5 おん えらんど  4 ちゃいるど

5 おん えらんど  4 ちゃいるど

March 12, 2005
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カテゴリ: TRPG
 血が騒ぐ夜だった。空邪は、スラム街をうろうろと歩く。


血が熱くいてもたってもいられない。そんな感じが体を支配している。


おかげで少しもじっとしていられない。

体を動かしていなければ落ち着かない。

だけどそれだけでは物足りない。

おかげでずっとスラム街をうろうろしている。

日に焼けた褐色の肌、唇から覗く鋭い犬歯、野生的な印象を与える顔、さらに素足
のままアスファルトを歩く空邪の姿は、まるで獲物が見つからずいらついている獣のようだった。

空邪がふと足を止め真正面を見据える。


いた。

吸い寄せられるように空邪も人だかりに近づいていった。

人だかりをかきわけて最前列までやってきた空邪の眼に飛び込んできたのは戦っている二人の男だった。

周囲の人だかりはこの戦いを見守るギャラリーだ。

拳が相手を打つ度にギャラリーから歓声と怒号が飛び交う。

ここは、バイパーズストリート。

スラム街にあるストリートファイトのメッカだ。

昼は、みすぼらしい通りだが夜になるとどこからともなく腕に覚えがある者達が集
ってくる。

そして戦いが始まる。

決まっているルールは、一対一であること。



当然のように賭けも行われている。

 片方の男がアスファルトへと崩れ落ちた時、空邪の口からも自然と歓声が上がっ
ていた。

血は、さらに熱くなり沸騰寸前だった。

胴元が次の相手を求める声を聞いた時、自然と足は前に出ていた。



「やる。 やる」

胴元の心配そうな声も意に変えずことなく空邪は頷いた。

「死んでも知らねぇぞ? いいんだな?」

「いいから早くやろう」

もう待ちきれないとばかりに空邪が胴元を急かす。

「あー、誰かこの坊主の相手をしてやるって奴いねぇか?」

胴元は、投げやりに相手を求める。

「おう、俺がやってやるぜ」

観客の中からアロハシャツを着た男が前に出てきた。

どこにでもいるような軽薄そうな男だった。格闘技経験があるようには見えない。

街の喧嘩屋と言ったほうがぴったりくる風体だ。

口にはにやにや笑いが浮かんでいる。もう勝ったつもりでいるのかのようだ。

「短い付き合いだと思うがよろしくな、坊主。俺は、アレンってんだ」

「坊主じゃない、空邪だ」

気安げにそう言うととアレンは、空邪の対面に立つ。

「ルールはどうする?」

胴元が空邪とアレンに尋ねる。

「簡単なのがいい。あんまりいっぱいルールあると覚えれない」

「じゃ、何でもありだな。俺は構わんぜ」

「それでいいか?」

胴元が空邪に確認を取る。

「何でもありって何してもいいのか?」

空邪が胴元を見上げて尋ねた。

「そうだ」

胴元が頷く。

「じゃ、それでいい。何してもいいってわかりやすいな」

空邪が犬歯をむき出しにして無邪気に笑った。

これから戦う恐怖を微塵も感じさせない笑顔だった。

胴元が賭けを始める。賭け金は、圧倒的にアレンの方に集っている。

中にはアレンの勝利が決まっていると信じて空邪が何分持つかに賭けてる者もい
る。

浮浪児にしか見えない空邪に賭けようという物好きはほとんどいない。

大穴狙いで空邪に賭けている者は何人かいるくらいだ。

賭けが終わり胴元が空邪とアレンの間に立ち手を上げる。

「ファイト!」

その声と共に手を振り下ろす。

アレンが拳を上げファイティングスタイルを取る。

一方の空邪は、まるで獣のように両手をアスファルトにつけ前傾姿勢を取る。

まるで獲物に飛びかかる猫科の動物のような姿だ。

「はっ!びびってんのか?坊主?」

アレンが空邪を挑発するかのように笑う。

空邪の手と足が力強くアスファルトを蹴り一気にアレンの懐に飛び込む。

そして一直線にアレンの喉元に犬歯を突きたてる。

同時に自分の全体重をアレンの体にかけアスファルトに倒す。

犬歯で頚動脈を噛み切り口腔全体で気道を圧迫する。

アレンはおろか胴元、観客も何が起こったのかわからず静まり返っている。

あまりの事態に一同あっけにとられている。

搾り出すような悲鳴とともにアレンが何度もアスファルトを手で叩く。

アレンの顔にはありありと恐怖が浮かんでいる。

股間付近のアスファルトが濡れていく。

「ストップ! ストップだ!」

ようやく我を取り戻した胴元が止めに入る。

空邪の体を叩き勝負が終わったことを知らせる。

空邪は、何度か体を叩かれてようやくアレンの喉から離れた。

犬歯は血で真っ赤に染まっていた。

空邪は、舌でぺろりと口の付近をなめる。

アレンは、担がれるように闇医者へと運ばれていった。

観客からは怒号とブーイングが起こる。

空邪は不思議そうに周りを見渡した。

胴元が恐る恐る空邪に近づいてきた。

「何でもありって言ったがよぅ噛みつくとは思わなかったぜ」

「何でもありって何してもいいんだろ? だから噛みついた。
これが一番強い」

空邪がさも当然といった顔で答えた。

「そういう問題じゃないんだよ。このままじゃ収まりがつかねぇぜ、こりゃ」

胴元が大げさなジェスチャーで観客を示す。

ブーイングに混じって金返せと言った声も聞こえる。空邪は、平然としている。

「こっちにルールの不手際があったのも事実だ。

そこんとこをはっきりさせてもう一回戦う気があるか?

そうでもしないと観客が収まらん」

「もう一回やっていいのか? やる。やる」

うれしそうに空邪は答えた。アレンとの戦いは、物足りなかった。

血は、静まるどころか逆により熱くなってしまった。

もう一度戦わないと収まりがつかないだろう。

 観客に混じっていくつもの鋭い眼が空邪を見つめる。

「噛みつくとはな、面白い奴だ」

「まるで獣ですね」

「いいねぇ、獣。人間相手は、やり飽きてたところだ」

「次の相手探してるぜ、誰が行くよ?」

血が騒ぐ夜はまだ終わらない。

-続く-
血が騒ぐ夜に 第二話 -トーキョーN◎VA SS- に進む





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Last updated  April 4, 2005 09:34:21 AM


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玄盲斎@ スポーツの試合アクト  子供の言ってるアクトか判らんけど、ス…
玄盲斎@ ゾロ 確かに気になるな、この映画w 見たいね…
MERU@ テニヌwww 心当たりが1人しかいません、本当にあり…
子供の御使い @ Re:TV版アストロ・・・(12/01) >ちゃん様さん キミの言葉によって彼が…
MERU@ すごいアクトですね ゲラッゲラ笑わせてもらいましたw そ…

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