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「あけおめ」も書かずに、はや1月も半ば。みなさま元気にお過ごしでしょ~か。私は先週末にインフルエンザにかかり、1日うんうん唸っていましたが「リレンザ」っつーインフルエンザの薬をすぐに投与したおかげで、熱も下がり、あとは咳と鼻水だけとなりました。接客業のため来週月曜からの出勤でいーよと言われ、引き篭もっております。部屋の掃除をこつこつしています。いらないもの、出るわ出るわ・・・。捨てるに忍びないもの、新品でも使わないものもあり、だれか引き取ってくれないかしら、どっかのリサイクルショップにでも持って行こうかと考えてまとめているけど、そんな品物で一部屋埋まっております。。。早く処分しなくては~。これから職場の同僚の送別会に出かけてきます。外に出るのが久しぶり。寒いなあ~。2時間飲み放題っつーことで病み上がりですが、飲んできます。ほどほどにしときますw。すっげー普通の日記書いちゃったわ、あはは。
2012年01月20日
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あなたがわたしの手を握らないからわたしがあなたの手を取ってわたしの手を握らせる次はあなたのうでを取ってわたしのからだにまわしてわたしを抱きしめさせるそうやってわたしはあなたを誘導するあなたは抵抗しないむしろわたしがそうすることに安堵するように少し、微笑む自ら そうしないあなたはわたしに させたがっているわたしから そうすることに満足しているあなたのとなりであなたのしたいことをあなたのかわりにあなたにさせているわたしがいる
2011年12月03日
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再生しようきっと新しく、そしてもっと、しなやかになれるはずだからこころを、再生しようささいなことにも目を留めて感じ取れるように再生していこう
2011年11月23日
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もう何年も、いや十何年も前の男がいきなりひょこっと現れてこっちに向かってにっこり笑ってるすっかり忘れていたというより、忘れようとしていた忘れようとしていたら、本当にどんな顔だったかも思い出せないようになっていたちょっと面長で目は大きいんだけれど、切れ長っぽくもあり鼻がどちらかというと高くて大きくて坂本教授の若い頃みたいなその人が確かにこっちを向いて笑ってるああ、こんな顔だったこんな顔だったね、君って鮮明に、思い出したなんでいきなり夢に出てきたのかは、わからない初体験の相手だったっけ・・・そんなことも、ぼんやりと思い出した人恋しいのかもしれないというかあのころ、強烈にその人に求められていたその人を求めていた求めあう日々だった誰かに求められたいのかもしれない誰かを求めたいのかもしれない夢見る頃を過ぎても
2011年06月28日
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「やり逃げされちゃった」っていうと大抵は女の子が男の人とHして、その後音信不通になっちゃった・・・とかってパターンが多いよね。Hは本来男と女が合意のもとでするんだからどっちも対等の立場のはずなのになんで男がHを「する側」で、女が「される側」ってことになるんだろうなぁ。「やって逃げた」のが女側で「やられて逃げられた」のが男側ってこともありえるよね。というか「やる」「やられる」を取っ払えばいいんだ。そうなると「逃げた」か「逃げられた」というだけの立場になる。もっと言うと、女が逃げるのはなにも「Hしないで」「Hさせないで」逃げるってパターンばかりじゃないってこと。一回もしくは数回Hした後、男の前から姿をくらました・・・ってことも十分ある話だよね。男の「メンツ」にかかわるから口外しないだけで現実には結構ある話なんじゃないかな。女のやり逃げがあまり表に出ないのは、きっとそういうことかもね。『1回Hしただけで、「自分の女」扱いしないでよ~』『いちゃいちゃらぶらぶしたかったわけじゃないの。甘えてこないで~』『ごめんなさい、ただの性欲発散でした~』ってことが、女にも普通にあるわけで。女だって、やり逃げたいときもある。いまどきのオンナの代弁をしてみました~。
2011年06月26日
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選択肢を間違えたかもしれない・・・?って、思った瞬間から『後悔』が始まる。だから、そう思わないことにしている。あたしの人生の中に『後悔』は、ないと信じている。というか『後悔』したくない。どんなことも、どんな場合も。今は「もしかして間違えた?」なんてふと、頭をよぎっちゃうくらいいろいろと苦悩の連続だけどそれでも、思い切り首を振る。違う、違う、間違ってない、と。きっと「ああ、あたしは間違っていなかったんだわ」って思える日が来ると、そう信じている。『反省』と『後悔』は、違う。『反省』は人を成長させるけれども『後悔』は人を後ろ向きにするだけ。だから、意地でも『後悔』するわけにはいかない。どんなことも、どんな場合も。あの人を失ったこと、失うことを選択したことあのポジションを失ったこと、失って新しいものを得たことそれは、間違いじゃなかったそう思わなければ思えるような『結果』そして『未来』にしなければあのとき、悩んで眠れなかった夜あのとき、苦しんで流した涙それが、無駄になっちゃうじゃない。だからあたしはぜったいに『後悔』なんかしない。しちゃいけないんだ。進むしかない
2011年06月14日
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見てほしい、あたしをそう想ってこのブログに書いていた。見てほしい、いつも一時も あたしから目をそらさないでそんな欲張りなある、ひとつの想いから書き続けていた特定の、または不特定多数の『オトコ』に向けてオトコに見てほしいすみからすみまであたしの、すみからすみまでそんなことを言いながらあたしは とうとう何も見せようとはしなかったあたしの、如何なる部分も。だからあたしはまだ、しようとしているまた、しようとしている凝りもせず。
2011年05月31日
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楽天でブログやってたんだっけ。ってな感じでいきなり思い出し、ログインしてみた。パスワード忘れてなくてよかった過去の日記を読み返してみる。あたし、こんなこと書いてたんだなぁ。なあんて、まるで他人事みたいに。あのときあたしはこんなことを思っていたんだ、感じていたんだそしてこんなにもあのひとを想っていたんだ、って。もう、他人事みたいに。でも、たしかにあたしは書いていたそれは確かなあたしの「過去」でありたしかにあたしのなかに積もっているものなのだもうあんなに自分のココロを揺さぶる文章は今のあたしには書けないかもしれない。
2011年05月23日
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毎年取れないお盆休みがいきなり取れちゃって旅行に行きたいけどどこも一杯だし、高いし、それにいきなり一緒に出かけてくれる相手もいないしそう思っていたらひとりで愉しめる宿を発見したのでさっそく行ってきた。奥湯元あじさいホテル別名『プリズンホテル』そう、知る人ぞ知る、あのホテル。花沢支配人のホテルマンとしての立ち振る舞いはソツがなく、その笑顔に癒される。服部シェフの一流フレンチに舌鼓を打ち、梶板長の懐石料理に至福のひとときを味わう。黒田番頭は頼りになるし、仲蔵親分は生き方が粋だ。でもでも、誰より気になるのが宿の常連の小説家「木戸孝之介」その人だ。誰にでも悪態をつき、世界で一番愛する恋人には「やさしく抱きしめる」かわりに「回し蹴りとビンタ」を喰らわす。思うようにいかないと地団太を踏み、壁に頭突きして、まるで子供のようなその小説家は「ほしいほしい」とせがむばかりで、他者に与えようとしない。一言で言えば、愛に飢えている。自分の中の愛の絶対数が足りないから人に与える余裕がないのだ。いつも「愛して、愛して」と求めている。それが、自尊心と粗野ゆえに暴力や悪態となって現れる。わたしの中にも「木戸孝之介」は、たしかにいる。奥湯元あじさいホテルの豪華な露天に浸かって浮世の垢を落とし四季折々の景色を窓から眺めて現実のすべてを放り出し久しぶりに文章の中を、泳いだ。クーラーの効いた部屋で、小説の世界に没頭する時を得て疲れたわたしにとっては最高のお盆休みだったかもしれない。
2010年08月15日
