空 くう

空 くう

過去世



ファースト・セカンド・サード それぞれのアチュ-メントの時、どうやら同時にヒプノセラピー(退行催眠)状態にもなったらしく、(今現在の生で)実際には行った事も無い場所や 見た事も無いモノ 会った事も無い人などなど、色んなモノを見てしまいました。

それが本当に私の『過去世』なのか、ただのイメージなのかは証明しようがありません。
私が見たものを皆さんに見せる方法があるのなら ぜひ見ていただきたいのですが・・・。


あまり細かく書くと、大河ドラマ並みのページ数が必要になってしまうので、ここでは要約して書きますね。




☆星を司るもの☆


今からどれくらい前の世の中なのかは はっきりわかりません。

私は 西の方にある紅い砂に覆われた小さな国で、星の運行を見ては国の運営を決定する、神官のような仕事をしていました。
それはとても重要な仕事で、国王の次に敬われる、責任の重い仕事でした。

私には 妻がいました。
親の無い私を、実の息子(そうです、私は男でした)の様に大切に育ててくれた国王の娘と結婚したのでした。

妻はとても聡明で、そして美しい娘でした。

気が強いかと思えば ころころとよく笑い、笑うと目じりが下がるのがたまらなく可愛らしく、その上涙もろく、情け深く、市民からの信頼も厚く、そんな彼女を 私は心から愛していましたし、誇りに思っていました。

西のはずれの紅い砂の国は 作物などはあまり育ちませんでしたが、ガラス細工などの工芸が盛んな事と、宝石類が多く産出されるため、それらを輸出して 多くの物資と外貨を得る事ができたので、国民の生活は そこそこ楽であったようでした。

私は毎日とても忙しく働いていましたが、妻はそんな私を精一杯支えてくれました。
きっと一生このまま幸せな日々が続いていくと 私は信じていました。



           ここで場面が飛びます


何があったのか、私は妻を置いて、遠くの国へ 何かの使者として 出向かなければならなくなりました。

妻は、ほんの少し涙を流しましたが、

「あなたを誇りに思います。どうか立派にお勤めを果たされ、健やかにお戻り下さる事を、星に願ってお待ちしております。」

と、私を送り出してくれました。

別れの時、私はガラス細工の首飾りを 私だと思っていつも傍に置いてくれ、と伝え、数名の共を連れて旅に出ました。

紅い砂が舞う街のはずれまで、妻は見送りに出てくれて、いつまでもいつまでも 手を振っていてくれました。

それが、私が妻を見た最後になりました。



       ここでまた場面が飛びます


あとは 断片的な フラッシュのようなイメージが 瞬間瞬間であらわれました。

朽ちかけた帆船、馬車、燃える街並み、泣き叫ぶ人々の声、街中を行進する甲冑姿の兵士達、双頭の猛禽類のマークが刻まれた板、運命の輪、紅い砂の上を転がるガラスの玉…。
呆然とそれらを見つめ、立ち尽くす私。

どうやら私の使命は、果たせなかった事がうかがえます.。

共を失い、失意のまま どうにかこうにか国へ帰った私を待っていたのは、留守中に敵国に襲われ、国王を失い荒廃した街と、妻は既に死んでしまっていた…という現実でした。

けれど、たった一つだけ、残されたものがありました。

私を迎えてくれた私の乳母がその手に抱いていた赤ん坊は、私の留守中に妻が産んだ私の娘でした。
妻は この子を産んですぐに体を壊し、亡くなってしまったのでした。

私は、残された市民と娘の為に、生きていかねばならない、と 強く強く思いました。


          ここでまたまた場面が飛びます



私は船の帆先にいます。

後ろ手に縛られて、白いローブのような女性の衣装を着て立たされています。

少し離れた海の上には、たくさんの敵国の船が並んでいます。
そして、先頭の船の甲板には、弓を目いっぱい引き、私の胸に狙いを定めた敵国の兵士がいます。

私の心も 海も 空も 空気も、何もかもが静まり返っています。

次の瞬間、胸に焼けるような痛みが走りました。
どうやら私は矢で射られたようです。

まっすぐ海に落ちていきました。

水中から見上げた水面のキラキラと輝くのがヤケにキレイで、水がとても冷たくて・・・。
意識を失う瞬間、妻の声が聞こえたような気がしました。

でも、あとは 真っ暗になりました。

何もかもが消えて、『無』になったようでした。



          ここでまた場面が変わります

娘が歌っています。

赤ん坊だったはずなのに、すっかり美しい娘に成長して、どこか違う国の湖のほとりで、動物と花に囲まれながら、楽しそうに歌っています。

私はどこか高いところからそれを見て、

「ああ、よかった。元気でいるようだ・・。」

と 思っています。

私の国は 武器を持たず 戦う事を知らなかった為に、滅ぼされてしまったようです。
けれど、私が海に落ちた瞬間、静かな海が急に荒れ出し、敵国の船は全て 海中深く 沈んでしまったようでした。

