1
岸田元首相の狙撃犯の公判が来年2月に開かれるという。この事件は2023年4月に起きたものだが、そんな事件あったっけと思う人も多いのではないか。それにつけても思い出すのは安倍元総理銃撃事件である。これは2022年7月であり、岸田元首相の狙撃事件よりも1年近く前だ。なぜこちらの方の公判はこんなに遅れているのだろうか。どう考えても変なのに、マスコミはこうしたことには一切ふれない。そしてまた、裁判では証人が呼ばれ、証人は自分の記憶に従って証言をする。ところが人間の記憶は時間がたてばたつほど薄れたり変容したりする。この意味でも、あまりにも遅い刑事裁判、それも事件から2年以上たっているのに初公判すら開かれない刑事裁判というのは異常なのではないか。安倍元総理の殺害以降、この事件に関しては膨大な量の報道がなされた。特に統一教会がらみの報道は大きく、政局にまで影響を及ぼした。それなのに、銃撃犯自身の声はいっさい聞こえてこない。どう考えても変だし、変だという報道がマスコミにでてこないのはもっと変だ。
2024年11月13日
閲覧総数 54
2
かつてはよく改革を叫んで支持を訴える候補者がいた。今回もいたのかもしれないけど、昔ほどではなかったように思う。そう…以前は「改革」といえばよいもののように聞こえ、候補者や政党でも「何かやってくれそうだ」というだけで支持されていたという例もあった。改革が昔ほどはやらなくなったのは、どうも、ここのところの改革というのはよいことばかりではないということに気づいたということもあるのかもしれない。余計な改革をやるよりは現状のままの方がよい。世の中のムードもそのようになっているのかもしれない。だからだろうか。「穏健な保守」ということを言っていた政治家が支持を集めたりする。今回の選挙では、大声で改革、改革…と連呼していた政党はなかった。これも一つの変化なのだろう。選挙結果は与党の過半数割れという結果になり、今頃は水面下でいろいろな駆け引きが行われているだろう。あの低投票率を見ても、世の中には政権交代自体の期待というのはないように思うが、政権交代自体を目的にするような政治屋もいる。細川総理や村山総理が担ぎ上げられたようなサプライズもまったく可能性がないわけではない。なお、今回の選挙で、あまり他では言われていないのだが、一つの感想がある。変なことを言っているというのなら無視していただきたいのだが、小泉議員が総裁選の中で、解雇規制の緩和などの発言をした。結局小泉総裁というのは実現しなかったものの、自民党の総裁選の中でこうした発言が出てきたということは、その後の総選挙に影響したのではないか。解雇規制の緩和に不安を感じる人々が自民党への投票を躊躇するというのはありそうなことである。争点はマスコミが作るのではなく、国民一人一人が自分が重視する点を考えて投票するものなのだから。
2024年10月29日
閲覧総数 263
3
町の書店が消えているという。少し前には雑誌が消えているとか、新聞の購読者が激減しているというニュースもあった。そりゃそうだろうなと思う。今はネットを通じて情報を得る時代だし、本を買う需要もずいぶんと減った。それだけではない。学習塾が続々消えているとか、歯科医や美容院の廃業が相次いでいるというニュースもある。学習塾の苦境は少子化によるものが大きいだろうし、歯科医は過当競争、美容院は生活習慣の変化や高齢化の影響があるのかもしれない。一方で人手不足が言われながら、様々な業界で需要減や廃業の話もある。時代の流れとともに衰退したり減少したりしていく業種もあるが、需要は減らなかったり増大する業種もあるということなのだろう。こうした予測であるが、高齢化や人口減少をおりこんでもその予測が当たらないことがある。かつて、将来的に墓地が不足するのではないかということがいわれた。高齢化の先には大量の墓地需要がある。高度成長期に都会に流入してきた世代が寿命を迎えるころには墓地不足が起きるはずだという予想はもっともらしかった。しかし、現実にはそんなことは起きていない。葬儀や墓地の形態も変わってきたからだ。むしろ墓地整理や過疎の地域では廃寺も増えているという。なにがおこるか、予想することは難しい。