南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2005/01/02
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初めての夜更かしに加え、寒さと疲れから、帰り着くまでに我が家の下の娘は夫の腕の中で寝入ってしまい、上の娘も寒さで耳や頭の痛みを訴え、疲れ果てて戻るなりベッドに直行した。
実は、耳管狭窄で蓄膿症(副鼻腔炎)の気のある上の娘には、この夜の外出があだとなったのである。

前夜の夜更かしと疲れに関わらず、9時過ぎには全員が起きてきたのだが、上の娘だけがなかなか目を覚まさない。夫が様子を見に行くと、熱が出始めていた。測ると38度。
蓄膿のせいで軽い熱でもすぐに頭痛と耳の痛みを訴える娘は、すでに38度で涙を溜めながらオイオイ泣いている。
普段なら、38度くらいの熱で解熱剤を与えるのは渋る私だが、頭痛や耳の痛みを和らげるために、義妹の家に常備してある解熱・鎮痛剤をもらって与えることにした。

実は、元旦には市内か、キュタヒヤ近郊にある温泉での初湯を考えていた。
温泉プールが大好きな娘たちが、エダ叔母さんとエレナの家に来るのに乗り気だったのも、「温泉もあるよ」と教えた夫のひと言が大きく効いたからだと思っている。
「わあ~い!温泉だあ~」と、いち早く水着を取り出して試着してみたり、忘れないよう真っ先にかばんにしまい込んだ娘たちの様子を思い出すにつけ、温泉行きがキャンセルになったら、どんなにか残念がるだろうと思ったが、病気となれば致し方ない。


しかし、効き目の強いトルコの薬のお陰か、娘の顔は1時間ほどで随分と楽そうな表情になり、温泉行きにも意欲を見せているほど。
熱があるのに入浴させるなんて、頭がおかしいと思われる方もいらっしゃるかもしれないが、全身の冷えから始まった発熱だし、ゆっくりと温かいお湯に浸かりながら温かな蒸気を吸うことは、耳管を開いて頭痛の原因のひとつを取り除くためにも、かえって効くのではないかという気がしてきた。
そこで夫と義兄弟に頼んで、市内の温泉ハマムに念のため下見に行ってもらうことにした。

エスキシェヒルは、観光客にとっては何より、メアシャム・パイプの材料として有名な海泡石(マグネシウムの含水珪酸塩)の産地として知られていると思うが、実は市内中心部で温泉の湧出する温泉町でもある。
ハマムというと、通常は浴槽のない、大理石で覆われた蒸し風呂のことを指すのだが、エスキシェヒルのハマムの多くには、浴槽やプールがある(らしい)。エスキシェヒル訪問も3度目になる私たちは、今度こそ大きなプール付きの温泉ハマムに入ってみたいと考えていたのである。
しかし妹の話では、大きなプールのある温泉ハマムは、男性用は毎日でも開いているのだが、女性用となると週1回火曜日にしか営業してないという。他のハマムとなると、家族用の小さい浴槽を持つところしかないのだそうだ。(ちなみに、プールのある温泉ハマムの名は、『ハス・ハマム』というそうだ)
小1時間ほどして戻ったふたりの話でも、市内のハマムはダメだと首を振る。
結局、エスキシェヒルから車で1時間ほど走らせたキュタヒヤ近郊ヨンジャル温泉まで、ドライブがてら足を伸ばすこととなった。

エスキシェヒルから陶器産業で有名な町キュタヒヤまでは、約70km。キュタヒヤの町に入る手前でバルケスィル方面に折れ、さらに10kmほど西に進むと、ヨンジャル(Yoncali)の看板がある。そこを南に入ると、やがてヨンジャルの集落が現れる。
ヨンジャル温泉(Yoncali kaplicalari)にある最高級ホテルが、4ツ星ホテルの『TUTAV TERMAL OTEL ve KUR MERKEZI』である。ホテルの名前から分かるように、キュル・メルケズィ、つまりクア・センター(クア・ハウス)を抱える温泉ホテルで、もちろん宿泊せずとも入浴だけの利用も可能。
大人ひとりの入湯料は10ミリオンTL(=10新TL、約770円)、子供が5ミリオンTL(=5新TL、約380円)。

TUTAV TERMAL OTELKUR MERKEZI



ちなみに、TUTAVとはTURK TANITMA VAKFI(トルコ奨励基金)の略で、トルコの商工業や観光、文化、歴史的価値を海外に知らしめるために設立された組織で、一種の政府の外郭団体のようなものである。
アンタルヤはカレイチ内にある、古い民家を修復して作られたプチホテル『TUTAV TURK EVI』も、今思えば同じ系列に違いない。

周囲がガラス張りで、明るい日差しの入るプールは、大体8m四方くらいの四角形。
水深は、どこの温泉プールでもほとんど同じ150cmで、私だとつま先立って、ようやく顔を出していられるくらい。
お湯の温度は、最初に入ったときはぬるいくらいに感じたが、30分、1時間と経つうちに身体がポカポカ暖まって、熱いくらいに感じられる。体温とほぼ同じか、やや低いくらいなので、36~7度というところだと思う。


私はというと、少々泳いでは、階段の途中に座って腰から下だけお湯に浸かり、しばらくしてはまた泳ぐという具合に、全身を温かいお湯に浸せる喜びを感じながら、のんびりと出たり入ったりを繰り返した。
私たちは一行7人は、こうして約1時間半ほど温泉プールで寛いだ後、再び1時間ほどかけてエスキシェヒルに戻った。

娘はその夜、再び38度近くまで体温が上昇。同時に頭痛を訴えて眠れないと泣くので、解熱・鎮痛剤を飲ませる。
翌朝、まだ身体がだるいらしく、横になったままではあったが、熱は一応下がっていた。
私たちは朝食をいただいた後、エダ夫妻とかわるがわる頬をつけて別れの挨拶を交わし、エレナのホッペにもキスをして、一路車をアンタルヤへ向けて出発させた。
新年2日目は、暖かだった大晦日、元旦と打って変わって、冷たい風の吹く1日となった。
私たちは、途中2回休憩しただけで、往路より半時間早く、7時間をかけてアンタルヤへと帰り着いた。

その夜、普段の日と変わらぬ7時頃、夕食のテーブルを囲んでいると、夫がこうつぶやいた。
「まるで、エスキシェヒルまで行って帰ったという気がしないね」
私もまさに同じように感じていた。
「暖かかったし、行きも帰りも楽だったからね。しっかりパザールで買い物もして、夕食も家でちゃんと作って食べてるし」
私はそう答えておいた。

* * * * * *


・新年早々、我が家のオンボロワゴンにも何ひとつ問題は起こらず、快適なドライブをすることができた。
・娘は発熱したものの、大事に至らず、大好きな温泉をたっぷり愉しむことができた。
・義妹夫妻と過ごした2日間は、親しみと温か味に満ち溢れた、充実した時間だった。
・久し振りに100%トルコ語が要求されたが、自分でも意外なほど、トルコ語のボキャブラリーが増えていた。

今年は春からなんだか幸先がいい。
この予感が、ずっと続いてくれるといいな。
そう神様に祈らずにはいられない、2005年の年明けだった。






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最終更新日  2005/01/05 06:09:57 AM


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