売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

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2023.03.05
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昨秋、松屋銀座店5階にPOLO RALPH LAURENのメンズとレディースを同じ空間で展開する併設ショップが誕生しました。

POLO RALPH LAURENメンズのエリア

同レディースのエリア

ラルフローレンのメンズ中軸ブランドはデビュー以来POLO by RALPH LAURENです。一方、後発の婦人服を手がけてからずっとレディースはPOLOをつけずRALPH LAURENとして展開してきました。婦人服にPOLOをつけたのは最近です。本国アメリカでも百貨店ではメンズとレディースの売り場は基本的にフロアを分けて展開してきましたから(直営の大型路面店では併設はありました)、昨秋オープンしたときは紳士、婦人服併設ショップは珍しいと思いました。

そして、これまで4階で婦人服、5階で紳士服を展開してきたマーガレットハウエルが5階に拡大統合ショップ、3階で婦人服展開してきたズッカは紳士服を導入して5階マーガレットハウエル横に移設。ほかにもこの一画にはメンズとレディースを一緒に展開するブランドが集まり、カップルのお客様が同じショップ内で同時にショッピングできる形になりました。

MARGARET HOWELLレディースのエリア

ショップ中央ウインドー右側がメンズエリア

かつて7階にあった雑貨も同じスペースで展開

従来のカテゴリー分類では、男性用商品はメンズフロア、女性用商品はレディースフロアで展開するのが一般的でした。しかし、各国の多くの人気ブランドはメンズ、レディース両方を販売するようになり、百貨店の売り場構成は商品軸の「デパートメント」からブランド軸の「ショップ」に変わりました。すでに百貨店からはブラウス売り場、セーター売り場、コート売り場などいわゆる「平場」が姿を消し、それぞれのアイテム平場に商品供給してきたアイテム専業メーカーは次々に廃業してしまいました。

平場が消えてブランドショップがズラリ並ぶフロアが増え、百貨店はテナント集積のファッションビルや駅ビルと見た目はほとんど変わらない状態になり、従来の百貨店のカテゴリー分類ではお客様ニーズに合わなくなってきたかもしれません。メンズ、レディース併設ショップはカップルでショッピングされるお客様には恐らく便利でしょう。

が、問題は一人でショッピングなさるお客様、特に女性客はどう感じるかでしょう。販売員の接客を受けながらフィッティングルームで何度も着替える女性客にとって、同じ空間の中にいるよその男性の目が気にならないかどうか、そこだけが心配です。

通路にセットされたZUCCa男、女服ディスプレイ

ZUCCaの左側はレディースエリア

同右側にメンズを導入

メンズ、レディース併設ショップが全てのお客様にすぐ受け入れられるとは思えません。しばらく時間はかかるでしょう。が、平場や単品メーカーが消滅した時代変化を考えると、併設ショップは実験してみる価値はあるのではないでしょうか。お客様の声にしっかり耳を傾け、焦らずじっくり構えて運営できるといいですね。もしも多くのお客様の反応がNOであれば、また別の分類方法を考えれば良いのですから....。





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Last updated  2023.03.07 11:55:54
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