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「ロベリア物語」を、まとめて読みたい・・・という言葉をいただいたので今まで断片的だったものをまとめました。


「ロベリア物語」

第1章  はじまり

さて、せっかくのバレンタインなので、思い出話にお付き合いください。

それは、ぼくがまだ、19歳、大学1年のころです。
ぼくは、松本市内に下宿(2食付の・・)をしていました。
安いだけあって、部屋はぼろで食事はまずい・・・。
その上窓を開けると目の前は石垣。


 大学時代のぼくは、「児童文化研究会」というサークルに入っていました。
人形劇や児童劇をしたり、地区の子どもたちを集めて、子ども会を組織したり・・
結構一生懸命に活動していたのです。

当時は、バレンタインディなんて、そんなに広まっていないころです。

2月14日・・下宿に帰ると、ぼく宛に郵便が届いていたのです。
差出人の名前はありません。
字から見ると女性のようです。そのころ手紙のやり取りをしていた中学時代からの女の子の友だちの字ではないことだけはわかりました。
もちろん、彼女なら自分の名前くらいは書くはずですから・・・。
不思議に思って開いてみると、
中から出てきたのは、手袋とチョコレートだったのです。
もちろん、手紙とともに・・・。

そんな内容だったように思います。
手袋は確かに、少し不恰好でしたが、その分想いがこもっているような気がしました。
手にはめてみると暖かさが伝わってきました。
こんな、控えめで素敵な女の子が想いを寄せてくれる・・。
それだけで嬉しくなってしまったぼくでした。


「探さないで」と言われたけど探しました。
そして、見たことのあったころころとした女の子らしい字を、意外なところで発見したのです。それは・・・・

ぼくの入っていたサークルはサークル日誌と称して、部室を訪れてノートに好きなことを書き残すのが通例でした。
その字が、そのノートのなかにあったのです。
驚きでした。
でも、まだ、確信は持てませんでした。

ぼくは、当時まじめな大学生ではありませんでした。
試験が近づくと、まじめに授業に出ていないツケが回ってきます。
授業は、代返でしのげるのですが試験はそうはいかない!
そこで、まじめに講義に出ていた友達からノートを借りて試験勉強となるわけです。
まじめに、講義に出るのは・・女の子の方が多かったのです。

そこで、ぼくは、その彼女からノートを借りるという作戦に出たのでした。
試験勉強そっちのけで、手紙とノートの字体を必死で比べました。
そして、「間違いない!」という確信を得たのです。
情熱でしょうか?
3日の間にそれをやり遂げたぼくは、ノートを返すとき「お礼がしたいから・・・」と言って彼女を喫茶店に誘ったのです。

「ノート、ありがとう!・・・」・・・そう言って・・・
しばらくの沈黙の後「手袋も、ありがとう・・・」
パッと、ビックリしたように目を上げた彼女の、かわいらしさを、今でも鮮烈に覚えています。
これが、きっかけで彼女と恋に落ちたのです・・・。

これが、ぼくの初めてのバレンタインディの思い出です。

バレンタインディに手袋を贈られたぼくは、送り主の彼女を見つけ二人の恋は始まったのです。

ところが、同じサークルに彼女の事が好きだと、以前から公言してはばからない友達がいたのです。
彼は、ぼくにとっても、仲の良い飲み仲間でした。
そして、彼が彼女が大好きなことは、サークルの仲間はみんな知っていたのです。
そして、いずれ付き合うことになるんだろうなと思っていたのです。
もちろんぼくもそうでした。

ですから、彼女との交際を始めて、そのことをどう彼に伝えるかが、ぼくにとって一番の問題でした。
当時、ぼくも、彼の後押しをしていたのですから・・・始末が悪い・・。

もちろん、そんなことを彼女の口から言わせるわけにはいきません。

そこで、ぼくは、意を決して、友達を呼び出して、いきさつを話しました。
でも、そのときの彼のがっくりした顔は今も忘れられません。

しかし、そこから・・・公然と彼女との交際が始まったのです。
当時、学生寮に住んでいた彼女を訪ねたり・・・
二人で松本の街を歩いたり、ささやかに飲みに行ったり、食事をしたり・・・
キスもできないくらいに、まだ、純情な二人でした。

