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《十条銀座散歩とピクニック》


2008.05.30
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《スピッツ結成20周年にあたり、結成からの足跡を辿る貴重な書き下ろし。彼らがめざしてきたこと、守ろうとしてきたこと、愛してきたものは何なのか。今や日本を代表するロックバンド・スピッツが結成されたのは1987年。いまからちょうど20年前だ。だがスピッツには“前史”がある。リード・ヴォーカルの草野マサムネとベースの田村明浩が出会ったのは1986年。地方から上京した彼らは大学で出会った――。その後空前のバンドブームの渦中で独自の日本語ロック路線を突き進む。その後のメンバー間のギャップ、そして迎えたブレイク――。四人のそれぞれの胸に去来するスピッツへの思いとは。四人の語りで構成する貴重な一冊。》 ~Amazonより~

出張という名の“旅”で、持っていった本が『旅の途中』というスピッツ結成20周年にあたって発刊された彼等の歴史本です。3か月前に購入していてまだ読んでいなかったので、この機会に読み切りました。

インディーバンドからスタートしたものの、アマチュア精神の甘さと、音楽的な限界が描かれた第1章第2章。

その中で、他の3人から草野マサムネに対する評価が絶対的だったのが強く印象に残りました。

メロディーにうまく乗った言葉にはインパクトあるし、耳に残る。草野の歌詞もそんな感じだった。だから、歌詞の意味について草野に聞くようなことはしなかった。意味を考えるより、曲そのものを感じることのほうが自然だったから。~田村明弘~

マサムネの作った曲は、歌詞がどうとか曲がどうとかじゃなくて、トータルとして恥ずかしくなかった。マサムネのボーカルも含めて、自然に聴けたことを覚えている。~三輪テツヤ~

スピッツの曲を最初に聴いたとき、素直に「いいなあ」と思えた。身体の中にすっと入ってくる、歌詞やメロディーが最初から好きになれた。演奏は下手で笑えるけど、マサムネの詩と曲は笑えない。独特の世界が最初からちゃんとあったからだ。~崎山龍男~

バンドブームに乗っかって『イカ天』への出演という方法があったものの、バンドの個性と合わないと判断し、出演を断ったというエピソードも。メジャーデヴューへの不安は今も昔も変わらない。メンバーを入れ替えられたり、ファッションを変えられたり、曲を差し替えられたりとかありますが、冷静に分析していたスピッツの4人。

第3章はメジャーデヴューから初期三部作期の話。

メジャーデヴューしたものの、スピッツのインディー精神は変わらなかった。

メジャーデヴューしたからって、無理して売れようとは全然思っていなかった。たとえば誰かがライドのCDを持ってきたことがある。ライドがやっていた音楽は、その後のオアシスとそれ以降のブリティッシュ・ロックにつながるロックで、当時の日本のメジャーな音楽シーンとはまるで関係のない世界だった。それが俺たちスピッツに近い音楽だと思っていた。~草野マサムネ~

これはインディー・ロックやブリティッシュ・ロックの精神がマサムネのロックのルーツだったとも取れる嬉しいコメントですね。

しかし、メジャーデヴューによりスタッフの懸命さと熱意に迷いが生じてきた草野マサムネは、売れると言うことに自問自答するようになっていった。“なぜスピッツは売れないのか、売れるってどういうことなのか”と……。



初期三部作まで、スピッツがやっていたのは、聴く人を選ぶ音楽だった。そこがいいところでもあったし、めざすところでもあったけれど、その行き先を変えたくなってきた。やりたいことをやりつくしたと感じたときから、新しい旅が始まったんだろう。もっとたくさんの未知の人たちと出会うための旅へ~草野マサムネ~

音楽ビジネスとインディー精神との矛盾 というか、軋轢を感じ始めたバンド。どんなロックバンドでも味わうであろう壁ですね。英米に比べて、日本のロックシーンはさらに底辺が狭いだろうから、余計に大変だろうなと思います。

(その2へ続く)


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Last updated  2008.06.05 20:06:43
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