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カラダが先の関係だったとしてもそのあとに、心が伴ってくるってこと、あるよね。そうなるとカラダも、もっと「しっくりくる」感じになってきて・・・ね。そうなる場合と、ならない場合とあるんだけどどこがちがうのかな。カラダが合うから、惚れちゃうのかううん、そういうんでもない、それだけじゃないと、思いたい。オンナって、恋愛したがり、だ。
2010年08月07日
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アタシはいて座のB型なので恋愛は追う方がすき。どうやって相手のキモチを揺さぶろうかって思索して実行するときは、わくわくするし、充実感がある。でも、だからといってまったく自分に気がない人をなんとかこっちに向かせようなんて無駄で無謀なことはしないけどね。相手がまんまとアタシの思索にハマってアタシに夢中なんだって知る瞬間はそりゃあもう、すっごく嬉しい。達成感ってやつだよね。やったぁぁぁ~!ウシシッ♪って感じよね。でもねでもね追われるのも、まんざらじゃない。そりゃあ女ですものほしいほしいと言われるのは女心をくすぐられますよ。でも、だからといってまったくストライクゾーンから外れた相手じゃ迷惑なだけですけどねwこんなに熱心に口説かれるのってひさしぶり。どうしてそんなにアツアツなメール、送れるんだろう。「おまえは外人か?!それとも中学生か?!」って噴き出しちゃうぐらい(笑)このひと、他の子にもこんなんなのかなぁ~って思っちゃうのよね。でもねミシュランじゃないけどいきなり仕事場を訪ねてみたの。遠くからみるその人はそりゃあもう、仕事の鬼でしたよ。プロフェッショナルっていう域でしたよ。そして、次から次へと訪れるVIPやらマスコミやら、仕事関係の方々の応対も完璧にこなしていましたよ。その合間を縫って、アタシの席へ2度もやってきた彼。突然訪れたアタシに驚きながら照れながら。「ごめんなさい、忙しいのに・・・」そういうアタシに「いや、こっちこそゆっくり話せなくてすみません」そう言って仕事場にもどっていった。オトナだなあ。3時間経ってやっと落ち着いたのかその人からメールが送られてきた。「めっちゃ嬉しかった~~♪♪やっぱりオレ、キミが好き!!!」って、、、中学生かよっwwwカワエエ。
2010年02月22日
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「今日もキミを思っていた。早く会いたい」出会って間もないのに、そんな熱烈な文章を送ってよこす彼に「私のどこがいいのでしょう。あなたは私のことをどれだけ知っているのでしょう」と問うてみる。勘違いしているのでは?簡単に上昇した熱はすぐに醒めるのでは?そう思うのは当たり前のことでしょう。「あなたの目に、俺は映ってる?」そう言って私のまぶたを指で広げて瞳をじっと覗く、もうひとりの彼。そのときはふざけているのかと思った。実際「ベッドサイドのライトが映ってる」と言って、彼は微笑んだ。その程度の戯れかと、そのときは思った。部屋に帰ってしばらくしてそのときのことをふっと思い出した。「あなたの目に、俺は映ってる?」それは俺のことをどれだけわかってるの?俺のことがほんとに好きなの?どうして好きなの?あなたが思っているのは、ほんとに俺なの?そう言いたかったのかもしれない。出会って間もないのに「あなたが好き」と言う私に不安や不信を感じるのは、当たり前のことね。私だって、別の彼にそう感じている。なぜ私なの?私のことを判っていないのに。なぜ俺なの?俺のこと、なにも知らないのに。そして私は「新しい彼」に「あのひと」の面影を見ていないのか。見ていないと言い切れるのか。彼に「あのひと」を求めていないのか。そう言い切れるのか。「あのひと」の存在を知らない彼が私の心の奥の「自分ではない誰か」の存在を、疑っている。スルドイ。
2010年02月20日
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あなたのそばにいられたらなにもいらなかったベッドの上で明日さえいらないと本気で思ったそれでも捨てられないものがあってあなたのそばにいけなかったあたし毎日の「おやすみ」をあなたと言い合って「愛してる」をあなたと、告げあってそれでもどうしてもあなたのそばにいけなかったあたし未来がほしくなって一瞬でもそばにいられればそれでいいと思えなくなったときから苦悩が始まった言葉を発さないあなたの隣にはもう、辛くていられなかった「未来がない」と悟りあったあたしたちはもう言葉を奏でることができなくなったのでも「未来」なんて「明日」なんて誰にもわからない生きているかさえわからないのにどうして答えを欲しがったのだろうそれほどまでに愛しすぎてしまったのかもしれない明日の約束なんてなくてもひとときでも一緒にいられれば良かったあなたともっと言葉を奏でていたかったあなたとの日々はいまでもかけがえのないものです
2010年02月12日
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自分が「オンナ」だと意識する瞬間はやはり「オトコ」によって創られる。普段は自分が「オンナ」である、なんて当たり前すぎて、意識していないのだけど特定の「オトコ」の登場によって自分の中の「オンナ」がむくむくと姿を現す。その場に「オトコ」がいなくてもこころのなかに特定の「オトコ」の存在があるだけで「オンナ」の部分が刺激される。たとえばショッピングでも「オトコ目線」で服を選んだり毎日のお肌のケアなんかも無意識のうちに念入りにしていたり不思議と食べ過ぎることがなくなったり、ね。「誰かに見られているかいないかで、オンナって違うのよね」「誰か」が特定になればなおさらオンナは進化するのだ。綺麗になりたいと思う。敏感になりたいと思う。セクシーなアタシで、いたいと思う。自分の「オンナ度」をUPさせるために退化しないために進化し続けるために恋をしている、と言っても過言ではないのだ。そして特定の「オトコ」に愛でられて、褒められて、触られて繋がってそして感じてキモチヨクナッテそういう「官能の時間」があってアタシは生きていけてるのだ。
2010年02月11日
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求めあえたらいいね互いのテリトリーがあって生き方があってそれを犯さず依存せず自分の力で立って歩いてそれでも心の深いところでそっと、でも強く求めあえたらいいなそんな風に繋がれたらいいけどあなたの想いは未知数「貴方をコントロールできない気がして怖い」あなたのその言葉がいろんなことを物語っていたあなたの恋愛遍歴と恋愛観それをわたしは覆すことができるのか覆すチャンスをあなたはわたしにくれるのか「コントロールできない貴方が欲しくてたまらない」そこに、あなたが辿り着いたらわたしは満足なんだろうか
2010年01月30日
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アタシって・・・どうにもこうにも、そういう感じ。小馬鹿にしたように、にやっと笑う「他に用事が入らなければ会えますよ」とか言われちゃう「アナタもう若くないんだから、いやらしくないとだめでしょ」だって!見てなさいよーいつかは言わせてみせるんだからっ
2010年01月29日
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なんだか眠れなくってあたしはあの人にむりやりされちゃう妄想をはじめたいつも冷淡な口調でひややかな目つきでなのにときどき「見られてる」って感じるあの人の視線がときどきうしろから絡みつく『わかってるのよあたしのこと、気になるんでしょ』そんな心の声は おくびにも出さずビジネスライクな口調でのやりとり地下の書庫であの人とふたり過去の資料を探してたらあの人が脚立に乗ったあたしのスカートの中を下から覗き込んで手を伸ばしてあたしの下着をいきなり下ろした「あっ、やめてくださいっ」「してほしいんだろ?ほら、もうこんなに・・・」そういって指を・・・「こんなになってるよ」したい、したい、したいあたしは脚を開く
2009年12月06日
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人見知りとか、人とコミュニケーションをとるのが苦手な人でもだれかと繋がりたい、と思っている人がなにより辛いのは「孤独」だと何かの本に書いてあった人と上手にコミュニケーションをとっているように見える人でも誰かと常に一緒にいる人でも「孤独」を感じているかもしれない「孤独」って本人がそう感じるかどうかなのだというより人はだれでも「孤独」を抱えているんだ「そうだよ、人はみんなひとりで生まれてきたんだから」「孤独」を感じるからこそだれかと繋がれることが嬉しいんだねあなたと繋がりたい