乳母は必死の思いで赤ん坊を連れ出し、遠くの緑豊かな国まで辿り付くと、そこの住民に娘を託し、息絶えたのでした。

私はホッとした気持ちと、拭い様の無い後悔の気持ちで、娘を見つめていました。

なぜ、あの時、妻を置いて国を離れたのか。
いつだって他人が大事で、最愛の人の傍にいてやれなかったのか。
仕事仕事と無理をして、妻の本当の気持ちに気付いてやろうともしなかったのか。
失って初めて、自分がどれだけ妻を求め 愛していたのかを思い知るのでしたが、どんなに悔いても もう妻はそこに居てはくれないのでした。

私はその後、何回も何回も生まれ変わって、妻を捜し続けるハメに陥りました。

ある時はインド。
ある時はヨーロッパ。
ある時は中国で、と…。


そして今も、同じように 妻を求めてさ迷い続けているのでした。




 ☆(今で言うところの)宅急便のおじいさんと少年☆


ある時、私は中国に居ました。
7歳の男の子。
名前は ユーチン。
親は居ません。
孤児だった私を拾って育ててくれたのが、今で言うところの宅急便を生業としている、おじいさんでした。

おじいさんは何でも知っている生き字引のような人で、私は このおじいさんから、生きて行くのに必要な知恵の全てを教えてもらいました。

成人した私は、町を離れ貨物船に乗り、上海まで荷を運ぶ仕事につきました。

その上海で、私はひとりの女性と出会い、恋に落ちました。
彼女も私を慕ってくれて、上海に行く度に 彼女と会い、お互いの気持ちを確かめ合いました。

けれど、それは決して幸せな恋ではありませんでした。
身分が違いすぎたのです。
それに、彼女には既に婚約者がいました。
どうあがいても、決して結ばれる事の無い運命にありました。

彼女は親の決めた婚約者と結婚し、私は失意のまま 船を下り、育った町へと帰りました。

私を育ててくれたおじいさんは、歳を取りすぎて動けなくなったため、私がおじいさんの後を継いで、宅急便の仕事をする事になりました。

メールも携帯も無い時代、私の仕事は 人と人を繋ぐ 大切な役目がありました。
私は 宅急便の仕事に誇りを持っていました。

おじいさんが亡くなっても、自分がおじいさんと同じ位おじいさんになっても、宅急便の仕事は私の生き甲斐だったので、私は生涯、その仕事を続けました。

私は彼女と離れて以来、生涯を独身で過ごしました。
彼女は息子を一人 産んだようですが、40代で流行り病にかかり、世を去ってしまっていました。

私が歳をとって、自宅で息を引き取ろうとしている時、町中の知り合いがベッドを囲んで 泣いてくれていました。

その涙を見て、私は

「ああ、良い人生だったなぁ…。」

と思いながら 息を引き取るのでした。

それでも、心残りがひとつだけありました。

たくさんの人に たくさんの荷物と手紙と それに込められた思いを運んできましたが、自分は最後まで、一番伝えたい人に一番伝えたい事を伝える事はできなかったなぁ…。
という事でした。



以上が 私の見た過去世?の記憶の一部です。


ただのイメージと言ってしまえばそれまでですが、実際に私は 痛みを感じ、色や香りや感触まで体験し、感情を大きく揺さぶられ、多くの学びと 感情の開放を得てきました。

そしてどの記憶?も 同じ過ち(パートナーシップに問題有り)をしている事に気付きました。
伝えたい人に 伝えるべき時に 伝えたい事を なにひとつ伝えてこなかった。
本当に大切で愛している人の傍にいてやれなかった。
その後悔が、ずっと私の中に巣食っていて、今の生においても、一歩前に出る事を押し留めてしまっていると思いました。


未だ 確かな答えらしいものは見つけていません。
現在もこの課題を抱えたまま、物語は続いています。

けれど、ソレが真実かどうかは大した事では無くて、『そこ』から何を感じ、何を学び、どう活かすか・・・。
そう感じられるようになったのは、大きな収穫だったと思うのです。

いつか本当の幸せをみつけられるように、自分の本当の気持ちを見つけられるように、何も誤魔化さずに生きていけたら良いな・・と思っています。





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