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"Pet Cheetah" “ ペットのチーター ”
I am on an island, no one to confide
Eight days straight, eight hours each and not one line
I can feel pressure start to possess my mind
So, I'll take this beat I should delete to exercise
悩みを打ち明けられる人もいないこの孤島に1人きり、
毎日8時間8日間ぶっ通しで頑張ってみても
歌詞は一言も思い浮かばない。
少しづつプレッシャーにとりつかれてゆくよ。
練習してやろうじゃないか 。
No, I move slow
I want to stop time
I'll sit here 'til I find the problem ×2
できるなら時を止めたいよ。
何かおかしな所を見つけるまで
僕はここにいるのさ。×2
I've got a pet cheetah down in my basement
I've raised him, and bathed him
And named him Jason Statham
I've trained him to make me these beats
Now my pet cheetah's quicker in the studio than on his feet
僕は地下にチーターを飼ってるのさ。
Jason Statham と名付けたそいつを
この手で育て上げ風呂にだっていれてやり、
こんな曲を作れるように訓練もしてやったんだ。
その足で駆け抜けるよりも速く
曲を作るようになったのさ 。
I'ma get mine and get going
I'm showing my faces in just enough places
I'm done with tip-toeing, I'll stay in my room
My house is the one where the vultures are perched on the roof
Get behind me, I bet this nepotistic mindset
Will help us get ours as we're growing
This clique means so much to this dude
It could make him afraid of his music
And be scared to death he could lose it
僕もチーターと共に走り出す事にするよ。
必要な場にだけ顔は出すけど、
もう周りの顔色を伺うのは止めにするんだ。
あとは自分の部屋にこもってやる。そうさ、
ハゲタカが屋根にとまってるのが僕の家さ。
こんな身内贔屓が僕らだけの意味を作るのに役立ってくれるはずさ 。
この clique はこいつにとってこんなにも大きな存在で、
自分が生み出した音楽をも怖れさせ、
彼らを失うかもしれない可能性に怯えさせるんだ。
No, I move slow
I want to stop time
I'll sit here 'til I find the problem ×2
いいや、ゆっくり進めるよ。
できるなら時を止めたいよ。
何かおかしな所を見つけるまで
僕はここにいるのさ。×2
解説
2009年ににデビューアルバム , 2011年に Regional at Best, 2013年に Vessel, そして2015年に Blurryface と、きっかり2年おきにアルバムを発表してきた Twenty One Pilots ですが、2018年に発表されたニューアルバム Trench は公式活動を一切控えた1年間を含め制作に3年ほどかけています。これについては、前作 Blurryface で急激に知名度が上がってからはライブや授賞式に参加するため世界中駆け巡る忙しい日々が続いたというのもありますが、それ以上に制作に専念するため、そしてファンだと言う人達のうちどれだけの人が残ってくれるのか試すためでもあったとドラマーの Josh は インタビュー で明かしています。 Twenty One Pilots は自分の心の闇と向き合うために曲を書き始めた Tyler が高校時代の友達とバンドを組み地元オハイオ州のライブハウスで細々と演奏し始めたそのたった6年後にはヨーロッパ、アジア、オセアニアなど各地で大勢のファンの前で演奏するという、すごい勢いで成長してきたバンドでもあります。うなぎ登りの人気を見るとバンドとしては絶好調のようにも思えますが、いままでは自分のために作っていた作品をこれからはプロとして世に出し続けなければならなくなった事に対する悩みや葛藤はレコード会社と契約し始めた頃から繰り返し歌にされており、この曲にはヒット曲をいくつも生み出した前作から次のアルバムを制作にするにあたっての不安と意気込みが込められています。