2009年12月03日
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わーなんか、ちょっとのあいだログインしてなかったら、楽天ブログちょこっと変わってるし!パスワード思い出せなくてあせったわ(笑)仕事も変わって男と別れていろいろあってーって言うほどではなくてwまあ、なんつーか「ココロユサブラレルコトガ 無クナリマシタ」それでも あの日に見たあのひとの後姿が目に焼きついてて脳裏にこびりついてて「トキドキアタシヲ 泣カセマス」振り返ると信じてた振り返ってほしかった「もう、追いかけないで」振り返らないあのひとがそう言ってる気がしたのそれなのにあのひとの足跡を探してるねえねえねえねえどこにいるの?なにしてるの?誰を想ってるの?ピリオドの打ち方、わかんない(笑)
2009年12月02日
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http://plaza.rakuten.co.jp/erotic/diary/200907020000/↑いつも覗いてる兄さんのブログに、まさに今「なるほどな~」と思うことが書いてあって、思わず載せさせてもらった。男って汚い、醜い、ひどい。「彼に限ってそんなことあるはずがない」と思っていたことも覆される場合があって。他の女と、あんなことやこんなこと夜中に話してたなんて。あんなことやこんなこと知らないところでしてたなんて。そういうもんなんだね、男って。
2009年07月14日
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更新しなくても日々20ぐらい足跡があるというのはほんとに驚くべきことでご贔屓にしてくださってる方の足跡が残っていたりすると嬉しい限りです。ありがとうございます。これからもマイペースでやっていきますのでどうぞ見捨てないでねw今日ね、うさぎを飼いました。ピーターラビットのモデルになった品種で薄茶というかオレンジというか。女の子です。今月上旬に生まれたばかりだそうでまだちっちゃいです。もおおおおかわいいのなんのってwぬいぐるみが動いてる感じ♪恋の状況は以前より前進したような後退したようなwコンタクトとれるようにはなりましたが以前と違う相手の態度に日々、諦めモードになっています。こうやって徐々に自分に言い聞かせていくことになるのでしょうね。もう、あの頃のように「好き」って言いあえないのかな、ってね。
2009年06月29日
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突き抜けてほしいそうすればずっと、一緒
2009年06月27日
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頭ではわかってるの「あのひとを自由にしてあげる」それが美しい別れかたなんだってねでもねあのひとと、ひとことふたこと話すだけでたったそれだけでこんなにもこころが落ち着いて恋しくて涙がこぼれてそしてよく眠れます(笑)あのひとが足跡をつけてくれるだけで幸せな気持ちとうれしさでいっぱいになったこんなに好きな気持ちをどうやって封印すればいいの
2009年06月20日
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レインブーツを買ったのに雨、降らないよね。なにごともそんなもんですよね。「君はあのひとをどうしたいの?」そう聞かれて言葉につまったあたしはあのひとをどうしたいんだろうどうしたいわけじゃないただ一時でも永く一日でも多く一緒にいたい抱き合っていたいそれだけあのひとに純粋に「愛されたい」あのひとを純粋に「愛したい」それしか望んでいないあたしだって人生は一度しかないじゃん?関係を終わらせることはいつでもできるだから、大事にしたいでももしあのひとがもうそう思ってなかったとしたらあたしとおんなじ想いじゃないとしたらあのひとを自由にしてあげなければそれがあのひとの望んでいることならば「あなたはあたしを必要としていますか?」
2009年06月20日
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私にはもうそれしかできなかったのそうするしかなかったのごめんなさいごめんなさいあなたを追いかけてごめんなさい
2009年06月20日
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あのひとに生かされていたあのひとにあいたくてあいたくて毎日生きていましたもう一生会えないのなら話せないのならどうやって生きていったらいいのかな私が生きる意味ってなんだろ
2009年06月08日
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島村との本格的な個展の打ち合わせが始まった。これからは今井抜きで2人きりで打ち合わせることも多くなるだろう。島村はきっと2人の間に何事もなかったように、淡々と話を進めるに違いない。そのペースに自分も合わせていけばいいのだ。なにも心配することはない。律子はそう考えていた。しかし、そうは思っていても平常心を保てない自分がいる。島村をギャラリーの奥のオフィスで待つ間、律子は何度も鏡を覗いた。「夏川さん、島村様がお見えです」同僚が声を掛ける。「あ、はい」律子は前髪を指で整え、ギャラリーへ出た。島村はギャラリーに展示されている絵画をじっと眺めていた。「いらっしゃいませ」律子が声をかけると、こちらを振り向いた。そして少しだけ、微笑んだ。そう、この表情。この表情が、好きだった。律子の心の中で声がする。律子は、切なさを呼び起こそうとする自分の心の声に耳を塞いだ。「どうも」島村は会釈して続けた。「もしここを出られるなら行きたいところがあるんだけど、一緒にどう?」「え?」「だめかな」「い、いいえ、大丈夫ですけど・・・」「じゃあ、お願いします」律子は打ち合わせと称して島村と出かけることを同僚に告げ、支度をして島村とギャラリーを出た。島村は律子の少し前を歩いていく。どこに行くのかも告げずに。昔から島村はそうだった。「ねえねえ、どこにいくの?」律子が聞いてもちょっと微笑むだけで、答えない。りつこはいつも、わくわくしながら島村の後を追った。「着いたよ」島村が謎解きの答えを見せるような表情で言うと、そこは時には老舗の蕎麦屋であったり、古本屋であったり、安くて美味しいコーヒーを飲ませる昔ながらの喫茶店だったりした。島村が自分のテリトリー、お気に入りの場所をひとつずつ律子に教えてくれるたびに、律子は自分が島村にとって身近な存在になっている気がして、嬉しかったものだ。「あの、、、どちらへ?」地下鉄の券売機の前で切符を買う島村に、律子は問いかけた。「はい」島村は答えずに、律子に切符を差し出した。そしてまた、ちょっと微笑んだ。律子は一瞬にして、島村との距離が縮まった気がした。四年という歳月を飛び越えて、一気に島村に近づけた気がした。こんな些細なことで。島村が悪戯っぽく微笑んだ、たったこれだけのことで。昔なら律子はちょっと膨れたような表情をして、島村の手をしっかりと握って子供のように腕を振っていたただろう。それが島村に甘えるしぐさだった。でもそれはさすがに出来なかった。すぐそばにある、がっしりとした島村の腕は、やはり律子にとって遠かった。
2009年05月25日