そして、そのうちに、ぼくたちは2年生に無事進級し、M市からN市に生活の場所を移したのです。

ご存じの方は、もうおわかりでしょうね。
ぼくはS大学出身です。S大学は、たこ足大学で、教養部はM市にあります。そして、その課程が終わると、各学部のある場所に移るのです。
運良くぼくたちは、同じ学部でした。
しかし、彼女は自宅から、ぼくは下宿から通うということになったのです。
しかし、そんなことは何でもないって思える若さが、あの頃はあったのです。

彼女の誕生日は3月2日でした。
彼女は、太田裕美に似ていました。
真ん丸な顔がかわいくて、笑うととってもチャーミングでした・・・
決して美人ではありませんでしたが魅力的でした。
ポニーテールが似合って、彼女に「ポニーテールが似合うよ!」と言うとぽっと顔を赤らめるような純情でかわいい女の子でした。
CMで「まんまるがおの女の子は、いい妻になれるって。わたしも、なれるかな?ねっ!バスボン」という歌がはやっている頃でした。
太田裕美のデビュー曲「木綿のハンカチーフ」が出たのもたぶんこのころだったと思います。
歌詞の素朴さとともに彼女のイメージが重なりました。
顔も似ていたこともあり、すっかりファンになりました。
信州の小さな寒村生まれの彼女、信州では比較的大きな街育ちのぼく・・・。
歌のイメージが重なりました。

3月2日は、今でも忘れられない日です。ぼくよりちょうど1週間遅れの妹・・・
彼女はそんなイメージでした。

今頃、彼女はどうしているのかな?と3月2日がくると、この歌とともに思い浮かべます。

第2章  思い出の地へ

S大学の2年生となり、居をN市に移すことになりました。
O市の出身だったぼくは、経済的な事情もあり安下宿を探すのに時間がかかりました。
しかし、土壇場で変則的な3畳2間で2食付きの下宿を見つけたのでした。
しかし、この下宿はすごかった!酒屋さんの経営だったのですが、安いだけあって環境は劣悪!飯は最低!(こんな事書くとしかられそう・・)

ところで、彼女はN市近くの(といってもバスで30分以上・・・)N村の出身でした。それで、自宅通学ということになったのです・・・。
これが、のちのち問題の発端になるとは思いもよりませんでした。

すっかり、舞い上がっていたぼくは・・・
大学の研究室も彼女と一緒のところを選んでしまったのです。
のちのちこれが・・・・・
まあ、もっとも自分の専攻したかった近代文学が定員を超えて、くじ引きになり、くじ運の悪いぼくは、見事にはずれたのです!
残っていたのが、人気のない書道と国語教育の研究室!
もともと悪筆で有名だったぼくに残された選択は1つしかなかったのです・・・・

大学近くの喫茶店「ロベリア」は開店したばかりの素敵な喫茶店でした。
今はありませんが・・・大学生活を通じて入り浸った喫茶店です!
マスターは、今頃何してるのかなあ?

