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2012.08.30
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カテゴリ: 映画

DVD:"生きる"(2007年テレビ朝日"黒澤明ドラマスペシャル" 監督:藤田明二)

原作に極めて忠実なリメイク。時代のみ現状に合わせながらもセリフ、配役ともほぼ原作通り。脚本:黒澤明、橋本忍、小国秀雄となっているので当然と云えば当然。

先日(8/26)に黒澤明の原作を久々に鑑賞し、続けてこのリメイクを観たこともあり、全く同じと言って良いストーリーにも拘らず、原作の強引なまでの説得力と比較し、本作はテレビで時々ある"ヒューマンドラマ"的に所謂"お茶の間"向けドラマ。サラッと見過ごされてしまいそう。 何で?

(1) 黒澤作品は モノクロ画面の効果も含め、 極端な大迫力演出

(2) ミスキャスト。松本幸四郎は理知的過ぎ。市役所で黙々と30年無欠勤の、凡庸で一転思い詰め狂気じみる/30年勤務して、生きていればもう少し先のある年代=50~55歳(原作の時代設定なら定年が55歳なので45~50歳)…という役者は誰かなァ? もう一人のキーパースン、深田恭子の役ももっと若く、弾ける様に元気ハツラツが良い。

(3) 時代背景でのリアリティ薄弱化。取り組む課題が、吹き溜まりの様な空き地を児童公園にすると云うこと。原作の時代(昭和27年。私の誕生年)は、まだまだ復興の過程にあった時代。同じ問題が今より遥かに切実で、この空き地が子供の安全、健康に害が有り、また、遊び場所もない時代。子供たちの遊びの環境も変わり、遥かに恵まれている現代、増してやテレビ番組の予算で作ったショボい不法ゴミ捨て場程度では、住民がただのクレーマーに見えてくる。(この課題は(1)(2)でカバー出来そうだが)

名作のリメイクは、創るスタンスや目的が難しい。黒澤作品を例に採ると、このドラマ"生きる"と"椿三十郎"は原作に極めて忠実に造られているが、モノクロがカラーになったこと以外、何の為にリメイクしたのか判らない。

黒澤作品の中で私が最も好きな"隠し砦の三悪人"は、名前だけ借りて、全く違う作品にしてしまった。結果は駄作だが、この方がまだ可能性を秘めているだろう。

"荒野の七人"や"荒野の用心棒"は、舞台を全く変えて、名作となった。同じ作戦で"暴行"は、"羅生門"の味が出せず失敗。"ラストマンスタンディング"は"用心棒"が原作と謳わないで欲しい駄作。 比較的最近、テレビドラマでリメイクされた"姿三四郎"と"天国と地獄"、小栗旬の映画"多襄丸"(だっけ?)は未鑑賞。

私の好みとしては大々的にリメイクするのではなく、さり気無く原作の要素を取り込んだものが 黒澤監督への思い入れが感じられ ワクワクさせられる。

例えば、"ボディガード"で主役二人が映画館で"用心棒"を観る、とか、テレビシリーズの"踊る!大捜査線"の第1話が"野良犬"を暗示している、とか、"踊る!大捜査線the Movie"に"天国と地獄"の名シーンが出てくる、とか、テレビシリーズ"伝説の教師"で、病に侵された少女がブランコに乗る、とか。 逆に、大映映画"座頭市と用心棒"なんかは、三船の役を"三十郎"にしてほしかった。

草なぎ剛のTV連ドラ"僕の生きる道"のテーマは、完全に"生きる"と同じ。1クールの連ドラであること、設定が全く違うこと…で、"生きる"と違ったシミジミした名作になった。

ところで、随分前にトム・ハンクスで"生きる"をリメイクするという話が有ったが、立ち消え?

横浜港方向遠景 散歩道 P8280173.jpg






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Last updated  2012.09.01 18:15:36コメント(0) | コメントを書く


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