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2010年12月31日
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カテゴリ: 原子力

 こんにちは。

 原発反対派の中で昔の放射線管理の酷さをネタに今の原発反対を唱えている人がいるやうなので、経験者としていくつか。

 私は、平成4年に放射線作業従事者として登録、その後、当直研修も含めて10年位、現場工事監理の担当をやってました。

 主な担当は原子炉まわり。再循環配管、炉水浄化系、非常用系とその水源であるサプレッションチェンバー。液体廃棄物処理系も経験し、放射性廃液の流れ込む(←止められないので)タンクの中を点検のためにジャブジャブ歩いた事もあります。

 原子力発電所の保全部門として作業量が多くなるのは、運転中よりも定期検査時です。
 定検期間の一日は、その日のグループ内の作業内容の確認から始まります。
 前日の残件の報告や連絡事項について20~30分ほど打ち合わせの後、中央制御室に系統の状況を、協力企業に作業内容を確認します。

 その後、大抵はすぐに現場へ向かいます。

 現場で自分の担当する作業の進捗状況の確認や立会い検査の後、昼に事務所へ戻って昼食を済ませ、午後からまたすぐに現場へ入る事が多いです。まれに、作業工程の遅れで現場から戻れず、昼食抜きになることもあります。
 普通は一人で数多くの現場を担当しているため、一箇所にずっと留まることはあまりなく、一箇所につき30分~1時間くらい。あちこちの担当箇所を移動する(その都度着替える必要がある)ため、多いときには4つも5つも前面マスクやフードマスク、アノラックを持って行きます。

 「電力社員は検査の時しか現場に行かない」と思っている人もいるようですが、それは多くの場所を掛け持ちしており、一箇所あたりの時間が短くならざるを得ないため。 全然現場に入っていないわけではありません。

 通常は一人で複数の系統を担当しますが、原子炉内構造物の修理や大型機器の取替え、配管の改造、サプレッションチェンバー塗装などの大型工事がある場合には、その作業専門に担当者をつけます。 私もこれら大型工事の際には、朝から昼まで、昼から夕方まで、夕方から夜まで管理区域内に入り、そのうち半分の時間は前面マスクをつけて入っていました。


 24時間作業となる場合、作業者は2交代・3交代ですが、管理する側は必ずしもそうではないので、作業員よりも長時間管理区域に入っている事もあります。実際、一緒に工事を担当していた元請の担当者は毎日9時間以上入域し、一度は10時間を越えてしまいました。(私はこのとき9時間40分でした。危なかった。)


 17時くらいまでに現場から事務所へ戻った後、今度は翌日の作業内容の確認。提出される書類と全体行程、系統の水抜き行程を確認し、もし問題があった場合には直ぐに企業の担当者へ連絡して行程の変更や調整を指示します。


 17時半や18時からグループ内の会議。ここでは、その日の工事の進捗状況の報告と、翌日の計画の確認が行われます。

 機器が非常に多いため、各人の担当する検査や立会いの時間が重なってどうしても都合がつかない場合には、この会議でグループ内で割り振りして調整します。

 この時に工程との齟齬や手順の不備などの問題点が確認された場合には、翌日の朝のグループ内の会議までに調整することになります。 そのため、場合によっては問題解決に向けて企業の担当者と打ち合わせをすることもあり、深夜1時、2時まで調整することもよくありました。

 昼間はずっと現場、夕方(または夜)事務所へ戻ってきてから書類審査や打ち合わせ、必要があればまた現場へ、とこんな状態でしたから、時間外労働が月に100時間を越えることもざらにありました。

 定期検査においては、燃料交換がクリティカル工程として24時間で作業をやっており、これに会わせて(工程を遅らせないように)他の作業の工程が決められます。 何も問題がなければ順調に進みますが、例えば分解した機器に故障があったり、また水が漏れたりといった不適合事象があると、工程に間に合わせるために夜を徹して工場から車で部品を運んでもらったり、電力社員自らウェスで漏れた水の雑巾がけをすることもあります。

 実際、私も自分の担当する工事で水が漏れ、協力企業の皆さんと一緒に拭いて回った事があります。

 電力社員は被ばくが少ない・・・とも言われますが、必ずしもそうではありません。実際、私は被ばく線量が多いときは発電所全体の上から10位以内に何度も入りました。また、点検前の線量が高い状態で弁の操作やフラッシング(配管内の放射性スラッジ除去のために水を断続的に流すこと)操作を行うのは当直員ですから、当直員はいつも結構な量を浴びています。

 1日の被ばくが1mSvを超える作業を行う場合には労基へ事前に連絡する事になっていますが、今年、ある発電所で当直員がこれを超えてしまった事がプレスリリースでも報告されており、このことも「当直員は被ばく線量が多い」ことを裏付けるものです。

 確かに、数年に1回の大型改造工事になると1mSv超えを事前に労基に連絡して工事にあたり、協力企業の作業員の方が結構な線量(ただし規制値以内で)を浴びますが、通常の定期検査では必ずしも「協力企業の作業員が被ばくが多い」とは言えないと思います。

 そりゃ、業務上現場に入らない電力社員の従事者はたくさんいますから、平均すれば協力企業のほうがずっと多くなりますけどね。

  また、当直員は基本的に定期検査に関わるのが13ヶ月運転毎の停止の時だけ、保全部門は何回も定期検査があってもグループ内でローテーションを組んで被ばくの低減・平準化を行うのに対し、作業者は定期検査に合わせてあちこちの発電所を移動して作業を行うため、年間の被ばく線量は作業者の方が必然的に高くなりますけど。

 ここまでは自分の経験。 後で、実際にどんな管理をしているのか、線量低減のためにはどんなことをやっているのかを書きます。


 しかし、何が嫌って、まるで原発労働者が原発の被害者みたいに書かれる事。

 高校の同級生Nや別の同級生Yの親父、前に住んでいた場所の近所の人が請負企業にいるので、我慢できませんよ。

 昔はともかく、今は管理も設備も除染技術もまるで違うってーのに。






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最終更新日  2010年12月31日 15時59分43秒
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