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爽やかな澄み切った空が広がる天気の良い休日、洗濯物を干した後でカフェオレを片手にベランダから遠くを眺めながら、律子は島村との日々を思い出していた。律子は島村と初めて関係を持ってから、坂を転がるように急速に島村に溺れていった。それは今まで律子が経験してきたものとは違っていた。することが違う、というのではない。島村は、いとも簡単に律子を素のままの律子にしてしまうのだった。もちろん多少のはじらいや羞恥心はあったが、島村の前では自然に振舞えた。それまでの律子は、男とのセックスの時にはどうしても構えてしまって自由な気分に浸ることができないでいた。自分という女を演じてしまう。それは律子にとって苦痛ではなかったし、むしろ当然のように、そうしてしまうものだった。しかし島村と初めて関係を持ったあの日のように、身につけていたものを脱ぎ捨てていくかのごとく、こころに被さったさまざまな無駄な感情を、律子は島村の前だと躊躇なく取り払うことができるのだ。それは律子にとって、今まで味わったことのない開放感だった。その開放感が律子に女としての満足感を与え、律子にとって島村は特別な存在になっていった。島村にそのような才能があったのかもしれないし、単に律子との相性が良かったのかもしれない。とにかく律子は島村によって、精神的に開放されたセックスを味わうことができた。島村にはタブーがなかった。どんなことも、どんな自分も受け入れてくれるような雰囲気を持っていて、律子はそこに惹かれた。自分は素のままの自分で良いのだと思える安心感を、島村は与えてくれた。律子にとって島村といるひとときは、自分が自分でいられる時間だった。当時の律子は仕事のストレスを抱え、故郷の両親から結婚を急かされることも重なって現実から逃げ出したい気分の毎日だった。自分の身体の写真を撮りたいと思ったのも、現実逃避のひとつだったのかもしれない。非日常的なことを心の奥で望んでいた。島村と出会ったことは、律子にとって願ってもない「現実逃避」だったのだ。『あんなに、求めていた』律子は島村への、うなされるような情熱に苦しんでいた日々を思い出した。しかしそれは律子にとって充実した、今となっては幸福な日々だった。島村と再会してからというもの、律子は暇さえあれば島村との過去の日々ばかり思い出していた。はじめはそれを未練がましく感じ、そんな自分に嫌気がさしたが、次第に律子は昔の甘い日々の記憶に思いを巡らすことに、ささやかな幸せすら感じるようになっていった。仕事上、島村の連絡先は知っていたが、律子から電話をすることは憚られた。自分が今でも島村のことを考えてしまう自分であることを、島村に知られたくなかった。島村が律子の前から姿を消してから4年、律子は知人を介して知り合った男と半年前に婚約した。心底惚れていたわけではなかったが、結婚するには妥当だと思った。自分もいい年だし、ここらで決めないといけないと感じていた。いつまでもいなくなった島村を待っていてもしかたない、律子は自分に言い聞かせて島村への思いを断ち切った。結婚を決めた直後に男は上海に転勤になった。2年で戻ってくる予定だったので婚約を済ませて男を日本で待つことにした。男はほぼ毎日メールをくれる。誕生日にはプレゼントも贈ってくれた。男のそんな誠実さに律子は感謝し、あたたかな気持ちになるものの、島村へ抱いた、心の底から湧き出るように求める熱い感情とはまったく異なるものだと感じていた。それでも「ほどほどに好き」な、その男との関係は、島村との激しい恋に疲れ果てた当時の律子にとって、居心地のいいものだった。「今日も暑くなるわ」律子はひとり、呟いた。
2009年05月14日
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カメラケースをベッド脇に置いた後、島村はタバコに火をつけてソファに座った。「じゃあ撮るか。どんな感じのものを撮りたいの?」律子は立ったままで返事に困っていた。「どこまで撮るか、ってことなんだけど」島村はとたんに仕事の顔になって、タバコを灰皿に押し付けた。「セミヌードって感じにするの?胸は出して撮る?それとも全部?」「どうしよう・・・」律子は自分でもどうしたいのかわからなかった。それにアルコールのせいで、なんだか冷静に考えられない。「じゃあ、その場の雰囲気でいくか」島村は立ち上がって、カメラを取り出した。「ベッドにする?ソファ?」「ベッド、、、かな」律子が答える。「じゃあ、ある程度脱いでよ」「はい・・・」律子は若干ふらふらしながら服を脱いだ。ストッキングを脱ぎ、下着とキャミソールだけになった。そうして律子はベッドの上に座った。「ふん・・・」島村もカメラを持ち、ベッドに上がって呼吸を整えた。「寝そべってみる?」「はい」島村に言われて律子はベッドに横になった。「両膝を立てて、、、そうそう。こっち見て」そう言って島村はベッドの端からシャッターを切った。「いいよ。今度は片手の肱をベッドにつけて頭を支えて横向いてみて」律子は言われたとおりにする。「やっぱりブラジャー取っちゃったほうがいいな。それでキャミソールの肩紐をたらして」律子は抵抗なくブラジャーのホックをはずしてキャミソールの中から取り出し、床に放り投げた。なんだか開放されたような、いい気分になった。「やっぱりその方がいい。すごくいい」島村は何度もシャッターを切った。島村のその言葉に律子は気を良くして、大きく身体を動かす。自分でポーズを変えてみたりする。「胸も撮る?せっかくだし」のってきた律子の様子を見て、島村が切り出す。「そうだよね、せっかくだしね」律子はキャミソールを潔く脱いだ。小ぶりな律子の胸があらわになった。「きれいな胸だね。張りがあって」島村がファインダーを覗きながらつぶやく。「ちくびが立ってるほうがいいな。触って立たせて」「え、、、」律子が躊躇すると、島村が近寄った。「嫌じゃなければ、しようか?」律子は島村の言葉に、自分の中心がじん、と、湿ってくるのを感じた。黙ってうつむく律子を見て、島村がそっと手を伸ばす。島村は軽く手のひらで、律子の乳首を何度も擦った。律子は自分でも驚くほど感じて、恥ずかしさに目を閉じた。あっという間に律子の乳首は、つんと立ち上がった。「撮るよ」島村は律子から離れて、シャッターを切る。「すごくきれいだよ。表情も、とてもいい」「そう?」律子は照れながら微笑んだ。「うん、すごく魅力的だ」島村がそう言ってまた近づいてくる。律子は静かに、島村が向かってくるのを待つ。「どうする?全裸になってみる?」島村が優しげな表情で訊く。「うん、なってみる」律子は素直に脱ぎ始める。ベッドに座りながらパンティーを脱ぐ律子を島村は見つめる。今度はカメラを覗いてはいなかった。身につけたものを全部取り払って全裸になった律子に、島村は告げた。「よかった、これで君のすべてが撮れる」両膝を立てて膝を抱えて座った律子の正面から、島村がシャッターを切る。カシャッ、カシャッ、カシャッ律子の膝元まで島村が戻ってくる。「今日はセクシーな顔、見せてくれるかな」見つめる島村に、律子はささやく。「キスしてくれたら、できそう」島村はカメラを置いて、開いた律子の膝の間に入り込む。律子の瞳に島村の顔が映る。島村の顔が近づき、律子は島村の首に腕を回して、二人は重なり合った。
2009年04月27日
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女だったらできるでしょ島村は簡単にそんなことができる女をたくさん見てきたのだろうか。女ならだれでもそんなことができるなんて、本気で思っているのだろうか。律子は島村と付き合い始めた後も、たびたびそう感じることがあった。島村は撮影後、最後まで緊張を解くことができなかった律子に対して「素人らしさが出てて良かったよ」と声を掛けた。着替え終わって書類にサインをしている律子に、島村は続けた。「君みたいな感じの子がこういうバイトしようと思ったのって意外だな」「そうですか?」「こういうバイトする子って、多少なりとも撮られたいと思ってやるわけじゃん。自意識が強い子が多い。撮られてる間にどんどん表情が柔らかくなって、こっちがびっくりするぐらいのってくる子もいるからね。君はどうしてこのバイトしようと思ったの?バイト代がいいから?」「プロの方に自分の写真を撮ってもらいたいなと思ったんです。30になる前に・・・」「君はいくつ?」「今年27です」「そっか。じゃあ・・・」島村はジャケットのポケットから名刺入れを取り出して、律子に名刺を一枚渡した。「今日の写真は渡してあげられないから、また撮ってあげるよ。連絡して」名刺をもらった一週間後、律子は島村に連絡をした。律子は島村の、愛想がないところがかえって好感が持てた。律子自身気づいていなかったが、この時すでに律子の中に、島村がどんな男なのか知りたいという気持ちが芽生えていた。島村と夕方に目黒で落ち合い、島村に連れられて小さな焼き鳥屋に入った。「ここ、安くてうまいんだよ」島村はおしぼりで顔を拭きながら言った。「へえ」律子は店内を見回す。色紙が何枚か貼ってあった。「腹ごなししてからでいいでしょ?撮影は」「いつもそうなんですか?」「いや、時と場合による。なに飲む?俺は生」「じゃあ、わたしも」二人はグラスを持って、乾杯した。「再会を祝して乾杯だな」島村はちょっとおどけたように言ってビールをぐびぐびと飲んだ。そんな島村の様子に、律子はほっとして緊張が解けていくのを感じた。「連絡してきたってことは、やっぱり自分の写真を撮りたいんだ」焼き鳥を口に運びながら島村が律子に訊いた。「そうですね」「彼氏に撮ってもらったらいいじゃない。いないの?」「いないわけじゃないけど、、、そういうのって嫌だから」「別れた後にネットに流されるとか心配?」「そういうのもあるけど、裸に近い私の写真を彼が持っているっていうのが嫌っていうのかな」「ふうん」よくわからないな、という風につぶやいて、島村はビールを飲んだ。律子の仕事の話や、写真の撮り方などについて話しながら、律子と島村はいつしかかなりの量のアルコールを飲んでいた。「なんだか、よっぱらっちゃった」律子は自分の表情が緩んでいるのに気づいた。「いいじゃない。写真もいい感じに撮れるよ」島村はにこにこして言った。焼き鳥屋を出ると、島村が当然のように言った。「撮影はこの辺のラブホでいいよね」「え?」律子は驚いて、声を上げた。「ラブホテルで撮るんですか?」「そうだよ。他にどこで?君んち?」「いえ、それはできないけど、、、」「スタジオ借りてるわけじゃないし。どうする?普通のホテルだったら泊まるわけじゃないんだから、もったいないし」「・・・そうですね」律子も酔った頭で考え、納得した。すぐそばのラブホテルに入ってゆく島村の後ろを追いながら律子は島村がいつもこうして女を誘っているのではないかと思った。そう思いながらも自分は、島村の誘いにやすやすと乗っているのだ。律子はふわふわした気分の中で、このままこの気分に身を任せたいと思った。
