若松コロニーとシュネル資料編_No.13
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シュネルと若松コロニーSERIES詳細編＿No.13
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■現在頁から、各人物、資料編です。
流れ＆解説は Sec.1 から順番にどうぞ。
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プロシア系アメリカ人と、シュネルを紐解く
■ このシリーズ全体目次
■ 桜井松之助と増水国之助
■ 日本国内会津藩その後
と、若松コロニーの動き
（略型比較表）
■ 若松コロニー：
開始から崩壊、事象解説
■ 若松コロニー各員と、
皆を救ったビアカンプ家
- 情報が残るメンバー
- veerkamp家の二つの
「隣人愛」史実 - プロシア系人々の開拓：
シュネル紐解くお材料
- サンフランシスコが、イエナ・ブエナだった頃のプロシア人とスイス人考察序章
- ビアカンプ家メンバー ：カリフォルニア三代家族詳細
- ビアカンプ家の子孫の手紙から蘇った世界
■82＿1：ビアカンプ家：プロシア系の人々とカリフォルニア開拓時代
■82＿2：手紙の発信者と受領者の関係と、veerkamp家の先祖
■82＿3：手紙を鍵に、発掘したVeerkamp家の「そのまた昔世代」
■82＿4：【注】複数のデータを並行考慮材料に
・プロシア系の人々と
カリフォルニア開拓時代
▲ 前頁 、▼現在頁 - サンフランシスコが、イエナ・ブエナだった頃のプロシア人とスイス人
＿サクラメント：カリフォルニアのプロシア人とスイス人- サクラメント：カリフォルニアのプロシア人とスイス人
- サクラメント創始者：ジョン・オーガスト・サッターの軌跡から、
シュネルの父世代を追う鍵
- もうひとつの史実「涙のネイディブアメリカン」
- ジョンサッターがくれた「シュネル謎解きの鍵」
- バタビア時代のインドネシアに於けるシュネルの軌跡と、
おっと！会津藩主：松平容保の「対プロシア、蝦夷地売却打診！」
サクラメント：カリフォルニアのプロシア人とスイス人
サクラメント創始者：ジョン・オーガスト・サッター（John August Sutter）
プロシア系スイス人（1803/2/23日～1880/6/18）
プロシア系スイス人（1803/2/23日～1880/6/18）
ひとたび、こちらのバナー直行して頂いたほうが、サッターのこと、もっと解ります。
読み終わったら、現在頁へ帰ってきて、シュネル紐解く！の続きをどうぞ！
サクラメントのその昔は、スイス人のジョン・サッターによってコロニーが建設され、
都市発展の元となる。後に州がゴールドラッシュに湧くと、サクラメントは、1854年に州都が置かれ、
今に至る。ゴールドラッシュは終焉に至るが、肥沃な土地は、農に恵みを齎し、町は幸い栄えた。
さて、上記、結果略書きだと、「あっ、そう。」で終わってしまいそうな話ですが、
実は、悲劇の上に度重なる悲劇。サッターは失意の中、天の人となる宿命を・・・。
まずは、サッターについて。スイス人。ところが、プロシア系スイス人。
サッターは、ドイツ風読みではズッターと発音。
その父の名前は「ヨーハン・アウグスト・ズッター（Johannes August Sutter）」
＝「ヨハネス・アウグスト・ズッター」。ヨハネスも、国によって、ヨーハンを初め、幾つか綴りも、
読みも存在します。
★1★＿ジョン・サッターの出生からアメリカ移住まで
・■1＿出生から、少年時代を経て、青年期の負債事件
プロシア：現在のドイツ、当時はプロシア、もしくはプロイセンと表記された
資料双方ありますが、同じ。
資料双方ありますが、同じ。
■1803年2月23日、プロシア（現在のドイツ）南西部のバーデン（baden＝ヴュルテンベルク州
のバーデン（barden））のカンデルン（Kandern）の町で、ヨハネス・アウグスト・ズッターの子
として生まれました。
■ところが、ジョン・サッターが生まれたのは、スイスではなく、プロシア。
これは、当時としては、そんなに奇異ではありません。隣接するスイスと、プロシアは、
とても深く絡み合っていました。特に、彼が生まれたカンデルンは、南の境界はスイスと隣接。
西南の境界は、アルザス（今日はフランスの一部）にぴったり隣接。いわば隣国との交差点。
本来、父の拠点はスイスのリューネンブルク（Runenberg ）。
