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2013.02.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
からだに取り込まれた薬は、そのままの形で排泄されるものもありますが、大部分は肝臓で分解され、一部は胆汁とともに糞便中に、残りのほとんどは腎臓を通り尿としてからだから出て行きます。高齢者といっても、75歳くらいまでの前期高齢者では、成人と同じ量の薬を使用しても問題はありません。しかし、肝臓や腎臓の機能は75歳くらいから急激に衰えますので、この頃より、薬の使い方を注意しなければなりません。高齢者では、肝血流量が成人に比べて40%くらい低下しているといわれています。また、薬物代謝(分解)酵素の働きも悪くなっています。したがって、薬の作用が強く現れ、副作用が出てしまう危険性があります。アルコール類も肝臓で代謝されますので、薬物治療中にアルコールを摂ると、肝臓に負担をかけてしまいます。

薬の排泄能力の指標として、クレアチニンクリアランスという検査があります。この値は、80歳の高齢者では30歳の成人に比較して約50%になります。したがって、腎臓の機能が正常でも、高齢者では薬の排泄能力は低下していると考える必要があります。腎機能が悪い場合には、より注意して薬の使い方を考える必要があります。MRSA感染症(抗生物質が効きにくい細菌による感染症)では、塩酸バンコマイシンという抗生物質を使用します。この薬は、高齢者や腎機能障害者では血液中の薬の濃度が高くなりやすく、腎機能障害などの副作用が心配されます。一方、ある程度、薬の血液中の濃度を上げないと効果が現れないため、慎重に薬の使い方を検討しなければなりません。実際の症例を以下に示します。

塩酸バンコマイシンは、点滴直前の血中濃度がいちばん低いところ(トラフ値)が 10μg/ml、点滴終了後1~2時間の血中濃度がいちばん高いところ(ピーク値)が25~40μg/mlになるように、薬の量や点滴を行う間隔を調節して使用します。患者様の年齢、性別、体重、血清クレアチニン値をもとに、ノモグラムという計算尺により、1日に使用する塩酸バンコマイシンの量を求めたところ、790mg/日となりました。高齢であるため、朝1回、750mgを1時間か けて点滴することにしました。 塩酸バンコマイシン開始3日目に血液中の薬物濃度を測定したところ、トラフ値が 5.4μg/ml、ピーク値が 22.3μg/mlでした。これをもとに解析し、1回の使用量を1,000mgに増量することにしました。その結果、トラフ値が 8.2μg/ml、ピーク値が30.8μg/mlと適切になり、副作用もなく症状は改善しました。

通常は、薬ごとに調剤して、それぞれ薬の袋へ入れます。薬ののみ間違えをなくすためには、のみ方ごとにまとめて調剤(一包化調剤)する方法があります。いろいろな薬が一袋に入ってしまうため、どの薬が何に効く薬かわかりにくくなってしまいますが、服用間違えの予防には有効です。高齢者の薬による事故のひとつに、薬をパッケージから取り出さずに、そのままシートごと飲んでしまうというものがあります。そのため、最近の薬は、錠剤やカプセルがひとつひとつ簡単に切り離せないようになっています。また、錠剤のシートの裏面には、錠剤をシートから取り出してのむように注意書きが書かれています。
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最終更新日  2013.02.21 11:59:36
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