わきさんの日々に新たなり(農業支援)

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この国の農業について(多分その5)


おっと、ちィ~とサボっちまった。

本日はすでに予告したようにトレーサビリティについて。
これは書くとかなりいろいろに拡がりそうなので、今回はシンプルバージョンで・・・。

「トレーサビリティ」という言葉は、一連の食の安全にかかわる事件が続出したため、もはやかなり認知度のある言葉になったように思う。「トレース」を語源にする、要は(生産物)履歴システムのことである。目的はそのものがどのように作られたかどうかを追跡できることにある。ひいてはこのことが消費者への情報開示につながる。

思えば、今まで、この国では消費者の生産者に対する暗黙の信頼関係に成り立って、消費行為が行なわれていた。ところが、一連の事件(O-157、牛乳、BSE、中国野菜やその他いろいろ)で、一挙にそれが崩れてしまった。うすうすおかしいな、とは皆感じてはいても、人体にかかわる安全度の度合いで、奇妙にバランスが取れていたように思う。

小さなところでは(もし、嘘に大きい小さいがあるとしたならば)、産地表示における梅干しや、うなぎなんかも暗黙の了解だったように思う。

さて、元に戻って、そういった事件があってからトレーサビリティのシステムはいろんなところで取り組まれ始めた。農水省がらみの実験システムや、大手スーパー(たとえばイオンなど)の独自のシステム、石井食品のシステム、ユニクロ野菜のSKIPなど、いろいろある。

大体は例えば商品のバーコードなどを入力すると参加している農家などがあれば、いつ収穫されたもので、どのような作られ方(一般的なそこでの作り方の表示がほとんど)をしたかがわかるようになっている。
要はほとんどものが紙芝居方式っていうことで、実際の作業日報レベルまでを開示できているところはない。
(大体の作り方レベルはあるけどね。)
ここがミソで、例えば有機の認証にしろ、本当の意味で守られていくかは前にも書いたように「人が有機かどうかにかかっている。」

この国はやり始めると形だけが一人歩きしていって、本質的なものがすぐにおいていかれる傾向にある。単一民族の弱点でもあるように思う。途中で「何故?」なんていう奴は組織の中で村八分にあったりする。だから一度決まるとまず見直されることはない。
でも、これからは何のためにそうするのか、環境の変化が激しい時代だから時々はチェックできる流動的な体制が望ましい。

さて、私が今協力している福井県の農業法人では作業日報レベルを表示できるシステムを準備しつつある。今度の新米時期より問題がなければ(いろんな意味で)稼動できるだろうと思う。ここはかなり規模が大きい農業法人で、影響下にあるグループの圃場は現在135haほど、そしてかなりいろんなレベルのお米を作っているので、機械などの管理が難しい。
ここでは、お米のパッケージを選択し、精米日を入力すると、そのお米がどの圃場で、誰にどのように育てられたか、写真やコメントなども作業日報レベルで見れる仕組みになる。

あれ、簡単にといいながら書きすぎたか?。




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