ところが彼は、彼の父がプロシアに居る間に誕生しています。その為、この町、カンデルンの誕生。
■成人したジョン・サッターは、妻子と共に、スイスのブルクドルフに家を構え暮らしていました。
尚、彼は23歳の時、お金持ちの娘、「Annette Dubold」と結婚しています。
彼女は、未亡人でした。彼女について、これ以上詳しい情報は存じませんが、23歳の時というと、
1826年前後となります。
ところが、或る日、事業で負債を被ってしまいます。これが彼の運命を、大幅に変動させる原因。
借金から逃れる為に、実は、これは、いわば逃亡です。もう少しで刑務所入りの段階でした。
1834年5月 、彼は、この後、ヨーロッパを離れ、妻子を残し、単身、アメリカへ向うことになります。
ジョンという名前は、これによる自己改名です。
・■2＿脱！ヨーロッパ
■まず、フランスの旅券を獲得。それを持って、フランスのル・アーヴルからニューヨーク行きの
船「サリー号」に乗り、 1834年の7月14日 に無事、アメリカの大地に到着しました。
少年期から、彼は、歴史や冒険の本を読み漁って、夢を抱いていました。
その為、彼は、ここでじっとしていたわけでなく、忽ち、大旅行の構想実行に踏み切ります。
大冒険の始まりです。
・■3＿途中で布教の旅に変身
■ 35人のドイツ系の人々と共に 、彼は セントルイス から サンタフェ に移動し、
それから西部の港町を目指しました。ここで、ある意味で、静かな異変が生じます。
冒険の為に加わった団体は、宣教師の集団です。サッター本人が宣教活動を積極的に行ったか否かは、
不明ですが、少なからず、彼らの姿勢に影響されてゆきます。
1838年の4月の初めに宣教師の集団に加わって、航海の旅が開始されます。
★3★＿「クレメンタイン号」の大冒険
この時の水先案内兼キャプテン的存在は、猟師のアンドリュー・ドリップス。
◇同年1838年10月に、オレゴンのバンクーバー砦に着いた。
◇このバンクーバー砦を同年1838年11月11日に発って、
◇同年1838年12月9日にホノルルへ到着。
凄いでしょう！真っ直ぐ南下せず、船のルートはまさしく、ジグザグ運転。
今度は、なんと、方向は、アラスカに向ってゆくのだから、恐ろしいパワー。
■ついに、アラスカ到着。当時ここは、アメリカではなくて、ロシアの植民地。
そのアラスカのシトカから、さらに船は向う。今度の方角は南。
これまでの間に、彼の中で、何かが変化していっています。
彼は、土地柄、もともとカトリックではありますが、宣教師ではありませんから、ごく普通の信仰レベル。
事業に失敗して、妻を泣かせて、妻子を捨てて、性懲りも無く、冒険野郎！
ところが、やはり、目覚めてゆきます。
■彼らが目指したのは、当時、布教の拠点であったイエナ・ブエナ。
イエナ・ブエナとは、現代でいえば、サンフランシスコ。
彼の船「クレメンタイン号」がイエナ・ブエナに到着したのは 1839年7月1日 でした。
■当時、サンフランシスコはメキシコの一部。サッターは 1840年8月29日にメキシコ市民 となった。
当時の光景をイメージして頂く為には、西部劇の場面を想像して頂いて調度いいかもしれません。
必然的に侵略者の白人対、インディアンとの抗争。ところが、サッターは、彼らと親睦。
これには、宗教観念と理想郷の夢が影響していると思われます。サッターは、開拓の為に、
彼らを雇い入れ、また、他の開拓移民も仲間に受け入れ、大規模農場運営に、
大志を抱き、頑張り続けました。
ちなみに、この時仲間に加わった白人達のうち、
有名なブレーンの一つとして、Donner-Reed隊があります。
Donner-Reed隊は、既に北部アメリカに上陸しており、
さらに開拓の為に、広大な荒野の大移動を決行しました。
しかし、飢えと厳しい自然環境の最中、大勢の仲間の
犠牲を背負います。並の飢えではありません。生きる為、
彼らはついに、意を決して・・・仕方ないか？否か。
仕方ないな。しかし、書けない。えぐい究極を選択して、
食を繋いで、80余人中、47人だけは生きた。
有名なブレーンの一つとして、Donner-Reed隊があります。
Donner-Reed隊は、既に北部アメリカに上陸しており、
さらに開拓の為に、広大な荒野の大移動を決行しました。
しかし、飢えと厳しい自然環境の最中、大勢の仲間の
犠牲を背負います。並の飢えではありません。生きる為、
彼らはついに、意を決して・・・仕方ないか？否か。
仕方ないな。しかし、書けない。えぐい究極を選択して、
