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うさぎ仙人

うさぎ仙人

2006年01月28日
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・・・夕闇が迫ってきたと思いつつ薄暗くなりつつある空を眺めていると、タバコをゆっくりと吹かす間も無く闇に包まれた。陽の落ちるのははやい。


 むかし資本論を読んだことがあったが、大部でもあり内容も詳細で難解で理解するまでいかなかった。(一知半解のままだ・・・もういいか)

 けれどマルクスの言うところを実践すれば、余程の大金持ち国家じゃなければ継続維持することは無理だろうことは理解できた。高度の生産性のある企業群を抱え資源も豊富で、当然人的資源も優秀で意欲的な人材が豊富で供給が続かなければ国家経済も続かないと。

 なぜなら国中のあらゆるものすべてを平等に、平均・平準化しようとすれば膨大な資源と資産を生み出す手段がなければ続かず、日本で例えれば大都会の東京と閑散とした地方の、あらゆる製品の価格を一律にし継続することなど到底不可能だから理想と現実を読み違えていると考えた。

 希望的理想論であって、計画・生産性・物流の現実の複雑さを統御することは神様でなければ無理なことで、これは夢想だと理解した。

 コーヒーを飲むのに大都会も田舎のお店も同じ値段で飲めることは嬉しいが、その価格差を埋めるために延々と差額を補填し続けることなどできないのですから、それが全製品について言えることなのです。

 ソヴィエトも74年間実験を続けたが無残にも多大な犠牲を払った末に、皮肉にも計画通り「計画経済」は破綻したのだった。残ったのは焦土。

 環境格差を埋めることができずに世界中の人々が呻吟し続けているが、いくら石油もさまざまな資源も世界一の埋蔵量を抱えていようと、人を物とか資源としか見ない思想の元では意欲は湧かないだろうし、特権階級以外のその他大勢の国民はついて行けないだろうネ。

 理想は必要だが現実との乖離を埋めるのに、人の命で購うなど人権蹂躙を繰返すだけだった、思いつきの理論の実践など何の意味もないことだ。



 アダム・スミスの“神の見えざる手”なんてのを知っていれば、人知ですべて解決できるなんて無謀な発想は生まれなかったかもしれないが・・・。

 そんなマルクスのことについて愉しめる一文を、以下。


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マルクスの当り馬券
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マルクスの言うことを聞いて「革命」を実行した男が何人かいた。ソビエト・ロシアのレーニン、中国の毛沢東、キューバのカストロ、ヴェトナムの偉い人(失念)。

だが21世紀はこれら共産国の失敗披露の過程である。世の中が資本主義では国民はテレビで総白痴化すると、大宅壮一(故人)と共に言い当てた所だけが当った。マルクスの当り馬券である。

100年前、日露戦争でラッパ手だったという祖父がよく言っていた。「犬は自分の食い扶持を背負えない」。犬は大食であるが、背骨が弱いから1日食べる量を背負うことは出来ない。そこへ行くと人間は自分で食べる分を稼ぐはおろか、何人分をも生産する能力を持っている。

だから人間を1人分の賃金で雇えば資本家は何人分をも儲ける事が出来る。これは爺さんが教えたのではなくドイツ生まれのユダヤ人経済学者カール・マルクスがロンドンの図書館で仕上げた「資本論」のエッセンスである。

私が間違って入った大学はマルクス信奉者なるが故に東大を追われて来た教授だらけだったので朝から晩までマルクスを叩き込まれた。



人間の欲は食欲と性欲しかないとすればマルクスは正しいが、残念ながら所有の欲、異性を独占したい欲、他人より幸せでいたい欲なども否定しがたい欲望である。だからソビエトは瓦解し、共産中国は!)小平による資本主義中国になって大発展を続けている。

ヴェトナムだって南を占領後、田地田畑を国有化したら途端に米の輸入国に成り下った。農民が生産意欲を失ったのである。驚いた共産党は田畑の所有権を農民に返した。

途端に米の生産高は飛躍的に上がり、元の輸出国に戻った。「所有」とか「支配」とかがいかに人間を支配しているか、人間とは悲しい生き物かを知れば、共産化は不可能と知るべきである。

私と違ってマルクスを信じた人たちは東京都知事選挙で石原でなくおばさんを担いで、がっかりした。担いでも駄目だということが分からなかったのである。70になっても分からないと言うことは永遠に分からないだろう。20の時から知能指数が進んでいない。