歯科医の苦境の次にはクリニックの経営難がくるのではないか。医師はきちんと定員管理されている資格なのだが、今後すすむのは高齢化の中の高齢化である。前期高齢者ならこれからのために健康管理や検診などを行っても、後期高齢者はそうしたものに無頓着になるかもしれない。そしてさらにいえば医療機器も高度化している。最近、近所にもクリニックがいくつか開業し、MRIやCTなどの高価な機器をいれている。素人目にはこれで採算がとれるのか心配になる。真偽のほどは知らないが、弁護士業界では資格者を増やしたことで生活できない人もでてきているという。医師も生活できないこともあるような資格になったらかなりの問題であろう。
2024年11月14日
閲覧総数 27
4
昨日の産経新聞に一部に言われているらしい菅総理の原発解散についての論説が載っていた。菅総理も過去に原発の海外売り込みなどを行っており、総理がもし原発の是非を問うための解散などを行ったら日本の信用はゼロになる…というような趣旨だったと記憶する。こういうものを読む場合には、言っている当人が総理や民主党政権にどういう立場をとっているかをまず考えなければならない。産経新聞の立場というのは、かなりはっきりとしたアンチ民主党であり、アンチ菅総理である。そのアンチが総理の原発解散を批判しているということは、逆にいえばこの原発解散、総理や民主党にとって非常に有利に働く可能性もあるということではないか。菅総理の本質を一言でいえば反権力を旗印にしてきた市民運動屋である。反権力をいいたがる人士には、たぶん二種類あって権力そのものが嫌いなタイプと逆に権力が大好きで権力をもっている側に嫉妬して反権力を叫ぶタイプとがある。後者のタイプほどひとたび権力を握ったらそれを離そうとはしないし、そのためにはなんでもやる。そしてまた、市民運動屋の特徴は大衆扇動が非常にうまいということである。コイズミ前総理なども、もし権力をもたない側にいたら、非常に優れた市民運動屋になる素質をもっていたといえよう。福島原発の状況は予断を許さないが、8月、9月ではあまり好転しているとは思えない。人間とは本来利己的なもので、原発の地元がいくら放射線被害の脅威で苦しもうが、原発労働者がいくら被曝しようが、それが「他人事」である限りは、豊かな電力を使うという自らの便益を重視する。ただ、それが他人事でなくなってくれば話は違う。そしてその他人事でなくなってくるという事態は現在進行中なのではないか。後だし情報ではあるが、首都圏、あるいはそれ以西の放射性物質による汚染のニュースも徐々に増えている。お茶の葉に放射性物質が付着しているというのであれば、人間の体内にだって当然に入り蓄積していることだろう。原発労働者の被曝も自己責任と高みの見物をしているうちはよいが、身元も確認しないままかりあつめた労働者の中にテロ犯や自暴自棄型犯罪者がいる可能性があるとなれば、他人事ともいえない。権力をもっている側は情報とその情報を発信する権限を持っている。タイミングをみながら不安情報を出し、原発を停止させた現政権の功績をPRし、原発を推進してきた自民を批判する。やがて世論の潮目が変わり、反原発のうねりが最高潮となったあたりに投票日がくるようにして解散を行う。クリーンエネルギーの菅、反原発の菅というわけである。いちかばちか…市民運動屋の総理がいかにもしかけそうなことだ。**大麻規制についての興味深い映像がある。http://www.youtube.com/watch?v=aaOTAdp0TX8&feature=player_embeddedこれについては論評はできないが、ふと政府やマスコミでさんざん喧伝されているインターネット悪の巣窟論を連想した。この映像の「大麻」のように政府やマスコミが悪いものだと言い募れば、多くの人は当然にそれが悪いものだと思ってしまう。マスコミが自らの手による報道被害や人権侵害には目をつぶったまま、インターネットによる人権侵害をいうなどは笑止千万。それによくマスコミは自分たちの活動を「権力を監視する」とか「権力と戦う」とかというように定義したがるが、今現在、実際に「権力を監視」しているのはネットではないのだろうか。例えば現在進行中の原発事故に関する報道ぶりをみただけでも、マスコミは「権力に迎合し」て「権力のおこぼれにあずかる」存在にしかみえない。これに対してネットは海外からの情報をどんどん紹介したり、様々な意見を発信したりしている。そしてそれにより、マスコミや政府の出す情報、マスコミや政府の発信する見解がすべてではないことを知らせてくれている。