まず歌詞の最初の部分を見てみるとどうやら Tyler はスランプに陥っているようで、曲を書かなきゃいけないというプレッシャーにやられそうになっています。プロとして常に新しくより良いものを作らなきゃいけないというプレッシャーは計り知れないものですが、それに対し Tyler は「それなら消すつもりのこの曲を使って練習してやろうじゃないか」と続きます。実際にこの曲は他の Twenty One Pilots の曲とは全然違う雰囲気を纏っており、この中毒性の高い曲は「もう周りの顔色を伺うのは止めに」したともある通り Tyler の好きなように作った結果である事が分かります。多くのファンを抱えヒット曲もいくつも書いた Tyler ですが自分の作品に対する自信のなさについては度々語っており、「いいや、ゆっくり進めるよ」で始まる部分は完璧主義者な Tyler が周りがいくら良い曲だと言っても信じ切れず直せる部分を探そうとスタジオにこもりきる様子が浮かんでくるようです。
次にチーターの存在ですが、これは Tyler の曲作りのプロセス、あるいは作曲家としての Tyler を表していると私は考えてます。実際に彼の家の地下室には曲を書き編集するためのスタジオがあり、外の世界から遮断されてるようにも思えるそこで Trench 制作のために多くの時間を費やしたと インタビュー でも語っています。「(チーターを)この手で育て上げ風呂にだっていれてやり、こんな曲を作れるように訓練もしてやったんだ」という部分からは彼の作曲の才能は一夜にして開花したのではなく、時間をかけ育てきた結果である事が読み取れます。 Jason Statham というのはワイルドスピード(原題 Fast and Furious )というシリーズ物のカーレース映画に出演する俳優の名であり、スピードで有名なチーターに相応しい名前と言えなくもないですが、 ”I've raised him, and bathed him and named him Jason Statham” というラップ部分はだいぶ昔に書いたフレーズであり、いつか歌詞に組み込めないかと考えていたものがちょうどこの曲にぴったりはまったのだと Tyler は インタビュー で 話しています。「おかげで今じゃ僕のチーターはその足で駆け抜けるよりも速く曲を作るようになったのさ」と続く部分は、努力の結果良い曲が作れるようになったという意味もあると思いますが、バンドの急成長やそれに伴う期待の大きさを思うと次から次へと曲を書き続けなければならないというプレッシャーに頭を悩ませているのだとも読み取れます。それを踏まえて「いいや、ゆっくり進めるよ」の部分を見ると、そんなプレッシャーに負けず自分の納得のいく曲ができるまで発表しないんだと言っているようにも聞こえます。そうすると「できるなら時を止めたいよ」というのはアルバム制作に余分に一年かかってしまった事について言及しているのでしょうか。
次の「僕もチーターと共に走り出す事にするよ」というのは曲作り、特に「もう周りの顔色を伺うのは止めにする」とあるように自分のしたい曲作りに集中するという事でしょう。そうすると「自分の部屋にこもってやる」というのは曲を書くためにスタジオにこもってやるという意味だと分かります。けれど、この部屋はスタジオという現実世界の場所だけでなく、想像上の場所も表していると考えられます。前作では Blurryface というキャラクターを作り出したように Trench で Tyler は DEMA という世界を作り出しそれを基にストーリーを展開しており、この DEMA にはハゲタカが死者をついばみに来ることが分かっている事から「ハゲタカが屋根にとまってるのが僕 (Tyler) の家」でありその家の「部屋にこもってやる」というのは DEMA の世界観にのめり込んでいる状態だとも取れます。この インタビュー で は Tyler は DEMA というアイデアを思いついてからは他に何も考えられなくなるくらい無我夢中でその世界を作り上げてきたと語っており、 DEMA 自体が何を表すのかは明言していないものの何かしら彼にとってとても重要なものである事が分かります。
「僕の後ろに立って見ててくれよ、僕らが有名になっていく間こんな身内贔屓が僕らだけの意味を作るのに役立ってくれるはずさ」と訳した部分は、珍しく主語が全然なくてはっきり言ってこれで訳合ってるのかも自信ないです。それでも、いろいろ調べてたくさん考えた上で一番納得のいく訳&解説を書きます。最初に書いたように Twenty One Pilots は知名度も人気も急上昇しているバンドですが、 Tyler が彼の頭の中を包み隠さず歌にしていた初期の頃に比べ Blurryface や Trench 中の曲には隠喩や過去の曲の引用、そしてファンにしか分からない暗号といったものが多く含まれるようになってきており、「 僕らだけの意味を作る 」というのはそんな風に彼らの曲をただ聞いただけの人と他の曲も聴きこんでいるファンとでは読み取れる情報量を変えている事について話しているのだと思います。「身内贔屓」というのは家族のことかとも思いましたが、直後にファンについて話す事と、ただ単にファンと呼ぶのではなく clique という元々は派閥や集団を意味する彼らの昔からのファンの呼び名を使っている事から身内というのはそういったコアなファン達のことであり、「僕の後ろに立って見ててくれよ」というのはこんな風に彼の考えている事を想像し Trench で語られる深い物語を完成させてくれという意味なんじゃないかと思います。 DEMA についてはまた後日書きますが、同アルバム中の ”Chlorine” では「散りばめられたヒントから僕の家を組み立ててくれないか?僕はほんの一部でしかないんだ」とも歌っており、謎解きゲームのように語られるその物語を皆の手で完成させてくれという Tyler の訴えも目を凝らせば様々なところに見えてきます。
"Legend" 和訳&解説 2018.11.18
"My Blood" 和訳&解説 2018.11.15 コメント(2)