愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

2006/12/18
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^-^◆給料って何か?

     …判って働こう[上]


阿武:皆さん、IT系の事業で

   ソフト開発については、

   その仕事の性格上、

   お客様の職場の中に、

   或る期間滞在して、

   職務を行なうという事が数多くあります。


   お客様企業の現場から条件を提示する人、又システム部門

   のプランナーや、コンピュータ関連の環境状況など等と、

   密接な連携を取る必要があるからです。

   加えて、リアルにフィードバックしなければならない、

   とても重要な連携プレーを必要とされる為でもあります。


   月に一度、年に二度、厄介な問題の発芽環境がここに

   あります。…………給料日と、ボーナス支給日です。

   連日、同じような環境で同じような仕事をし、同じような

   成果を出している人たちが、夫々の所属する会社によって、

   当然、受け取る報酬が異なるわけです。

   特に、お客様が大企業の場合が多く、給与格差は驚くほど

   のものがありました。

   『給料』とは何かを、我が社の社員に徹底理解させる事は

   とても大切な事の一つだったわけです。

   以下は、その教育の過程をシナリオにまとめたものです。

============================



阿武「ところで塩路さん、良い給料貰ってるんでしょうねぇ…。

   優秀だから……」

塩路「えっ?ハハハハッ……、給料ですか?良いって言ったって

   ……そこそこですよ。ハハハハッ……」

阿武「あれって何だろう?……なーんて考えた事無いでしょうね?

   無いよね…………」

塩路「えっ、給料……給料がですか?何だろうって……??」

阿武「はい、給料ってそもそも何だろう?……ナーンテ」

塩路「私ね、そういうのね。こだわりませんから…………ハイ」

阿武「ほう……?これは意外ですね。自分の能力の値段に興味が

   無いという事ですか?…………力の価値に……」

小方「阿武さん、阿武さん! だって塩路さんはですよ、自分の

   能力には値は付けられないって、常々言ってんですよ。

   だからね、会社がくれる分だけ貰ってやるって……。

   もし不満になったら辞めるんだって………」

塩路「まぁまぁ……小方、いいから、いいから……」

阿武「へえー……、凄い自信なんだ…………」

塩路「いや、阿武さん。能力の価値に興味があるとか無いとかと

   いう事よりも………、なんと言うか、そのう…………、

   やり遂げたい仕事とか……目標として取組んでいるもので

   自分がその第一人者でありたい……,はたまた最高の能力

   を有したいって、考えるタイプなんですよ……………私」

阿武「ふーん……なるほどね。塩路さんって仕事柄、技術的な

   追求欲が強いんですか?……ね?」

塩路「欲?……ですか……いや、まぁ、……欲かな。うーん……

   かもしれませんね……欲…ねぇ」

阿武「金に欲のある人はね、商人になって銭儲けする道を選べば

   良いし……、名誉に欲のある人は先生と呼ばれる道を

   歩めば良いし……、塩路さんは技術的な追求に欲があるん

   だったら、研究者の道を選んだ方が良かったのかな……?