2011年06月25日
閲覧総数 8
5
表現の自由をめぐっての各国首脳の連帯にも蚊帳の外、主要国の首脳には相手にされず、近隣国との関係は最悪という安倍総理。そんな安倍総理が途上国をめぐっては金をばらまく外遊を「地球儀外交」ともちあげるマスコミの神経が本当にわからない。国内では財政難を理由に介護報酬とか生活保護費とか本当に命綱のような費用が削られているのに、外国にまく金はどこからでるのかしら。外国に撒いた金は国内にはまわらず、純然たる国富の流出なのに…。それにしても、イスラムテロをめぐって緊張がつづくこの時期に、中東を歴訪することの意味を安倍総理はわかっていたのだろうか。イスラムテロ対策でバラマキをやったとたんに、日本人人質の殺害予告。今回は、たまたまシリアに行った日本人が人質になったが、もしかしたら第三国を旅行中の日本人が拉致されたかもしれないし、日本国内でのテロが予告されたかもしれない。よいとか悪いとかではなく、安倍総理のいう「積極的平和主義」にはそうした危険もつきまとうということだ。それにしても急速に勢力を拡大しているイスラム国というのはなんなのだろうか。不気味なのは先進国の若者がテロリストとして身を投じているケースがあることだ。一神教というのはよくわからないのだが、イスラムの教義がかっての共産主義思想のように貧困や格差に苦しむ若者の心をとらえるという面があるのではないか。イスラムの教義に暴力性があると言うのではなく、暴力や反抗を正当化するためのものが、たまたまそうした宗教を背景にした過激主義だったということである。イスラムに身を投じた人々が本国に戻ってテロ活動をする、あるいはテロリストとして使い物にならなければ人質として資金源になる。サラセン帝国の急速な版図拡大は世界史の授業を通じて誰もが知っているが、イスラム国も21世紀のサラセン帝国のようになるのかもしれない。
2015年01月21日
閲覧総数 519
6
その昔、日本では欧米に比べて法曹の数が少ないという理由で弁護士の数を飛躍的に増やしたことがあった。その結果起きたのは生活できない弁護士の増加である。そもそもこうした弁護士不足の議論は市井からわきおこったものではなかった。無医村で悲鳴をあげている地域はあっても、弁護士がいなくて困っている町というのはきいたこともない。日本が本格的な訴訟社会になることを望む人は今も昔もあまりいない。それとは全く違うのだが、現在いくつかの職種でも人材あるいは人手不足が問題になっている。これもその不足の議論がどこからでてくるかを考える必要がある。例えば、タクシーの運転士が不足しているので、その解消のために二種免許の試験を外国語でも受験できるように改正するという。相変わらず人出不足≒外国人の採用という発想である。いくら円安日本でも世界にはまだまだ貧しい国もあるので、やってくる外国人はいるかもしれない。しかし、本当に需要者からみてタクシーの運転手が不足しているのだろうか。タクシーがつかまらなくて困っているという話はあまりきこえてこない。都会以外ではタクシーはそうそう走っていないし、それを前提に生活している。都会ではタクシーが無理なら別の交通機関がある。おそらくこの運転士不足と言う議論はタクシー運営会社からきているのではないか。今の経営体質では低待遇の運転士を多数雇用して利益がでるわけなので、運転士がいなければ困る、外国人でも来てくださいというわけだ。しかし、利用者の側で見れば、人口減少と高齢化の二重の消費縮小の上、財布のひもも固くなっていてタクシーに乗る需要そのものが減っている。そうだとすれば、運転士を増やすというよりも、むしろタクシー運賃を上げ、タクシーはたまの贅沢にした方が、運転士の待遇も向上し、人手不足の問題も解決するように思う。