ドクターイワタの認知症ブログ~東海エリア最高の治療実績~

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Mar 15, 2026
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ドクターイワタの認知症治療
​​​​​~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名​~​​​​


上記、新患予約サイトにて予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。



​問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸)ビタミンD、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日からサプリメント治療および他院投薬調節を行います。1週間後には血液検査結果に従って食事指導および補充療法を開始します。自己免疫疾患やアレルギー疾患がある場合はGFCF指導もおこないます。

​新患予約サイト​ ​​​

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​長久手南クリニック 外来看護師募集 ​​
外来看護師を募集しています。午前中のみの外来診療。週3回程度。8:00出勤、12:00までに勤務終了して帰宅できます。認知症治療について学べます。


症例報告


知り合いからの紹介である。既往歴:R1降圧剤、うかい内科。R2右橈骨骨折、日進おりど病院。物忘れ、振戦、難聴軽度を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。食欲低下にメコバラミン0.5mgを開始した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+1)、近時記憶1/6(-2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TG174,Zn68以外異状なし。VitB1=23,VitB12=164,葉酸=7.4。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠から1錠へ減量、ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン1Ap筋注およびメコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。35日後、中核症状は改訂長谷川式:改訂長谷川式:23/30(+3)、近時記憶4/6(+3)と中等度改善した。
治療のポイント
1. フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療
フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。



2. ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。




3. 味覚低下または亜鉛欠乏症
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。







知り合いからの紹介である。既往歴:R4右人工股関節置換術、藤田医科大学。なしのきクリニック①ミカルディス20mg②ビオスリー配合2錠。薬を服用すると血圧が低くなったのが気になるを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞軽度、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:0、特発性基底核石灰化症(IBGC)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9 、改訂長谷川式:29/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にミカルディス20mg中止した。ビオスリー配合2錠継承した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。42日後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、治癒状態となった。甲状腺正常。一般採血:s-Cr0.93,eGFR43.7,Alb3.7,TCL184,Hb11.6,Zn44以外異状なし。VitB1=24,VitB12=344,葉酸=5.1。低アルブミン血症に鶏卵2個、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。多発性脳梗塞にバイアスピリン100mgを開始した。
治療のポイント
1. 脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。



2. 低アルブミン血症に対する治療
低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。



3. ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。






知り合いからの紹介である。既往歴:森下医院①リバロ1mg②ミカルディス20mg③アムロジピン5mg。 物忘れ、暴言(怒りっぽい)、1か月前に頭部外傷を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:0、右慢性硬膜下水腫(CSDH)/多発性ラクナ梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にリバロ1mg/ミカルディス20mg中止、慢性硬膜下血腫に五苓散7.5gを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。11日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+3)、近時記憶6/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL134,Hb11.5,Zn62以外異状なし。VitB1=29,VitB12=152,葉酸=2.9。認知機能低下にアムロジピン5mg→2.5mgへ減量した。低アルブミン血症に鶏卵2個、ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン1Ap筋注およびメコバラミン1mgを開始した。亜鉛欠乏症にジンタス25mg開始した。
治療のポイント
1. スタチン中止
高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。




2. 脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。



3. 慢性硬膜下血腫の保存的治療および再発防止に五苓散7.5gで治療
五苓散は水チャンネルを活性化することで慢性硬膜下水腫および血腫を減らす効果があることが証明されています。 しかし、五苓散で血腫が減らないケースもあります。その場合は柴苓湯9gで治療を行います。柴苓湯には間質性肺炎および肝機能障害の副作用があるため注意しなければなりません。

4. 低アルブミン血症に対する治療
低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。



5. ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。



6. 味覚低下または亜鉛欠乏症
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgまたはジンタス25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。







知り合いからの紹介である。既往歴:H2乳腺肉腫、愛知県がんセンター。さとう内科クリニック①アムロジン錠2.5㎎②チラージンS錠50③クレストール錠2.5mg④エパデール900mg⑤グーフィス5mg。公立陶生病院メンタルクリニック①ジプレキサ錠1.25→2.5㎎。物忘れ、妄想、夜間せん妄、夜間不眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他  左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:2、特発性基底核石灰化症(IBGC)/レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg/ジプレキサ2.5mg/グーフィス5mg中止、夜間せん妄にロゼレム4mg/リボトリール0.125mg、アムロジン錠2.5㎎/チラージンS錠50継承、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にエパデール900mg→プレタール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+3)、近時記憶5/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr0.89,eGFR46.8,TCL134,TG157,Zn66以外異状なし。VitB1=30,VitB12=298,葉酸=5.2。認知機能低下にアムロジン2.5mg→1.25mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。亜鉛欠乏症にプロマック75mg開始した。頭痛のためプレタール50mg→バイアスピリン100mgへ変更した。
治療のポイント
1. スタチン中止
高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。



