売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

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2024.09.21
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日本デニム業界の技術は世界の中でトップレベル、パリ、ミラノのラグジュアリーブランドがたくさん使用してい流のは周知の事実。2011年3月東北大震災があった翌年の春、銀座歩行者天国を舞台に「ジャパンデニム」のタイトルで青空ファッションショーを企画したくらい、日本製デニムは世界に誇る日本の重要なコンテンツだと信じています。しかし、私は個人的にゴワゴワ触感のデニムが好きではありませんでした。

小学1年生の頃だったと思います、オフクロがジーンズを買ってくれましたが、ゴワゴワ触感が嫌いと言ったら、それ以来オフクロはジーンズを買ってくれませんでした。大学時代はデニムのベルボトムが大流行、そのあとカラージンズも人気ありましたが、買ったのはソフトデニム1本のみ。ニューヨーク8年間の生活でもジーンズは履かずに過ごし、帰国してからもジーンズとは無縁。5年前に児島ジーンズストリートのお店でソフトデニムを1本買っただけです。

先日、久しぶりに児島ジーンズストリートを歩きました。ここでゴワゴワのデニムジャケットとダボダボ分量のジーンズ2本購入。デニムジャケット(写真と同型のブラックデニム)はこの年になるまで一度も着たことがなく、生まれて初めてワードローブに加えました。まだ買ったばかり、慣れないので自分らしくないとは思いますが、当分これを楽しんでみようと思っています。



日本産デニムは後加工技術を含めて世界に誇る優れもの、それを使用したジーンズは重要なコンテンツだと思います。5年前に児島ジーンズストリートを訪れたとき、日本産デニムと児島ジーンズストリートをもっと全国的に宣伝して賑わう観光地にできないものかと思いました。

そのためにはそれだけで集客できるカフェやレストランを誘致することは不可欠でしょうし、児島デニムのことならなんでもわかる博物館、資料館を作り(すでにあるのかもしれませんが)、もっと消費者向けイベントを仕掛けて全国に報道されるような広報活動が大切だと思いました。

しかし先日ジーンズストリートを訪れてちょっとショックでした。5年前に比べ、地方都市でよく見かけるシャッター降りた店舗が並び、暑い夏ということもあるでしょうが観光客らしき人はほとんど見当たらず、街全体が寂れていました。買い物に訪れた同ストリートのはずれにあるジャパンブルージーンズや桃太郎ジーンズ(両方とも株式会社ジャパンブルーのブランド)には買い物客がいましたが、下の写真のように通りに人影はありません。


人影のないジーンズストリート




桃太郎ジーンズのキャラクター

ジーンズ業界にはジーンズの普及を目的に毎年「ベストジーニスト」AWARDを発表している日本ジーンズ協議会があります。  https://best-jeans.com/


児島がある岡山県倉敷市は明治時代半ばに倉敷紡績が設立された繊維にゆかりのある都市、倉敷紡績創業家が設立した大原美術館(モネ、ドガ、ルノワール、ゴーギャンなどの収蔵品多数)や倉敷美観地区にはたくさんの観光客が訪れます。同じ倉敷市に世界に冠たるデニムのメッカがあるのですから、倉敷市中心部を訪れる多数の観光客を児島ジーンズストリートまで引っ張ってくる工夫、できないのでしょうか。

それにはデニムを生産する紡績メーカー、後加工業者やジーンズ縫製工場と倉敷市、岡山県の行政機関が密に連携する必要があるでしょう。せっかく世界に誇ることができる有力コンテンツがありながら、倉敷市に観光客を集めることができる施設がありながら、児島ジーンズストリートはどんどんシャッター街に落ちぶれ、閑古鳥状態が続くのはどうなんでしょう。正直、もったいないです。強烈な言い方をすれば「倉敷市は何をしてるんだ!」です。


JR西日本児島駅前

コロナウイルス感染がおさまり、再び外国人観光客が復活して年間3000万人余のインバウンド客、これからさらに増えそうな気配。しかも東京、京都、大阪のみならず、全国各地がインバウンド消費の恩恵を受け、外国人は日本経済に貢献してくれています。こんな路地裏の居酒屋に、こんな地方都市のラーメン店に、こんな田舎の温泉にと驚くシーンも増えています。ジャパンデニムの聖地にもきっとチャンスはあるでしょう。チャンスはあるはずですから、官民共同でインバウンド客に向けてどう仕掛けるかが肝要ではないでしょうか。

ジーンズストリートを歩いてそんなことを思いました。頑張ってほしいなあ。





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Last updated  2024.09.22 15:55:52
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