2009年04月27日
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島村と出会ったのは、律子が27の時だった。3つ年上の島村はカメラマンをしていた。律子は友人に紹介されたグラビアモデルのアルバイトに出かけた。素人モデルの水着姿やセミヌードを載せている男性誌のモデルだ。「けっこういい金額をもらえるよ」そう友人に言われてやってみることにした。バイト代がいいからというよりも、興味本位だった。自分の身体に多少の自信はあった。30手前に差し掛かって、身体のラインが下降する前にプロに撮ってもらい、写真に残しておきたいとも思った。『裸になるわけじゃないし、水着だったらいいよね・・・』そう思って出向いたが、指定されたマンションの部屋の前に立った瞬間、やはり躊躇した。しかし、ここまで来たのだ。勇気を出してチャイムを鳴らした。ドアが開いて、男が顔を出した。まっすぐな瞳で律子を見た。「夏川です」律子は緊張した面持ちで挨拶した。「はい。どうぞ」男は愛想なく言うと、奥へ行ってしまった。靴を脱いで奥の部屋に入る。男はカメラを調整している様子だったが、振り向いて挨拶してきた。「カメラマンの島村です。今日はよろしく」部屋には島村という男と、島村より若い男がもうひとりいた。『だいじょうぶなのかな』律子は不安になった。「じゃあ、これを向こうで着てきてください」若い方の男が律子に水着を渡してきた。律子は受け取ると、隣の部屋のドアを閉めた。真っ白のビキニだった。身につけると、乳首が透けて見えるような気がした。「いやだな、どうしよう・・・」水着だと聞いていたので下半身の処理を自分なりにしてきたつもりだったが、それでも気になった。「夏川さ~ん、準備できました?」ドア越しに声を掛けられて、律子はしかたなく先ほどの部屋に戻った。2人の男が振り返った。恥ずかしくて逃げ出したくなって、うつむいた。しかし島村はそんな律子を気にすることもなく準備にかかる。「じゃ、さっそく始めるね。そっちに座って」黒いソファに座るように言われ、律子は脚をしっかりと閉じて、浅く腰掛けた。若い男はライトや反射板を調整している。ファインダーを覗いていた島村が、カメラを下ろして話しかけてきた。「初めてかな。緊張してるね」「はい」「ちょっと話す?」島村が気を遣ってくれているのがわかったが、律子は早く終わらせたかった。「いえ、大丈夫です」「そう。じゃ、ソファにもたれて」律子は深く腰掛けなおし、ソファに背中をくっつけるようにして座った。「うーん、そうじゃなくてさ、、、」島村がカメラを置いて、律子に近づく。おもむろに律子の右足を持って、引っ張った。「こっちの脚は、もうちょっと前に。こっちはソファの上に立てて」左足の膝が立つように、島村が律子の脚を動かす。律子はされるままになっていた。「じゃ、撮るよ。目線こっちね」カシャッ。カシャッ。シャッターを切る音がする。「今度はもっと胸を張ってみて」島村の言葉に、律子は胸を反らす。「うん、いい感じだ」またシャッターの音。「手を上に上げて組んで。そう、いいよ」「もうちょっと笑顔で。うん、かわいいよ」「脚が綺麗だね、もうすこし開ける?」律子は脚をそっと開く。「うん、あとちょっと開いて」律子は島村の言うとおりに、脚を開く。島村が近づいてくる。律子はどきどきした。島村は違う角度で何度もシャッターを切る。「のってきたね。もっとセクシーな表情してみて」「セクシー?」「うん」「・・・できません」「できるよ」「どうやったらいいの」「俺を誘惑するような顔してみて」「・・・」律子は困惑した。島村はカメラを下ろして、律子を見た。「今だけでいいから、俺と寝たいと思って俺のこと見て。女だったらできるでしょ」
2009年04月25日
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島村の写真展が正式に決定し、一回目の打ち合わせの当日、律子は朝から落ち着かなかった。いつもより髪を念入りにブローし、化粧中に真剣に鏡を覗きこんでいることにふと気づき、律子はそんな自分が嫌になった。「私ったら、何を期待してるんだろう」ドレッサーにリップブラシを乱暴に置くと、ため息を漏らした。何を着て行こうか。やっぱり麻のグレースーツにしよう。浮き足立っていた自分を戒めるかのように、律子はクローゼットから地味なスーツを選び出し、身支度を調えた。もうすぐ今井と島村がギャラリーにやってくる時間だ。律子はコーヒーを一口飲んで、気持ちを落ち着かせる。自動ドアが開いて、来客を知らせるチャイムが鳴る。律子は立ち上がってギャラリーへ迎えに出た。「いらっしゃいませ」いつもと同じ笑顔を作る。だが、やはり緊張しているのか、うまく笑えていないように感じた。「今日も暑いわねぇ。いやんなっちゃう」今井は扇子をせわしなく動かしながら、ソファへ腰を下ろした。「そうですね。あ、島村さんは?」島村の姿がないので、律子は今井に尋ねた。「タバコを買ってすぐ来るからって」今井がそう言い終わらないうちにまたチャイムが鳴った。「ほら、来たわ。島村くん、こっちー。」そう自分を呼ぶ今井の方を見て、島村がこちらへ歩いてくる。今日はキャップを被っていなかった。律子は島村の顔を、気づかれないようにしながらも、しっかりと確認した。『やっぱり和哉だ』その瞳は、落ち着いていて静かだ。しっかりとした鼻筋、すこし厚めの唇。すべてが、律子がかつて愛したものに間違いなかった。そう確認した瞬間、胸がざわめいた。律子が長い間封印していた、あの感情が律子の意志を無視して溢れてきたのだ。『落ち着かなくちゃ、落ち着くのよ』律子はそう何度も心の中で唱えた。意識的に打ち合わせに集中するようにして、律子は島村をなるべく見ないようにした。打ち合わせは無事に終わり、律子はコーヒーを用意してテーブルに運んだ。「どうぞ」コーヒーを置いて腰を下ろすと「ちょっとお手洗い借りるわね」そう言って今井が席を立った。急に2人きりになり、律子は島村の向かいでテーブルの上の書類に目をやりながら、顔を上げられずにいた。「ひさしぶり」島村が静かに口を開いた。律子は思わず島村を見た。島村の表情は柔らかだった。「びっくりしたわ」律子は小声でそう言うのがやっとだった。「うん」「元気だった?」「うん」「そう・・・」律子はそのあとの言葉が見つからず、コーヒーをすすった。「律子は?」島村が訊いてきた。「元気よ。この通り」律子は少し微笑んだ。「そうだな。よかった」島村も少し微笑んで、コーヒーに手を伸ばす。あなたをずっと探してたのよ。待ってたのよ。いきなりいなくなって、わたし、どんなに辛かったか。島村のしぐさに目をやりながら、律子の頭に、そんな言葉が浮かんできた。でも律子の口から出た言葉は違うものだった。「写真展、成功するといいですね」
2009年04月20日