同じように人手不足の業界である介護の場合には需要そのものは今後も増え続ける。この分野でも介護士の試験を外国語でも受験できるようにするなど、外国人を導入し、よりハードルを下げる議論が行われている。しかし、その結果、介護労働環境にどんな影響を与えるかという検討はあまりおこなわれていない。日本人の志望者はますます減少するように思う。介護労働者に負担が大きいのは入浴排泄の介助なのだが、これは介護者だけではなく、介護される側にも負担だということに留意する必要がある。排せつの介助をされるようになると、急速に痴呆が進むという話を聞いたことがあるが、それもそうであろう。極力機械できるものは機械化し、人力に頼らないですむような試みをしてはどうなのだろうか。いずれにしても、人口減少、高齢化、人材(人手)不足の方程式は難しい。めざす解は人口増と生活できる年金の維持ではなく、高齢になっても働けるうちは働くのが当然という社会なのかもしれない。
2023年12月27日
閲覧総数 320
7
米国の大統領選の結果のでた日、机の上にあった朝刊の見出しをみると、史上まれにみる接戦、結果判明に数日も…という見出しが躍っていた。たしか、米国大統領選の情勢はマスコミ報道によると大接戦ということであったし、それはおそらくその取材源となった米国の高級紙もこうした論調だったのだろう。そして結果が判明した後、日本在住の米国人論客の多くが選挙結果に落胆する意見をネットに掲載していた。彼らが米国の世論すべてを代表しているわけではないが、米国のいわゆるインテリ層の意見というのはこうしたものではないのだろうか。マスコミ人士に代表されるインテリ層や都市型富裕層、そしてハリウッドセレブのような社会的に影響力のある成功者達はほぼ民主党の候補を推していた。一昔、いやふた昔前の選挙だったらここで勝負がついたのだろう。マスコミは社会の木鐸であり、セレブはオピニオンリーダーだったのだから。でも、時代は変わった。人々はネットというものを手にしたので、自分で情報を探し、自分で意見を形成するようになった。経済が好調だといっても、その富は自分のところには来ない。物価だけはあがり生活は苦しくなるばかりだ。そんなところにエリートの黒人女性が大統領候補をしてでてきて、黒人だから黒人の支持があって当然だ、女性だから女性の支持があって当然だ、ダイバーシティだから女性でマイノリティの大統領はおおいにけっこうではないか…といわれてもねえ、というのが多くの人の感想だったのではないか。マスコミやハリウッドセレブたちがやたらと彼女を支持しているけれども、マスコミ人士もセレブも自分とは別の世界の人間だからなあと思った人も多かっただろう。さらにいえばここ何年かで目立ってきたポリコレだのダイヴァーシティだのに辟易としている人もきっといる。ポリコレといって金髪碧眼のイメージだった中世ヨーロッパの物語のお姫様を黒人にして誰が喜ぶのだろうか。ダイヴァーシティといって下駄をはかせて要職に女性をつけたところで、一般の女性にとってはどうでもよい話だ。今回の選挙結果についてはサンダース氏の言った「労働者を見捨てた政党は労働者に見捨てられる」というものが一番正鵠を射ているようにみえる。リベラルと左翼は違う。トランプが庶民の味方とも思えないが、不法移民排斥は実際に職を奪われ、待遇が低下し、治安悪化に不安を持つ庶民層の琴線にふれただろうし、利口ぶったエリート女よりも面白いおっちゃんの方が投票先としてもよいに決まっている。今回の大統領選は庶民を見捨てたリベラルの退潮の契機になるのかもしれない。
2024年11月10日
閲覧総数 48
8
