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網の中で、余裕を見せたかったのか、あぐらを組み、三毛猫は言った。「だからさ、夜中に厨房を荒らすのは止めろよ」アライグマは、あきれて答えた。「あのねぇ・・今、自分がどういう状況かわかってるぅ?」三毛猫は白猫と共に、ねずみたちを捕まえるために張った網にかかったままなのだ。「わ、わかってるよ・・だいたい・・」三毛猫はあさっての方向を向いて口笛を吹いた。「マスター、どうして起きてこないのかしら?こんなに明かりがついてるのに」白猫が不思議そうにつぶやくと、ねずみたちが歌うように言った。「♪マスターは眠る前にぶどう酒を一杯飲むんだ♪朝までぐっすり♪起きてこない♪」同じ顔がいくつも並んで同じ声。おそ松くんを思い出す三毛猫だった。そのうち一匹のねずみがテーブルの真ん中に立ち、叫んだ。「アライグマはかわいそうな奴なんだぞ!山に捨てられ人に追われ逃げる途中で兄弟もバラバラになっちゃったんだぞ!」「そうだ、そうだ!アライグマをいじめるな!」「ねずみはどうして飼ってくれないんだ!」「タイガース優勝ばんざーい!」チーズやウィンナーをかじりながら、ねずみは抗議をはじめた。「そういうわけだったのか・・」眠っていたはずのマスターが、柱の影から現れた。元・広島の監督の真似ではない。今夜はファンタグレープを飲んで、ねずみの目をあざむいたらしい。「おまえたち、行くところがないのか?」ねずみ語、アライグマ語、ねこ語を理解できるマスターは、一匹のねずみにたずねた。ねずみは、悲しげにこくっとうなずいた。もらい泣き状態の 三毛猫&白猫。「よし、わかった。ここで働いてくれたらいい」マスターはにっこり笑った。「え?」ねずみやアライグマに出来る仕事なんてあるのか?という疑問渦巻く空気を読んだのか、マスターは続けた。「ねずみくんたちは、発電機で走ってくれるかい?」大きな輪の中で走ると回転して発電する機械のことだが、学生時代、研究部だったマスターはねずみのために作るという。「僕はウエイターをしたいです」アライグマはさっと手を上げた。「天井ののぞき穴からテレビを見て、人間語は理解できます」マスターは感心した。「君は賢いんだな」アライグマは胸を張って言った。「手先も器用なんです。店のメニューもいくつかはつくれると思います」おお~!っと拍手が起こった。「ねずみの明かりに、アライグマのウエイターか。評判になるぞ」みんなが嬉しそうなので、三毛猫も白猫も、とても嬉しい気持ちになっていた。ねずみもアライグマも踊りだし、宴会状態へと突入してゆく。マスターもにこにことそれを眺めている。そして、三毛猫たちは早く網の外へ出たいと思っていた。数日後、マスターが三毛猫の家に訪ねてきた。「やあ、マスター。あれからどう?うまくいってる?」三毛猫が茶菓子をすすめると、マスターは目を細めてくしゃっと笑った。「みんな、よくやってくれてるよ。客といっても、この田舎じゃ、僕の知り合いばかりだし。大目に見てくれるから助かるよ。今日も、遊んできてくれって言ってくれたんだ」「アライグマ、よくやってくれてるじゃないの」緑茶を出しながら白猫が言った。「苦労してるからね」マスターが美味しそうに、茶をすすった。「やっぱり、苦労しないとダメだね」三毛猫が似合わないセリフをもっともらしくいったので、マスターと白猫は吹きだしてしまった。おわり
2005.09.22