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アボカドは難しい。アボカドが食べ頃かを見極めるのは、難しい。アボカドは堅い皮で覆われているから外見からは中をうかがい知ることができない。皮の色目を見たり指で押してやわらかさを確認したりしてはみるものの実際にナイフをいれてみるとまだ青臭くて堅かったり、もしくはところどころ黒く薄汚れた色に変色して、筋張ってしまっていたりするのだ。だからアボカドから目が離せない。アボカドが熟れるのを見過ごさないように食べ頃を、見逃さないようにじっと見つめて片時も、目を離してはいけない。律子が島村と再会したのは、蒸し暑い夏の日だった。勤め先のギャラリーに常連のお客がふいに連れてきた男は、島村だった。律子は一瞬凍りついて頭が真っ白になってしまったが、すぐに我に返り、お客に悟られないように平静を装った。「島村和哉さんっていうのよ。つい最近までニューヨークで活動をしていた新鋭のフォトグラファーなの」今井という常連の、小太りで自称セレブな年配の女は自慢げに紹介する。「よろしく」島村は律子に挨拶をした。浅黒く日焼けをし、無精ひげを生やして、キャップを深々と被っている。しかし律子は男が入ってきてすぐに、自分の知っている島村だとわかった。島村のまったく動揺していない様子に、律子もまた、同じ態度で返した。「はじめまして、夏川です。今井様は本当にたくさんの旬のアーティストの方とお知り合いなんですね、すごいわ」律子のおおげさなリアクションに機嫌を良くした女は、得意げに話し始めた。「彼は才能に溢れているの。主に、街並みとオブジェの融合といった感じの作品よね。 ニューヨークでいくつか賞もとっているのよ、ねえ?」女が島村に向かって話を振るが、島村は視線を落とすだけだった。「今度の個展は彼の作品にしようと思ってるの。どうかしら」女は芸術家の卵たちを見つけてきては、ここで展覧会を主催している。金持ちの道楽のようなものだが、若いアーティストたちにとっては美味しい話だった。銀座のど真ん中のギャラリーで、パトロンの金で個展を開かせてもらって自分の作品を宣伝したり実際に売ったりできるのだ。女は、自分はアートに対してかなりの目利きだと思っているのだろう。それにしてはいつも趣味の悪い派手ないでたちをしている。「それじゃ、日程が決まったらまた連絡するわね。よろしく」そういって女はギャラリーを出た。島村も律子に、小さく会釈をして出て行った。律子はギャラリーの外まで見送って深々とお辞儀をした。ゆっくりと頭をあげると、島村と女の姿を目で追った。人ごみに紛れてゆく島村の後姿から、律子は目が離せなかった。『あれは、かつて私が愛した人なのだろうか』『もう私を忘れてしまったのだろうか』律子は突然現れた過去の男の姿に自分でも驚くほど動揺していた。
2009年04月20日
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あなたのそばに一秒でもながくいたいだけでしたあなたにふれたくてふれられたくてあなたを見つめたくてあなたと一文字でも多く言葉をかわしたいだけでしたあなたからの信号を見逃さずにひとこともその間隔さえも見過ごさずにあなたはもうシェリーの甘さをあの香りを忘れたでしょうか
2009年04月03日
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もし、私がいなくなったならあなたは戻ってきますか?私は消えてなくなったほうがあなたにとっていいのでしょうか。
2009年03月21日
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私はあなたに求められているのか。そのことが とても気になって些細なあなたの言動に その手がかりを探してしまう。きっとみんなそうなんだ。恋しているみんな誰でも、不安なんだ。わかりたいわかりたいあなたのきもち。あなたがどんなに私に対してまっすぐなきもちで 想ってくれているか愛してくれているかそのことが 知りたくて何度も何度も同じようなことを訊いてしまうね。好きになればなるほど子供のように駆け引きなしにちょうだいちょうだいとあなたを欲しがる。だから今夜もおやすみを言ったのにまだ眠れないで、あなたを想う。あなたはもう眠ったの?
2009年01月09日
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『ヒトヅマ☆娼婦1~39』をフリーページ(サイドページ)にまとめました。はじめから一気に読むことが出来ます。書き始めてから書き終わるまで、ずいぶんとかかってしまったのでもしよかったらまとめて読み返してみてくださいね。
2009年01月09日
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本当のことは君の中にある自分に嘘をつかないようにそして自分を褒めて、励まして時々は休ませてあげようなにかをするときなにかをしないとき「自分を説得できるかどうか」いつもいつでも答えは君の中にあるあけましておめでとうございます。今年も、どうぞよろしく。vanilla
2009年01月04日
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「濡れそぼった結合部を視姦しながら蜜壷をさらに穿つ」これってすごい男性的な表現ですね。女のあたしには、思いつかない文章です。「結合部」「視姦」「蜜壷」のような表現は、どこか「堅さ」とちょっと離れた目線ゆえの語彙のような印象を受けます。「濡れそぼる」という言葉も、じぶんのあそこをそうは言わないし(笑)「あたし、今すっごい濡れそぼってるの」あははははw言わないね、やっぱりw「穿つ」って、なんて読むの?ごめん、あたし頭悪りぃ~w「突っつく!」という意味でしょうか?(DS『リズム天国』の影響ですw)どちらにしても、女のあたしにはよくわからない。セックスにおいて、男は能動、女は受動というイメージなのでしょうか?男と女で、行為の表現には相違があるなぁと思った次第です。SMで女王様に責められる、というのはまた、別の話なのでしょうけれどね。
2008年12月22日
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「橋の上で泣いてた。俺を裏切って申し訳ない、死にたいって言って橋から飛び降りようとした。でも結局飛び降りられなかった。口ばっかりなんだ。だから俺があいつの足を抱き上げて落としてやったんだ」なに?やっちゃん、何を言ってるの?「あいつのことが大事だったから体を求めなかったのに、あいつは他の男とセックスをして妊娠した。気持ちだけで繋がるなんて無理だったんだ。しのちゃんもそうなんだろ?口では俺を好きだなんて言ってても、結局奴のところに行くんだろ?セックスしたいんだろ?」「ち、ちがうよ、やっちゃん」そう言い終えるか終えないかで、やっちゃんはあたしをフェンスに押し付けた。「きゃああ!!」「でも、今度は俺も一緒だよ。だから心配しないで。ひとりじゃないよ」やっちゃんが微笑む。そしてあたしの首を絞めようとしてきた。「やめて!やっちゃん、やだ!!」「大丈夫だよ、一緒だから。俺も行くから」「やめて!離して!!」あたしは必死にもがいた。やっちゃんの手があたしの首を掴む。「くっ!!ぐうぅ・・・」つかんだ手に力をこめて、やっちゃんはあたしを突き落とそうとする。どん、どんどんどん!部屋のドアを叩く音がする。誰かが叫んでいる。そして部屋のドアが開いて、スーツを着たホテルの従業員とベルボーイらしき男性が走ってくる。それを見てやっちゃんはあたしから手を離し、ふわりとフェンスをまたいだ。「やめろ!」「あぶない!」男性の制止も聞こえないかのように、フェンスにつかまったやっちゃんはあたしに振り向いて、笑顔で言った。「しのちゃん、ばいばい」そして、やっちゃんの姿が、消えた。「きゃああああああ!!」「詩埜、朝だよ」疲れた顔をした眼鏡のおじさんが、カーテンを開けてあたしを起こす。光がまぶしくて、あたしは顔を歪める。この人は誰なんだろう。わからない。看護師が体温計を渡すので、脇にそれをはさむ。「先生が強度のPTSDだと言っていた。でも大丈夫だ。僕がずっと君の世話をするからね。きっと治してみせるからね」おじさんはゆっくりとあたしの体を起こして、朝食をベッドにおいた。「今日は天気がいいから少し散歩しようか。その前にご飯だよ。ちょっとでも食べないとだめだよ」毎日、同じ夢を見る。優しげに微笑む男の人。手を振っている。待って、待って。あたしはそう叫ぶけど、その人はすぐに消えてしまう。誰なのか思い出せない。だけどあたしは無性にそのひとに、会いたい。了
2008年12月20日