米国大統領選をニュースでみているが、日本の感覚では異様に見えることが多い。まず、セレブといわれる著名な芸能人達が自身の応援する候補を明確にし、実際にそのための活動を行っていること。次には、日本で報道されるマスコミのほとんどが一方の候補者に肩入れしているように見えること。さらに、これが最も異様なのだが、マスコミが総出、セレブが総出で応援しているような候補がどうやら敗北しそうなこと。米国の事情には詳しくないし外国滞在経験もないのだが、よくいわれる人種とか宗教による分断の他に、もう一つの分断があるように思えてならない。つまり、高学歴インテリとそれ以外の大衆との間の分断である。日本にいてメディアの報道ばかりみていると、聞こえてくるのが高学歴インテリの意見である。だから事前の報道の印象と実際の結果の落差にとまどう。インテリ以外の大衆といっても、米国のような強固な二大政党では、いわゆる左翼の出番はない。ただ左翼でなくとも、結局はインテリ以外の大衆をつかんだ政治勢力が急伸する。この点、トランプのように新規移民に厳しい政策をとり、偉大なアメリカの復活を唱える候補は強いのかもしれない。貧しい移民の流入によって職を奪われたり、待遇が低下したり、はては住んでいる地域の治安が悪くなって困るのは、その国にもとからいた貧困層である。そしてまた、能力主義と自己責任論の中で不本意な生活をしている人々は偉大な〇〇国民のような自分に自信を与えてくれるようなアイデンティティを求めるものである。
2024年11月07日
閲覧総数 108
9
漫画家の楳図かずお氏が亡くなった。この人の漫画にはあまりいい思い出はない。とにかく怖くて、それもなんか憂鬱になる怖さだった。一番怖かったのは「紅クモ」という漫画で、毒クモを口に入れられた美少女が次第に化け物になっていく話だった。化け物に襲われる話と自分が化け物になる話とどっちが恐ろしいだろうか。いうまでもなく後者である。化け物から逃げることはできても、自分からは逃げられないのだから。とにかくこの頃の楳図氏の漫画は普通の少女が化け物になるような話が多かったように思う。「へび少女」とか「猫目の少女」とか…いやだよね、こういう話。そしてしばらく後で読んだ漫画「ネコ目小僧」もまた怖かった。ネコ目小僧という妖怪少年が主人公でも鬼太郎のような懐かしく土俗的な怪談ではなくて、ひたすら気持ち悪い話だ。再生力の異常に強い男がいて、足を切ると、その足が化け物になって屋敷をはい回る。特に印象的な話は怪奇肉玉という話で肉の塊のような化け物を見ると必ず死ぬ。肉玉を見ないように目をつぶしても闇の中に肉玉がみえるというような話だった。ある解説によるとこの肉玉は癌のことだとあった。そうかもしれない。だいたい恐ろしい怪談というものは、なにか潜在的な現実の恐怖がかくれている場合が多い。一時流行った口裂け女などは少女が女性になることの恐怖が背景にあったのだろう。少女が女性になることは、現実には出産など生命の危険にさらされることであり、今でも途上国では女性の平均寿命の方が短いという。だから口裂け女を怖がったのは小学校高学年の少女たちで男子はさほど騒がなかったという。まあ、それ以外の怪談でも、それが死の予兆だとなると、とたんに怖さが増す。楳図氏の漫画はそうした人間の潜在的恐怖にフィットするようなところがあり、だから今でも思い出すと怖いのだろう。
2024年11月12日
閲覧総数 38
10
銚子市の屛風ヶ浦は日本のドーバーともよばれる景勝地なのだが、そこにレンガ色のひときわ目を引く立派な建物がある。例の加計学園で有名になった千葉科学大学である。科学大学といっても物理や化学を専攻するのではなく、学部は危機管理学部、薬学部、看護学部である。その千葉科学大学が志願する学生が減り苦境に陥っているという。公立化を模索しているというが、ただでさえ破格の条件で大学を誘致した銚子市にとって大学の存在は財政上の負担となっている。これ以上の負担は市は望まないとなると、結局のところ県の負担で大学を維持することになるのかもしれない。危機管理学部もよくわからないが、就職の固そうな薬学部や看護学部にさえ学生が集まらないというのは、もうその大学に対する社会的需要はないということなのではないのだろうか。公立や国立にすれば学生は集まるかもしれないが、そうした公立ブランド、国立ブランドというものも過去の話で経営難で公立化した大学にそうしたブランドイメージがあるとも思えないし、安い授業料はその分、どこかが税金で負担するわけである。そうまでして大学を維持する理由というのがよくわからない。なお銚子市の財政はかなり厳しいようで、景勝地にかかわらず廃墟が目立ち、犬吠埼の遊歩道は震災で壊れたまま整備もされないで放置されている。
2023年11月20日
閲覧総数 101