大学2年になってN市に居を移した僕は、3畳2間という変則的なボロ下宿に入りました。彼女と無事、お付き合いすることができるようになったぼくは幸せの絶頂にいました。

もちろん、サークルは、同じ児童文化研究会に入りました。
その上、研究室も同じになるという幸せな?状況が生まれたのでした。
当然、彼女と一緒にいる時間は多くなりました。
講義が終わると一緒に、喫茶店「ロベリア」に行って何時間も話しました。
彼女の帰るバスの時間が恨めしく思ったほどでした。
「ロベリア」が花の名前だと教えてくれたのも彼女でした・・・
しかし、当時は実際のロベリアはあまり流通していませんでしたので、見ることはできなかったのですが。

第3章  初めての・・

当然、大学生のこと「コンパ」と呼ばれる飲み会が頻繁に開かれます。
サークルも研究室も一緒!ということになると・・・一緒に呑む機会も増えてきます。
「コンパ」を早々に抜け出して・・・・
バスの最終便まで一緒に呑むという機会が増えました。当時はやりの「グランドコンパ」という大規模な酒場に二人で出かけて、洒落たカクテルを飲むのが僕らの楽しみになっていました。
お酒が強いぼく・・・すぐに頬が紅くなる彼女・・・
お互いのカクテルを交換して、味を二人で評価するのが、とても楽しかったのです。
今から考えると、幼い付き合いなのかもしれませんが・・・
当時の僕たちにとっては、結構背伸びした付き合いだったのです!

そして、バス停まで彼女を送って行くのです・・・・
そんな中で・・・・
暗い街角の一角で
急に彼女が振り返って僕を見つめたのです・・・
遅いファーストキスでした・・・・
そっと唇を重ねるだけでしたが・・甘いカクテルの味がしました・・・
そして、その時の彼女の甘い吐息を忘れることができません
彼女と2人で飲みに行って・・キスをしたのは・・
そうです・・8月の終わりでした。

最終バスまでの時間は・・・すごく大切でした。
僕の友達の多くは、つきあっている女の子が同じ市内に下宿していたり、通ったりしていましたから・・・
僕たちに自由になる時間は限られていたのです・・・

喫茶店「ロベリア」で語り合う時間が、どんなに大切であったことか・・。
いつでも、一緒にいたい・・・
そんな気持ちが膨らんでいきました・・・。(これが・・結局悲劇を生むなんて思ってもいなかった・・・)

第4章  金木犀

サークルや研究室のコンパがあると・・・
彼女は最終バスで帰るのが常でした・・・・
でも・・そうもいかない時もあり、そんなときは彼女は・・
同じサークルや研究室の友達の所に泊まっていました・・。
oharatchもまだ純情だったのです・・・・

でも、そう言うときが・・・
長く一緒にいることができる大切なチャンスだったのです!
2人がつきあっていることは周知の事実だったので・・・
彼女の友達も大目に見てくれたのでしょう。

飲んだ後、2人で手をつないで歩きました・・・
彼女の友達の家は、大学の西にありました。
大学の構内を歩いて・・・送っていきます・・・

そんな、ある日
「あっ!金木犀!」
彼女が僕に言ったのです・・・・
花の名前には疎い僕でした・・・
彼女の言葉の意味がわからずに・・
「えっ?金木犀?」
彼女が笑いました・・・・
「ほら、この匂い・・・わからない?」
「・・・うん・・いい匂いだ」
「そう、これが金木犀の匂い!」
そういって、彼女は僕の手をぎゅっと握って・・・
走ったのです・・・・
彼女が走ることは滅多になかった・・・
「ほら・・これが、き・ん・も・く・せ・い!」
そう言って僕を金木犀の花のもとに連れて行ったのです。
その木は今も校門そばにある・・・はずです。
「いい匂いでしょ?ほら、ここ・・」
そう言って、ちょっと低いところを指さした彼女・・
それに答えて、ちょっと身をかがめた僕・・・
その時でした・・彼女は急に僕の首に腕を絡めていました・・・
小柄な彼女が・・背の高い僕に・・

金木犀の匂いと彼女の髪の匂いが・・・・

「ホントに・・?」
「うん!」
こんな会話だけで二人の気持ちが通じる・・・・
それも金木犀の香りのおかげだったのかもしれません・・

これが、現在までの「ロベリア物語」の全貌です・・





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最終更新日  Oct 8, 2005 10:16:51 AM
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