日々の思いを綴ります

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五木寛之



我が遍歴


風に吹かれて
五木寛之を知ったのは、高校生の時だった。古文の授業中に、Kと言う先生が息抜きに彼の話を聞かせてくれたのがきっかけだった。
「海外での体験を小説にしていて、中々に面白い作家の出現である・・・云々」と言う内容であったと記憶している。
丁度、「さらばモスクワ愚連隊」で新人賞、
「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞を受賞した後だった。 それまで、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治等々の、即ち"必須の教養"のような読書体験しかなかった私にとって、彼の小説はとても新鮮に映った。
高校も卒業間近の頃、「青年は荒野をめざす」に巡りあった。当時、少しづつジャズに興味を持ち始めていた頃だから、一気に読んだ。
(大橋巨泉がDJをしていたラジオ番組で、S.ロリンズの「モリタート(サキソフォンコロッサス所収)」を聴いて、一層、ジャズに傾倒していった時期でもある。 同じ頃、石原慎太郎の「ファンキージャンプ」も読んだが、これは全く面白みを感じなかった。)

エッセイ集「風に吹かれて」(角川文庫)は、本棚の片隅に大事に保存してある。扉にある写真が好きだからだ。
引き上げ体験、そして苦学して作家デビューするまでの彼の軌跡はドラマティックでありさえする。既に彼は、国民的作家として形容でき得る位にメジャーな存在であるけれど、私にとっては『青春の門』発表の頃から殆ど興味の無い存在になった。
ただ、若い頃に私がジャズにハマル事を加速してくれた彼の著作や、様々に自らの生き方を綴っているこのエッセイ集には感謝している。(この項、終)







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