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目を開けようとしたら、まつげが固まっていた。眠りながら泣いていたのだろうか。カーテンの隙間から光が差して、朝が来たことを告げている。あれから水島さんとセックスをした。心が動かなくても、あそこはちゃんと気持ちよくなって、いつものように何度もいった。カラダの快楽についていけず、置いていかれたあたしの感情が、あたしを泣かせたのだろうか。よく覚えていない。だけどやっちゃんの待つ家に帰らずに、この部屋で朝まですごした事実だけがずっしりと横たわっていて、あたしを苦しめた。それははじめてのことだった。水島さんはシャワーを浴びた後、あたしにここで自分の帰りを待つようにと告げて仕事に出かけた。あたしはただ、ぼーっとして、食事もとらずに部屋で寝ていた。やっちゃんに会いたい。でも電話をするのが怖かった。たった一日だけど、帰らなかった罪の意識が重たく頭をもたげ、あたしを引き止めた。やっちゃんになんて言えばいいのか思いつかなかった。ただ天井を見つめたままで、時間だけが流れた。家に帰りそびれたあたしは、水島さんの言われるままに行動した。水島さんとホテルで食事して、部屋でセックスをして、水島さんのいない時間は部屋でDVDを見たりTVを見たり、雑誌を読んだりしてだらだらと過ごした。水島さんは、あたしの住む部屋を探していると言った。あたしの面倒を見るからと言った。そうやってずるずると一週間たった頃、ひとりで部屋にいる時に、あたしの携帯電話が鳴った。やっちゃんからだった。あたしはあせるようにボタンを押した。「もしもし」「もしもし、しのちゃん?」やっちゃんの優しい声だった。あたしは泣きそうになるのをこらえながら返事した。「うん・・・やっちゃん、あたし・・・帰らなくってごめんなさい」「うん」「ほんとうに、ごめんなさい」「・・・しのちゃん、今どこにいるの?」あたしはホテルの名前を告げた。「今からそっちに行っていい?」そう言われて、やっちゃんにテーブルの上のカードキーの部屋ナンバーを伝えた。一時間もせずに、やっちゃんはホテルの部屋を訪ねてきた。あたしは、やっちゃんを部屋に通して、コーヒーを作ってテーブルに出した。「もう会えないかと思った」やっちゃんが口を開いた。あたしは黙っていた。「もう家には戻らないの?」やっちゃんに訊かれてあたしは答えた。「わからない。でも、、、やっぱりこのままじゃいけないと思う」「どういうこと?」やっちゃんが静かに訊く。「あたしがやっちゃんをだめにしたんだって水島さんに言われた。やっちゃんのそばにあたしがいたら、やっちゃんをもっとだめにするって・・・」「だから?」やっちゃんは、あたしをじっと見ていた。「だから・・・ちょっと離れたほうがいいのかなって・・・」あたしはやっちゃんを見ることができず、うつむいた。やっちゃんの視線が痛かった。「・・・そう」やっちゃんはそう言って、コーヒーに手をつけた。沈黙になる。重苦しい空気だった。あたしは、やっちゃんにそう言ってみたものの、ほんとうにそれでいいのか、そうしたいのか、自分の気持ちを判りかねていた。やっちゃんに何か言ってほしかった。あたしたちはどうしたらいいのか、やっちゃんはどう思っているのか、聞きたかった。でも、やっちゃんは黙っていた。そのことについて何も言ってくれなかった。「いい部屋だね」やっちゃんが部屋を見回して立ち上がった。「20階か。眺めもいいね」窓に近づいて、非常窓のロックをはずす。やっちゃんはひとりで非常窓からバルコニーに出た。フェンスから景色を眺めている。「やっちゃん、あぶないよ」そう言ってあたしは声をかける。「大丈夫だよ、しのちゃんもおいでよ」あたしににっこりと笑うやっちゃんは、いつものやっちゃんだ。なのに、なぜだろう。不安がよぎる。あたしは恐る恐る窓に近づいた。「あれはお台場かな。テレビ局の建物だね。あっちは浅草のほう?」やっちゃんは遠くを指差す。あたしはゆっくりと非常窓の枠をまたいで、外に出た。風が少し強くて、冷たい。やっちゃんのとなりに並ぶ。しばらくあたしたちは、広がる景色を見ていた。「やっちゃん、寒いよ。中に入ろう」あたしが部屋に戻ろうとしたときだった。いきなりやっちゃんに腕を強くつかまれ、驚いて振り向いた。「しのちゃん、ずっと一緒にいよう」やっちゃんはさびしげに微笑んでいた。「やっちゃん?」あたしはやっちゃんの、その笑顔が怖くなった。笑う時やっちゃんは目を細めるから、瞳の奥を覗けない。いままで気づかなかったけれど、やっちゃんの本心が見えない。そのことがあたしを怖がらせる。「由紀もそうだった。俺のことが好きだ、ずっといっしょにいようねと言ったのに、裏切った。」由紀?それは中学時代の自殺した彼女の名前だ。
2008年12月20日
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白い肌に吸い付くように食い込む赤い縄。「詩埜、とってもきれいだよ。思ったとおりだ」あたしの傍らに寄り添って、鏡に映ったあたしを眺める水島さんは目を細めて言った。「自分で見てどう?」そう聞かれて、あたしは考える。「自分じゃないみたい」そう。鏡に映るあたしは、あたしじゃないみたいだ。客観的にきれいだと思う。それにとても艶かしい。だけど、これはあたしなの?腕を動かそうとしてみるともちろん動かないから、これはあたしなんだとわかる。でもここに映っている女は、あたしの知らない表情をして立っている。まるで、あたしの感情があたしの身体から離れてしまったみたいだ。「どうしたの?もうやめる?」水島さんがあたしに聞く。もっと続けたいとも、もうやめたいとも思わなかった。なにも考えられない。なにも感じない。答えないあたしに、水島さんはベッドに座るように促して男の人に目で合図をすると、男の人は荷物を持って部屋から出て行った。水島さんは床に膝を立てて、ベッドに腰掛けたあたしの腿に頭をのせた。「詩埜、君はだんなさんにこうして縛られているんだ。それは詩埜にとって安心できるものなのかもしれないね。そして彼を信頼しきっていなければ、できないことだとも思う。」水島さんは続ける。「君に初めて会ったとき、不思議なものを感じたんだ。風俗の店にいるのに君の顔は欲望にまみれていなかった。この子はどんな子なんだろうと興味が湧いた。君はだんなさんに縛られて安心していたんだろう。でも君の意志でなにかを決めたことなどなかったかもしれない。君は僕の愛人になろうと、君自身で決めた。だから僕が、君を縛っているものから君を解いてあげたいんだよ」水島さんはゆっくり顔を上げて、あたしの目を見た後、後ろ手に縛られたあたしの腕から縄を解き始めた。縄をすべて解くと、あたしの身体を抱き上げてベッドの中央に横たえた。「縄をほどいても不安にならなくていい。今度は僕が、こうして抱きしめるから」水島さんは服を着たまま、あたしの身体をしっかりと抱きしめた。
2008年12月09日
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バスローブを身に着けて部屋に戻ると、ソファにもたれて水島さんが新聞を読んでいた。その向かい側に、知らない男の人が座っている。「詩埜、こっちにおいで」あたしに気づくと水島さんは、新聞を畳んであたしを呼んだ。「彼は緊縛師だ。さっきタクシーから電話して呼んだんだよ」男の人が立って、あたしにちょこっと頭を下げた。「緊縛師って知ってる?身体を縄で縛る人だよ。しっかり、そして美しく縛り上げるには技術と経験が要るんだ。この人はとても上手に縛るんだよ」水島さんはそういって立ち上がり、あたしに近づく。「詩埜を縛ってもらおうと来てもらった。痛くないから大丈夫だよ。この人はプロだからね」水島さんがあたしの肩を押して、ベッドに座るように促す。あたしは水島さんにされるままに腰を下ろした。怖い、とも、嫌だ、とも思わなかった。ただ、しなければいけないと感じていた。それはお金のためじゃなく、契約しているからじゃなく水島さんの気持ちに応えられなかったことへの、お返しにあたしができることと、あたしは捉えていた。「じゃあ、はじめます。そこへ寝転んでください」男の人は床に置いてあった黒いかばんを取り、ベッドの上に座った。あたしは身体をまっすぐにして仰向けに寝た。水島さんが、バスローブの紐をほどく。バスローブを開かれ、腕を引き抜き、真っ裸で横たわるあたしに「初めてかな?痛くしないよ。心配しないでね。」男の人が静かにやさしげに話しかける。あたしは黙って頷いた。「上半身だけにしますか?」男の人が水島さんに聞く。「いや、足まで縛って。型は任せる」水島さんはそう答えて、ベッドの正面にあるドレッサーの椅子をベッドに向けて置きなおしそこに足を組んで座った。あたしが縛られていく様子を、そこで眺めるつもりらしかった。男の人はかばんから赤い縄を取り出して、あたしに上半身を起こすように言った。身体にざらっとした縄が当たった。はじめての感触。男の人はあたしに「痛くない?もうちょっと締めるからね。大丈夫?」と時々静かに声をかけながら作業を続けていく。動きに無駄がない。縛られて、徐々に身動きが取れなくなっていく。両方のおっぱいを縄で挟むようにして、器用に男の人はあたしの身体を縛っていく。上半身を縛り終わったところで、水島さんに鏡の前に立つように言われた。初めて縛られた自分を見た。
2008年12月09日
