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2026年02月09日
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カテゴリ: バレエ


新国立劇場 14:00〜
 4階右側

 クララ/金平糖の精 : 東 真帆
 ドロッセルマイヤーの助手/くるみ割りの王子 : 奥村康祐
 ドロッセルマイヤー : 福岡雄大
 シュタルバウム夫人 : 関 優奈
 フリッツ : 村田剣一
 クララの祖母 : 川口 藍
 クララの祖父 : 樋口 響
 ハウスキーパー : 関 晶帆
 執事 : 小柴富久修
 ダンス教師 : 根岸祐衣
 ダンス教師の夫 : 水井駿介
 クララの友人 : 奥田花純 赤井綾乃
 士官候補生 : 石山 蓮 菊岡優舞 田中陣之介
 兵士人形 : 小野寺 雄
 コロンビーヌ人形 : 五月女 遥

 新国立劇場バレエ団
 東京少年少女合唱隊
 東京フィルハーモニー交響楽団
 指揮 : マーティン・イェーツ
 振付 : ウィル・タケット

 まぁ、最近は年末年始の恒例で通っております、新国のくるみ割りであります。
 正直バレエにはそれほど思い入れはないので、却って平和な心持ちで、毎々ツリーがでっかくなるのを楽しみに見に行って喜んで帰ってくるのですが、今年はやや波乱が。いやまぁ、結局喜んで帰ってきたのには変わりはないにはないのだけれども。

 新国のくるみ割り人形は昔から定番の演目なのですが、2018年からは毎年年末にやってたようです。2020年の年末もやってるので、なかなかガッツのある話です。で、どうやらその前年の2017年に出した演出がずっと使われていて、これは、主人公の女の子、クララですね、彼女がやや大人びた感じで、といってもまぁ子供ですがね、あくまで、まぁ、そんな感じの描かれ方をしているものだったのですが、基本オーソドックスなスタイル。むしろ物語性を表に出したようなものだったかなと。
 で、今回から、演出が変わりました。なんというか、ちょっと複雑化。
 演出家というか、振付のプログラムノートによると、クララの年齢はもうちょっと上。ドロッセルマイヤーの助手に恋心を抱く、というのが明記されていて、かつ、基本的にこの舞台はクララの夢の世界である、なので、ツリーがでっかくなるあたりからの登場人物は、その前のクリスマスの夜会の登場人物と重なっている、という。言われりゃ違和感無いんですが、見ていると、ちょっと新鮮な感じではあります。なんというんでしょうか。「いつもの」「あのくるみ割り」を見に来ているつもりが、あれ?そうじゃないなこれ、という感じ。クララは金平糖の精となって踊ります。夢だからね。大抵の演出は、クララは「お菓子の国に客人として招かれるので座って見ている」ということになるのですが、この演出ではクララはドロッセルマイヤーの助手にしてくるみ割り人形の王子と主役として踊るのです。ま、夢だからね。でも確かに新鮮。
 くるみ割り人形は意外とあちこちでも見ているつもりですが、基本、内容的には流して終わり、なんですよね。つまらないというのではない、ただ、別にくるみ割りに深くは求めてないというか、そういうつもりで見に来てない。お茶漬けみたいなもんで、なんか変に拘ったものは求めてないよ、という。そのブルーチーズ茶漬けとかいうのやめてよね。お茶漬け言うたら鮭か梅干しかただの海苔茶漬けか、みたいなね。で、お茶にこだわりが、とか、鮭はどこそこの特級品のどうたらこうたらとか、そういうのもいいから、という。

 じゃこれはブルーチーズ茶漬けかというとそうじゃない。宇治の名店のお茶を取り寄せました、みたいなのとも違う。なんていうんでしょうね。そうだなぁ、お茶漬けなんだけど、ただのお茶と海苔だけだとちょっと味が足りないでしょ、って言って塩ひとつまみ入れときました、とか、昆布の佃煮ひとつまみ載ってます、みたいな。凄く奇を衒ったわけではないけれど、あ、確かに一味あると違うね、というような。

 なんだそれ。<自分で言うな

 あとは、やや「現代演出」っぽくはありましたですね。オペラの現代演出というのとは違いますよ。舞台設定自体は時期がよくわからない感じ。今の日本ではないですね。まぁ、なんとなく19世紀末くらいの欧州のどこか、というような。それは現代的じゃない。じゃぁ何が現代的かというと、出てくる踊り手。秀逸なのがゼリー。ゼリー?ゼリーの踊りなんてあったっけ?あるのですよ、これが。ゼリーが出てきて踊るのです。何言ってるかわからない?来年見てください。是非。


 物語性が織り込まれることで、確かに今までにない物語の縦深は出たように思います。確かに、バレエでは物語に奥行きを出すのは難しかったりするので、その意味ではこれは面白かったと思います。出てくるお馴染みの踊り手たちも今までとは一味違った新味があって、これもこれで良かった。
 強いていうと、これが陳腐化しないかな、というところかなと。今回は新味故に面白く見られましたが、物語性を出すということは、同時に方向性をつけてしまうということでもある。縦深が出る分、幅はやはり狭くなりがちだと思います。前の演出は、今出しても決して楽しめないものではないと思います。その程度には練れていたし、古びてもいなかった。それを敢えて新演出で挑むのも、まぁ悪くないですが、ただ、これが同様に10年近く持つようなものなのかどうか。これは時間に委ねるとしましょう。何回も見ているうちに飽きるのか、それとも飽きずに見続けられるのか。とりあえず今回は面白く見られましたので、良いのではないでしょうか。

 音楽的には、まぁ、東フィルも毎度毎度なので、ね。この日は悪くなかったですよ。 







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最終更新日  2026年02月09日 01時24分11秒
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