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『黄昏』 薬丸岳 、 『所轄 警察アンソロジー』ハルキ文庫に収録 、初版2016年10月18日、第70回日本推理作家協会賞
<あらすじ>
女性の声で「幸田二美枝 (88)
さんが亡くなっているのではないか」と区役所に通報があった。行ってみると、スーツケースの中に彼女の白骨死体があった。二美枝は娘の華子と二人暮らしだった。華子は署に連行され、事情聴取を受けた。
華子は警察の取り調べに、3年前に買い物から帰ったら、母が死んでいた、と答えた。なぜ、区役所に届け出なかったのか、という問いには、年金の不正受給といわれても仕方がない、と言った。
所轄の夏目刑事は、彼女は何か隠している、とにらんだ。そして、捜査をすすめた。
<良さんの解説>
薬丸岳のミステリーは、最後にどんでん返しがあるストーリーが多い。しかし、本書『黄昏』はそうではない。
最近、親が死んでも役所にとどけ出ない人が増えている。年金の受給がストップするからだ。華子が親の死を隠したのは、不正受給がからんでいる、と読者は最初そう思う。しかし、違った。
なぜ華子が母の死を隠していたのか、その本当の理由は何か。夏目は、ここに事件の謎を解くカギがあると見た。そして、幸田親子をよく知るため、親子が以前住んでいた厚木のアパートにいった。ここで、すべてがわかった。
二美枝は俳句サークルに入っていて、ある男性と恋をしていた。
娘の華子は49歳になる。親離れできない娘が犯した事件だった。
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