2. 抗精神薬の投与は認知機能低下および錐体外路症状を引き起こす
認知症の周辺症状(BPSD)に対する抗精神薬の投与は過鎮静に伴う認知機能低下および錐体外路症状を引き起こす。抗精神薬を必要最小限にすることで過鎮静を避け、認知機能改善および歩行改善を図ることは重要である。この方の場合は夜間せん妄に対して他院から処方されていた抗精神薬ジプレキサ2.5mgを中止することにより認知機能改善を図った。
3.せん妄に対する治療
夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。
4.プレタール先発品:認知症改善効果
シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、頭痛や心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。




5.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療
高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。



6.ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。



7.味覚低下または亜鉛欠乏症
亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgまたはジンタス25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。



知り合いからの紹介である。既往歴:大橋医院①エゼチミブ10mg②フェノフィブラ-ト106.6mg③猪苓湯6g④ユリス1mg⑤エンレスト400mg⑥コニール2mg。公立陶生病院腎臓内科①ジャディアンス10mg。物忘れ、幻視、昼間傾眠、夜間せん妄、徘徊を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他  両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、特発性基底核石灰化症(IBGC)/レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:15.5/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。認知機能低下にエゼチミブ10mg/フェノフィブラ-ト106.6mg/猪苓湯6g/ユリス1mg/ジャディアンス10mg中止、エンレスト200mg/コニール2mg→ブロプレス8mg/コニール2mg、グルテンフリー・カゼインフリー指導、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)/慢性腎不全にシトルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:19.5/30(+4)、近時記憶4/6(+-)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr1.27,eGFR43.1,Alb3.8,TCL183,Zn63以外異状なし。VitB1=30,VitB12=195,葉酸=6.0。ビタミンB12欠乏症ににシアノコバラミン1Ap筋注およびメコバラミン1mg、夜間せん妄/夜間不眠にロゼレム4mg/リボトリール0.25mg/レンドルミン0.25mgを開始した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+3.5)、近時記憶5/6(+1)。6か月後、一般採血:s-Cr0.94,eGFR59.7,Alb3.7,TCL269,Zn61以外異状なし。VitB12=774。慢性腎不全はシトルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを6ヶ月間投与でほぼ治癒した。
治療のポイント
1.スタチン中止
高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。


2.エンレスト中止
エンレストは慢性心不全(50-200mg)および高血圧症(100-200mg)に適応があり、サクビトリル及びバルサルタンに解離して,各々ネプリライシン及びAT1受容体を阻害します。サクビトリルはエステラーゼによりネプリライシン阻害の活性体であるsacubitrilatに速やかに変換、ネプリライシン阻害は血管拡張作用、利尿作用、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)抑制作用、交感神経抑制作用、心肥大抑制作用、抗線維化作用及びアルドステロン分泌抑制作用を有するNa利尿ペプチドの作用亢進に寄与します。一方でネプリライシンは疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でタンパク質のペプチド結合を切断する細胞膜結合型のタンパク質分解酵素であり、脳内でアミロイドβを分解する主要酵素であり(J Neurosci. 2004 Jan 28;24(4):991-8.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14749444/。ネプリライシン活性を上げることで脳内アミロイドβを減らしアルツハイマー型認知症治療に結びつける可能性も報告されています(Mol Psychiatry. 2022 Mar;27(3):1816-1828.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34737456/。従って、エンレストは脳内アミロイドβを増やし、アルツハイマー型認知症を悪化させてしまう認知症誘発薬と言えるのです。



3.ブロプレスによる認知機能改善効果
アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARBs)がアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、非ARB/ACEIの降圧剤、または降圧剤の使用をしないよりも高血圧患者のアルツハイマー病および関連する認知症(AD/ADRD)リスクを減らす上で優れていることを示唆しています。また、ARBにおける脳血管門(BBB)透過率はADRD発生率の低下と関連していました。AD、ADRD、血管性認知症には治療法がありません。したがって、これらの発見はこれらの障害を安価で便利かつ安全な方法で予防する上で重要です(EBioMedicine. 2024 Nov;109:105378)。認知機能低下予防効果はARB>ACEI>non-ARBの順になります。ARDの中でもブロプレスが一番優れていることがデータ分析から示唆されています。従ってARBであるブロプレスがnon-ARB/nonACEIであるアムロジンよりも認知機能低下予防効果があるという結論が導かれます。


4.降圧剤減量およびシトルリン含有赤ミミズエキス粉末1-2Capによる腎不全に対する治療
シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。腎不全の治療には降圧剤を減らすことが第一選択です。シトルリン含有赤ミミズエキス粉末1-2Capが第2選択になります。







5.ビタミンB12低下症
ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。



6.せん妄に対する治療
夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。









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Last updated  Mar 20, 2026 11:15:12 AM
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