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2006.10.08
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カテゴリ: National Team
2008年のヨーロッパ選手権(ユーロ)の予選が行われたが、
イングランドはホームでマケドニアと対戦した。

前回は苦しみながらもアウェイで1対0と勝利しており、
今回も楽とは行かないものの確実な勝ち点3が予想されたが、
蓋を開ければスコアレスドローに終わり勝ち点1しか挙げることが出来なかった。

「前途多難」
試合終了後にテレビ解説が発したコメントが現在のイングランドを表している。
いや、正確に言えばかなり前から見通しは決して良くはなかった。
守備的と批判を受けながらも結果だけを残すことで長期政権を築いたエリクソン。

結局エリクソンのアシスタントだったマクラーレンが監督に就任した。
いくらアシスタントの傍クラブで監督をしていたといってもイングランドである。
さらに5年もアシスタントをしていれば、戦術の比較は大同小異である。
とはいえ、ワールドカップでの敗北感を払拭するため、
エリクソンの幻影を振り払うには独自色なるものを見せなければならない。
しかも誰の目から見ても分かりやすい方法で。

それがベッカム外しである。
代表キャップ94、代表キャプテン50以上を誇るベッカムを召集しないことで、
過去との、エリクソンとの決別、さらにはマクラーレン色を明確に意思表示できる。
幸い、ベッカムのポジションである右サイドにはレノンやライト・フィリップスといった若手も頭角を現しつつあり人材面での問題は大きくない。
また代表で必ず問題になるランパードとジェラードの同時起用の問題も少なからず解消される。

片方の、あるいは両方の能力が最大限発揮できない点が言われ続けていた。
しかしジェラードを右サイドに配置することでその問題も解決できるというわけだ。


マクラーレン独自の色を打ち出し、大きな問題も解決できるというのに、
なぜ前途多難なのか。なぜマケドニア相手にスコアレスドローだったのか。

簡単に言えば、いくら素材が良くても作る人間の腕が悪ければ料理も美味しくないのだ。


1人1人の能力を他の強豪国と比較しても遜色ないレベルの選手達である。
しかしサッカーとはチームスポーツである。
いくら1人1人の能力が高くてもチームとして機能しなければ勝利は得られない。
そして勝利を得るためにチームを機能させなければならないのが監督である。


マケドニア戦のスタメンは次の通りだった。

ロビンソン
Gネビル、キング、テリー、Aコール
ジェラード、キャリック、ランパード、ダウニング
ルーニー、クラウチ

リオは背中を痛めているらしく、ワールドカップから評価を上げたハーグリーブスは骨折、
Jコールも足を痛めているということで、
これが現状でのベストメンバーと言ってもいいだろう。

試合のほうは圧倒的に攻めるもののパスミスが多く、クロスの精度も大きく欠いていた。
そのため攻撃のリズムは全く作ることができず、ターゲットマンのクラウチに合わせるロングボールという単調な攻めしかできなかった。
しかもそのボールも精度が悪いのだからどうしようもない。
こんな時こそドリブラーが必要なのだがJコールはいないし、ロングボールのおかげでルーニーにはボールが全く回らず、そのまま前半が終了してしまった。

良い監督なら後半の頭から動くだろうが、そこはマクラーレンである。
エリクソンの悪い部分を踏襲してしまったらしく動いたのは60分を越えてから。
全く精彩を欠いたダウニングに代えてドリブラーのライト・フィリップスを投入した。
しかしポジションはダウニングと同じ左サイドのままだった。
中への切込みを得意とする選手ならまだ分かるのだが、
ライト・フィリップスは縦への突破を得意とする選手である。
何度か中へドリブルすることでチャンスは増えたが、
それは意図したものではなく「災い転じて福となす」的な偶然である。

その後ルーニーに代えてこちらもドリブル突破が出来るデフォーを入れたが、
デフォーも前にスペースがあって初めて能力を発揮する選手である。
クラウチがいる以上スペースは限られ、しかもロングボールが減ってない状況では仕事が出来るはずもない。

もっと言えば、ホームで格下相手に点が取れなければディフェンスを削ってでも前線の選手を投入するべきではなかったか。
マケドニアのカウンターを恐れて守備を削ることが出来なかったかもしれないが、
今回の出来ならキャリックを外して前線に厚みを増やしてもよかったはずである。
今回のセンターバックはテリーと、リオではなくキングだった。
キングは守備的中盤も出来るため攻撃時は3バックの前にキングを置き、
守備時はフラットな4バックで対処も出来たのではないだろうか。


マクラーレンは試合後このように語っている。
「この結果には失望した。
 今日は特に思うように機能していなかった。
 普通なら局面を打開し、運を引き込むようなプレーをする選手が現れるのだが、
 今日の試合では現われなかった。」

自分の料理の不味さを素材のせいにする監督の前途に明るい未来は期待できない。



ほな、また。





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Last updated  2006.10.08 23:08:49
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