こなちゃん日記

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アロエベラとの出会い その2


東洋医学を扱っている都立病院を見つけ
そこで治療することを決めました。
それまで通っていた病院の主治医には
「ホルモン治療ではなく、東洋医学で治してみたいので」
と自分の意思を伝え、思い切って紹介状を
書いていただきました。
真っ暗闇の心に、ほんの少しだけ希望の光が見えてきました。
だけど依然として恐怖心はぬぐえません。

病院をあとにするとき、次々とまあるいかわいい大きな
おなかを抱えた妊婦さんたちとすれ違いました。
20代後半にさしかかりつつあった私は
彼女たちをみて、無条件でいいなぁと思いました。
ひとりぼっちでなんだか涙がこみあげてきました。

「同じ病院に来るにも、理由がこうも違うとは・・・」

私もいつか健康な体になって、大きなおなかを抱えて
この病院を訪れたいと切に思うのでした。

その翌々日、漢方で有名なその病院へ紹介状を持って行きました。
東洋医学科と産婦人科の両方を受診しなければなりませんでした。
診療代もかかりました。
まず産婦人科の内診では、がんの疑いもある感じがすると脅かされ
ショックで気を失いそうでした。
まさかこのあたしが!という感じです。
その足で同じ院内の東洋医学科へ。
ここには様々な病の方がいらしていました。
東洋医学の考え方は、どんな病も漢方で改善できるというもの。

体を温めるための薬、
月経痛を和らげる薬、
それと私の病に良いとされる薬を配合した
煎じ薬を頂きました。
これから、毎朝、毎晩、この薬をお鍋で煎じ、
飲まなければなりません。

この「自分で煎じる」という行為が
「自分で自分の体を治す」という自然治癒力を
促進させる力があるというのでした。
私はそのような自然な考え方がとても好きなので
やっぱり治療法を自分で選んでよかったと思いました。

それから、毎朝煎じ薬を土瓶で作りました。
決していいにおいではないし、時には焦がしてしまうこともありました。
はっきりいってとても手のかかることでした。
それでも、煎じてマグカップでゆっくり飲むとき、
真っ暗闇の心に少しだけ希望の光を感じることができました。

それから半年、その病院に二週に1度、午前休を会社にもらいながら
通い続けました。
結果は、よくもならないけど悪くもならないというものでした。

何十年かかって体を悪くしてきたのだから
治すにもそれなりの時間がかかるという考え方があります。
自分で悪くしてしまった体を、強い薬を飲んで
早く治してしまおうとするのは人間のエゴであるということを
学ばされました。

食べ物にもものすごく気を使うようになりました。
野菜は農薬の少ないものを、外食はしたけれども質の良いもの、
お昼のお弁当は、会社にきちんと作って出かけました。

とにかく根気よく、自分で治すしかないと思ったのです。

このときの私には、まだアロエはやってきてはくれませんでした。

(つづく)

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