派 )
・高野山真言宗・真言宗 東寺派・真言宗 山階派
・真言宗 泉涌寺派・真言宗 醍醐派・真言宗 善通寺派
(新義真言宗系ー智山派の覚鑁が和歌山県の根来山に本山を構えた一派)
・真言宗 智山派・真言宗 豊山派
( 真言律宗)
・真言律宗
(真言宗 智山派)
開祖 ・弘法大師 空海
・興教大師 覚鑁(派祖)
・玄宥僧正(復興の祖)
ご本尊 大日如来
代表的な寺院 智積院(京都府、総本山)
真言宗智山派は、平安時代に空海が唐から日本に伝えた真言宗の一派です。
真言宗が日本に根づいて300年後、当時の興教大師・覚鑁(こうぎょうだいし・かくばん)は高野山に大伝法院を建立し、天災によって荒廃した高野山の復興に努めました。
その後、覚鑁は旧体制派の僧侶たちの反発を受け根来山に本山を移しますが、結局この根来山も豊臣秀吉の焼打ちに遭い、寺院のほとんどが焼失してしまいます。
当時、学頭であった玄宥(げんゆう)僧正は京都の東山に逃れ、数年をかけて智積院を建立し再興するのです。
真言宗智山派の開祖は空海ですが、中興の祖は覚鑁、復興の祖は玄宥と、直系ながらも真言宗から分派した宗暦を持っています。
高野山に残った真言宗の一派を「古義真言宗」と呼び、覚鑁が根来山に本山を構えた一派を「新義真言宗」と呼ぶようになりました。
覚鑁は、浄土信仰と現実世界を総合し「浄土に逃避せず、現実世界で浄土を実現する方法を考えよう」と説きました。
浄土ではなく、理想の世界を現世で実現するように勧めたのです。
その結果、高野山の保守派と対立することとなり、高野山を追われることになります。
覚鑁は、空海が伝えた密教としての真言宗と、高野山の古い体質を変えようとしましたが、結果的には成功にいたらなかったようです。
平安時代末期から鎌倉時代にかけて覚鑁が考えた一種の宗教改革は見直され、覚鑁は鎌倉仏教の先駆者と呼ばれるようになった。
真言宗 智山派で主に使用される経典
真言宗智山派は真言宗の一派ですから、経典には「大日経」と「金剛頂経」を使用します。
大日経は「大日如来が姿を変えながら自らの力で人々を悟らせる教え」、金剛頂教は仏が集まった曼荼羅の世界が表現された経典。
真言宗 智山派の代表的な寺院
真言宗智山派の総本山である智積院は、根来山に数多く建てられた寺院のひとつでした。
「秀吉は根来寺にうらみがあった。小牧・長久手の長期戦の際、家康が誘った有力な同盟者の一つが紀州の雑賀党と紀州地侍連合・根来衆であった。家康が傘下に入った際、見捨てられ秀吉に平定させられた。豊臣秀吉によって天正13年(1585)に焼討ちにあい、根来山に孫座する寺院のほとんどが消失」
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