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その当時 と言っても昭和10年ではなく40年代の後半だったはずですが、テレビでやっていたCMで 着物を着た女の子が鞠つきをしながら童歌を歌っているのがありました。
あまり自信はありませんが京都の呉服屋さんのCMだったような気がします。
その童歌は京の通りの名前を覚えるための歌、丸竹夷二押御池 姉三六角蛸錦 というあの歌です。
私はその歌詞にそんな意味があるとはつゆ知らず、あまり抑揚のない単調な節とも相まって 永遠にいつまでも続くようなそんな恐ろしい様な気になったものでした。
恐ろしいながらも魅せられたのが、その当時の私には意味のない言葉の羅列としか思えなかった歌詞でした。
今の私なら間違いなくシュールと評したであろう感覚を初めて味わったのでした。
ですから後にこの歌の本当の意味を知ったときはなるほどという感じと共に 少なからずがっかりしました。
うん、あれは怖かった。
そのなんというか 誰に聞いても、何が怖いねん 怖いことなんか有らへん。と言うところから来る 誰にも分かって貰えない、言えない感覚。
日常に潜む怖さと言うんでしょうかねぇ。
今 怖いのは、いつの間にか自分も怖いことなんか有らへんと言う側に回ってしまったことでしょうか。