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あたしは泣きながら浴室へと向かう。洗面台の鏡を覗くと、そこにはマスカラの取れたひどい顔のあたしがいた。あたしはどうしたらいいんだろう。どうすべきなんだろう。どうしたいんだろう。わからないまま、服を脱ぐ。この黒のワンピースも、この靴も、この下着もすべて水島さんが与えてくれたものだ。化粧もマニキュアも香水も、すべて水島さんの好みのものだ。ここに映っているあたしは、髪の先からつま先まで、ぜんぶ水島さんのための、水島さんを喜ばせるための、あたしなんだ。でも、悲しくはない。あたしが、あたし自身が望んだのだから。それはお金のためだったの?やっちゃんのためだったの?そうじゃない。あたしが、そうしたかったんだ。水島さんに受け止められたかったんだ。あたしは水島さんを好きなのかな。愛しているのかな。それはわからないけどでも、、、あたしにとって水島さんが必要だった。セックスから始まった、奇妙な関係だったけれどそこから与えてもらったこと、あたしが得たもの。それは単なるお金だけじゃなく、モノだけじゃなくカラダの快楽だけじゃなくて女として、得られる幸福感。それだったら、やっちゃんにだって、もらっていたはず。愛されて、大切に想われていたはず。少なくともあたしはそう思っていた。でも・・・。水島さんの言うように、心だけでなく、カラダでも繋がらなければ満足しないのだろうか。そんなことを、ぐるぐると考えたけれども、答えは出ない。出ないことに疲れたあたしは頭のてっぺんから、熱いシャワーを浴びた。
2008年12月09日
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高ぶらないと、書けない。昂(たか)ぶらないといけない。溢れない、溢れない。想いを溢れさせたいのに、行き詰る。すきで好きで愛しいその湧き出る想いを、書き綴っていたからもっと、ちょうだいあたしに、頂戴。
2008年11月15日
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タクシーがホテルの入り口に到着した。「そうだな、君のだんなさんをあんなふうにしたのは、君のせいだ。君がだんなさんをだめにした。君がそばにいたら、だんなさんはもっとだめになる。わかるか?」水島さんは怖い顔であたしにきっぱりと言った。そして強引にタクシーから降ろした。水島さんに引っ張られるようにして、ホテルの部屋に入る。あたしの頭の中ではずっと、さっきの水島さんの言葉がぐるぐる回っていた。あたしのせい。あたしが、やっちゃんをだめにした。一緒にいたら、やっちゃんがだめになる。あたし、どうしたらいいの・・・。ぼろぼろ涙がこぼれた。水島さんは、あたしのバッグをテーブルに置いて、あたしに座るように促し、自分も腰を下ろした。「詩埜、わかるだろ?僕の言ってること、わかるな?僕は君のだんなさんを心配してるんじゃない。君を心配してるんだ。どんなにだんなさんのためと思って君ががんばっても、それが裏目に出てしまうんだよ。彼は君に甘えきっている。そして君に報いようとしない。だから他の女性のところに行っているんだよ。そうだろ?目をそらさずに受け止めるんだ。」水島さんが言葉に力を込める。「でも、でも、あたしは・・・あたしはやっちゃんのそばにいたい。やっちゃんがいい。」あたしは泣きじゃくりながら答えた。東京にひとりで出てきて、友達もできずに寂しくて辛かったとき、やっちゃんに偶然再会して、それからずっとそばにいてくれた。いつもいつでもやさしかったやっちゃん。離れるなんて、考えられない。あたしはやっちゃんがいい。やっちゃんじゃなきゃだめなの。水島さんはしばらく黙っていた。そしてゆっくりと立ち上がった。「それならそれでいい。もう何も言わない。そのかわり、今夜の仕事はきちんとやれ」水島さんはスーツの上着を脱いでベッドに放り投げ、ネクタイを緩めた。
2008年10月24日
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あたしは思い切って水島さんに頼んだ。「水島さん、あたし、今夜は帰りたいです・・・。お仕事キャンセルしていいですか?」あたしから言い出すのは初めてのことだった。「だめだと言ったら?」水島さんが、あたしをじっと見る。厳しい目だ。「とてもそういう気分じゃないんです・・・ごめんなさい」あたしは懇願するように言ったが、水島さんは承諾してくれなかった。「詩埜、いつもなら帰してあげるところだけれど、今日は帰したくないんだ」そう言って、水島さんがあたしの手を握った。「どうしても?」「ああ、どうしても。」水島さんは口調を強めると、あたしの手を自分の膝に持っていった。「さっきの提案だけどね、僕は君のだんなさんがちゃんと卒業して資格を取れるとは思っていない。思っていないから、あんな提案をしたんだよ」「どういうこと?」「君をもう返さない、ということだ。これからずっと僕のそばにいるんだ。君のだんなさんが学校に行かずにどこに行っていたか、僕は知ってるんだよ。聞きたいか?」そういって、あたしをもう一度見る。あたしはまた、何も言えなくなった。水島さんはあたしの答えを待たずに、続けた。「君のだんなさんはね、他の女性の部屋に行っていた」「うそです!」そこまで聞いて、あたしは耐えられずに声を上げた。「そんなの、うそです・・・そんなはずないです・・・」こらえきれずに涙が溢れる。「詩埜、もう帰るな。もう返さない」タクシーは、ホテルのエントランスの坂を上っていた。「だとしても、それは・・・それはあたしのせいです。やっちゃんがそうしたのは、あたしのせいです」あたしは、それを言うだけで精一杯だった。
2008年10月24日
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あたしは力なく元の席に腰を下ろした。あたしはなにも言えなかった。水島さんを見ることもできずに、ただ、うつむいていた。やっちゃんを追いかけたい。でも、やっちゃんは、なんていうだろう。あたしはやっちゃんに、なんていえばいいんだろう。言葉が見つからない。学校に行っていなかったやっちゃんを責めることができない。どこに行っていたのか、なにをしていたのか、訊くのが怖い。さっきのやっちゃんの、あんな怖い顔、はじめて見た。あたしは、いつもにこにこと笑っているやっちゃんしか知らない。あたしの知らないやっちゃんがいる。そう思うと、とても怖かった。「詩埜、行こうか」水島さんが立ち上がった。「これから仕事だよ」そう言って店を出る水島さんの後ろを、あたしはついていくよりほかなかった。タクシーはいつものホテルへと向かう。こんな最悪な気分なのに、水島さんはあたしに要求するつもりなんだ。ベッドの上での、あの仕事を。今夜は勘弁して欲しかった。どうしてもできない。水島さんに頼んで帰してもらおうと思い、口を開きかけたときだった。「こういう時はスペシャルゲストを呼んで、スペシャルなことでもしようか」そう言って、水島さんは携帯電話で誰かに電話をかけた。
2008年10月21日
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「君の次の学校の口利きをして、費用も全額僕が支払う。そのかわり詩埜は僕が引き取る。君が無事に卒業して公認会計士の試験に合格したら、返してあげよう。」やっちゃんは水島さんを睨んでいる。水島さんは続ける。「君の生活費も卒業するまで僕が面倒見よう。それで問題ないよね。僕の許可を取れば詩埜に会うこともかまわない。どうかな?」「あんた、本気で言ってるの?」今まで見たことのない恐ろしい顔で、やっちゃんは水島さんに言った。「僕らは法律的に立派な夫婦だ。あんたが詩埜を引き取るなんて、できるわけないだろ」「それは君と詩埜が決めればいい。僕は提案しているだけだよ。ただ、遅かれ早かれ詩埜は僕のところに来ると、僕は確信しているけどね」水島さんが煙草を取り出して火をつける。「あんた、奥さんいるんだろ。詩埜を幸せにできるのかよ」「詩埜に貢がせておいて、君は学校にも行っていなかった。そんな君より僕ははるかに詩埜に対して責任を果たすことができると思っているよ」やっちゃんがおもむろに席を立った。早足で店を出て行く。あたしも立ち上がって、やっちゃんの後を追おうとした。「詩埜!」水島さんがあたしを引き止める。振り向いたあたしに、水島さんは静かに言った。あたしが逆らえない、ひんやりと冷たく光るあの目をして。「君の仕事はまだ終わっていない。席に着け」
2008年10月20日
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「あたしのすべてをあげる」そう言えるってすごい女なら目で目で男の心をモノにするそれが身上だった「あたしのどれだけを、あなたにあげようかなぁ~」ってちょっと悪戯っぽく、瞳で話しかけるそうするとほら「ちょうだいちょうだい」って男たちは近づくでももうそんな小細工はそんな駆け引きはあたしには必要ない素っ裸で両手を挙げて「I give my all to you」迷いなく言えるって最高の快感「なんてキモチいいの」
2008年10月17日
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