産経新聞ウェッブ版、3月27日の記事です。避難指示や屋内退避の客観資料ともなる計測数値に関して、東京電力のあいつぐ、取り違えはなぜ起こるのか。このような事態に、これまでマスコミがほとんど取り上げてこなかった、「原子力資料情報室」や、立命館大学の安斎育朗名誉教授(放射線防護学)などの識者がコメントを求められていることは、マスコミの危機感の表れのように思われます。
東京電力は27日、福島第1原子力発電所2号機の事故で、2号機地下にたまった水の放射性物質(放射能)の濃度が通常の1000万倍としたヨウ素134の調査は別の放射性物質コバルト56と取り違えたと発表した。
武藤栄副社長が27日夜記者会見し、「ヨウ素134の29億ベクレルという数字に誤りがあった」と述べた。
東電と経済産業省原子力安全・保安院は26日に2号機タービン建屋地下1階で採った水の放射線濃度は、1立方メートル当たり29億ベクレルとしていた。
■原子力資料情報室核燃料サイクル担当の沢井正子さんの話
「実際に(放射性物質の濃度測定などの)作業をするのは下請け会社で、東京電力は調査結果や上がってきた情報が正しいのかを判断する能力もない。事故は起きないという前提のもとで社員教育を怠ってきたからだ。間違った発表を繰り返すのは、情けないを通り越して無責任だ。わざと事実を隠そうとしているとしか思えない」
■原発に詳しい技術評論家の桜井淳氏の話
「放射性物質の濃度や放射線量のデータは、住民が避難するかしないのかなどを判断する重要な根拠となる。原子炉建屋が破損して放射性物質がまき散らされているのはつらい現実だが、政府や東京電力は黙っていても被害を拡大させるだけだ。一刻も早く、正確な情報を提供すべきで、それが危機管理というものだ」
■安斎育郎立命館大名誉教授(放射線防護学)の話
「東京電力の発表を見ていると、担当者が疲弊のあまり状況を正確に把握できていないように感じる。下請け企業との連絡にも手抜かりが見える。このままでは重要な情報が過小評価され、(避難など)次の予防措置を取る際に不都合が起きるのではないかと心配している。東電の枠組みの中では限界がある。全国の電力会社によるバックアップがさらに必要だ」
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