良さんの読書日記

良さんの読書日記

PR

2010.01.26
XML
テーマ: 本日の1冊(3697)
カテゴリ: ミステリー小説
『アバター』 山田悠介 、角川書店

 「アバター」とは、携帯電話のウェブサイトにある着せ替え人形のこと。これが女子高校生を中心に、社会現象になるほどはやっている。

 高校2年生の女子・阿武隈川道子もこのゲームにはまる。携帯のSNSサイト・アバQにアクセスし、ハンドルネーム「ミチコ」、年齢「16」、血液型「A」...と必要事項を入力した。
 メインページを開けると、白いTシャツにピンクの短パンの女の子が手を広げている、これが「アバター」だ。アバGというバーチャルマネーで、着せ替えに必要なアイテムを手に入れる。全部で5000種類以上のアイテムがある。
 アイテムには☆1から☆5までグレードがあり、高いグレードのアイテムを持っていると人気者になれる。学級委員もそうだ。
 ミチコは、アバGを手に入れるために、西園寺という女友達に勧められて、援助交際にまで手を出す。手に入れたお金で、アイテムをゲットし、アバターを進化させていった。
 そして、「アバターベストドレッサーコンテスト」に出場し、何と優勝してしまう。翌朝、学校に行くと校門からミチコを取り囲んで人だかりができ、教室に入るころには100人ほどに増えていた。この日から、ミチコが女王様になった。
 西園寺の甘言にのって、アバターサークルを作った。2日で150人を組織した。これで日本を支配するのだ、と西園寺にミチコはのせられた。
 この組織を利用し、金を集め何と750万円かけて整形手術をし、美人に変身した。気に食わない奴はリンチにした。
 そして、☆5の超激レアアイテムを手に入れるために、ついに殺人にまで手を染めてしまう。それほどアバターが大事なのか。
 本書「アバター」は、控えめで目立つことを嫌ったミチコが、アバターに熱中することによって、殺人にまで及ぶという女子高校生の心理を描いている。でも、女子高校生を登場させて、ちょっとやりすぎではないかと、思う面はある。
 現代の女子高校生の健全さを見逃しているのではないだろうか。

ホーム・ぺージ『推理小説を作家ごとに読む』も御覧ください。

http://bestbook. ife.coocan.jp






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.03.07 08:31:41
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: