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『みぎわ』 今野敏 『所轄 警察アンソロジー』ハルキ文庫に収録。 初版2016年10月18日
大型遊興施設の駐車場で、強盗致傷事件が発生した。東京湾臨海署刑事課強行犯係の安積班が出動した。 現場に着くと、みんなは聞き込みに散った。通報を受けて駆け付けた警官の話では、被害者は病院に搬送され手術中。須田刑事が被害者に連れがいなかったかを聞いたら、警官は見なかった、と答えた。
桜井刑事が、防犯カメラを調べたら、犯行の模様が録画されていた。犯人は前科のある奥原琢哉と分かった。桜井は、だめもとで彼のアパートに急行した。近所の人が、奥原が帰ってくるのを目撃していた。
すぐに安積班のメンバーが到着した。
しかし、桜井の相棒のベテラン刑事・村雨はしばらく様子を見ると言って、桜井がはやる気持ちを抑えた。
なぜ、村雨はすぐに突入の指示を出さないのか。本書は、こういったケースの事件の場合、現場にいる刑事はどのような対応をすればいいのか、それを教えている。犯人が最初から分かっているミステリー小説である。 安積は新米の時、目黒署の刑事課で、これと同じような事件に出くわしたことがあった。その時、安積は刑事課でいちばん若く、ベテラン刑事の三国とバディを組まされていた。三国もあの時、しばらく様子を見る、と言った。
村雨は、その時の三国と同じ判断をしたのだ。
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