それはさておき、マルクスの言った事でたった1つ当ったことはブルジョワ新聞は大衆に迎合せざるを得ないから真実を伝えることは不可能だとの喝破である。また評論家大宅壮一はテレビは日本人の総てを白痴にすると喝破した。



イラクで日本人3人が人質になった事件で、独り1人気を吐いていたのは産経新聞だけであった。酔っ払いの友人が来て朝日はオカマ、毎日はインポ、読売だって腰抜けだ、憲法改正の元気はどこへやったと喚くから、まあ、そう怒りなさんなとなだめたが、真実は酔っ払いにあるかも知れない。各紙の論旨は腰が据わっているとは言いがたいからである。

テレビはすべからく世論なるものの迎合者に成り下った。ところがイラク問題だけは世論の方がまともなので新聞もテレビを戸惑った。久しぶりに世論が立ち直ったからである。

FM東京が若者を対象にアンケートを行った所、高校生の88%がイラクからの自衛隊の撤退の必要は無いと応えたそうだと、産経が報じている。そうだとするならマスコミは世論を読み違え世論に置いてきぼりを食ったのである。失態である。古舘何某の世論迎合ぶりは完全にずっこけた。

酷いのは私の古巣のNHKだ。はじめから自衛隊派遣反対をとなえなければ視聴料聴取反対運動が起きるとみたのか、「国際貢献」云々を殆んど無視した。

その上で人質事件が起きるや、何をとち狂ったか「可哀想、人命尊重」一点張りで、彼らを行くなと制止していた外務省のことなど、てんから無視し、事件を矮小化するのに懸命だった。腰が据わってなかった、と言うより腰が普段から無いのである。

事件は予想された。しかしマスコミはそれを軽視した。イラクでのアメリカのやることにことごとく反発する事が正義のような姿勢を執った。

そうした方が読者や視聴者の共感が得られる、抗議の電話が来ないと踏んだからである。ところが抗議は人質になった3人の無謀を攻めるものがほとんどで、同情論を圧倒した。

とくに「うちの息子を助けないで置いて、自衛隊は人道支援をしている、と言うのはおかしい」と言った北海道の少年の母親の言い分は世論を転換させるほどの力があった。

“一国平和の反戦教育”“自己中心主義”の最たる戦果を物語っていたからである。一時、政府部内に「やらせ」説が流れたのはこの発言が有ったからである。野党の主張をするために敢えて拘束に応じたのではないか、と。

人道支援を自衛隊はやりに行ったが、危険なところだから武器を持たない、一般人はイラクへは行かないで下さい、と政府は何度も警告を発していた。小泉首相によればその回数は14回に及んだと言うことである。

それでも行ったのは政府を無視したわけだが、命に危険が迫ったら、助けるのは政府だとは余りに勝手だ。政府とか国とかと軽く言うが、それはとりもなおさず私たち自身のことではないか。

マルクスの主義に従えばマスコミはすかさず同情論を展開しなければ視聴率を稼げなかったし、販売部数の維持は難しかった。ところが世論の反応は逆に出た。

「私の身体なんだから売ろうと曝そうと勝手じゃない」。援助交際の理論と同じ事を言って行ったのが3人だったことを親が証明して見せたので世論は「なにーツ」となった。

私の周囲でも初め、人質になった人や家族への同情論があったが、政府の制止を振り切ってまで行ったのに、拘束されたとなったら今度は政府のそれは責任だとする論理の展開に最初はあきれ、最後は怒った。寄せられるメイルもことごとく怒っていた。家人はテレビを見なくなった。

新聞週間が来るたびにマスコミは「真実」の自己防衛で化粧するが、真実は売れなければ単なる風説に過ぎなくなる。いつでもはたしてマスコミは真実を伝えているか。

「こう主張すれば世論の支持が得られるのじゃないか」という空論を打ち立て、その陰に隠れて視聴率を獲っているだけではないか。販売政策の押し売りではないか。

「真実の厚化粧」である。だからホリエモンに利用された。逮捕されたらされたでワイドショウを組んで利用している。マスコミから真実を汲み取る事は不可能だ。

マスコミに生きた事のある者だけに余計に腹立たしい。「ブルジョワマスコミ」に関する限り、マルクスの言っていることには説得力がある。(了)

                           渡部 亮次郎


               発行周期 不定期(原則日曜日行)
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・・・マルクスの予言が当たっているものもあるようだが、人の命を蔑ろにした理論も政策も試行することすら値しないことだネ。




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最終更新日  2020年01月28日 04時36分22秒
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