2004年01月25日
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テーマ: ニュース(100320)
カテゴリ: カテゴリ未分類
本戦当日は5:30起床。嫁さんも私も朝が弱いので心配してましたが、なんとか起きられました。簡単な朝食を食べて、出発の準備。嫁さんは「あまり眠れてないなー」とのこと。まあ、無理もないか。彼女は8:00集合でしたが、応援者である私は9:30からにならないと座席の引き換えが始まりません。彼女は「後で来てくれればいいよ」と言っていたのですが、一緒に行くことに。電車の中で、「キンコンカンコン!キンコンカンコン!キンコンカーン!おめでとうございまーす!島倉さんにお母さんに向けて一言お願いしましょう。なんて言ってもらいたいですか?」などと、勝手に宮川さん、島倉さんとのカラミを想定練習したり、「合格しなくても、『足りないよ?あれ?足りないよ!』って言えばポポポポッて追加点が入るよ(そりゃ仮装大賞じゃ!)」などと冗談を言い合ったりしてました。

会場には7:40頃到着。彼女はそのまま楽屋へ直行。私は、この時間で既に会場前に行列ができていることにびっくり。聞いてみると、みなさん、今日のゲストである氷川きよしのファンで、早い人は昨日の夜から並んでいるとのこと。確かに、ウィンドブレーカー、レジャーシート、折りたたみイス持参の完全装備。会場係の人の話では、特に「家族席」や「応援席」があるわけではなく、誰でも座席引き換え券1枚につき2名までの指定席と交換されるだけで、観覧場所の希望は聞けないとのこと。

「これはやばい!」のんびりと朝のコーヒーを飲んでる場合ではなくなってしまいました。うっかり会場時間間際に来ようものなら、立ち見で応援なんてこともあり得るということです。しかも相手は「筋金入りの」ファン達。席取り合戦に遅れをとってはならぬと、まだ座席引き換えには1時間半以上も前でしたがその列に並ぶことにしました。会場係の人が列の前の人から順番に、座席引き換え券に「2」という数字を書き込んでいきます。これは、その券1枚で何人分の指定席をとるかということのようです。私は自分ひとりで応援に来ているので「1」と書いてもらいました。これが後で大きな波紋を呼ぶことになろうとは知らずに・・・

30分もすると列は倍の長さになり、私の周りは氷川きよしファンクラブ会員の交流会の場となってしまいました。近所のスーパーにもいそうなおばあちゃんから、いわゆる「マダム」と呼びたくなるような品の良さそうなそのオバサマまで、めいめい写真付きのケータイストラップをジャラジャラいわせ、「KIYOSHI HIKAWA」のロゴの入ったカバンを持ち、そのカバンにはやはり「きよしちゃん」の缶バッジをいくつもくっつけているその様子は、本当にすごかった!私は彼女達のパワーに圧倒されるとともに、そのパワーの源となっている「氷川きよし」なる人物の凄さを実感したわけです。

9:00頃。既に列はどんどん長くなり、とうとう最後尾は見えなくなってしまいました。それまでは明るく晴れていた空には、重たそうな雲が出てきたかと思うと、雪が降り始めました。この雪の中でも、熱い熱い交流会はまったく衰えを見せません。曰く、「○○では私に向かって手を振ってくれたんだよー」「手紙はね、返事はくれないけど、全部目を通してるからね」「○○のコメントは高感度高かったねー!なかなかああは言えんよ」「私はもう、200万つぎ込んでる」などなど。ああ!なんて切ない!昨日まで隣に座っていたはずの私と嫁さんの間の距離は今や、氷川きよしとそのファンとの間と同じくらい開いてしまったように感じたのでした。

お互い自作の応援ウチワを見せ合ったり、自作したと思われるブロマイドを交換したり、きよしちゃんの写真入り名刺を交換したりして、ひととおり話題が一巡した頃、ファンの中の一人のおばちゃんが、話の輪に入らずに突っ立っている私に気がつきました。「兄ちゃんもきよしちゃんのファンな?」と聞かれたので、「いえ、家内が歌うんです。島倉千代子さんの歌を」と答えると、それがわらわらっと人づてに伝わって、私より4~5人くらい前に並んでいたおじさんが「おー!島倉さんのファンですか!これは嬉しい!」と握手してくれました。そのおじさんは、夫婦で島倉さんの後援会に入っているそうで、会員番号は旦那さんがNo.3、奥さんがNo.4という、気合の入った島倉千代子ファンなのでした。

心強い味方を得たような気分になったのもつかの間、私の周りでは「なんで出場者の家族がこんなところに並んでるの?応援者席があるでしょう」という話題になりました。いや、応援者席というのはないらしいですよ、ホラ、私が持っている座席引き換え券も皆さんと変わりないでしょうといって胸ポケットからはがきを取り出すと、そこにはさっき会場係りの人に書いてもらった「1」という数字が。

「えー!信じられなーい!」突然、私の後ろの女の子が大きな声を上げました。私は最初、何のことかわからなかったのですが、どうやらこの「1」が問題だったようです。ここに並んでいる皆さんの戦略では、はがき1枚につき2名分の指定席をゲットしておき、席を確保できなかった仲間と一緒に観覧するのに使ったり、あるいは余りを代わりに売りさばいてくれる人に売ったりするのだそうです。なるほど、どおりでみんな「2」と書いてもらっていたわけだ。

