5 おん えらんど  4 ちゃいるど

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April 20, 2005
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カテゴリ: TRPG
 ブラックハウンドのオペレーターは、困っていた。

「ねーちゃん、いる?」

浮浪児にしか見えない少年が受付を覗き込むように尋ねてきたからだ。

どう応対すべきか判断に迷う。

ブラックハウンドで働く警官の給料から考えて浮浪児のような弟を持つ
警察官がいるとは思えない。
だが万が一ということもあるし家族にしかわからない複雑な事情があるのかもしれない。

とりあえず彼のいう姉の名前を聞いてから対応しても遅くはないだろう。

オペレーターは、少年から姉の名前を尋ねた。



彼が言った名前は、ブラックハウンドでも上の地位にある人間の名前だった。

 ブラックハウンド軌道捜査課。

鉄の規律で縛られたブラックハウンドの中にあって唯一、独断専行を持って捜査を
行う権限を持った課である。

重犯罪の初動捜査を担当し事件の解決率も高い。

この課を束ねるのが課長の千早 冴子である。

アイスハウンドのあだ名を持ち論理的な性格に驚異的な判断。推理力を持つ優秀な人物である。
人当たりも柔軟で部下達からの信頼も厚い。

冴子は、今日も手を止めることなく次々と仕事をこなしていた。

机の電話が鳴り冴子は仕事の手をとめ受話器を取った。

「軌道捜査課の千早警部です」



受話器の向こうからやさしそうな女性の声が聞こえてきた。

「ご苦労様です。どういった用件ですか?」

冴子は、即座に何かの捜査協力かしら?と考えをめぐらし適合する事件があるか頭の中で探し始める。

「ええと、千早警部には弟さんはいらっしゃいますか?」

「どういうことでしょうか?」



この巡査は、いかなる理由で尋ねてきたのだろうか?

その理由を推理し始める。推理が終わる前に巡査がその答えを出してくれた。

「いえ、千早警部の弟と名乗る少年が来たそうで。
その・・・身なりが身なりでしたんでこちらで保護しています。」

冴子が再び考えをめぐらす。

確かに義理の弟は何人かいるがみんな身なりはしっかりしている。

身なりがしっかりしていなかった義弟が一人いることにはいたが今は行方不明だ。

その一人は、もう生きてはいないだろうと判断している。

「その子の名は?」

「くうやと名乗ってますが・・・心当たりがおありで?」

冴子が僅かに眉を寄せる。

その名前は、生きていないだろうと判断した義弟と同じだ。

「どういう漢字を書くかその子に聞いてもらえますか?」

偽者ならここで馬脚を現すだろう。

なぜならその義弟は、漢字を書くことはできない。

代わりに漢字で名前を尋ねられた時は仕草で自分の名前を示す。

その義弟の世話を焼いていた義姉の一人がそう教え込んだからだ。

これは家族の間でしか知られていない。

「尋ねてみたら天井と自分の歯を指してますがどういうことなんでしょう?」

間違いない。義弟の空邪だ。冴子はそう判断した。

天井を指しているのは空の字を、自分の歯を指しているのは邪の牙の部分を表している。

まさか生きていたとは。思わぬことに僅かに口が綻ぶ。

「お世話をかけました。その子は、私の弟です。
今からそちらに向かいますのでそれまでよろしくお願いします。」

「そうですか。わかりました。それでは失礼します」

冴子は受話器を置くと即座に部下を呼んだ。

そして残務の指示を出すと席を離れた。


冴子が生活安全課の扉を開けた。

冴子の姿に気がついた巡査が敬礼をする。冴子も敬礼を返す。

「ご苦労様です。それで空邪は、どこに?」

ご案内します、と巡査は、冴子の前を歩き取り調べ室へと案内した。

取調室の扉についている覗き窓から冴子はそっと中の様子を見る。

冴子の目には床に猫のように丸まりすやすやと眠っている空邪の姿が飛び込んでいた。

机の上には、ジュースが入っていたと思われる空のコップが置いてある。

ジュースを飲んでから待ちくたびれて眠ってしまったのだろう。

冴子が扉を開き取調室に入った。

空邪は扉の開く音に反応して目を覚ました。

首を伸ばして音のした方向に目を向ける。

空邪は、冴子の姿に気がつくと机を飛び越え一直線に冴子の元にやってきた。

「ねーちゃん。ねーちゃん」

「空邪!」

久しぶりに見る義弟の姿は、最初に会った時とほとんど一緒だった。

ボロボロで汚れた衣服に野性味を帯びた風貌、そして日に焼けた褐色の肌。

口元から覗く鋭い犬歯もそのままだ。

昔と違う所は少し背が伸びたことくらいだろう。

だが猫背のためあまりそのことを感じさせない。

「ねーちゃん、ただいま」

「お帰り。空邪」

冴子は、優しく微笑んで空邪の帰りを喜んだ。

空邪もつられて笑う。少し照れくさそうな笑いだ。

「雅之義兄さんへもあなたが帰ったことを伝えないとね」

「にーちゃん、今どこにいる?」

「アーコロジーにいるわ。行きましょう」

冴子は、空邪を連れて生活安全課からでると駐車場に向かった。

―続く―

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Last updated  April 21, 2005 01:04:44 AM


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玄盲斎@ スポーツの試合アクト  子供の言ってるアクトか判らんけど、ス…
玄盲斎@ ゾロ 確かに気になるな、この映画w 見たいね…
MERU@ テニヌwww 心当たりが1人しかいません、本当にあり…
子供の御使い @ Re:TV版アストロ・・・(12/01) >ちゃん様さん キミの言葉によって彼が…
MERU@ すごいアクトですね ゲラッゲラ笑わせてもらいましたw そ…

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