深夜12時。三毛猫&白猫は喫茶店の厨房にいた。三毛猫はねずみの大好物チーズのかけらをばらまくと、ネットを張った「これでよし」大した作業でもなかったのに、汗を拭くようなジェスチャー&腰に手をあてる三毛猫だった。三毛猫 「ねずみがやってきたら、このヒモを引っ張る。一網打尽ってやつだ」白猫 「ねずみを追っかけるのはもう古いわよね」三毛猫 「数が多いからこの方がいいよ。ただひとつ問題が・・」白猫 「なに?」三毛猫 「ヒモ引っ張るの、手伝って・・」えへ(^^;)、と頼りなさげに笑う三毛猫のたるんだ腹を見て、白猫はうなずいた「わかった!」AM 1:00。 ねずみはまだ現れない。「まだかねぇ」三毛猫はすっかりゴロゴロしていた。マイねこじゃらしで遊びだす。「なんか来たわよ! でっかいのが!」白猫がおびえた声を出し、三毛猫はしゃんと起きた。体長40~50cmは、あろうかという、よく太った、尻尾の長い動物が、のそのそと暗い厨房に入ってきたまっすぐに冷蔵庫へ向かうと、扉を開け、ハム・ウィンナー・果物・魚・お菓子を抱えられるだけ抱えて、店内へと消えた。パッと店内の照明が灯り、テーブルの上に、さっきの大量の食材と、たくさんのねずみが輪になって、宴会でもはじめようかというノリでさわいでいるのが見えた。もちろん、さっきの大きな動物もいた。「こら、タヌキ!」三毛猫が怒鳴ると、そいつはキッと怒って、のしのしとやってくると、ヒモを引っ張った。ぐぃん♪「うそ~~!!」三毛猫と白猫は網の中から叫んだ。自分が仕掛けたわなにはまるなんて、お約束通りな展開だ!「ボクは狸じゃなくて、ア・ラ・イ・グ・マ! まったく、よく間違われるんだよねぇ」目の周りが黒いから間違われるんだよ、と三毛猫は心の中でこっそりつぶやくのだった。つづく。感想・こんな話だったら読みたいなど・よろしかったら書き込んでくださいね♪掲示板
2005.09.15
「今日の仕事はどうなってるんだ?」葉巻をくわえた三毛猫が、エプロンをした白猫にたずねた。「依頼が無いもの。昼寝でもしてたら?」「昼寝っていってもなぁ。もう、三日もそんな調子だし、これ以上寝たらばかになっちゃうよ」「すごく賢いときってあったっけ?」「うるさいぞ、そこ!」三毛猫ははずかしいのでとりあえず先生の真似をしていばってみるぴんぽ~ん♪「おっ、依頼か?」「はいは~い♪」白猫はうれしそうにドアを開けた深くチューリップハットをかぶった怪しげな男は「あのぉ、タワシ買ってくれません?」「げ!」(猫にタワシは必要ないと思う &今どきタワシ?)しばし沈黙 &あとずさり猫「な~んちゃって!冗談だよ。仕事の依頼に来たんだ」帽子をとると、初老の男はウインクした「なんだ~! 驚いちゃったじゃない! どうしたの?マスター」三毛猫もドアの横からひょいと顔を出した「お隣のよしみできてくれたのかな? なんにせよ来客は歓迎だよ。さあ、入って入って♪」喫茶店クローバーのマスター、健一(人間)は、最近ねずみに閉店後の厨房を荒らされてこまっていたのだ「ねずみ退治なら松坂だよ」三毛猫は胸を張って言った「18番でしょ」ちょっと恥ずかしそうに白猫がすべったギャグをつっこんだ「いやぁ、引き受けてくれてうれしいよ。けっこう頭の良いねずみで、てこずっていたんだ」健一さんは気にする様子もなく、上手そうにコーヒーをすすった。「喫茶店のマスターにコーヒーを出すなんて、おまえ良い度胸してるな^^」「それが奥さんの良い所じゃない^^」白猫は真っ赤になって「やだわ、いつもの癖で。でも、私のコーヒーは何点ですか?マスター^^」「奥さんは明るいから、満天だ」「天?点じゃなくて?」「そう、夜空一杯の星みたいにきれい」「まあ♪」「依頼料を負けてほしいなら、そういってよ^^」三毛猫が言うと「いいの?じゃあ、この鮭と鯛、どちらがほしい?」「両方!」というわけで、鮭と鯛を依頼料に、ねずみ退治に乗り出すのでした感想・こんな話だったら読みたいなど・よろしかったら書き込んでくださいね♪掲示板
2005.09.14
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