しかし、困ったことになりました。さっきまでの誇らしげな気分はどこへやら。私は彼女たちの間で「応援者席にも座らず、しかも、せっかくの2席分の権利も行使しない、愚か者」ということになったようです。まあ、そう思われるのも無理はない。彼女たちは何枚も何枚もはがきを書いて応募して、幸運にもやっと1、2枚が当たって来ているわけです。さっきの島倉千代子ファンの人は50枚出して1枚しか当たらなかったとも言っていました。とにかく、なんとかこの場をおさめるために、改めて応援者席がないか確認してみることと、「1」を「2」と間違えましたと言ってみるということを約束させられました。「応援者の隣だったら、テレビに映るかもー!垂れ幕ないの?書こうよ!一緒に応援してあげるよ!奥さん、『あれ誰?』ってびっくりするかもねー!」



さて、なんとか座席の確保はできましたが、開場は10:50。まだ、1時間以上あります。私は近くの喫茶店で時間をつぶすことにしたのですが・・・皆考えることは同じのようで、さっき列で一緒だった方たちがいました。「どうでした?」と聞かれたので、「いやー、やっぱり2枚は無理でした」。「どの辺りの席?」と聞かれたので「あ列の31番だそうです。なんか、はじっこみたいですね。」と答えておきました。実際、この時点では、私は「あ列」というのは舞台に向かって一番右端の列の前から31番目だと思っていたのです。別のおばさんは「いやー!一番前やー!よかったなー!ちょっと端っこやけどなー!やっぱり応援者は違うわー!」と言ってました。いや、だから応援者席はないってば。

それにしても、仮に本当に「あ列」が一番前の席だったとしたら、これはむやみに見せびらかすのは危険だと思い、その後に会ったプチ顔見知りの人たちには、「いやー、なんか端っこみたいですわ」とだけ答えておきました。この時は、この「端っこ」がどんなに凄い「端っこ」を意味しているなのか分からないまま・・・

10:50。喫茶店にいるのもなんとなくいたたまれなくなって会場へ。ホールの後ろから入ると、あら、確かにあ列は一番前だ。じゃあ、31番はどの辺?と思いながら歩いていくと・・・気がついたら最前列真ん中ブロックの右端に座ってました。「マジで?!」めっちゃかぶりつきやん!そして隣は(というか2列目、3列目も)、あの、「前日から並んでいた(と思われる)氷川ファン!」さっきのおばちゃん達よりずっと筋金入りの人たちです。正直、生きた心地がしませんでした。ファンクラブの中にも、ヒエラルキーというか階層関係というのがあるのかよくわかりませんが、とにかくこの最前列の人のところに次から次へと他のファンの人が挨拶に来てます。すごいです。私は隣で内心、「すいません、すいません。ファンでもないのに、こんなええ席、とってしまってすいません。」という気分で座ってました。

さて、しばらく座って落ち着いてくると、自分がなぜそんな席に座れたのかということについて分析できるようになってきました。どうも、みんなが「2」枚づつ座席を確定させていくものだから、ブロックの一列が奇数だったら1人席が1つ余ることになります。そこに、馬鹿正直がすぽっとはまったというのが事の真相のようです。私の後ろの女性も、「いやー、列では結構後ろだったのに、こんな前に座らせてもろうて悪いですわ。1人ていうたから、席が余ってたんやろか」と言ってました。

しかし、さっきの行列といい、今まわりに座っている人たちといい、会場は昨日の予選会とはぜんぜん違った空気になっています。昨日は出場者とその応援者がほとんどだったのに対し、今日は出場者よりもけゲストが目当ての観客が大半なのです(きっと)。この空気に飲まれてはいけない。氷川きよしを目当てに来た人は何百人もいるだろうけれど、うちの嫁さんを目当てに来た人は私1人なわけです。「負けるものか。たった一人でも、嫁さんコールをするのだ」、とココロに決めました。

11:40。収録35分前。会場には宮川さんが出てきて、相変わらずの素晴らしいトークで出場者、観覧者の緊張をほぐします。そして、「明るく、楽しく、元気よく」のテーマの説明。嫁さんは、私の位置がすぐにわかったようでびっくりしてました。「なんか知らんけども、あんたはそこで今日、歌うことになったし、俺はこんな前に座って観覧できた。ありがたいことじゃないか。昨日もあんなに楽しかったんだから、今日も楽しんで帰ろうや」声を出せばお互い話せそうな距離でしたが、それは声にはなりませんでした。気持ちは伝わっただろうか。

12:15。秒読みが開始され、なだれこむように本番開始。やり直しなしの生放送です。あとは、皆さん、テレビで見てくださった通りです。島倉さんにもお声をかけていただき、本当にありがたかったです。とはいえ、我々はテレビを持っていないので、どんな風に映ったのかわからないんですよねー。(会社の先輩がDVDに焼いてくれる手はずにはなっていますが)。そうそう、ファンのパワーも凄いですが、やっぱりご本人のパワーはもっと凄いですね。なんというか、例えるなら、うちの嫁さんのように鐘二つで終わった人が懐中電灯の光だとすると、合格した人は車のライトの光、そして、プロは(特に氷川きよしさんは)でっかいサーチライトの光という感じでした。特に、私の席では声のが「聞こえる」というよりは「ビリビリが伝わってきて気持ちえ~」という感じ。

さて、年末の嫁さんの気まぐれから始まったこの事件の顛末記もこれでおしまい。この週末の出来事は夢のように過ぎ、今はすっかり日常生活に戻っています。今後、のど自慢がライフワークになるかどうかは、まだわかりませんが「挑戦するだけの価値はあるなあ」というのが、二人の共通の認識です。皆様には、ホームページを通じて激励や暖かいお言葉をいただき、ありがとうございました。


クルテクがつけている青のバッジは予選の参加賞。緑のバッジは本戦の参加賞。

(今、渋る嫁さんを説得しつつ、嫁さんの視点でのレポートを書いてもらってます。出来上がり次第、アップしますのでそちらもお楽しみに)





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最終更新日  2004年01月28日 23時13分59秒
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