食を繋いで、80余人中、47人だけは生きた。
即ち、サッターは、このDonner-Reed隊の生き残り等を加えて、スタートしたわけでした。
サッターは、この地をサッター砦とも呼びますが、「小スイス」とも呼んでいました。
ここに、心のオアシスを作ろうと動きます。澄んだ清い水。山脈。
さんざん、人泣かせの冒険野郎も、到着時の1840年、彼は37歳。
★3★＿「折角の理想郷」が崩れ去る時
・■3_1＿米墨戦争
サッターは、はじめ、ここを独立共和国にしようと考えてました。
ところが、世は不穏な波風。それを強行しようものなれば、多勢相手に勝つ見込みなどありません。
流れに身を任せるがごとく、世の移ろいも享受すべく、沈黙を守ります。
ところが、ついにドンパチ発生。
開拓といえば、白人対インディアン、またはインディオ達との争いは、普通つきもの。
力で圧して、勝てば官軍。ところが、折角それを避けてきたのに、巨大な竜巻が彼を飲み込んだ。
それは、まさに、米墨戦争。またしても、勝てば官軍。
人対人の争いレベルなれば、いかに野蛮とて、いうなれば、歴史の巨大な定規で見れば、
スケールとしては、たいしたことない。それが、こんなことになった。
▼
米墨戦争発生！1847年、戦争の結果メキシコの領土は、アメリカ合衆国の手中に収まった。
サッターが メキシコ市民権を得たのは、1840年8月29日 だった。
それが、頭の真上で巨大なドンパチの結果、彼の国籍も変わった。1847年、僅か10年未満で、
アメリカの人になった。
・■3_2＿いわば余計な事件！ゴールドラッシュと血の事件の前兆
■金の発見
或る日、従業員の一人が、偶然、作業小屋で、金塊発見！
ところが、サッターは、欲に目がくらんで、路線変更に至ることは、一切ありませんでした。
理想郷の創設には、農業と労働、感謝の心が基本。
利益が嬉しくない人間は、もちろん居ないけど、
これは、人の万事を狂わす悪魔の囁きかもしれぬ！彼は冷静に踏みとどまっています。
もしも、彼一人だけなれば、歴史はきっと別の形になったのではないでしょうか。
金塊発見！一大ニュースなれば、人の口に戸は立てられぬ。まあ、世の掟。
サッターとしては、実に迷惑！余計な新聞の活字。ある朝、彼は大竜巻のド真ん中！
新聞業者のサミュエル・ブラマン（商人でもある人物）が余計な宣伝を！！
全米、全世界が騒然！！
紙面に踊った文字列。「サッターの使用人が、水車小屋で金塊見付だぞ！」
たちまち、わやくちゃ。悪夢のゴールドラッシュ。世界から、ならず者が馳せ参じる。
一部、当時の表現を借りるなれば、老いも若きも、善人も悪人も、終いに牧師も、
なにやら、猫もしゃくしも状態。ヨーロッパ中がスカスカ！状態になるんじゃないかの勢いで、
誰しも、ゴールドラッシュに加わった。
一攫千金の夢。ありとあらゆる人の野望。
たちまち、この地は、典型的な荒野のならず者の巣窟に化した。当然、殺戮も発生する。
サッターの敷地も、原住民達の暮らしも、命も滅茶苦茶・・・。
＿＿ 
★4★＿「折角の理想郷」が崩れ去る時
・■＿失われた楽園と天昇の時
それまでは、サッターは、豊かな水資源と、川が運ぶ養分を含み肥沃なデルタ地帯の特権を活かし、
水車小屋を建てて、粉をひいて、農業による理想郷、楽園創設を夢見ていたのだった。
ビジネス手腕に関して言うなれば、やはり、あいかわらず、上等とはいえない。
ここでも再び、金に失敗。騙されて損金を出したり、余計な回り道ばっかりやってはいるものの、
基本の精神は、けっして失っていなかった。それは、労働と恵みへの感謝、そして信仰。
ところが、運命は、悪夢の到来。金の発見。金は、それらを全て奪い去った。
人間達の醜さばかり露出した。
■かつて、ここに上陸した時、サッターが市民権を得たのはメキシコ。それは、上記のとおり、
1840年8月29日 。金塊事件は、サッターの意思と裏腹、国名まで変動させた。
■ゴールド・ラッシュのおかげで、サッターの敷地はわやくちゃ。
暴徒の巣窟、敷地は踏みにじられて、あっちでもこっちでも血が流される。
聖なる地をここまで侵されたのでは、原住の民はついに爆裂。1860年、彼らは反乱を起こした。
勇敢に挑んだはいいが、結果は、たちまち皆殺しにされて、戦士全員死亡。それだけじゃない。
村は追い討ちされて、全滅させられた。・・・（と1911年まで思われていた。後述）
サッターは、失意のもと、ペンシルベニアに退去。
ゴールド・ラッシュで失われた賠償として、確かに彼は政府から、毎月250ドルの年金を受け取った。
しかし、これで腹は収まらない。訴訟で粘り、1880年連邦政府は、ついにこれを認め、
もう時期、支払い金を得る段階だった。ところが運命は！
なんと、サッターは、その前に、死んでしまった。1880/6/18、彼は天の人！！
時に、サッター、77歳。
★5★＿それから、倅の世代
一方、サクラメントは、息子のオーガスト・サッターが引き続き、活躍。堅実に発展を手掛け、成功。
夢追い人の父、その姿を見て育った倅は、親とは正反対に、実に現実的で、計画的で、しっかり者。
嫁さん泣かせの男でなくて、正真正銘堅実派。サクラメントの偉人の一人といえる。
町の建造復興計画などにも積極的に動く。
その彼は、やはり随分父親と対立していた。この地のネーミングにせよ、父側は、
「サッターヴィル」と名づけたかったが、倅の説どおり、現在の「サクラメント」となったわけだ。
母を泣かせた夢追い人の父は、現実派の倅に敗れたことにもなる。
しかしながら、ここで、ひとつ、ほっとする事実がある。妻の情報は乏しいながら、
最後の段階に於ける妻の名は、無事、ナネッテ。確認の為に、当初の妻の名前は、「Annette Dubold」。
幸い、同一人物。金と余裕、知名度、こうなると、多くの場合、なんか知らない間に、妻の名前が、
変わってしまっている人物、随分多いが、どうやら、これだけは、一安心。
息子も、正真正銘、祖国で生まれて、一度、置き去りにされたあの時の子。
彼の長男、オーガスト・サッターは、サクラメントの地盤をきっちり固めた立派な男に育っていた。
◇もうひとつの史実「涙のネイディブアメリカン」（準備中、別途専用小特集）
上記文章中、 「1860年、彼らは反乱を起こした。たちまち皆殺し。村を追い討ちされて、
全滅させられた。・・・（と1911年まで思われていた。後述）」 部分についての別小特集。
頭が、こんがらがるので、別の頁にリンクを貼ります。真下のバナーからどうぞ。
▼
スイスとプロシア＆バタビア！植民地時代
関係なくバラバラ話が飛ぶように見えて、実は絡んでいます！
◇ここで、頭をくるりと大回天！！
現在頁の本題は、シュネルの追跡。当シリーズの展開が、サッターのクレメンタイン号のごとく、
大海を右往左往してますが、私が求める大陸はシュネル！！
サッターの軌跡と、出生の近隣環境を、ちょっと思い出してみてください。
今日も尚、謎だらけで、なんにも解らないシュネルの出生。
いろんな本に、幾つもの説があるけれど、どれもバシッ！とこれぞ史実と断定されていない。
プロシア人なんだか、オランダ人なんだか、それに加えて、随分スイス人が、身の回りに一杯絡む。
横浜時代の商売仲間。弟のエドワードが就任したのは、スイスの書記官。
若松コロニーメンバーと一緒にやってきたのは、 スイスのディーボル、（Dielbol）、24歳 。
若松コロニーは全壊ですが、彼、ディーボルによるワイン生産だけは、アメリカの地、実を結びました。
ところで、この苗字、 （Dielbol） 、似てるだけで、全然関係ないかもしれないけれど、
サッターの奥さんの旧姓は、（Dubold） 。色々、このように臭いはクンクン出てきます。
（直感的には多分。しかし掘り始めると長く脱線するので、これはまずは保留。）
世代が1つズレるけれど、サッターは、ことによると、シュネルの間接的キーマンになってくれる日が
あるかもしれない。シュネル出生は、一般的に1843、1844とか言われている。
一方、サッターは1803年生まれ。宣教師の群れに身を置いて冒険。
信心深いシュネルの軌跡、信心深いビアカンプ家先祖の軌跡。そしてカリフォルニア。
カリフォルニアに至る前の、アメリカ北側での軌跡。子孫や親戚の所在から、ルートが似ています。
シュネルの父は、いうなれば、世代としてはジョン・サッター時代。
シュネルの父の軌跡が、くっきり浮かび上がれば、自動的に噴出するはず。
ジクソーパズルの欠片のそのまた欠片。
▼ここに、多少ながら、シュネルに係るバタビア情報を掘ってありますが、さらに、
それを裏付けるもうひとつの欠片へ、当シリーズは、突き進んでゆきます！
■ 私の推測の一つとして：
シュネルは、「 Darnoslul（＝現在のJakarta＝当時のBatavia）のHenna」で生まれた！
もしくは、生まれは別でも、籍は当時のバタビアのままだったかのいずれか。
▲
シュネルに係るバタビア情報の理由発端
文章解説（ｃ）by rankten_＠piyo、
写真等、素材については頁下表示
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