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読者モニターとしてこの一年間、朝夕刊をくまなく読んできた。情報を得るのはもっぱらテレビか、インターネットだった私にとって、とても新鮮な毎日だった。今回は私の任期中、最後の紙面評価だが、そもそも何のために新聞を読むのだろうかと考える。日々のニュースを知ること、さまざまな情報を得ることなどが挙げられるが、果たして私にとって新聞とは何なのか。ここ数カ月、気に入ってスクラップした記事にあらためて目を通した。
一つは、2月15日付朝刊に掲載された関西学院大学助教の貴戸理恵氏の「若者の生きづらさは財産」。生きづらく感じるのは規範意識を持っているからこそであり、学校や仕事が多くの若者にとって開かれ、意味のあるものにしていくことが大切だと訴える。生きづらいことは決して悪いことではない。このコーナーは、さまざまな立場の人の意見がちりばめられていて、新聞を読むことで、社会のあらゆることに対して自分なりの意見や考えを持つ材料を集めていることに気付かされる。
まだまだ自分の「仕事」や「働き方」が定まりきれない私にとって1月30日付夕刊「これで生きる」で、取り上げられた「仕事旅行社」(東京)の記事も、実に興味深い内容だった。この会社は、ツアー感覚で興味を持っている職場の訪問、職場体験を企画している。終身雇用、年金による安定した老後などこれまで当たり前だったことが破綻し、先の見えにくい現代を生きる私たちにとって、新たな価値観を持って仕事に従事することを考えさせられた。
新聞は広げているうちに何げなく目にとまる記事から興味が広がったり、新しい視点を見つけたり、共感することで自信が生まれたりする機能を持つと思う。新聞購読者の平均年齢はどのくらいだろうか。ただ、現在の購読者層ばかりをターゲットにするのではなく、本来は最も新聞を読むべきこれから未来を担う若者層を掘り起こしていく記事を提供することも新聞社の大きな使命だろう。これからも若者たちのひきだしが増え、生き生きと自分らしく生きる指針となるような記事を提供していただきたい。(第28期西日本新聞モニター、北九州市)
★日曜日の朝刊に掲載された この原稿と先日のモニター会議内容が 14日の財団主催の懇話会の議題に生きてくる。 思いは ジャンルを超え つながり つながり 強くなるばかり♪