売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

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2023.08.22
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私たちよりちょっと年長の世代には高校、大学時代にVANでおしゃれを学んだアイビー族がたくさんいます。先輩たちほど私たちはアイビールックやアメリカントラディショナルに熱烈ではありませんが、ニューヨーク視察で気になるショップはどういうわけかトラディショナル、プレッピー系が多かったです。


マジソン街のラルフローレンメンズ旗艦店

マーチャンダイジングの新解釈としてカッコいいなあといつも思っていたのはソーホーのウエストブロードウェイにあった「ポロスポーツ」。長めのハンガーラックにラルフローレン・パープルレーベル(ほぼ手縫い)、同ブラックレーベル、ポロスポーツ、R R L、セカンドラインのラルフ、さらにはリーバイスやリーのヴィンテージをごちゃ混ぜに並べ、それぞれのラックが一つの世界観を発し、ラルフローレンの全ブランドをあたかも因数分解したような印象でした。当時は簡単そうでなかなかできない構成、さすがでした。
(写真たくさん撮影したはずなのに、なぜか手元に1枚もありません)

マジソンアベニュー東72丁目ラルフローレン本店は品格があっていかにもトップブランドのラグジュアリー旗艦店、デザイナーのセンスの良さがストレートに伝わるいい店です。が、私はソーホーのポロスポーツでたくさんビジネスヒントをもらいました。




2枚ともRUGBY(ラグビー)

ラルフローレンでもう一つお気に入りだったのは、ユニバシティープレイスの「ラグビー」。学生たちも多く行き来するグリニッチヴィレッジ地区に安価なラルフローレン・テーストのカジュアルショップ。狭くていつもごちゃごちゃしててお客さんが多く、「何か買わなきゃ」って気持ちにさせる不思議なお店でした。しばらく日本での展開がなかったので日本人観光客をしょっちゅう見かけました。もうラグビーは廃止されてしまったので覚えている人は少ないかもしれません。結構売れてたのになあ、経営方針の変更でもあったのでしょうか。

もう一つ気になったお店はトライベッカにあったJ・クルーの特別バージョン「リカーショップ」。ホコリが被っているような古いリカーショップ(酒屋)を居抜きで引き取り、そこにジーンズカジュアルをドーンと並べた、J・クルーにしてはお値段そこそこのジーンズショップです。昔のリカーショップにはちょっとしたバーカウンターがあり、お客さんはそこで一杯やれました。そのバーカウンターもお酒を並べる棚もそのまんま、ヴィンテージっぽい加工ジーンズが無造作に積んでありました。古着屋のような雰囲気あるお店でしたね。




2枚ともLIQOUR SHOP(リカーショップ)

東北大震災の1年後、私たちが銀座中央通り歩行者天国で「ジャパンデニム」のファッションショーを開催したとき、テレビ局は全局夕方のニュースで報道してくれましたが、NHKだけはニューヨーク支局の現地取材映像をプラスしてオンエアー。その映像は、このリカーショップ販売員がジーンズを紹介しながら「日本のデニムは最高」とコメントしてくれました。​​

残念ながらJ・クルーは2020年新型コロナウイルス感染の影響で会社更生法を申請、どうやらその前後にこのショップは消滅したはず。いまニューヨーク視察に出かけたら、バーグドルフグッドマンなどハイエンドな店は別として、見なければならないたくさんヒントくれそうなお店はどこなんでしょう。久しくニューヨーク行ってない、行きたい。





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Last updated  2023.08.22 11:33:51
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