   って思います……が」

塩路「うーん……、確かに考えた事はありますよ。でも、何か

   ちょっと違うんですよね……。私って、中途半端なのかも

   しれませんけどね、企業での具体的な商品や、システムの

   開発業務に興味を持ちました……」

阿武「そうですか。でもまだ若いから、これからどう変化して

   いくか分かりませんね。西欧なんかでは、40代後半から

   研究者の道を選ぶ話だって聞きますからね。

   ………でもね塩路さん、今現在はあなたは企業に属して

   いるんだから、自分の契約金くらいには、もっと、興味を

   持った方が良いと思いますよ」

塩路「えっ?……契約金?……ですか。給料がねぇ……。

   まあ、そう言われればそうでしょうがね…………。

   どうもね………」

阿武「人の能力に絶対的な評価を下すのは難しいし、世の中に、

   絶対正しい評価なんて存在しえないかもしれませんが、

   所属している企業の中での、あなたの相対的な能力の

   評価をベースにした…契約金ですよ。給与所得は……」

塩路「……そうですかね。阿武さん、いやーどうも……、

   こういう話、苦手でして……、おい、小方!黙って

   ないで何とか言えよ。えっ? 給料って何だ?給料!」

小方「えっ?給料ですか?そんなもん簡単ですよ。労働の対価に

   決まってるじゃないですか……」

阿武「ほう……小方さんそうきましたか?しかし、ちょっと単純

   過ぎますねぇ…。給料って労働すれば頂けるんですか?」

小方「でしょう?……違います……?」

阿武「私ね、日曜日に家庭菜園の仕事をしました。思ったより、

   きつかったなあ。立派な労働ですけど誰も給料くれません

   よぉ…………」

小方「そんな…。冗談じゃない。それは当たり前でしょう?

   会社の仕事をした訳じゃないんですから……もう……」

阿武「ああ、そう……。すると何ですか?給料っていうのは、

   会社の仕事をすればくれるんですね?よ~し分かりました。

   それじゃー、私がお宅の会社の仕事をしましょう……!

   そうするとくれる訳ですね……」

小方「またまたぁ、阿武さん、わざとそんな事言って……。

   それは駄目に決まってるでしょう!……阿武さんは、

   ウチの会社の人間じゃないんですから……」

阿武「フフフフッ……そうですか。……はいはい。でもそれは

   何故ダメなんですか……?」

小方「それは……、えーと……、本人と会社との間に雇用の契約

   が無いからですよ……常識でしょう?」

阿武「なるほど……、会社との間で雇用契約を結んでおいて労働

   すれば……貰える訳ですね」

小方「そうです。貰えます!……正解です。ハハハハッ」

阿武「……なるほど……分かりました。じゃぁね、さっきの話に

   戻しますよ。あなたが言われるように、労働の対価って

   言うんだったらですよ…………、例えば同じ労働が

   ありますよね……」

小方「……同じ?」

阿武「ほら……車の運転手さんとか、お宅の会社のプログラマー

   の人とか……、会社は違っても、ほとんど同じ労働をして

   いるケースがあるじゃないですか……ねっ!」

小方「ええ、ええ…………」

阿武「労働の対価と言う事であればですよ……、皆に同じ額が、

   支払われなければいけませんよね。…………でも、

   そうなってませんよ」

小方「うーん……、それは、会社毎に会社の実力というか……、

   利益の度合いというか……、支払い能力に違いがあるから

   ですよ……」

阿武「そうですか……。それじゃ、労働の対価っていっても

   『同じ価値の労働〓同じ対価』ではなくて、所属している

   会社の支払い能力によって貰える額は違ってくる

   わけですね……」

小方「…………そっ、そうです……」

阿武「小方さん、……これは極めて当たり前の事として理解

   されていますよね。誰も疑わないし大抵文句も言いません。

   ……第一、企業によって初任給から既に違いますもんね」

小方「ええ、ええ、そういう事です……」

阿武「それじゃ、小方さん、もっと突っ込みますよ。同じ会社の

   中で同じような仕事をしていて支払い金額が違うのは何故

   なんですか?『支払い能力』と言う意味では社内ですから

   条件は全く一緒のはずでしょう……?」

小方「……それはですね。それは……同じ仕事であってもですね

   例えばですよ、プログラムを組むという仕事をしていたと

   しても……、キャリアとか……、その人の仕事をする能力

   の違いとかから、仕事の出来栄えに差があるからじゃ

   無いんですか?

   大抵の場合……。そういう事でしょう……?

   …………ねっ」

阿武「えっ?ということはですよ……小方さん、給料とは何か、

   を説明する言葉の中にですね、

   『仕事の出来栄えに応じた額を支払う』という文言を

   付け加えなければならないかな?」

小方「ああ、そうか……そういうことになりますね。あれっ、

   塩路さん、とうとう眠っちゃいましたよ……フフフッ」

           <続>


萱茶店.jpg
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Last updated  2006/12/21 12:06:02 PM
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