1
私の浅はかな解釈では理解するに足らなかった、彼の詩がある。その詩は、彼の墓石に彫られているようだから、結構代表作に違いない。最近、担当教員にその詩の解釈をしてもらって、その意味深さに感動した。その感動の薄れないうちに、というか、忘れないうちに、ここに書き留めておこう。 Rose, oh reiner Widerspruch, Lust, Niemandes Schlaf zu sein unter soviel Lidern. 薔薇、おお純粋な矛盾、そのたのしさは、 なんぴとの眠りでもないこと、これほど多くの まぶたの下で。 この日本語、わっけわからない。 というか、およそ、日本語なのだろうか、そもそも? と疑ってしまう。 では、日本語の訳が間違っているのか? でも、ドイツ語のほうも同じく、今の私には 理解不可能。。。 担当教員(ドイツ人)に、「これは、日本語の問題ですか? それとも、先生もこのドイツ語理解できますか?」 と聞くと、あっさり、「私もこのドイツ語理解できません。」 と心強い?答え。 良かったー、私のドイツ語能力のせいでもあながちないのね。 と思っていたところ、 それでも、先生は、先生だった。 ちゃんと解釈の手ほどきをしてくれたのだ。 Lidern は‘まぶた‘ でも、この言葉は、‘歌・詩‘の意味のLiedern と同音異義語。 だから、言葉遊びになっているのだ。 (日本語の短歌にもありますよね! ‘天の橋立て まだふみもせず‘ ふみ=文=踏み ドイツ語でもこんな言葉遊びがあるんだ~!!おんなじねと うれしくなりました。) そして、その心は? Rose, oh reiner Widerspruch, Lust, Niemandes Schlaf zu sein unter soviel Lidern. 薔薇、おお純粋な矛盾、そのたのしさは、 なんぴとの眠りでもないこと、これほど多くの まぶたの下で。 ‘薔薇‘の花びらは‘まぶた‘のような形をしている。 そうして‘薔薇‘は、まぶたのようなものを 持ち合わせているけど、人のように、眠ることはない。 ここが、冒頭の、‘大いなる矛盾‘と書いた心の内。 眠らないくせに、まぶたを持っているのは、 矛盾しているのです。 そして、リルケはここで自分を‘薔薇‘に投影していて、 (随分美しく例えたものですこと!) リルケ自信も‘まぶた‘/ここで反転して‘詩‘を作る。 その詩も、薔薇が人の眠りに属することがないように、 他の人のものになることはないのだ! (その詩が他の人に捧げられたものであっても、 創り主である自分の魂を離れることはないのだ、) ということらしいです。 rein 純粋な Widerspruch 矛盾 Lust 気、たのしい気、やる気 niemandes 誰の~でもない Schlaf 眠り sein である、存在/ A sein B AはBである。A=B unter ~の下で soviel そんなに多くの Lidern まぶた(複数形)
2003年10月22日
閲覧総数 184