変わる食卓 変わる家族






<著者>
岩村 暢子

<内容>
アサツーDKによる大掛かりな主婦を対象にした調査を元に日本の家庭とその食事の大きな変化をとらえた本。

第一章 食を軽視する時代。 楽しみや子供の習い事・教育を優先し、食を軽視している現代の主婦と家庭
第二章 「私」指向の主婦たち。 作るときも自分の気分次第。
第三章 子供で揺れる食卓。 子供に食べてもらうことを優先する食事
第四章 個化する家族たち。 同じ食卓についてもそれぞれ違うものを食べる家族。
第五章 外向きアンテナの家族と食。 あるべき姿。 食品にかいてあることを重視。
第六章 現代「食」の真相。 出来るだけ沢山の品目を摂るために盛り込んだ食事。
第七章 言ってることとやっていることは別。 第一次調査と対面調査の大きな違い。
付論 家庭科で習った通り。

<感想>
日本の家族とその食事が大きく変わっているさまは驚くべきレベルである。 
私が感じたのはあまりにも時間のない現代日本の生活、それに合わせて企業が組んで行く商品政策とマーケティング、それによってますますゆがんで行く家族の食卓という連鎖である。 この本がマーケティングを目的とした調査をベースにしているにもかかわらず、結果は高度な資本主義が行き着く消費社会のゆがんだ姿を描き出してしまった。
日本の消費社会を見ていると「もういいよ」とつくづく思います。 細かいことを工夫してモノを売っても所詮は目くらましの一過性。 
もう少し本質的なことを考えませんか。 
家庭科でかつて教えられたことを結局踏襲している主婦たち。 自分で考えることをしない、書かれていることをうのみにする、といった態度に戦慄を覚えた。 また、調査に対して平気でまたは無意識に事実と反することを答えている様にも驚いた。 これからの市場調査はこの辺を押さえてやらないとひどい目に遭う。

<勝手にレーティング>
納得度: 4.5
オリジナリティ: 4.5
実用度:4
アマゾン:5
合計:18

殿堂入りです。



© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: