HANNAのファンタジー気分

HANNAのファンタジー気分

March 13, 2007
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 前輪が出なくなっちゃった飛行機が、それでも見事に胴体着陸! というニュースをTVで見ました。高所恐怖症で飛行機の苦手な私には、ハラハラする映像。


 ・・・タイヤが出なくなった飛行機といえば、思い出すのは川原泉 『空の食欲魔人』 です。もう大昔の作品で、絵もシロウトっぽいのですが、そこがまたベタな味があるというか、親しみ深い感じがします(画像は最近の文庫本で、装丁などちょっと洗練されてます)。

 恋は川原泉のコミックスの場合、いつもかなり変則的な始まり方をします。「空の食欲魔人」も、パイロットとイラストレーターの恋物語、なんですけど、いきなり般若心経とお数珠の絵から始まったりして・・・
 幼なじみの二人はおやつを食べながら、

  「そろそろ結婚しない?」
  「な・・・なんで?」
  「それがさー/ある日ふとまわりを見わたしたら/おまえしかいなかったのなー」
                          ――川原泉『空の食欲魔人』



  「見よ! ムーミンのようにやすらかなこの寝顔」 ――『空の食欲魔人』

 おおらかで大食らいで、そのくせ優秀なパイロットである彼。
 しかしある日、彼の操縦する飛行機のラインディング・ギアが故障して車輪が降りなくなり、「現在、成田上空を旋回中・・・胴体着陸の可能性が高く・・・」などと、ニュースで聞いた彼女は、だまってオニギリを作り、空港へ急ぐのでした。

 結局、彼が計器を叩いたら車輪が降りたというウソみたいな話で事なきを得ますが、今日の事故機も、タッチアンドゴーをしてその衝撃で前輪を降ろそうとしたというのですから、「食欲魔人」のパイロットさんと似たようなレベルですよね。
 ・・・ともあれ、無事に着陸した彼がまず求めたのは、オニギリでした。

 世間からはピントのずれた、でも二人の間ではぴったり息のあったこのカップルのような人々は、実は世の中にいっぱいいるんだろうな、と思いたくなるような、心のいやされるお話でした。
 川原泉は去年、新刊 『レナード現象には理由がある 』 が出たそうで、読んでみたいと思っています。

 それから、もう一つ。今日のニュースのタッチアンドゴーの映像を観ていて、 『エロイカより愛をこめて』 (青池保子)のなつかしい 「九月の七日間」 (8巻あたり)を思い出しました。確か、ハイジャック機を操縦する羽目になったエーベルバッハ少佐が、犯人達を無力化するためにシャルルドゴール空港でタッチアンドゴーをするのでした。


 ニュースを見て古いコミックスにこれだけひたれる私ってどうよ?と、自分にツッコミを入れてしまいそうでしたけれども。





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Last updated  March 13, 2007 10:26:29 PM
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